サモンナイト2夢 短編
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初夏のある日。
お屋敷のリビングには、ソファに腰掛けたリューグと、窓枠にしなだれかかっているユハがいた。
「暑い」
「…」
「あっつい」
「…」
「あーつーいー」
「だああうっせえな!暑い暑い言っても涼しくなんねぇよ!」
「だって暑いんだもの。リューグは暑くない?」
「そりゃ…暑いけどよ…」
「ほら」
ほらってなんだほらって。
なぜかユハは得意気にしているが、暑いとわかったところで仕方ない。
「大体まだ春が終わったとこじゃねぇか。音を上げるにしては早すぎだろ。いつも夏はどうやって過ごしてんだ」
「…私、こっちに召喚されてから初めての夏だし」
「…そうかよ、そりゃ悪かった」
静寂が訪れる。
ユハが召喚獣だなんて聞いてねえぞ、とリューグは思うが、それはそれ、今の暑さとは別問題である。
「あーーあれ買ってこようかな…」
「なんだ?アイスでも買ってくるつもりか?」
「それもいいんだけど…もっと風流で、気が紛れるもの」
「風流…?」
「そうと決まったら、早速行こうかな。リューグも来るよね?」
有無を言わせない強引な誘いに、断ることもできず、また暑さを解消したいという思いも手伝って、
「…わかったよ…行けばいいんだろ…」
動き出すリューグだった。
「わあ、賑やかだねぇ」
「いつものことだろ」
こんな暑い日でも、繁華街は人が多い。
出店もたくさん出ている。
そんな中、冷えた食品売り場を通り過ぎ、扇風機などの家電屋を脇に過ぎ、ユハが向かったのは雑貨屋だった。
「うーん…ここにあると思ったんだけど…」
「いらっしゃい」
店主のおじさんがにこにこと話しかけてくる。
「おじさん、あれ、ありますか?」
チリンチリンってやつ。
ユハはそう言って手を振る仕草をした。
「ああ、あれなら特設コーナーがあるよ。この先の角だね」
「ありがとう!」
その特設コーナーとやらに向かうユハについていく。
「で、お前は何を買いに来たんだ?」
「んとね…」
すると、目の前に光の空間が開けた。
「これ!」
ユハが示すのは、色とりどりの風鈴。
早速綺麗なものを見つけたのか、ユハは風鈴を鳴らしてキャッキャしている。
対してリューグは疲れをあらわにした。
「風鈴って…涼しくなんねぇやつじゃんか」
「実は少し涼しくなる効果があるって、故郷では実験結果が出てたよ」
「そんな馬鹿な」
そう言いつつ、リューグも風鈴を鳴らしてみる。
どれも微妙に違う音がして、確かに気は紛れる。
何より、ユハが楽しそうなのが目に眩しい。
「どれがいいかな?」
そう言って選ぶユハの目は、部屋の中で暑さと闘っているときより確かに輝いていた。
まあ、こういうのも悪くないかもな。
「お前赤好きだろ、赤いのがいいんじゃねぇか?」
そう言って何となく近くにあったひとつを手に取ると、
「あ!それ!それがいい!」
とユハが駆けてきた。
「これか?なんか出っ張りみたいのあるぞ?」
「それがいいのよ」
「はあ?…よくわからん」
リューグは微妙だと思ったそのフォルムを気に入ったのか、購入けってーい!とユハはそれを持ってお店の人のところに行った。
帰って風鈴を取り付けると、見ていたみんなから歓声が上がった。
「綺麗ですね!」
「いい音がするな」
「でも、なぜこの形を選んだんだ?」
それは、流線形からちょっと飛び出たひとつの筋。
「触角みたいに見えたから…赤いし、リューグとお揃いでしょ?」
「なるほど?」
「誰が触角だ」
「あれリューグいたの」
「いるわ」
ぴょこんと上がったアホ毛を触角と言われたのが不快なのか、リューグはむすっとしている。
何はともあれ、暑さの中に活気が戻ってきたようである。
こんな日もいいかなって。
(ちなみにその赤触角風鈴、3倍涼しい気がするとか)
お屋敷のリビングには、ソファに腰掛けたリューグと、窓枠にしなだれかかっているユハがいた。
「暑い」
「…」
「あっつい」
「…」
「あーつーいー」
「だああうっせえな!暑い暑い言っても涼しくなんねぇよ!」
「だって暑いんだもの。リューグは暑くない?」
「そりゃ…暑いけどよ…」
「ほら」
ほらってなんだほらって。
なぜかユハは得意気にしているが、暑いとわかったところで仕方ない。
「大体まだ春が終わったとこじゃねぇか。音を上げるにしては早すぎだろ。いつも夏はどうやって過ごしてんだ」
「…私、こっちに召喚されてから初めての夏だし」
「…そうかよ、そりゃ悪かった」
静寂が訪れる。
ユハが召喚獣だなんて聞いてねえぞ、とリューグは思うが、それはそれ、今の暑さとは別問題である。
「あーーあれ買ってこようかな…」
「なんだ?アイスでも買ってくるつもりか?」
「それもいいんだけど…もっと風流で、気が紛れるもの」
「風流…?」
「そうと決まったら、早速行こうかな。リューグも来るよね?」
有無を言わせない強引な誘いに、断ることもできず、また暑さを解消したいという思いも手伝って、
「…わかったよ…行けばいいんだろ…」
動き出すリューグだった。
「わあ、賑やかだねぇ」
「いつものことだろ」
こんな暑い日でも、繁華街は人が多い。
出店もたくさん出ている。
そんな中、冷えた食品売り場を通り過ぎ、扇風機などの家電屋を脇に過ぎ、ユハが向かったのは雑貨屋だった。
「うーん…ここにあると思ったんだけど…」
「いらっしゃい」
店主のおじさんがにこにこと話しかけてくる。
「おじさん、あれ、ありますか?」
チリンチリンってやつ。
ユハはそう言って手を振る仕草をした。
「ああ、あれなら特設コーナーがあるよ。この先の角だね」
「ありがとう!」
その特設コーナーとやらに向かうユハについていく。
「で、お前は何を買いに来たんだ?」
「んとね…」
すると、目の前に光の空間が開けた。
「これ!」
ユハが示すのは、色とりどりの風鈴。
早速綺麗なものを見つけたのか、ユハは風鈴を鳴らしてキャッキャしている。
対してリューグは疲れをあらわにした。
「風鈴って…涼しくなんねぇやつじゃんか」
「実は少し涼しくなる効果があるって、故郷では実験結果が出てたよ」
「そんな馬鹿な」
そう言いつつ、リューグも風鈴を鳴らしてみる。
どれも微妙に違う音がして、確かに気は紛れる。
何より、ユハが楽しそうなのが目に眩しい。
「どれがいいかな?」
そう言って選ぶユハの目は、部屋の中で暑さと闘っているときより確かに輝いていた。
まあ、こういうのも悪くないかもな。
「お前赤好きだろ、赤いのがいいんじゃねぇか?」
そう言って何となく近くにあったひとつを手に取ると、
「あ!それ!それがいい!」
とユハが駆けてきた。
「これか?なんか出っ張りみたいのあるぞ?」
「それがいいのよ」
「はあ?…よくわからん」
リューグは微妙だと思ったそのフォルムを気に入ったのか、購入けってーい!とユハはそれを持ってお店の人のところに行った。
帰って風鈴を取り付けると、見ていたみんなから歓声が上がった。
「綺麗ですね!」
「いい音がするな」
「でも、なぜこの形を選んだんだ?」
それは、流線形からちょっと飛び出たひとつの筋。
「触角みたいに見えたから…赤いし、リューグとお揃いでしょ?」
「なるほど?」
「誰が触角だ」
「あれリューグいたの」
「いるわ」
ぴょこんと上がったアホ毛を触角と言われたのが不快なのか、リューグはむすっとしている。
何はともあれ、暑さの中に活気が戻ってきたようである。
こんな日もいいかなって。
(ちなみにその赤触角風鈴、3倍涼しい気がするとか)