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初恋は実らない。
それは昔からよく聞く話。
でも何度目であろうと実らない時は実らないんだ。
それを私は痛感している。
教室でお昼ご飯を食べている時、友達が唐突に話題を振ってきた。
「ねぇ、恋は誰がカッコいいと思う?」
「何が?」
「同級生の男子で!」
あぁ、いつの間にかまた恋バナになっていたんだ。
本当この話題はループするなぁ、なんて私は思っていた。
すぐに答えない私の代わりに他の友達が先に宣言する。
「私は、やっぱ羽月くん!サッカー部エースでカッコいいよね!」
「あー、わかるー!でも、東郷くんもカッコよくない!?めっちゃ頭良いし!」
「わかる!話すと意外と気さくだよね!」
カッコ良い男子の話でどんどん盛り上がるグループ内。
一通り名前が挙がった所で話題は戻ってきた。
「で、恋は?誰かいないの?」
「えー…?そうだなぁ。…木暮…とか?」
私は純粋にそう思っていたから、初めてその名を口にした。
けど、私の予想していた反応とは全然違ったものがすぐに返って来た。
「木暮ー?あのメガネの?」
「恋と幼馴染なんだっけ」
「えー、木暮ってどっかナヨナヨしてて嫌ー」
「わかるわー。何か頼りないよねー」
笑いながらそう話す友達に私は何故だか急に恥ずかしくなった。
だから言ったんだ。
「…あはは、冗談なんだけど!何で信じるのー!」
同じように笑って冗談だと言う私に、友達はさらに笑って答えた。
「なーんだ。そりゃそうだよね!」
「マジびびったし!」
「じゃあ、誰?」
「どうだろ。考えた事ないや」
「そう言えば3組のさ…」
すぐに話題は次へ移って、他愛もない会話へと繋がる。
私はただ愛想笑いを浮かべていた。
それは中学の時の話。
友達とカッコ良い男子の話になって。
私は昔から木暮をカッコ良いって思ってた。
確かにちょっと頼りない所はあるけど、ここぞって時は頼りになるから。
でも一般的にはカッコ良い部類には入らないって初めて知って、そう言ってしまった自分が何か急に恥ずかしくなって、冗談にした。
その時に私の想いも冗談にして消し去った。
その日から私は木暮と疎遠になっていった。
私が避け始めたから。
木暮はそれをただ受け入れただけで、どんどん2人で話す機会はなくなっていった。
家は隣同士の距離なのにどこまでも遠くなった気がした。
それから高校に入って三井と仲良くなって、何かいいなって思うようになった。
仲は良かったけど、告白なんてできなかった。
それからしばらくして、三井の好きな子の事を知った。
「ねぇ、三井ってあの子のどこが好きなの?」
ある日の放課後、日誌を書いている時に私は聞いてみた。
三井はすぐに焦ったような顔になった。
「はぁ!?べ、別に何でもいいだろ!」
「うん、まぁ、そうだけどさー。ちょっと気になって」
「何だよ、恋には関係ねぇだろ。別に俺を好きってわけじゃあるまいし」
「え?」
「あ?」
そこで反応してしまって、私はどうして良いか分からなくなった。
三井も怪訝そうに私を見ていた。
そうなると、勝手に言葉が出た。
「…もし、好きって言ったらどうするの?」
「はぁ!?」
明らかに三井は焦った顔をした。
けど、それはすぐに困った顔に変わっていく。
「あー、恋の事はダチだと思ってるっつーか…その…」
凄く気まずそうに言う三井に、私は後悔した。
だから、言ったんだ。
「っはは、冗談だから!何マジになってんの!」
また笑って冗談にした。
そうしたら明らかに三井はホッとした顔で言った。
「はぁ!?んだよ、本気で焦ったじゃねぇかよ!」
「ごめん、ごめん!私も三井の事は友達としか思ってないから!」
「ったくよー」
2人で笑って、また日誌を書いた。
時々、他愛もない話をしながら。
その時に思い知った。
薄々は感じていた事でもある。
好きな子とはタイプが全然違うから、三井が私を好きになる事はないんだろうと思った。
本当に意識した事なんてなかったんだろうなって反応だったから。
木暮は私が落ち込んでいるのに気付くのが早い。
幼馴染故なのか何なのか。
昔からすぐ気付いて心配してくれて。
嬉しいけど、でもどこかイライラした。
優しくしないで欲しいと思った。
昔に蓋をした感情が出てきそうだから。
木暮は誰にでも優しい。
私だけじゃない。
私は三井が好きなんだ。
けど、実る事はないから、三井が幸せになって欲しい。
だから、彼女が出来たらどこかホッとするんだ。
三井に彼女がいるのは私の為でもある。
私は三井が好きだから。
そう思っていたかったのに…。
『俺は昔からずっと恋が好きなんだよっ』
先日、言われた言葉。
私はすぐそこから走り去ったけど、ずっと頭から離れない。
そんな事を今更言われても困る。
私は三井が好きなんだ。
そう、三井が…。
強くそう思おうとしても、ずっと木暮の顔が離れない。
あの時、やっぱりカッコ良いなと思ってしまった。
昔から真っ直ぐに向けられる木暮の視線には弱かった。
1番は木暮の笑顔だけど。
でもここ何年かその好きな笑顔を見た覚えはない。
私から疎遠になったから仕方ない。
でも、その笑顔が今、他の子に向けられてるかも知れないと思ったら嫌な自分がいる。
私は今でも木暮が好きなのかもしれない。
でも今更それを伝える事は叶わない。
どうしてあの時、私も木暮が好きだと伝えなかったんだろう。
何度木暮を好きになっても、やっぱり実る事はないのかも知れない。
あの笑顔は誰に向けられてしまうんだろう…。
それは昔からよく聞く話。
でも何度目であろうと実らない時は実らないんだ。
それを私は痛感している。
***
教室でお昼ご飯を食べている時、友達が唐突に話題を振ってきた。
「ねぇ、恋は誰がカッコいいと思う?」
「何が?」
「同級生の男子で!」
あぁ、いつの間にかまた恋バナになっていたんだ。
本当この話題はループするなぁ、なんて私は思っていた。
すぐに答えない私の代わりに他の友達が先に宣言する。
「私は、やっぱ羽月くん!サッカー部エースでカッコいいよね!」
「あー、わかるー!でも、東郷くんもカッコよくない!?めっちゃ頭良いし!」
「わかる!話すと意外と気さくだよね!」
カッコ良い男子の話でどんどん盛り上がるグループ内。
一通り名前が挙がった所で話題は戻ってきた。
「で、恋は?誰かいないの?」
「えー…?そうだなぁ。…木暮…とか?」
私は純粋にそう思っていたから、初めてその名を口にした。
けど、私の予想していた反応とは全然違ったものがすぐに返って来た。
「木暮ー?あのメガネの?」
「恋と幼馴染なんだっけ」
「えー、木暮ってどっかナヨナヨしてて嫌ー」
「わかるわー。何か頼りないよねー」
笑いながらそう話す友達に私は何故だか急に恥ずかしくなった。
だから言ったんだ。
「…あはは、冗談なんだけど!何で信じるのー!」
同じように笑って冗談だと言う私に、友達はさらに笑って答えた。
「なーんだ。そりゃそうだよね!」
「マジびびったし!」
「じゃあ、誰?」
「どうだろ。考えた事ないや」
「そう言えば3組のさ…」
すぐに話題は次へ移って、他愛もない会話へと繋がる。
私はただ愛想笑いを浮かべていた。
それは中学の時の話。
友達とカッコ良い男子の話になって。
私は昔から木暮をカッコ良いって思ってた。
確かにちょっと頼りない所はあるけど、ここぞって時は頼りになるから。
でも一般的にはカッコ良い部類には入らないって初めて知って、そう言ってしまった自分が何か急に恥ずかしくなって、冗談にした。
その時に私の想いも冗談にして消し去った。
その日から私は木暮と疎遠になっていった。
私が避け始めたから。
木暮はそれをただ受け入れただけで、どんどん2人で話す機会はなくなっていった。
家は隣同士の距離なのにどこまでも遠くなった気がした。
それから高校に入って三井と仲良くなって、何かいいなって思うようになった。
仲は良かったけど、告白なんてできなかった。
それからしばらくして、三井の好きな子の事を知った。
***
「ねぇ、三井ってあの子のどこが好きなの?」
ある日の放課後、日誌を書いている時に私は聞いてみた。
三井はすぐに焦ったような顔になった。
「はぁ!?べ、別に何でもいいだろ!」
「うん、まぁ、そうだけどさー。ちょっと気になって」
「何だよ、恋には関係ねぇだろ。別に俺を好きってわけじゃあるまいし」
「え?」
「あ?」
そこで反応してしまって、私はどうして良いか分からなくなった。
三井も怪訝そうに私を見ていた。
そうなると、勝手に言葉が出た。
「…もし、好きって言ったらどうするの?」
「はぁ!?」
明らかに三井は焦った顔をした。
けど、それはすぐに困った顔に変わっていく。
「あー、恋の事はダチだと思ってるっつーか…その…」
凄く気まずそうに言う三井に、私は後悔した。
だから、言ったんだ。
「っはは、冗談だから!何マジになってんの!」
また笑って冗談にした。
そうしたら明らかに三井はホッとした顔で言った。
「はぁ!?んだよ、本気で焦ったじゃねぇかよ!」
「ごめん、ごめん!私も三井の事は友達としか思ってないから!」
「ったくよー」
2人で笑って、また日誌を書いた。
時々、他愛もない話をしながら。
その時に思い知った。
薄々は感じていた事でもある。
好きな子とはタイプが全然違うから、三井が私を好きになる事はないんだろうと思った。
本当に意識した事なんてなかったんだろうなって反応だったから。
***
木暮は私が落ち込んでいるのに気付くのが早い。
幼馴染故なのか何なのか。
昔からすぐ気付いて心配してくれて。
嬉しいけど、でもどこかイライラした。
優しくしないで欲しいと思った。
昔に蓋をした感情が出てきそうだから。
木暮は誰にでも優しい。
私だけじゃない。
私は三井が好きなんだ。
けど、実る事はないから、三井が幸せになって欲しい。
だから、彼女が出来たらどこかホッとするんだ。
三井に彼女がいるのは私の為でもある。
私は三井が好きだから。
そう思っていたかったのに…。
『俺は昔からずっと恋が好きなんだよっ』
先日、言われた言葉。
私はすぐそこから走り去ったけど、ずっと頭から離れない。
そんな事を今更言われても困る。
私は三井が好きなんだ。
そう、三井が…。
強くそう思おうとしても、ずっと木暮の顔が離れない。
あの時、やっぱりカッコ良いなと思ってしまった。
昔から真っ直ぐに向けられる木暮の視線には弱かった。
1番は木暮の笑顔だけど。
でもここ何年かその好きな笑顔を見た覚えはない。
私から疎遠になったから仕方ない。
でも、その笑顔が今、他の子に向けられてるかも知れないと思ったら嫌な自分がいる。
私は今でも木暮が好きなのかもしれない。
でも今更それを伝える事は叶わない。
どうしてあの時、私も木暮が好きだと伝えなかったんだろう。
何度木暮を好きになっても、やっぱり実る事はないのかも知れない。
あの笑顔は誰に向けられてしまうんだろう…。
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