夏休み前の学校。



「誕生日プレゼントほしーなー」

急に放課後の教室で叫ぶ小饂飩。

『は？』



「ﾋﾟｰっと、オレ様去年誰からもプレゼント貰えなかったんだぜ？」

『ふーん…』

黒撰高校野球部は埼玉県予選で十二支高校に負けたらしく、小饂飩は引退したらしい。
だからヒマになったのだろう。


「そうだ！今年はオレ様の凪にﾋﾟｰなプレゼントを貰うかっ★」
『何でそうなんねん！！いつからあたしはアンタのモノになったの？！』


下品で女好きのコイツ、小饂飩 勇。
気軽に触ってくるし女好きだしﾋﾟｰﾋﾟｰって、ﾋﾟｰﾁｸﾊﾟｰﾁｸ…ひよこ？
下ネタ連発するし
見た目もド派手だし
なーんか変わってるんだよね…。

でも、


カッコ良い。


実はあたしは野球が好きなのだ。
このﾋﾟｰﾋﾟｰ野郎が野球部って意外だけど･･･


グラウンドで練習している小饂飩を見たことがある。

片手でバットを持つめちゃくちゃな打法だった。
テレビで見るプロ野球選手とは全然違う。

なのにポンポン当ててしまうのだ。

ショートの泥片歳との守備も目を奪われる。

中身はこんなんだが実力がある人が好きなあたしにはブッ刺さるのだ…


「…ィ、ォイ、凪？」

『（ﾊｯ…）何？讃岐うどん君』

「（讃岐うどん…）それで？ﾋﾟｰをくれる気になったか？」

『んー…誕生日いつなの？』

「！！！８月１日だ！ﾋﾟｰっと楽しみにしてるぜっ★」


･･･って、８月って夏休みじゃん。ハァ？
ストーカーして届けるか、住所調べて送るか、いや、お金がもったいない。
んﾞー。じゃぁ、

『小饂飩クン』

「何だ凪、オレと付き合ってﾋﾟｰしてくれるのか？」

『･･････』


殴ってやりたい気持ちを抑えて…


『８月１日、１７時に学校に来て？お願い』


学校なら家から近いから小饂飩の家まで行かなくて済む。

暑いから昼は外出たくないし、夕方ならまだマシだ。

「１７時だな！喜んで！！！ﾋﾟｰっと覚悟しとけよーー♪♪♪」

『（何か勘違いしてる…？）』


――――――――――
あいつが喜ぶプレゼントってやっぱエロ本…エロビデオ…エロばっかじゃん！！



・・・・良い事思いついた。

パソコンでエロ画像探して、合成で女の人の顔の所に自分の顔貼れば立派な〔合成〕あたしのエロ画像じゃん!これで喜んだらウケる！

これでは小饂飩と同レベルでは…と自分にツッコミを入れながらも、どんな反応を見せてくれるか好奇心が勝ってしまった。