サモンナイト2夢 短編
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今日もロッカの部屋で言葉のお勉強だ。
ユハはこの時間を待ち遠しく思っている。
毎日自分の部屋に戻ってからも、復習を欠かさない。
勉強熱心ですね、なんてロッカは言うけれど、私としてはロッカと一緒にいる口実なので申し訳ない。
むしろ、ロッカが大変じゃないか気になる。
「ロッカ…私に教えるの、負担になってない?」
そう尋ねる。
ロッカはいつものように紅茶を用意してくれていた。
「全然負担ではないですよ。むしろ楽しいくらいで」
「それならいいんだけど」
ロッカもこの時間を楽しんでくれていることが、私は嬉しかった。
「さて、文字はもうほぼ完璧ですね。次は単語にいきましょうか」
「うん!」
「身の回りの物を、単語で書いてみましょう。例えばこの部屋を四角とすると」
そう言ってロッカは紙に大きな四角を書いた。
「どこに何があるか、書きましょう。そうすれば、この部屋に来るたびに単語を思い出せます」
「わかった…えーと、まずはこの机」
「机、と」
ロッカが紙の真ん中にその単語を書く。
私はノートにその単語を写す。
「そして、ロッカと私」
「貴方と私(ロッカとユハ)、と」
「あ、ロッカの名前ってそう書くんだ」
「はい。…嬉しいですね、最初に書けるようになる名前が僕の名前だなんて」
「ふふ、覚えておきます」
「そして、“窓”、“壁”、“扉”、“紅茶”。“椅子”、“ベッド”、“鞄”、“時計”…」
単語が羅列されていき、すぐにその紙は文字で埋め尽くされた。
「物はこんなところですかね。この紙はあげます」
「有り難う」
ロッカの文字で埋められたその紙を、私は大事にクリアファイルに挟んだ。
「次は動作、ですかね」
その後もレクチャーは続いた。
「ねえ、実はちょっとやりたいことがあって、教えてほしいんだけど」
一通りロッカの講義が終わると、私は提案した。
「何でしょう?」
「あのね、お手紙を書きたいんだけど…わからない言葉があるから」
「ああ、いいですよ。どんな内容でしょうか」
「それが…ラブレターなんです…」
「…ラブレター?」
思わず、誰に、と聞こうとしてしまって、自分を押し留める。
ユハさんがリィンバウムの言葉でラブレターを書きたがっている相手。
僕たちはほとんど一緒に行動している。
僕たちの中の人だろうか。
それとも、僕たちが会ったことのある誰かだろうか。
誰にせよ、あまり快い気持ちにはなれない。
僕が、そのラブレターを書く手伝いをするなんて、いいキューピッド役じゃないか。
「…ロッカ?引き受けてくれる?」
黙って何かを考えこんでいるロッカに、ユハは言葉をかける。
「…いいですよ」
最終的にはこうなるのだ。
僕がいい道化師でも、ユハさんがそれを望むのなら。
「じゃあ、“大好きです”ってどう書くの?」
「それはですね…」
ロッカがさらさらとペンを走らせる。
ユハはそれを見て、必死に書き写す。
ユハさんのためだ。
ユハさんが望むならば。
ロッカは質問にアドバイスも含める形で答え、ラブレターとやらは完成した。
「じゃ、今日はここまでで」
「有り難うございました」
そんな挨拶をしてユハが部屋を出ていく。
さあこれで思いっきり悩めるぞ、と思ったのもつかの間、机の上に例の手紙が残っているのを見つけた。
「ユハさん、忘れ物ですよ…ってもういない」
ユハはすでに自分の部屋に帰ってしまったのだろうか。
いけないと思いつつ、ついその手紙の宛名を見てしまう。
「…”ロッカへ”?」
どういうことだと思い中を開くと、そこには先程教えた内容が盛り込まれた文章が書いてあった。
そのところどころにも、自分の名前が書いてある。
「…これ、僕に?」
それが分かった瞬間、羞恥で顔は真っ赤に染まり、涙が溢れ出た。
「言葉を習って一番に、僕への手紙を…」
しかもラブレターである。
驚くやら嬉しいやらで訳が分からなくなりそうだ。
明日からどうやって顔を合わせればいいんだろう。
ロッカは悩み始めた。
「…追ってこないってことは、ちゃんと受け取ってくれたってことだよね」
ユハは感謝と思慕の気持ちを書いた手紙を、ロッカ宛に書いたのだ。
明日から顔を合わせづらくなる。
でも、それでもこの気持ちは伝えたかった。
ロッカがどうか、少しでも喜んでくれますように。
ユハは祈り始めた。
ユハはこの時間を待ち遠しく思っている。
毎日自分の部屋に戻ってからも、復習を欠かさない。
勉強熱心ですね、なんてロッカは言うけれど、私としてはロッカと一緒にいる口実なので申し訳ない。
むしろ、ロッカが大変じゃないか気になる。
「ロッカ…私に教えるの、負担になってない?」
そう尋ねる。
ロッカはいつものように紅茶を用意してくれていた。
「全然負担ではないですよ。むしろ楽しいくらいで」
「それならいいんだけど」
ロッカもこの時間を楽しんでくれていることが、私は嬉しかった。
「さて、文字はもうほぼ完璧ですね。次は単語にいきましょうか」
「うん!」
「身の回りの物を、単語で書いてみましょう。例えばこの部屋を四角とすると」
そう言ってロッカは紙に大きな四角を書いた。
「どこに何があるか、書きましょう。そうすれば、この部屋に来るたびに単語を思い出せます」
「わかった…えーと、まずはこの机」
「机、と」
ロッカが紙の真ん中にその単語を書く。
私はノートにその単語を写す。
「そして、ロッカと私」
「貴方と私(ロッカとユハ)、と」
「あ、ロッカの名前ってそう書くんだ」
「はい。…嬉しいですね、最初に書けるようになる名前が僕の名前だなんて」
「ふふ、覚えておきます」
「そして、“窓”、“壁”、“扉”、“紅茶”。“椅子”、“ベッド”、“鞄”、“時計”…」
単語が羅列されていき、すぐにその紙は文字で埋め尽くされた。
「物はこんなところですかね。この紙はあげます」
「有り難う」
ロッカの文字で埋められたその紙を、私は大事にクリアファイルに挟んだ。
「次は動作、ですかね」
その後もレクチャーは続いた。
「ねえ、実はちょっとやりたいことがあって、教えてほしいんだけど」
一通りロッカの講義が終わると、私は提案した。
「何でしょう?」
「あのね、お手紙を書きたいんだけど…わからない言葉があるから」
「ああ、いいですよ。どんな内容でしょうか」
「それが…ラブレターなんです…」
「…ラブレター?」
思わず、誰に、と聞こうとしてしまって、自分を押し留める。
ユハさんがリィンバウムの言葉でラブレターを書きたがっている相手。
僕たちはほとんど一緒に行動している。
僕たちの中の人だろうか。
それとも、僕たちが会ったことのある誰かだろうか。
誰にせよ、あまり快い気持ちにはなれない。
僕が、そのラブレターを書く手伝いをするなんて、いいキューピッド役じゃないか。
「…ロッカ?引き受けてくれる?」
黙って何かを考えこんでいるロッカに、ユハは言葉をかける。
「…いいですよ」
最終的にはこうなるのだ。
僕がいい道化師でも、ユハさんがそれを望むのなら。
「じゃあ、“大好きです”ってどう書くの?」
「それはですね…」
ロッカがさらさらとペンを走らせる。
ユハはそれを見て、必死に書き写す。
ユハさんのためだ。
ユハさんが望むならば。
ロッカは質問にアドバイスも含める形で答え、ラブレターとやらは完成した。
「じゃ、今日はここまでで」
「有り難うございました」
そんな挨拶をしてユハが部屋を出ていく。
さあこれで思いっきり悩めるぞ、と思ったのもつかの間、机の上に例の手紙が残っているのを見つけた。
「ユハさん、忘れ物ですよ…ってもういない」
ユハはすでに自分の部屋に帰ってしまったのだろうか。
いけないと思いつつ、ついその手紙の宛名を見てしまう。
「…”ロッカへ”?」
どういうことだと思い中を開くと、そこには先程教えた内容が盛り込まれた文章が書いてあった。
そのところどころにも、自分の名前が書いてある。
「…これ、僕に?」
それが分かった瞬間、羞恥で顔は真っ赤に染まり、涙が溢れ出た。
「言葉を習って一番に、僕への手紙を…」
しかもラブレターである。
驚くやら嬉しいやらで訳が分からなくなりそうだ。
明日からどうやって顔を合わせればいいんだろう。
ロッカは悩み始めた。
「…追ってこないってことは、ちゃんと受け取ってくれたってことだよね」
ユハは感謝と思慕の気持ちを書いた手紙を、ロッカ宛に書いたのだ。
明日から顔を合わせづらくなる。
でも、それでもこの気持ちは伝えたかった。
ロッカがどうか、少しでも喜んでくれますように。
ユハは祈り始めた。