サモンナイト2夢 短編
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7月7日の夜。
ネスティがリビングで本を読んでいると、何かを担いだユハが通りかかった。
よくよく見てみると、それは望遠鏡らしい。
この家の倉庫にそんなもの入る場所あったか?
「…星でも見るのか?」
「そうなの。今日は七夕だから」
「七夕?」
「ネスも来てくれない?組み立て大変そうなんだよね」
「仕方ないな…」
組み立てのために呼ばれるというのは不本意ではあるが、ユハに同行する。
テラスに着くと、ユハは荷物を下ろした。
「えっと…」
ユハは説明書を読みながらそれを組み立てようとする。
だがそんなの。
「どう考えてもこの部品はここで…」
ユハがぽかんとしているうちに組み立て終わってしまった。
「すっごーい!さすがネス!機械に強い!」
「いや…君が疎いだけじゃないか?」
「そんなことないもん」
そう言って、望遠鏡を覗き始める。
星を探して、ユハの顔はゆらゆら動く。
「ううん…この星じゃなくて…」
探し始めて30分。
本人が楽しそうだから任せようと思ったが、いくらなんでも目当ての星を探すのが遅すぎる。
「君は夜空で深海生物でも探しているのか?」
「うう…だって…」
「僕が見つけてやる。どこにある星だ」
「ベガっていう星なんだけど」
「ベガ?聞いたことないぞ?」
「え?有名じゃん、七夕の…」
「さっきから言っている、その七夕とは何だ」
「…え?」
どうやらからかっているつもりではないらしいネスティと、目を丸くするユハ。
「リィンバウムには七夕ないの?天の川の伝説」
「初耳だな」
「…そういえば、天の川が見つからない…」
夜空を見上げながら、何かを思案するユハ。
やがて、肩の力が抜けたようにため息をつく。
「そっか…ここは異世界なんだっけ…」
「…」
どうやら彼女のいた世界ではそれらしいものがあったようだ。
目に見えて落胆するユハに、声をかけるのが躊躇われる。
「ごめんネス。せっかく組み立ててくれたけど、もう用事なくなっちゃった…」
望遠鏡を撫でる。
「…時間はあるか?」
気がつけば僕は、そう口走っていた。
「時間?大丈夫だけど?」
「それなら、僕がリィンバウムの星を教える」
「えっ、いいの?」
「君にそんな顔をされては、このまま引き下がれないだろう」
「やった!有り難うネス!」
「星座もあるし、天の川じゃないが言い伝えもある。せいぜい勉強するんだな」
「うん!」
夜風が涼しいテラスで、ネスティの講義が始まった。
七夕はないみたいだけれど、星を見に来て良かった。
ユハは、初めて聞く伝説話に耳を傾ける。
「へえ、じゃあリィンバウムの月が大きいのは、その衛星自体の大きさもあるけどとても近いからなんだ」
「そういうことだ」
「ということは故郷の月より引力が小さくなるから潮の満ち引きが小さくなって…」
「物理学は少しわかるようだな」
「世界は違っても、原理は一緒でしょ。同じ宇宙空間内にいればね」
「マグナもそのくらい頭が回ればいいんだが…」
「あはは」
歴史や文化も好きだけど、物理学や天文学も好きだ。
そして、後者は世界が違えど通用する。
私はそのことに喜びを見出していた。
「私の故郷と、どこかで繋がっているんだなぁ」
「繋がっていなかったら召喚されるわけがない」
「そうだけど、完全なファンタジーやSFじゃないってことに感動するんだよ」
「僕らからしたら事実でできた世界も、君からしたら少し変わって見えるんだな」
「まだまだ、不思議なことがたくさんあるよ。召喚の原理とか」
「君には教え甲斐がありそうだ」
「ネスが博識で助かるよ」
ネスティと一緒にいると、知的好奇心が満たされる。
だから、話しているととても心地よい。
ネスティも私といるときを、楽しんでくれているだろうか。
「ねぇ、ネス…」
「なんだ」
これは恋心とは違うものなの?
恋愛心理学は学んでいない。
もし学んだら、これを解明できるだろうか。
「…何でもない!」
「変な奴だ」
偏見かもしれないが、ネスティも心理学は強くなさそうだ。
これは独学かな。
「この分野は、ネスに負けないんだから!」
「天文学か?リィンバウムのことを知っている分、知識は僕のほうが上だぞ」
「ふふっ」
「?」
今から勉強が楽しみだ。
首を洗って待っているといいさ。
いつか、この気持ちの正体がわかったら、ネスティのことを攻略してみせるんだから。
ネスティがリビングで本を読んでいると、何かを担いだユハが通りかかった。
よくよく見てみると、それは望遠鏡らしい。
この家の倉庫にそんなもの入る場所あったか?
「…星でも見るのか?」
「そうなの。今日は七夕だから」
「七夕?」
「ネスも来てくれない?組み立て大変そうなんだよね」
「仕方ないな…」
組み立てのために呼ばれるというのは不本意ではあるが、ユハに同行する。
テラスに着くと、ユハは荷物を下ろした。
「えっと…」
ユハは説明書を読みながらそれを組み立てようとする。
だがそんなの。
「どう考えてもこの部品はここで…」
ユハがぽかんとしているうちに組み立て終わってしまった。
「すっごーい!さすがネス!機械に強い!」
「いや…君が疎いだけじゃないか?」
「そんなことないもん」
そう言って、望遠鏡を覗き始める。
星を探して、ユハの顔はゆらゆら動く。
「ううん…この星じゃなくて…」
探し始めて30分。
本人が楽しそうだから任せようと思ったが、いくらなんでも目当ての星を探すのが遅すぎる。
「君は夜空で深海生物でも探しているのか?」
「うう…だって…」
「僕が見つけてやる。どこにある星だ」
「ベガっていう星なんだけど」
「ベガ?聞いたことないぞ?」
「え?有名じゃん、七夕の…」
「さっきから言っている、その七夕とは何だ」
「…え?」
どうやらからかっているつもりではないらしいネスティと、目を丸くするユハ。
「リィンバウムには七夕ないの?天の川の伝説」
「初耳だな」
「…そういえば、天の川が見つからない…」
夜空を見上げながら、何かを思案するユハ。
やがて、肩の力が抜けたようにため息をつく。
「そっか…ここは異世界なんだっけ…」
「…」
どうやら彼女のいた世界ではそれらしいものがあったようだ。
目に見えて落胆するユハに、声をかけるのが躊躇われる。
「ごめんネス。せっかく組み立ててくれたけど、もう用事なくなっちゃった…」
望遠鏡を撫でる。
「…時間はあるか?」
気がつけば僕は、そう口走っていた。
「時間?大丈夫だけど?」
「それなら、僕がリィンバウムの星を教える」
「えっ、いいの?」
「君にそんな顔をされては、このまま引き下がれないだろう」
「やった!有り難うネス!」
「星座もあるし、天の川じゃないが言い伝えもある。せいぜい勉強するんだな」
「うん!」
夜風が涼しいテラスで、ネスティの講義が始まった。
七夕はないみたいだけれど、星を見に来て良かった。
ユハは、初めて聞く伝説話に耳を傾ける。
「へえ、じゃあリィンバウムの月が大きいのは、その衛星自体の大きさもあるけどとても近いからなんだ」
「そういうことだ」
「ということは故郷の月より引力が小さくなるから潮の満ち引きが小さくなって…」
「物理学は少しわかるようだな」
「世界は違っても、原理は一緒でしょ。同じ宇宙空間内にいればね」
「マグナもそのくらい頭が回ればいいんだが…」
「あはは」
歴史や文化も好きだけど、物理学や天文学も好きだ。
そして、後者は世界が違えど通用する。
私はそのことに喜びを見出していた。
「私の故郷と、どこかで繋がっているんだなぁ」
「繋がっていなかったら召喚されるわけがない」
「そうだけど、完全なファンタジーやSFじゃないってことに感動するんだよ」
「僕らからしたら事実でできた世界も、君からしたら少し変わって見えるんだな」
「まだまだ、不思議なことがたくさんあるよ。召喚の原理とか」
「君には教え甲斐がありそうだ」
「ネスが博識で助かるよ」
ネスティと一緒にいると、知的好奇心が満たされる。
だから、話しているととても心地よい。
ネスティも私といるときを、楽しんでくれているだろうか。
「ねぇ、ネス…」
「なんだ」
これは恋心とは違うものなの?
恋愛心理学は学んでいない。
もし学んだら、これを解明できるだろうか。
「…何でもない!」
「変な奴だ」
偏見かもしれないが、ネスティも心理学は強くなさそうだ。
これは独学かな。
「この分野は、ネスに負けないんだから!」
「天文学か?リィンバウムのことを知っている分、知識は僕のほうが上だぞ」
「ふふっ」
「?」
今から勉強が楽しみだ。
首を洗って待っているといいさ。
いつか、この気持ちの正体がわかったら、ネスティのことを攻略してみせるんだから。