サモンナイト2夢 短編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
雨の匂いがする。
先ほどまでは曇っていたが、今は降っているのだろう。
「雨の日は気分落ちるなあ…」
人恋しくなる。
会いたい人がいる。
でも、今会うのは不可能に近い。
ある日マグナと街をぶらぶらしていると、一人の吟遊詩人に出会った。
レイムさんというらしい。
マグナが紹介してくれた。
綺麗な人だと思った。
それが最初で。
街で、郊外で、会うたびにその姿に、言葉に惹かれていって。
今ではばっちり片想い中。
なんとかデートできる誘い文句はないだろうか。
「でも、二人で会ったこともないんだよなあ…」
マグナたちと一緒にいる人、としか認識されていないだろう。
そんな状態でデートに誘うのは、意識しているのが相手にわかってしまうので恥ずかしい。
そういうわけで、何も行動に移せていない。
傘を持って、テラスに出る。
こうしていると、雨で周りが遮断されて、孤独だということが際立つ。
寂しいけど、なんだかやめられなくて、いつも雨の日はこうしている。
ぼーっと人通りを眺めていた、そのときだった。
見間違えるはずもない、綺麗な銀の長髪。
「…レイムさん!?」
彼は傘をさしていなくて、びっしょりと濡れていた。
大変だ。
ユハは傘を閉じて、玄関に走った。
雨の中を走る。
幸い、レイムさんは見かけた場所からそれほど遠くまで行っていなかった。
「レイムさん!」
「…ユハさん?」
息を喘がせて、レイムさんに傘を渡す。
「傘持ってないんですか?これ使ってください!」
「大丈夫ですよ…というか、貴女が濡れてしまっていますよ」
そう言って、私に傘をさしてくれる。
「私は…お屋敷に戻るので大丈夫ですから!」
「風邪ひきますよ」
「でもレイムさんが!」
ああなんで傘二つ持ってこなかったんだろう私の馬鹿!
「…それでは、このまま二人で傘に入りましょう」
「っ!」
思わぬ相合傘に、私は赤面する。
「どうかしましたか?」
「いえ…あの…」
どうしよう、恥ずかしい。
でもこのまま時間が止まってしまえばいいのに、とも思う。
突然俯いて黙ってしまったユハの表情を、レイムは覗き込む。
ああ。
私の気持ちが伝わってしまう。
思わず、ぎゅっと目を閉じる。
「…長くここにいると冷えますよ。お屋敷まで送ります」
「…はい」
伝わらなかったみたい。
良かったのか悪かったのか。
お屋敷までの道のりはそれほど遠くない。
すぐまた、離れてしまう。
「レイムさん…」
「はい」
「今度、また会えませんか…?」
私は意を決して、そう伝える。
「そうですね…私はしばらく、この街にいる予定ですから、マグナさんたちと一緒にいれば、いずれまた会うと思いますよ」
「そうじゃなくて」
「はい」
「二人で会えませんか…?」
「は?」
二人は立ち止まる。
レイムさんはよくわからないという表情をしている。
それもそうか。
うん、ちゃんと伝えよう。
「わ、私は」
「はい」
「私は…レイムさんが好きです」
「は?」
「だから、デートしてください…」
言えた。
きっと今は、世界一真っ赤になっていることだろう。
レイムさんのほうが見られない。
沈黙。
しばらくすると、レイムさんが口を開いた。
「…いいですよ」
その言葉が嬉しくて。
「…有り難うございます」
「では、また」
いつの間にかお屋敷に着いていた。
雨も上がっている。
私はレイムさんのほうを見る。
彼は微笑んで、踵を返した。
先ほどまでは曇っていたが、今は降っているのだろう。
「雨の日は気分落ちるなあ…」
人恋しくなる。
会いたい人がいる。
でも、今会うのは不可能に近い。
ある日マグナと街をぶらぶらしていると、一人の吟遊詩人に出会った。
レイムさんというらしい。
マグナが紹介してくれた。
綺麗な人だと思った。
それが最初で。
街で、郊外で、会うたびにその姿に、言葉に惹かれていって。
今ではばっちり片想い中。
なんとかデートできる誘い文句はないだろうか。
「でも、二人で会ったこともないんだよなあ…」
マグナたちと一緒にいる人、としか認識されていないだろう。
そんな状態でデートに誘うのは、意識しているのが相手にわかってしまうので恥ずかしい。
そういうわけで、何も行動に移せていない。
傘を持って、テラスに出る。
こうしていると、雨で周りが遮断されて、孤独だということが際立つ。
寂しいけど、なんだかやめられなくて、いつも雨の日はこうしている。
ぼーっと人通りを眺めていた、そのときだった。
見間違えるはずもない、綺麗な銀の長髪。
「…レイムさん!?」
彼は傘をさしていなくて、びっしょりと濡れていた。
大変だ。
ユハは傘を閉じて、玄関に走った。
雨の中を走る。
幸い、レイムさんは見かけた場所からそれほど遠くまで行っていなかった。
「レイムさん!」
「…ユハさん?」
息を喘がせて、レイムさんに傘を渡す。
「傘持ってないんですか?これ使ってください!」
「大丈夫ですよ…というか、貴女が濡れてしまっていますよ」
そう言って、私に傘をさしてくれる。
「私は…お屋敷に戻るので大丈夫ですから!」
「風邪ひきますよ」
「でもレイムさんが!」
ああなんで傘二つ持ってこなかったんだろう私の馬鹿!
「…それでは、このまま二人で傘に入りましょう」
「っ!」
思わぬ相合傘に、私は赤面する。
「どうかしましたか?」
「いえ…あの…」
どうしよう、恥ずかしい。
でもこのまま時間が止まってしまえばいいのに、とも思う。
突然俯いて黙ってしまったユハの表情を、レイムは覗き込む。
ああ。
私の気持ちが伝わってしまう。
思わず、ぎゅっと目を閉じる。
「…長くここにいると冷えますよ。お屋敷まで送ります」
「…はい」
伝わらなかったみたい。
良かったのか悪かったのか。
お屋敷までの道のりはそれほど遠くない。
すぐまた、離れてしまう。
「レイムさん…」
「はい」
「今度、また会えませんか…?」
私は意を決して、そう伝える。
「そうですね…私はしばらく、この街にいる予定ですから、マグナさんたちと一緒にいれば、いずれまた会うと思いますよ」
「そうじゃなくて」
「はい」
「二人で会えませんか…?」
「は?」
二人は立ち止まる。
レイムさんはよくわからないという表情をしている。
それもそうか。
うん、ちゃんと伝えよう。
「わ、私は」
「はい」
「私は…レイムさんが好きです」
「は?」
「だから、デートしてください…」
言えた。
きっと今は、世界一真っ赤になっていることだろう。
レイムさんのほうが見られない。
沈黙。
しばらくすると、レイムさんが口を開いた。
「…いいですよ」
その言葉が嬉しくて。
「…有り難うございます」
「では、また」
いつの間にかお屋敷に着いていた。
雨も上がっている。
私はレイムさんのほうを見る。
彼は微笑んで、踵を返した。