焔の間:~青炎と溶けない氷~: 青の祓魔師 奥村燐と勝呂寄り

生まれたときから"変"だった


私が泣けば"水道が破裂"


私が怒ると"液体は熱くなった"。


幼稚園のとき、友達にものを投げられて睨み付けたら


その子目掛けて"ホースから水が噴射し止まらなくなった"


男子にいじめられたときは怒ったらさっきまで晴れて空は"雷雨になった"


機嫌がいいとなにも起こらない


機嫌が悪いと"水に関するものに何かが起こった"


ほたる名無しさんを怒らせると不幸が起こる


そう部屋で大声で言われて誰も近づいてこないか、私のご機嫌を損なわせまいと必死だった。


そんな生活が嫌だった。


それでも母だけは優しかった。


大好きなお母さん。


それでもたまに辛そうだった。


時々部屋でなにかに祈りを捧げてる。


幼稚園児のとき、大きな地震が起こった。


あちこちから"青い炎"が出ていた。


今でもよく覚えてる。


私の住むところは被害がもっとも大きかった。


でも私の家だけ激しく炎に焼かれた。


そして"母だけが青い炎で怪我をした"。


私はなぜか"水"で体が濡れているだけだった



『お母さん!嫌だよ…死なないで…』

「名無しさん…早く離れて…」

『嫌!今助けるから!』



唯一の肉親で、唯一守ってくれた人。

絶対に死なせたりしない。



《すまない》



母がそういった。でも声が母じゃなかった。

優しい感じだけど気味が悪い。

いつもの母じゃない。

誰なんだ。



《すまない》

『?』

《炎からお前の母を守れなかった》

『守る?あなただれ?』



母は"青い炎"にあって皮膚が溶けているはずなのに

何事もなかったかのように立ち上がった。


《俺は堕天した天使。今は悪魔だ。》

『あ、悪魔?』

《そうだ。俺の名はクロセル。ソロモンに封印された"天使"だ》



クロセル

浴槽の公爵、かつては能天使

銀髪の美しい天使の姿で琥珀色の猫の様な目

科学全般に関する知識を持っていて

悪天候の幻覚を作り出すことが出来る

水の温度を自由に加減することが出来たり

決して解けない氷の剣を持つことがあり

この剣で切りつけられた部分は凍傷を起こして、いずれ腐り落ちる

ソロモン王に封印された72柱の悪魔の一人



『な、なんでその悪魔がここに?』

《お前の母が数ヵ月前から"娘を守ってくれ。もうすぐサタンの炎が復活する"と俺に助けを求めてきた。》

『"サタン"?』

《サタンは虚無界の神》

『虚無界の神?』

《ああ。悪魔の創造主と言われている。
虚無界というのは悪魔のすむ世界。
サタンと悪魔は区別されているが俺は顔が広い。
多少サタンとも知り合いだ。そしてサタンは
"サタンの落胤"を虚無界に連れ込むつもりだ》

『そのサタンの落胤はどこに?』


《この世界にいる。そしてお前はいずれそいつと会う。
そいつはサタンの血を受け継いでいる。
サタンの憑依に耐えられるものは物質界には存在しない》

『そのサタンの炎で人は殺られるの?』

《ああ。普通の人間に直接害がでる。だが"お前は俺の子供"だから簡単に死ぬことはない》



一瞬、頭が真っ白になる



"私が悪魔の子"?



でもお母さんは言っていた



"あなたの父は死んだ"って。



その死んだって、"天使として死んだ"ってこと…?



《サタンが復活し物質界を破壊しかねん。サタンを倒してこの世を守るしかない。一緒に虚無界に行こう》

『待って!私は悪魔の子なんかじゃない。そんな話、聞いたこともない』

《お前は俺の子供なんだ。その証拠に今までお前が怒ったときや恐かったときのことを思い出してみろ。》



私が泣けば"水道が破裂"


私が怒ると"液体は熱くなった"。


幼稚園のとき、友達にものを投げられて睨み付けたら


その子目掛けて"ホースから水が噴射し止まらなくなった"


男子にいじめられたときは怒ったらさっきまで晴れて空は"雷雨になった"



機嫌がいいとなにも起こらない

機嫌が悪いと"水や液体に何かが起こった"



《アレは全部名無しさんがやったことだ。自分自身を守るために俺の力が働いたんだ》

『う、嘘…』

《嘘ではない。俺の血を継ぐ名無しさんだ。俺の能力が引き継がれていて当たり前だ。》



意味がすぐにはわからない。

悪魔の子だ、俺の子供だと言われ

はいそうですか、といく者はいない。



《力を貸してくれ。お前の母を守れなかったのは俺の責任でもある。サタンを倒すためだ》



お母さんの腕……クロセルの腕が私をつかむ



「ごめんね……名無しさん」



『お…母さん?』

「最後まで……守ってあげられなくて…」

『お母さん!』



ギュッと抱き締めてくれる。

母の声、匂い、温かさ。

いつもの、毎日見る母だ。



「本当に…ごめん……。でもお父さんが……クロセル…が守ってくれる…悪魔は悪いものだけど、いい悪魔もいる。クロセルは大丈夫……だから…サタンを…倒して…まだ小さいあなたにはわからないかもしれない…でも名無しさんならできる………愛してるわ…」



そう言って母の体が地面に倒れた。

雨が降ってきた。

嗚呼、これは私が降らした雨なんだろうか。

青い炎が消えていく…。



《頼む。母の敵のためだ。俺を使い魔として使ってくれ》



悪魔……クロセルはそう言った。

それからクロセルは母の体から離れ

美しい天使の姿で現れた。

たしか呼び出されたりすると天使ででてくるとか。



《会いたかったわ》

『………』

《どうかしたの?》

『悪魔の公爵なんじゃないの?』

《そうよ》

『呼び出されると美しい天使の姿で現れるって
聞いたことあるけど、口調まで女の人になるの?』

《ええ。名無しさんの中にいるときは男。
呼び出されると女になるの》

『…へー』



まだ幼かった私にはこんな反応しかとることはできなかった



《そうね。珍しいかもしれないわ。あとこれ、私の力が入っている氷の剣。絶対に溶けることはない。護身用に持ってて。普通の人間にたいしては使ってはダメよ。使うのは悪魔に憑依された人間か悪魔にだけ。これからよろしくね。悪いことはしないから体の中に入らせて》



そう言ってクロセル……私の父は私の体に入っていく。



『溶けることはない氷の剣…』

《ああ。絶対に溶けることは無い》

『すごい』

《困った時は剣を抜くんだ。何時でも助けになろう》


憎むべき、倒すべき堕天使…悪魔。

クロセルはいい悪魔みたいでよかった。



『私は…悪魔の子……でも……クロセル…いつか…
絶対に"祓魔師"になって…サタンを見つけて倒すよ』




To be continued
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