帰り道
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俺がダラダラと帰り道を歩いていると、後ろから声をかけられた。
「信長」
振り返って見れば同じクラスの恋がいた。
ん?
でもこいつって昨日まで歩きじゃなかったか?
「恋ってチャリ通だっけ?」
「うん。昨日までは歩きだったけどねー」
「何で?」
「自転車壊れてさ」
「はぁ?何したんだよ」
「坂道降りてたら転んで壊れたの」
あっけらかんと答えた恋に俺は溜息が出る。
「転んで壊れるってどんな転び方したんだよ…」
「私はちょっと擦りむいただけだったよ!」
えへん!と胸を張る恋に頭が痛くなる。
何でそこを誇るんだよ。
「たくっ。坂道はブレーキかけろよ、ブレーキ」
「始めはかけてたんだよー。でもさ、坂道ってブレーキかけない方が気持ちいいじゃん?」
笑顔で恋はそう答えた。
天真爛漫っつーか、無鉄砲っつーか。
どっか危なかっしいんだよなー、こいつ。
「あ、信長乗る?帰り道、途中まで一緒でしょ」
恋は荷台を指差してそんな事を言ってくる。
俺は内心どきりとしたが、バレないように答えた。
「…たくっ、しゃあねぇなぁ。危ねぇから俺が漕いでやるよ」
「やった!ラッキー」
恋は素早く自転車を降りると俺と交代した。
後ろに恋が乗ったのを確認して俺はペダルを漕ぎ始める。
しばらく走ってスピードが安定すると風が気持ち良い。
ふと恋を見れば笑顔で空を見上げていた。
「楽チン楽チン」
恋はこの2人乗りに何も思わないんだろうか。
いや、思うわけねーか。
「ねぇ、信長」
「何だよ」
「これって放課後デートみたいだね」
「はぁ!?」
恋がそんな事を言うから俺は素っ頓狂な声が出た。
顔に身体中の熱が集まる感じがする。
「あはは、顔真っ赤ー」
「恋が変なこと言うからだほ!」
くそっ、噛んだ!
恋はそれを聞き逃さない。
「ぶっ、だほって!」
「うるせー!」
怒る俺に恋は何も言わないけど、クスクスと笑いが漏れている。
くっそー。
何つータイミングで言うんだよ、こいつは。
「ねぇ、信長」
「今度は何だよ!」
「腰に手回して良いですか」
「はぁ!?」
今度は何言い出すんだ、こいつ。
「だって不安定じゃん?」
恋は今、荷台の後ろを握って乗っているからそこまで不安定でもないはずだ。
そもそも座って乗っているんだから、俺がスピードを出さない限りバランスが崩れる事は早々ない。
けど、俺が変に意識してるって思われるのも癪だ。
「勝手にすれば良いだろ」
「じゃ、遠慮なくー」
恋はそう言って俺の腰に腕を回してくる。
腹の前で手が組まれて俺の心臓は一気にうるさくなった。
「やっぱ、あれだね」
「あ?」
「信長ってガッシリしてんだね。お腹に無駄な肉がない」
恋は俺の腹を軽く摘んだ。
急なくすぐったさに俺は焦る。
「はぁ!?ちょ、離せよ」
「あ」
「え?」
恋の声に視線を前方に戻せば目前に電柱がある。
俺はギリギリの所で避けたけど、バランスが崩れた自転車はそのまま倒れた。
「いってぇぇ」
目の前には地面が見える。
けど、体にある感触は硬いそれではなくどこか柔らかい。
その時、恋が俺の下敷きになっている事に気付いた。
「うおっ、わりぃ!」
慌てて飛び退いた俺に、恋は起き上がると腕を掴んだ。
「ごめん!怪我はない!?」
「あ?あぁ」
「本当に!?」
「ねーって」
どこも変な感じはねぇし、笑顔で俺はそう言った。
でも、何だ?
恋のこの顔。
「ごめんね、悪ノリしすぎた」
恋は立ち上がり自転車を起こそうとする。
俺がそれを奪い起こすと、恋は礼を言うがどこかしょげている気がする。
「ごめんね、バスケ部なのに」
あぁ、分かった。
恋がした表情の理由。
俺が海南バスケ部のレギュラーだから、怪我をさせてしまいそうになった事を後悔しているんだ。
悪ふざけはするけど、礼節弁えてるっつーか、素直っつーか。
こういう所好きなんだよなー…。
「かーかっかっか!心配すんなよ、どこも痛くねぇから!」
そんな顔をする恋が嫌で俺が笑ってそう言うと、恋は心底ホッとした様子で俺を見返した。
気付けば俺は無意識に恋の頭を撫でていた。
恋は驚いた顔で俺を見たけど、はにかんだ笑いを返す。
途端に俺の手はぎこちなくなった。
この手はどうすりゃ良いんだ。
つーか、恋はどう思ってんだ?
嫌だったら普通はらうよな?
…あー…離したくねぇなぁ…。
もう少しだけ…。
あと少しだけ撫でさせてくれ。
「信長」
振り返って見れば同じクラスの恋がいた。
ん?
でもこいつって昨日まで歩きじゃなかったか?
「恋ってチャリ通だっけ?」
「うん。昨日までは歩きだったけどねー」
「何で?」
「自転車壊れてさ」
「はぁ?何したんだよ」
「坂道降りてたら転んで壊れたの」
あっけらかんと答えた恋に俺は溜息が出る。
「転んで壊れるってどんな転び方したんだよ…」
「私はちょっと擦りむいただけだったよ!」
えへん!と胸を張る恋に頭が痛くなる。
何でそこを誇るんだよ。
「たくっ。坂道はブレーキかけろよ、ブレーキ」
「始めはかけてたんだよー。でもさ、坂道ってブレーキかけない方が気持ちいいじゃん?」
笑顔で恋はそう答えた。
天真爛漫っつーか、無鉄砲っつーか。
どっか危なかっしいんだよなー、こいつ。
「あ、信長乗る?帰り道、途中まで一緒でしょ」
恋は荷台を指差してそんな事を言ってくる。
俺は内心どきりとしたが、バレないように答えた。
「…たくっ、しゃあねぇなぁ。危ねぇから俺が漕いでやるよ」
「やった!ラッキー」
恋は素早く自転車を降りると俺と交代した。
後ろに恋が乗ったのを確認して俺はペダルを漕ぎ始める。
しばらく走ってスピードが安定すると風が気持ち良い。
ふと恋を見れば笑顔で空を見上げていた。
「楽チン楽チン」
恋はこの2人乗りに何も思わないんだろうか。
いや、思うわけねーか。
「ねぇ、信長」
「何だよ」
「これって放課後デートみたいだね」
「はぁ!?」
恋がそんな事を言うから俺は素っ頓狂な声が出た。
顔に身体中の熱が集まる感じがする。
「あはは、顔真っ赤ー」
「恋が変なこと言うからだほ!」
くそっ、噛んだ!
恋はそれを聞き逃さない。
「ぶっ、だほって!」
「うるせー!」
怒る俺に恋は何も言わないけど、クスクスと笑いが漏れている。
くっそー。
何つータイミングで言うんだよ、こいつは。
「ねぇ、信長」
「今度は何だよ!」
「腰に手回して良いですか」
「はぁ!?」
今度は何言い出すんだ、こいつ。
「だって不安定じゃん?」
恋は今、荷台の後ろを握って乗っているからそこまで不安定でもないはずだ。
そもそも座って乗っているんだから、俺がスピードを出さない限りバランスが崩れる事は早々ない。
けど、俺が変に意識してるって思われるのも癪だ。
「勝手にすれば良いだろ」
「じゃ、遠慮なくー」
恋はそう言って俺の腰に腕を回してくる。
腹の前で手が組まれて俺の心臓は一気にうるさくなった。
「やっぱ、あれだね」
「あ?」
「信長ってガッシリしてんだね。お腹に無駄な肉がない」
恋は俺の腹を軽く摘んだ。
急なくすぐったさに俺は焦る。
「はぁ!?ちょ、離せよ」
「あ」
「え?」
恋の声に視線を前方に戻せば目前に電柱がある。
俺はギリギリの所で避けたけど、バランスが崩れた自転車はそのまま倒れた。
「いってぇぇ」
目の前には地面が見える。
けど、体にある感触は硬いそれではなくどこか柔らかい。
その時、恋が俺の下敷きになっている事に気付いた。
「うおっ、わりぃ!」
慌てて飛び退いた俺に、恋は起き上がると腕を掴んだ。
「ごめん!怪我はない!?」
「あ?あぁ」
「本当に!?」
「ねーって」
どこも変な感じはねぇし、笑顔で俺はそう言った。
でも、何だ?
恋のこの顔。
「ごめんね、悪ノリしすぎた」
恋は立ち上がり自転車を起こそうとする。
俺がそれを奪い起こすと、恋は礼を言うがどこかしょげている気がする。
「ごめんね、バスケ部なのに」
あぁ、分かった。
恋がした表情の理由。
俺が海南バスケ部のレギュラーだから、怪我をさせてしまいそうになった事を後悔しているんだ。
悪ふざけはするけど、礼節弁えてるっつーか、素直っつーか。
こういう所好きなんだよなー…。
「かーかっかっか!心配すんなよ、どこも痛くねぇから!」
そんな顔をする恋が嫌で俺が笑ってそう言うと、恋は心底ホッとした様子で俺を見返した。
気付けば俺は無意識に恋の頭を撫でていた。
恋は驚いた顔で俺を見たけど、はにかんだ笑いを返す。
途端に俺の手はぎこちなくなった。
この手はどうすりゃ良いんだ。
つーか、恋はどう思ってんだ?
嫌だったら普通はらうよな?
…あー…離したくねぇなぁ…。
もう少しだけ…。
あと少しだけ撫でさせてくれ。