狗巻
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「ただいまー」
寒かったー、なんて言いながら部屋に入る。棘はこたつに入ってテレビを見ていた。
「いくら~」
こっちを振り返った棘が笑う。私は棘の隣に座った。
「今日、手袋忘れちゃってさ~」
そう言って私が手をこすり合わせていると、横から棘の手が伸びてくる。両手を包まれる。手の熱が伝わってくる。
「棘の手、あったかいね」
「しゃけ」
自然と笑顔になる。暖かい部屋とゆっくりと過ぎる時間。幸せだなあ、と思った。
ふと、棘が何か思いついたように目線を寄越す。こういうときは決まって何か悪巧みをしている時。棘は少し意味ありげに微笑んだ。
棘の手が私の手を撫でる。手の甲から手首。右手を包まれる。指先に触れる。親指、人差し指、中指、薬指、小指。指先から手のひらを指が這う。手首を一周。
触れられたところが熱を帯び、鼓動が速くなる。
両手で私の手を包んで、ふにふにと触る。指の付け根を指が滑る。指を絡める。そのまま手のひらが密着する。するりと離れて指が手のひらを撫でる。手のひらから手の甲。
恥ずかしくなってきて私は手から目線をそらした。自分の鼓動がうるさかった。
棘は私の手を自分の方に持っていった。棘の頬と私の手の甲が触れる。棘と目が合う。棘は目を閉じて私の手に頬ずりした後、また目を合わせた。その熱を帯びた視線に目をそらせなくなる。
「……ツナマヨ?」
棘はそう言って得意げに笑みを浮かべる。
「棘には敵わないなあ」
外は雪がちらつき始めていた。きっとまだまだ寒くなる。
寒かったー、なんて言いながら部屋に入る。棘はこたつに入ってテレビを見ていた。
「いくら~」
こっちを振り返った棘が笑う。私は棘の隣に座った。
「今日、手袋忘れちゃってさ~」
そう言って私が手をこすり合わせていると、横から棘の手が伸びてくる。両手を包まれる。手の熱が伝わってくる。
「棘の手、あったかいね」
「しゃけ」
自然と笑顔になる。暖かい部屋とゆっくりと過ぎる時間。幸せだなあ、と思った。
ふと、棘が何か思いついたように目線を寄越す。こういうときは決まって何か悪巧みをしている時。棘は少し意味ありげに微笑んだ。
棘の手が私の手を撫でる。手の甲から手首。右手を包まれる。指先に触れる。親指、人差し指、中指、薬指、小指。指先から手のひらを指が這う。手首を一周。
触れられたところが熱を帯び、鼓動が速くなる。
両手で私の手を包んで、ふにふにと触る。指の付け根を指が滑る。指を絡める。そのまま手のひらが密着する。するりと離れて指が手のひらを撫でる。手のひらから手の甲。
恥ずかしくなってきて私は手から目線をそらした。自分の鼓動がうるさかった。
棘は私の手を自分の方に持っていった。棘の頬と私の手の甲が触れる。棘と目が合う。棘は目を閉じて私の手に頬ずりした後、また目を合わせた。その熱を帯びた視線に目をそらせなくなる。
「……ツナマヨ?」
棘はそう言って得意げに笑みを浮かべる。
「棘には敵わないなあ」
外は雪がちらつき始めていた。きっとまだまだ寒くなる。
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