サモンナイト2夢 短編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「お砂糖お砂糖♪…って入れすぎた!」
「きゃああああ!小麦粉が!」
隣の台所からユハの叫びが聞こえる。
「…あれ、大丈夫かな?」
リビングに来たロッカが、そこにいたリューグに尋ねる。
「…駄目だろ。さっき俺も手伝おうとしたんだけどよ」
「だ、大丈夫だから!」
「何が大丈夫だ、手伝ってやるよ」
リューグは台所に入ろうとするが、ユハに押し戻される。
「一人でできるから!」
「できそうにねぇから言ってんだろーが!」
なおも手を差し伸べようとすると、その手を払われた。
「リューグは来ないで!」
かっちーん。
「ああそうかよ!二度と手伝ってやらねぇからな!」
「それでいいから!今は来ないで!」
「…だとよ」
「なるほど…」
それでリューグは不貞腐れているのか。
ロッカはため息をつく。
本当にこの二人は不器用すぎる。
リューグの手伝いを執拗に拒むということは、おおかたリューグに渡すお菓子でも作っているのだろう。
二人の恋路を手伝ってやるのも気が進まない。
しかし、このまま放っておけば台所が壊れかねない。
「ユハさん、片付けだけ手伝いましょうか」
「ロッカ…うう…お願い…」
台所の会話が聞こえたリューグ。
「はっ、なんで俺が駄目で兄貴はいいんだよ…馬鹿馬鹿しい」
いよいよ面白くなく、自室に戻ることにした。
リューグが部屋で休んでいると、ドアをノックする音が聞こえる。
「リ、リューグ…」
「…」
「あの…」
「なんだよ」
ユハがドアを少し開けて覗き込みながら話しかけてきた。
しかし、台所での会話が思い出され、適当に返事をする。
「さっきはごめんね…」
「別に」
怒っているわけではない。
だが、兄貴だけ手伝うことを受け入れてもらっていたことが頭をよぎり、またイライラしてくる。
「これ、ひとつしかまともな形にならなかったけど、リューグにと思って」
「…は?」
差し出された手の上には、ハート型のクッキーが一枚。
「…俺に?」
「うん…味は保証できないけど」
味どころか台所も保証されてないんだよなぁ…と思いつつ口に入れる。
詫びのつもりだろうか。
「…」
おいしくもまずくもねぇ。
「どうかな…?」
「微妙だ」
正直に答えてやる。
「ご…ごめんね」
ユハが涙目になる。
チクッと、心が痛んだ。
「…だから手伝ってやるって言ったのによ」
「う、だって…リューグに渡すのに、リューグに手伝ってもらったら意味がなくなるじゃない…」
は?
最初から俺に作るつもりだったのか?
「…そうかよ」
なんだよそれ、悪い気はしねぇな。
「…ありがとよ」
ちょっと照れ臭くなって、目を逸らした。
だから、ユハの顔が少し赤くなっていたのには気づかなかった。
「初めはアメルにでも手伝ってもらって練習したほうがいいぜ」
リューグは食べ終えると、そう言った。
「うん…そうする」
バレンタインまでには。
ユハはそう決心したのであった。
「きゃああああ!小麦粉が!」
隣の台所からユハの叫びが聞こえる。
「…あれ、大丈夫かな?」
リビングに来たロッカが、そこにいたリューグに尋ねる。
「…駄目だろ。さっき俺も手伝おうとしたんだけどよ」
「だ、大丈夫だから!」
「何が大丈夫だ、手伝ってやるよ」
リューグは台所に入ろうとするが、ユハに押し戻される。
「一人でできるから!」
「できそうにねぇから言ってんだろーが!」
なおも手を差し伸べようとすると、その手を払われた。
「リューグは来ないで!」
かっちーん。
「ああそうかよ!二度と手伝ってやらねぇからな!」
「それでいいから!今は来ないで!」
「…だとよ」
「なるほど…」
それでリューグは不貞腐れているのか。
ロッカはため息をつく。
本当にこの二人は不器用すぎる。
リューグの手伝いを執拗に拒むということは、おおかたリューグに渡すお菓子でも作っているのだろう。
二人の恋路を手伝ってやるのも気が進まない。
しかし、このまま放っておけば台所が壊れかねない。
「ユハさん、片付けだけ手伝いましょうか」
「ロッカ…うう…お願い…」
台所の会話が聞こえたリューグ。
「はっ、なんで俺が駄目で兄貴はいいんだよ…馬鹿馬鹿しい」
いよいよ面白くなく、自室に戻ることにした。
リューグが部屋で休んでいると、ドアをノックする音が聞こえる。
「リ、リューグ…」
「…」
「あの…」
「なんだよ」
ユハがドアを少し開けて覗き込みながら話しかけてきた。
しかし、台所での会話が思い出され、適当に返事をする。
「さっきはごめんね…」
「別に」
怒っているわけではない。
だが、兄貴だけ手伝うことを受け入れてもらっていたことが頭をよぎり、またイライラしてくる。
「これ、ひとつしかまともな形にならなかったけど、リューグにと思って」
「…は?」
差し出された手の上には、ハート型のクッキーが一枚。
「…俺に?」
「うん…味は保証できないけど」
味どころか台所も保証されてないんだよなぁ…と思いつつ口に入れる。
詫びのつもりだろうか。
「…」
おいしくもまずくもねぇ。
「どうかな…?」
「微妙だ」
正直に答えてやる。
「ご…ごめんね」
ユハが涙目になる。
チクッと、心が痛んだ。
「…だから手伝ってやるって言ったのによ」
「う、だって…リューグに渡すのに、リューグに手伝ってもらったら意味がなくなるじゃない…」
は?
最初から俺に作るつもりだったのか?
「…そうかよ」
なんだよそれ、悪い気はしねぇな。
「…ありがとよ」
ちょっと照れ臭くなって、目を逸らした。
だから、ユハの顔が少し赤くなっていたのには気づかなかった。
「初めはアメルにでも手伝ってもらって練習したほうがいいぜ」
リューグは食べ終えると、そう言った。
「うん…そうする」
バレンタインまでには。
ユハはそう決心したのであった。