サモンナイト2夢 短編
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アメルに買い物を頼まれた。
今日は急ぎらしい。
いつものようにリューグを誘おう、と思ってリビングに行くが、彼の姿はない。
仕方なく、部屋まで行った。
「リューグ?いる?」
扉を軽くノックする。
しかし物音は聞こえてこない。
暫くしてもう一度声をかけるが、応答はなし。
ややあって、隣の部屋の扉が開いた。
「ユハさん?」
「あ、ロッカ」
ロッカは私がリューグの部屋の前で棒のように突っ立ってるのを見て、
「リューグに用ですか?」
と聞いてきた。
「そうなの。アメルに買い物を頼まれたから、誘いに来たんだけど」
返事がなくて。
「リューグなら、先程斧を持って出ていきましたから、おそらく鍛錬に行ったのだと思いますよ」
「そっかぁ」
残念だなぁ。
と肩を落とすユハ。
その様子を見て、ロッカは苦笑する。
買い物がある度、ユハさんはリューグを誘って出かける。
勿論買い物など口実であり、実際はリューグと出かけたいだけなのだろうけど。
そして、リューグがそれを断ったことなどない。
どころか、楽しそうな表情を浮かべていることがある。
この二人は、恋愛で言う「いい感じ」という状態だろう。
そんな傍から見たら相思相愛な二人だが、お互い相手の気持ちを掴めていないようだ。
もう少し距離感が縮まれば、というもどかしさを感じる。
アメルもわかっていてユハさんに買い物を頼んでいるのだろう。
だが。
今日は何やら状況が違うようだ。
そして、僕にとって好都合だと言わざるを得ない。
「じゃあ、一人で行きますかー…」
「それですが、僕と行くのはどうです?」
「えっ、ロッカと?」
僕が誘うことが珍しいのか、ユハさんはうーん?と思案する。
「多いのでしょう…?芋」
「そうだね…うん、手伝ってもらおうかな」
こうしてユハさんとのデート権を手に入れた。
リューグも芋って言ってたなあ…アメルのことは兄弟ともにお見通しってわけね。
ロッカと街へ出ながら、ユハは笑顔になる。
前回はリューグにおんぶされて帰宅、なんて失態をやらかしたけど、今日はちゃんとスニーカー履いてきたし大丈夫!
「ユハさん、ご機嫌ですね」
「えへへ、そうかなあ」
たまにはロッカと買い物に行くのも新鮮でいいなあ。
リューグとは違って歩幅合わせてくれるから歩きやすいし、何よりアピールしなきゃと意気込まないから気楽!
ユハはるんるん気分でスキップする。
「買い物リストは…えっと、人参と玉ねぎと、お芋さんだね」
リストを確認し、八百屋の物色をする。
「じゃあ僕、お会計してきますね」
目的のものが揃うと、ロッカがお会計に行ってくれた。
これで後は帰るだけ。
と思ったのだが。
「なんだ、買い物か?」
思わぬ声の主に、心臓が飛び出そうになる。
「リ、リューグ!」
リューグは通りの向こう側にある店内から私を見ていた。
用が済んだらしく、近寄ってくる。
「またアメルに頼まれたのか?」
「そうなの」
「そりゃ一緒に来てやれなくて…」
「ユハさん。お待たせしました」
振り返ると、ロッカが店内から出てくるところだった。
「…なんで兄貴がいるんだよ」
「リューグ?どうしてここに…」
「はっ、荷物持ちなら誰でもいいってことかよ」
リューグは露骨に不機嫌な顔をする。
リューグにしてみれば、いつも自分がいた位置を僕に取られたのだから面白くないだろう。
だが今日は負けるわけにはいかない。
「買い物に行くっていうから、僕がユハさんを誘ったんだよ」
ロッカはにっこり笑顔で返す。
「それよりリューグ、確か鍛錬に出掛けたと思ったけど、どうしてここに?」
「ここにいちゃ悪いかよ」
「邪魔はしないでほしいな」
「はっ、ただの荷物持ちのくせに」
「それはいつものリューグの話かい?」
「テメェ…!」
ああもう。
リューグは不機嫌だし、ロッカも笑顔だけどなんか黒いものが渦巻いているし、どうしよう。
「その袋よこせ。俺が持ってやる。兄貴は先に帰ってろ」
「それには及ばないよ。リューグは鍛錬の続きでもして来たらどうだい?」
「あーあーあー。ちょうど二袋あるし二人で持ってほしいなー」
「ちっ」
「ユハさんがそう言うなら仕方ないですね…」
大人しくなれこの触角兄弟。
というわけで、仲良く三人で帰宅することになりました。
リューグが耳打ちする。
「ユハ、後で俺の部屋に来い」
アメルに買い物袋を渡し、解散になった後。
リューグに言われたので、私は再びリューグの自室に訪れた。
「来たけど…?」
「入れよ」
私はリューグの部屋に入る。
相変わらず不機嫌な顔をしている部屋の主。
説教ならやめてほしい。
「テメェ、俺以外誘うんじゃねえよ」
「ロッカから手伝うって言われたんだもん。第一、リューグは出掛けていていなかったじゃない」
「だとしても、だ」
「鍛錬に行ってるリューグを捕まえろと?」
「ああ」
「何それそのほうが大変じゃん。それに今日は急ぎだったし…」
「遠くからでも呼ぶことくらいできるだろ」
「えー…」
「とにかく、何かあったら俺に声をかけろ。いいな」
「わかったよ…」
ついに根負けした。
リューグはいつも頑固だけど、ここまでとは思わなかった。
「その代わり、必ず手伝ってやるから」
「それは有り難いけどね…」
はあ。
とため息をつくと、リューグはポケットからごそごそと何かを取り出した。
それを私のほうに突き出してくる。
「ん」
「?」
私はそれを受け取る。
「指輪…?」
「それ、やるよ」
「え?いいの?」
「ああ。護りの指輪だ。変な虫がつかないようにはめとけ」
「虫?」
「何でもねぇよ」
これを買いに商店街に行っていたのだろうか。
私のために。
そう思うと、ちょっと嬉しい。
「ありがと、リューグ!大切にするね」
「…おうよ」
兄弟喧嘩には巻き込まれたけど、いいことあったなあ。
ユハは指輪を大切に握りしめた。
今日は急ぎらしい。
いつものようにリューグを誘おう、と思ってリビングに行くが、彼の姿はない。
仕方なく、部屋まで行った。
「リューグ?いる?」
扉を軽くノックする。
しかし物音は聞こえてこない。
暫くしてもう一度声をかけるが、応答はなし。
ややあって、隣の部屋の扉が開いた。
「ユハさん?」
「あ、ロッカ」
ロッカは私がリューグの部屋の前で棒のように突っ立ってるのを見て、
「リューグに用ですか?」
と聞いてきた。
「そうなの。アメルに買い物を頼まれたから、誘いに来たんだけど」
返事がなくて。
「リューグなら、先程斧を持って出ていきましたから、おそらく鍛錬に行ったのだと思いますよ」
「そっかぁ」
残念だなぁ。
と肩を落とすユハ。
その様子を見て、ロッカは苦笑する。
買い物がある度、ユハさんはリューグを誘って出かける。
勿論買い物など口実であり、実際はリューグと出かけたいだけなのだろうけど。
そして、リューグがそれを断ったことなどない。
どころか、楽しそうな表情を浮かべていることがある。
この二人は、恋愛で言う「いい感じ」という状態だろう。
そんな傍から見たら相思相愛な二人だが、お互い相手の気持ちを掴めていないようだ。
もう少し距離感が縮まれば、というもどかしさを感じる。
アメルもわかっていてユハさんに買い物を頼んでいるのだろう。
だが。
今日は何やら状況が違うようだ。
そして、僕にとって好都合だと言わざるを得ない。
「じゃあ、一人で行きますかー…」
「それですが、僕と行くのはどうです?」
「えっ、ロッカと?」
僕が誘うことが珍しいのか、ユハさんはうーん?と思案する。
「多いのでしょう…?芋」
「そうだね…うん、手伝ってもらおうかな」
こうしてユハさんとのデート権を手に入れた。
リューグも芋って言ってたなあ…アメルのことは兄弟ともにお見通しってわけね。
ロッカと街へ出ながら、ユハは笑顔になる。
前回はリューグにおんぶされて帰宅、なんて失態をやらかしたけど、今日はちゃんとスニーカー履いてきたし大丈夫!
「ユハさん、ご機嫌ですね」
「えへへ、そうかなあ」
たまにはロッカと買い物に行くのも新鮮でいいなあ。
リューグとは違って歩幅合わせてくれるから歩きやすいし、何よりアピールしなきゃと意気込まないから気楽!
ユハはるんるん気分でスキップする。
「買い物リストは…えっと、人参と玉ねぎと、お芋さんだね」
リストを確認し、八百屋の物色をする。
「じゃあ僕、お会計してきますね」
目的のものが揃うと、ロッカがお会計に行ってくれた。
これで後は帰るだけ。
と思ったのだが。
「なんだ、買い物か?」
思わぬ声の主に、心臓が飛び出そうになる。
「リ、リューグ!」
リューグは通りの向こう側にある店内から私を見ていた。
用が済んだらしく、近寄ってくる。
「またアメルに頼まれたのか?」
「そうなの」
「そりゃ一緒に来てやれなくて…」
「ユハさん。お待たせしました」
振り返ると、ロッカが店内から出てくるところだった。
「…なんで兄貴がいるんだよ」
「リューグ?どうしてここに…」
「はっ、荷物持ちなら誰でもいいってことかよ」
リューグは露骨に不機嫌な顔をする。
リューグにしてみれば、いつも自分がいた位置を僕に取られたのだから面白くないだろう。
だが今日は負けるわけにはいかない。
「買い物に行くっていうから、僕がユハさんを誘ったんだよ」
ロッカはにっこり笑顔で返す。
「それよりリューグ、確か鍛錬に出掛けたと思ったけど、どうしてここに?」
「ここにいちゃ悪いかよ」
「邪魔はしないでほしいな」
「はっ、ただの荷物持ちのくせに」
「それはいつものリューグの話かい?」
「テメェ…!」
ああもう。
リューグは不機嫌だし、ロッカも笑顔だけどなんか黒いものが渦巻いているし、どうしよう。
「その袋よこせ。俺が持ってやる。兄貴は先に帰ってろ」
「それには及ばないよ。リューグは鍛錬の続きでもして来たらどうだい?」
「あーあーあー。ちょうど二袋あるし二人で持ってほしいなー」
「ちっ」
「ユハさんがそう言うなら仕方ないですね…」
大人しくなれこの触角兄弟。
というわけで、仲良く三人で帰宅することになりました。
リューグが耳打ちする。
「ユハ、後で俺の部屋に来い」
アメルに買い物袋を渡し、解散になった後。
リューグに言われたので、私は再びリューグの自室に訪れた。
「来たけど…?」
「入れよ」
私はリューグの部屋に入る。
相変わらず不機嫌な顔をしている部屋の主。
説教ならやめてほしい。
「テメェ、俺以外誘うんじゃねえよ」
「ロッカから手伝うって言われたんだもん。第一、リューグは出掛けていていなかったじゃない」
「だとしても、だ」
「鍛錬に行ってるリューグを捕まえろと?」
「ああ」
「何それそのほうが大変じゃん。それに今日は急ぎだったし…」
「遠くからでも呼ぶことくらいできるだろ」
「えー…」
「とにかく、何かあったら俺に声をかけろ。いいな」
「わかったよ…」
ついに根負けした。
リューグはいつも頑固だけど、ここまでとは思わなかった。
「その代わり、必ず手伝ってやるから」
「それは有り難いけどね…」
はあ。
とため息をつくと、リューグはポケットからごそごそと何かを取り出した。
それを私のほうに突き出してくる。
「ん」
「?」
私はそれを受け取る。
「指輪…?」
「それ、やるよ」
「え?いいの?」
「ああ。護りの指輪だ。変な虫がつかないようにはめとけ」
「虫?」
「何でもねぇよ」
これを買いに商店街に行っていたのだろうか。
私のために。
そう思うと、ちょっと嬉しい。
「ありがと、リューグ!大切にするね」
「…おうよ」
兄弟喧嘩には巻き込まれたけど、いいことあったなあ。
ユハは指輪を大切に握りしめた。