帰り道
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肌寒さが身に染みる季節、暗くなりかけている帰り道を俺はただ歩いていた。
そこは、いつもと変わらない風景で、3年間何の変哲も無い日常だ。
強いて言えば帰る時間が少しだけ早くなったくらいだろう。
そんな思考とも言えない程度に頭を使っていると、ふと目に入った光景に俺の足は自然と目的地を変えた。
そこは小さな公園で、ブランコがキィキィと動いている。
そのブランコに乗る恋に、俺は声をかけた。
「何してるんだ?」
「…藤真こそ、何してるの?」
突然俺が現れたからか、恋は少しだけ目を丸くしている。
何と聞かれて俺は返答に困ってしまい、曖昧な言葉が出た。
「別に…」
「用がなかったら、わざわざ公園とか入らないでしょ」
「まぁ…恋が見えたから来ただけだ」
「えぇ?藤真って目良いんだねぇ」
恋はケラケラと笑い、止まりかけていたブランコを再び漕ぎ始めた。
「恋は何してるんだよ」
「ブランコ漕いでるよ」
「そんな事見れば分かる。何で1人でブランコなんか漕いでるんだよ?」
「んー?息抜き」
「…勉強捗ってないのか?」
「まぁまぁかなー」
そう言えば、最近勉強がストレスと言っていたのを思い出す。
恋の目指している大学がレベルの高い所だとは知っている。
恋の反応からするに、息抜きでもしないとやっていられないのだろう。
「ねぇ、藤真」
「何だ」
「ブランコで2人乗りってした事ある?」
唐突すぎる話題に、俺の頭は少しだけ停止した。
恋は何も考えていなさそうに答えを待っている。
「は?…向かい合わせでやるやつか?」
「うん」
「小学生の時にしたけど…」
「今からしない?」
また…何でこう突拍子のない事を言うんだ。
「何で」
「え、何か今急に思い出したからやりたいなって」
「パス」
「えぇー、どうしてよー?」
「どうしてもだ」
「ふーん。じゃあさ、ここ座って」
恋はブランコに立ち上がると、足を左右に広げ椅子を指した。
今度は何なんだ…。
「何で」
「2人乗り。漕いであげる」
「いらねぇよ」
「じゃあ、漕いでくれる?」
「何でそうなるんだよ」
「じゃあ、どっちが良い?」
この笑顔の恋は、やらないと言う選択肢を選ばせてはくれない。
いや、厳密には断れば無理強いするような事はしないはずだ。
けど、その余りの素っ気なさに、俺が勿体ない事をした気分にさせられるから困る。
だから、俺は渋々提案に乗るしかなくて、俺はブランコに座った。
「じゃあ、行くよー」
そう声をかけると、恋は勢い良く漕ごうとしたが、ブランコはビクともしなかった。
それは当たり前で、漕ぎ始めるためには、俺がまずブランコを揺らさなければならない。
でも、俺の足は地についたままだ。
「ちょっと!始めは協力してよ!」
「嫌だね」
恋は不満そうにしていたが、俺だって易々と恋の思い通りにしてやるつもりはない。
ムッとした恋は、グッと俺の背中を両膝で押した。
「いてぇっ!」
「はーあ、つまんない」
「大人しく家で勉強でもしてろ」
「だから、その息抜きだって言ってんでしょー」
恋は諦めたのか、ブランコから下りると隣のブランコに座り1人で漕ぎ始めた。
キィキィと不快な音を立てるブランコはドンドン高くなる。
ある程度まで高さをつけると恋は漕ぐのをやめて、勢いの加わる事がなくなったブランコは惰性で動き続けていた。
「あーあ、あと少しで卒業かぁ」
「もうしんみりしてるのか」
「だって楽しかったし」
「そりゃ良かったな。けど、恋なら大学でも楽しんでるだろ」
「何よ、私が脳天気だって言いたいの?」
「そうじゃない」
俺はブランコから下りると、すでに勢いがなくなり緩やかに揺れる恋のブランコの後ろに回った。
それから、グッとブランコを掴んで後ろに引きパッと手を離す。
「ちょ、急にやめてよ!?」
「ははっ」
焦る恋の顔に俺は思わず笑いが溢れる。
卒業まで後少し。
恋の楽しかった理由の一部に、俺も入っていたら良いと思う。
そう思うのは、惚れた弱みだ。
大学が別なのは仕方ないけど、俺が好きだと伝えれば、この時間はもっと伸ばせるだろうか…。
こうやって馬鹿な事を楽しんで、笑う顔をいつでも見られるようになりたい。
ただ、恋が俺を好きかどうかなんて分からないから、タイミングは大事だ。
…あぁ、でも、やっぱり恋と少しでも長く一緒に過ごしたい。
そう思う俺は、ワガママなんだろうか。
俺は、恋が好きだ。
恋は、俺の事をどう思ってる?
そこは、いつもと変わらない風景で、3年間何の変哲も無い日常だ。
強いて言えば帰る時間が少しだけ早くなったくらいだろう。
そんな思考とも言えない程度に頭を使っていると、ふと目に入った光景に俺の足は自然と目的地を変えた。
そこは小さな公園で、ブランコがキィキィと動いている。
そのブランコに乗る恋に、俺は声をかけた。
「何してるんだ?」
「…藤真こそ、何してるの?」
突然俺が現れたからか、恋は少しだけ目を丸くしている。
何と聞かれて俺は返答に困ってしまい、曖昧な言葉が出た。
「別に…」
「用がなかったら、わざわざ公園とか入らないでしょ」
「まぁ…恋が見えたから来ただけだ」
「えぇ?藤真って目良いんだねぇ」
恋はケラケラと笑い、止まりかけていたブランコを再び漕ぎ始めた。
「恋は何してるんだよ」
「ブランコ漕いでるよ」
「そんな事見れば分かる。何で1人でブランコなんか漕いでるんだよ?」
「んー?息抜き」
「…勉強捗ってないのか?」
「まぁまぁかなー」
そう言えば、最近勉強がストレスと言っていたのを思い出す。
恋の目指している大学がレベルの高い所だとは知っている。
恋の反応からするに、息抜きでもしないとやっていられないのだろう。
「ねぇ、藤真」
「何だ」
「ブランコで2人乗りってした事ある?」
唐突すぎる話題に、俺の頭は少しだけ停止した。
恋は何も考えていなさそうに答えを待っている。
「は?…向かい合わせでやるやつか?」
「うん」
「小学生の時にしたけど…」
「今からしない?」
また…何でこう突拍子のない事を言うんだ。
「何で」
「え、何か今急に思い出したからやりたいなって」
「パス」
「えぇー、どうしてよー?」
「どうしてもだ」
「ふーん。じゃあさ、ここ座って」
恋はブランコに立ち上がると、足を左右に広げ椅子を指した。
今度は何なんだ…。
「何で」
「2人乗り。漕いであげる」
「いらねぇよ」
「じゃあ、漕いでくれる?」
「何でそうなるんだよ」
「じゃあ、どっちが良い?」
この笑顔の恋は、やらないと言う選択肢を選ばせてはくれない。
いや、厳密には断れば無理強いするような事はしないはずだ。
けど、その余りの素っ気なさに、俺が勿体ない事をした気分にさせられるから困る。
だから、俺は渋々提案に乗るしかなくて、俺はブランコに座った。
「じゃあ、行くよー」
そう声をかけると、恋は勢い良く漕ごうとしたが、ブランコはビクともしなかった。
それは当たり前で、漕ぎ始めるためには、俺がまずブランコを揺らさなければならない。
でも、俺の足は地についたままだ。
「ちょっと!始めは協力してよ!」
「嫌だね」
恋は不満そうにしていたが、俺だって易々と恋の思い通りにしてやるつもりはない。
ムッとした恋は、グッと俺の背中を両膝で押した。
「いてぇっ!」
「はーあ、つまんない」
「大人しく家で勉強でもしてろ」
「だから、その息抜きだって言ってんでしょー」
恋は諦めたのか、ブランコから下りると隣のブランコに座り1人で漕ぎ始めた。
キィキィと不快な音を立てるブランコはドンドン高くなる。
ある程度まで高さをつけると恋は漕ぐのをやめて、勢いの加わる事がなくなったブランコは惰性で動き続けていた。
「あーあ、あと少しで卒業かぁ」
「もうしんみりしてるのか」
「だって楽しかったし」
「そりゃ良かったな。けど、恋なら大学でも楽しんでるだろ」
「何よ、私が脳天気だって言いたいの?」
「そうじゃない」
俺はブランコから下りると、すでに勢いがなくなり緩やかに揺れる恋のブランコの後ろに回った。
それから、グッとブランコを掴んで後ろに引きパッと手を離す。
「ちょ、急にやめてよ!?」
「ははっ」
焦る恋の顔に俺は思わず笑いが溢れる。
卒業まで後少し。
恋の楽しかった理由の一部に、俺も入っていたら良いと思う。
そう思うのは、惚れた弱みだ。
大学が別なのは仕方ないけど、俺が好きだと伝えれば、この時間はもっと伸ばせるだろうか…。
こうやって馬鹿な事を楽しんで、笑う顔をいつでも見られるようになりたい。
ただ、恋が俺を好きかどうかなんて分からないから、タイミングは大事だ。
…あぁ、でも、やっぱり恋と少しでも長く一緒に過ごしたい。
そう思う俺は、ワガママなんだろうか。
俺は、恋が好きだ。
恋は、俺の事をどう思ってる?