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第193話:『ラブリーファイア!城之内の叫び!』










風也:「僕と一緒に戦って、エスパー・スター・ロビン!正義の大盤振る舞いで、希望の道を照らせ!」
大剣モードのスター・ツヴァイハンダーに、風也の背後にいるエスパー・スター・ロビンの幻影が吸収される。


風也:「ディメンション・パーガトリー!」
マンディが放った攻撃を、スター・ツヴァイハンダーの刀身で吸収する。

マンディ:『アタシの攻撃を吸収している…!エスパー・スター・ロビンは異次元の力を操るデュエルギア。まさか、異次元の力を刀身に宿して…、はっ!』
マンディが色々と考えていると、いつの間にか風也はマンディが放った攻撃を全て吸収していた。


風也:「ディメンション・コントラクト!」
スター・ツヴァイハンダーの刀身が緑色に輝く。


異次元の契約…。これは、ディメンション・パーガトリーで吸収した攻撃を、自分の力とし、スター・ツヴァイハンダーの刀身に纏わせるものだ。


風也は、マンディが放った攻撃を、スター・ツヴァイハンダーに纏わせ、彼女を倒そうというのだ。



マンディ:「叩き斬ってあげるよ!うおおおおお!」
マンディは両手で、ディルジャルグを持ち、風也に仕掛ける。


両者、物凄い気迫を放ち、そして、武器を振り下げる。


武器を振りおろしてからは一瞬の出来事だった。


お互い、どうなったかわからなかった。


しかし、それでも周りを確認すると、マンディのディルジャルグの刀身が折れていた。


折れた刀身は、宙を舞って、マンディのところへ落ちる。



落ちた刀身は、マンディの右肩にぐさりと突き刺さった。

現実は認めたくない。だが、もう認めざるを得ないだろう。

この痛みは本物なのだから…。


マンディは、そのまま地面に仰向けで倒れた。



風也:「僕の勝ちだよ」



正義の大盤振る舞いは、勝利の希望を永遠に照らしてくれる…。







第11OP『夜鷹の夢《Do As lnfinity》』






第193話:『ラブリーファイア!城之内の叫び!』






風也に敗れたマンディ。肩に突き刺さっている刀身は、誰が見ても痛々しく見える。


マンディ:「初めてだよ…。こんなケガをしたのは」
マンディの意識はあるようだ。

最も痛みに耐えているのか、物凄い汗を掻いている。

風也は、マンディの真横に立つ。


マンディ:「アタシは負けた。早くトドメ、差しなよ」
マンディは目を瞑って死ぬ覚悟を選んだ。

しかし、風也はスター・ツヴァイハンダーを収め、マンディの肩に突き刺さる刀身に触れる。


風也:「少し痛いけど、我慢してください」
意外な行動にマンディは驚いた。

風也はマンディの言葉を聞かず、とりあえず突き刺さった刀身を抜いた。

マンディ:「っ!」
刀身を抜いたと同時に大量の血が溢れ出てくる。


このまま出血していたら危ないと、風也は思い、布を出して彼女の肩に撒いた。

風也:「しばらく動かないでください。あくまで、一時凌ぎですから」
風也は敵であるはずの、マンディを手当てしたのだ。

マンディ:「アンタ、どうして…」

風也:「僕たちは別に、あなた達の命をもらいに来たわけじゃない。麗しのブランイヤリングを届けに来ただけです」

マンディ:「いいのかい?トドメを刺さなかったら、アタシはまたアンタを襲いに行くよ」

風也:「その時は、その時です。いくらでも相手になります。でも、勝つのは僕ですよ」
風也は布をギュッと縛り、止血する。

風也:「まあ、その腕じゃ剣を持つこともできないでしょうけどね」
風也は立ち上がった。


マンディ:「まだ、もう片方あるよ」
マンディはちょっと辛そうな笑みを見せ、刀身が突き刺さっていない左腕を挙げてそう言った。


風也:「そのケガでは立ち上がることもできないでしょう」
ため息をついた風也が言った。

マンディ:「フッ、貧弱な身体なのに強い子だね、アンタは」

風也:「まだビューティフルジャスティスのメンバーはいるんですよね」

マンディ:「それは勿論。幹部は残り4人。幹部以外でもまだ数十人が、その辺にいるわ。ボスの居場所はアタシにもわからないよ」

風也:「そうですか。まあ、まだ敵が十数人いるということだけは、こちらの為になりました。ありがとうございます」
風也は敵であるマンディにお礼を言って、その場を去って行く。


マンディ:「ごめん、みんな。後は、任せるよ」
マンディは、その場でゆっくりと目を瞑る。

今はもう戦える状態じゃない。マンディは、その場で休むことにした。





風也は仲間たちと合流するために、島中を走る。


しかし、マンディの言う通り、そこら中にビューティフルジャスティスのメンバーが沢山潜んでいる。


風也:「仲間1人と合流するのも難しいかな…」
風也は長剣モードのスター・ツヴァイハンダーを握り、周りにいる敵と交戦する。








その頃、城之内は、レクシーとの戦いに苦戦していた。




レクシー:「ゲイル・リッパー!」
レクシーはハーピィ・カイリーを投げ飛ばし、風を纏っているハーピィ・カイリーは回転速度を上げ、城之内に襲ってくる。


城之内:「くっ!」
城之内は、炎の大剣で受け止めるも、予想以上のパワーに少し後ろへ押されてしまう。


レクシーは、城之内の元まで走り、更に、ハーピィ・カイリーが急に方向転換してレクシーの元へ戻ってきた。

レクシーは、ハーピィ・カイリーを強く握り、城之内の炎の大剣とぶつかる。


レクシー:「あなたの武器は小回りが利かない。前も言ったでしょ」

城之内:「っ!」

レクシー:「だから、これも躱せないでしょ!」
レクシーは、ハイヒールを履いた足で城之内を蹴り飛ばす。

城之内はハイヒールのかかとが諸に入ったのか、腹を押さえ咳き込む。

城之内:「この野郎…、いきなり蹴ってくるなんて有りか」

レクシー:「あなた、何か忘れてない?私たちは敵同士なのよ。隙ができれば攻撃する。当たり前でしょ」
レクシーは苦しむ城之内に再び急接近する。


城之内:「くそっ」
城之内は、炎の大剣を、その場に投げ捨て素手で、レクシーの腕を掴み、攻撃を阻止する。

レクシー:「やるじゃない。でも―」
レクシーが右手に持つハーピィ・カイリーが眩しい輝きを放つ。

城之内:「っ!」
あまりにも眩しい輝きだったため、目を閉じてしまう城之内だが、レクシーのことは逃がさないと腕を強く掴む。


レクシー:「女性を、そんなに強く握っちゃ、ダメよ。シャイン・ゲイル」
眩しい輝きと共に、突風が発生し、城之内を吹き飛ばす。

城之内:「ぐわあ!」
城之内は地面に強く叩きつけられる。


レクシー:「勝負あったかしら?」
レクシーが城之内に近づく。

強く身体を叩きつけられた所為で、身体が起き上がらない城之内。

レクシー:「彼女が、あなたのこんな姿を見たら、どんな反応をするでしょうね」
城之内に恋人がいることは、レクシーの情報にも既に入っていることだ。


昨日の戦いでは、女性の気持ちを考えたことあるとか、そんなことを聞いてきたことを覚えている。


レクシー:「まあ、喧嘩したみたいだし、どうも思わないでしょうね」
レクシーは城之内のすぐ側に立ち、ハーピィ・カイリーを右手に持ち、それを城之内に向けて突き刺す。

城之内:「っ!」
城之内は、それをギリギリで躱し、炎の大剣が落ちている場所まで走った。


レクシー:『まだ立てたのね…。身体は丈夫みたいね』
レクシーは城之内の姿を見て、そう思った。

そして、城之内は炎の大剣を手に持つ。


レクシー:「昨日も聞いたと思うけど、あなた女性の気持ちって考えたことある?」
確かに、昨日も同じ質問をされた。城之内ははっきりと覚えていた。

レクシーの問いに、城之内は答えなかった。


レクシー:「なら質問を変えましょう。彼女のことをどう思っているの?」

城之内:「何…?」
唐突な質問だった。彼女、つまり舞のことをどう思っているのかということだ。


レクシー:「世界一好きな女性?それとも、ただやれればそれでいいおもちゃ?」

城之内:「お、お前、いきなり変な質問するなよ…!」

レクシー:「別に変じゃないわよ。私は真剣な質問をぶつけているだけ。それに、男が女に対する気持ちなんて、他人の女性でもわかるぐらい単純なのよね。すぐに顔に現れるから」

城之内:「なら、俺が舞に対する気持ちが、お前には分かるって言うのかよ?」

レクシー:「えぇ、何となく」
レクシーは城之内をギロッと見る。

レクシー:「正直、うんざり」

城之内:「!」

レクシー:「今のあなたは、彼女に対してそう思っているわ」

城之内:「そんなこと…!」

レクシー:「そう思っていなくても、あなたの心の奥底はそう思っているのよ。なんで、あいつなんかを彼女に選んだのかってね」
レクシーの言っていることは認めなくないが、城之内は内心そう思っているに違いないと思っていた。


舞と喧嘩するのは、昨日のが初めてではない。何度も喧嘩したことがある。


その度に、心の中でぶつぶつ文句を言っている自分が、ここにいる。

そう言うということは、舞を「うんざり」と思っているに違いない。


レクシー:「フッ…」
城之内が自分を見ていない隙にレクシーは、城之内に接近する。

すぐ目の前にレクシーの顔が映り、城之内は急いで後ろに下がる。


レクシー:「反応が一瞬遅かったわね」
レクシーが持つハーピィ・カイリーに、光属性の波動が纏われる。


レクシー:「スターライト・ブリーズ」
光属性の波動を纏ったハーピィ・カイリーを飛ばす。

ハーピィ・カイリーは城之内の周りを飛び回り、身体のあらゆる場所を斬りつけて行く。

城之内:「くそっ」
城之内は飛び回るハーピィ・カイリーを止めようと無造作に炎の大剣を振り回すが、思った以上にハーピィ・カイリーの飛ぶ速度が早く、うまく止めることができない。


城之内:「ぐわっ!」
ハーピィ・カイリーが城之内の肩に大きな傷を負わせた。


そして、ハーピィ・カイリーから眩しい輝きが放たれ、城之内の動きが鈍ったと同時に、レクシーはハーピィ・カイリーを手に持って―。


レクシー:「もらったわ!」
城之内に攻撃を仕掛ける。






城之内:「やられて…」
城之内は、舞の顔を思い出す。

城之内:「やられてたまるかよ!」
炎の大剣の刀身が炎に包まれ、その状態で炎の大剣を振り回した。

レクシーは驚き、一旦後ろへ下がる。

躱したつもりだったが、どうやら少しだけ腕に当たってしまったようだ。

袖が斬られたのだから、間違いないだろう…。



炎の大剣は凄まじい炎に包み込まれている。


レクシー:「何…」
炎に包まれる炎の大剣は、徐々に形状を変化していく。


城之内:「セカンドステージ」
炎に包まれた炎の大剣を思いっきり振り、剣を包み込んでいた炎を消す。

さっきまでは大剣を持っていたはず…。だが、今の城之内が持っているのは、まさに長剣の武器だった。

大剣に変わってコンパクトな武器を手に持ち、城之内は剣先をレクシーに向ける。


城之内:「少しは驚いたかよ?」

レクシー:「それは?」

城之内:「今、言ったろ。セカンドステージだってな」
セカンドステージ。つまり、デュエルギアが進化したということになる。

レクシー:「嘘ね。セカンドステージは、本来、デュエリストの力に反応してデュエルギアが進化するもの。でも、あなたの武器は大剣からただの剣になっているわ。それは進化とは言わないわ」
大剣から長剣となったということは、パワーが逆に下がったといえるべきだろう。

レクシーはそう思い、城之内のセカンドステージは、セカンドステージではないと言っているのだ。


城之内:「確かに、パワーは大剣の方が上かもしれねえ。だが、小さくなったことで、俺の動きの制限はなくなったぜ」
セカンドステージ状態の炎の大剣から炎が噴射し、その炎を逆噴射させ、城之内はレクシーの側まで飛んだ。

レクシー:『速い…!』
もうすでに目の前に城之内の顔があった。

城之内:「おりゃあ!」
炎の大剣を両手で持ち、レクシーを本気で斬ろうとする。

レクシーはハーピィ・カイリーで、セカンドステージ状態の炎の大剣を受け止める。

レクシー:「あなたがセカンドステージをするなら、私は私なりの奥の手で戦うわ!」
レクシーは左手で懐から1枚のカードを手に出した。

そのカードは、もう1枚の”ハーピィ・レディ”だった。

そのカードは、ハーピィ・カイリーへとなり、左手で思いっきり振り、城之内を遠ざける。


レクシー:「ゲイル・リッパー-陽炎!」
2つのハーピィ・カイリーを投げ飛ばしたレクシー。


2つのハーピィ・カイリーは空中で、残像を作り、そのまま城之内に迫る。

更に、残像は竜巻を作り、周りを暴風で襲った。


レクシー:「この数には対応できないでしょう」
自分が捕らえた数でも、10個ぐらいの竜巻はある。

2つのブーメランタイプのデュエルギアを投げ飛ばしたはずが、空中で無数の残像を作り、それらが竜巻となっていた。

城之内:「ん?」
すると、城之内はあることに気付いた。

2つのデュエルギアを投げて、それ等が残像を作り、竜巻を生成した。

つまり、本物は2つだということ。その2つさせ止めれば、攻撃を止めることができるかもしれない。


城之内:「よし…」
城之内は目を瞑り、音を聞く。


風が吹き荒れる音。その風の所為で、周りの樹木が揺れる音。

そして、ほとんど風の所為で聞こえないが、ハーピィ・カイリーが回転する音が聞こえる。


城之内は、その音を聞いて、どの竜巻に本体のハーピィ・カイリーがあるか当てて攻撃を止めようというのだ。


神経を耳に集中し、ハーピィ・カイリーの音を捕える…。

失敗は許せない。失敗すれば、確実は城之内は死ぬと思っていた。


2つのハーピィ・カイリーを回転する音…。

城之内は、それを捕え、セカンドステージ状態の炎の大剣を構える。



城之内:「パヴォーネ・イクスプロ―ジョン!」
セカンドステージ状態の炎の大剣を地面に突き刺し、無数の竜巻の内、2つの竜巻の中心の足場から炎が吹き出る。


その炎が更に、孔雀を象り羽を広げ、周りの物を焼き尽くしていく。


レクシー:「っ!」
レクシーは火傷じゃ済まないと思い、後ろへ下がる。



城之内の攻撃により、全ての竜巻が消え去り、2つのハーピィ・カイリーは炎に包まれた状態で、地面に落ちる。


セカンドステージで、見た目は小さくなったみたいだが、攻撃範囲は上がっている…。レクシーはそう思いながら、城之内のセカンドステージ状態の炎の大剣を見つめる。






レクシー:「パヴォーネ・イクスプロ―ジョン。訳せば、孔雀の爆発…」

城之内:「…」

レクシー:「彼女と何か繋がりのある攻撃かしら?」
舞の苗字は、「孔雀」。何か関係があるんではないかとレクシーは疑った。


城之内:「この技は、俺が技を完成させたときに、舞が付けたものだ」
10年間の修行の中で会得した技。その技に、舞は名前を付けてくれたのだ。


城之内:「アンタはすぐに頭に血が昇って、前が見えなくなる時があるからってな」
あの時は笑われて、技に名前を付けられた。


自分が考えた技名もあったが、舞に却下されてしまった。

俺の技なのに…。

当時、そんな気持ちを胸の中で抱いていた。



レクシー:「あなたの彼女、以外とネーミングセンスがあるのね」
レクシーは右手を前に突き出すと、炎に包まれている2つのハーピィ・カイリーが突然、地面で回転し、炎を消し飛ばし、レクシーの手元に戻ってくる。


城之内:「そう言えば、質問にちゃんと答えてなかったな」



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レクシー:「なら質問を変えましょう。彼女のことをどう思っているの?」

ついさっき、レクシーが城之内に聞いたことだった。


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城之内:「俺にとって、あいつは勇気を分けてくれる存在だ。どんなに諦めかけても、あいつのことを思い出したら、無理だとわかっていても頑張っちまうからな」


レクシー:「つまりどういうことかしら?」
レクシーは質問をぶつける。


城之内:「つまり…」
城之内は閉じている目をゆっくりと開ける。

城之内:「愛してるってことだよ」
舞に対する城之内の本音。



それは「愛している」・その一言だった。


城之内:「俺は、あいつしか愛せないんだよ…」
少し健やかな表情で城之内は言った。


城之内の本音が聞けたからか、レクシーは苦笑する。


レクシー:「ハハハハ、それがあなたの本音なのね。いいじゃない。その気持ちが、あなたの恋人を幸せにしてくれるはずよ。でも、だからと言って、あなたを倒さないつもりはないわ」
レクシーが2つのハーピィ・カイリーを構える。


レクシー:「セカンドステージ!」
2つのハーピィ・カイリーが輝き、形状が変わる。


城之内:「それが、お前のセカンドステージか?」

レクシー:「ええ、ハーピィ・カイリー-セカンドステージ。速度もパワーも上がったデュエルギアよ」
ハーピィ・カイリーの大きさが通常よりも大きくなっている。


更に、色も変化し見た目だけで、スピードもパワーも上がったように見える。


レクシー:「さあ、行くわよ!」
レクシーはセカンドステージ状態のハーピィ・カイリーを2つとも投げ飛ばす。


城之内はセカンドステージ状態の炎の大剣で、2つのハーピィ・カイリーを受け止めるも、ハーピィ・カイリー1つだけでも凄まじいパワーのため、後ろへ押される。


城之内:「ぐはっ!」
城之内は後ろへ飛ばされ、一旦ハーピィ・カイリーがレクシーの元へ戻る。


レクシー:「まさか、これで最後じゃないでしょうね!」
レクシーは再びハーピィ・カイリーを投げ飛ばす。

城之内はセカンドステージ状態の炎の大剣を構え、腰を低くする。


レクシー:「?」


城之内:「グリフォン!」
城之内がそう叫ぶと、セカンドステージ状態の炎の大剣から闇のオーラが放出され、背後にグリフォンの幻影が現れ、周りを飛び回る。

その後、城之内は迫ってくるハーピィ・カイリーに向かって突っ込む。

城之内:「うおおおおお!」
城之内とグリフォンの幻影が1つになる。


城之内:「グリフォーネ・トラジディー!!」
猛スピードで走り、風を纏うハーピィ・カイリーを全て弾き飛ばし、レクシーに突っ込む。


レクシー:「っ!」
レクシーはうまく躱したものの、頬に擦り傷を負った。

急いで、弾き飛ばされらハーピィ・カイリーを回収するレクシーは、油断できないと思ったのか、すぐに構える。


城之内の身体からグリフォンの幻影が消えた。


レクシー:「闇属性の波動を使えたのね」

城之内:「俺の身体には、闇の属性波動が一番流れているからな」

レクシー:「セカンドステージだけでなく、そんな技まで隠し持っていたなんて…。等々、年貢の納め時かしらね」
レクシーは物凄い気迫で2つのハーピィ・カイリーを構える。


城之内:「これが最後の攻撃ということか」
セカンドステージ状態の炎の大剣の刀身から大量の炎が吹き出る。

その状態の剣を握る城之内。


両者、次の攻撃で決着をつける気のようだ。



呼吸を整え、神経を集中させる。


乱せば、技の威力に影響が出る…。


だから、失敗なんてできない。

2人ともそんな気持ちを胸の中で何度も呟いた。






レクシーの背後には巨大な2羽の鳥の幻影が現れる。

その姿はおそらくチドリ科に分類される鳥だろう。



逆に城之内は、目の前に炎で象ったハートが現れていた。


レクシー:「ふざけているのかしら?お互い最後の攻撃だって言ったわよね」

城之内:「ああ」
余裕の笑みを浮かべる城之内。どうやら、これが最後の攻撃らしい。


レクシー:「本気を出さないと、死ぬわよ!」
セカンドステージ状態のハーピィ・カイリーが、レクシーの手の周りを浮遊する。


レクシー:「ヴォルテックス・プラヴァー!!」
2つのハーピィ・カイリーが城之内に向かって投げ飛ばされた。

同時に、レクシーの背後にいた鳥の幻影がハーピィ・カイリーと1つになる。


対する城之内は、全身にオーラを纏い、炎で象ったハートの中心を潜った。


潜ったと同時に、城之内が纏っていたオーラが赤色に変色する。

城之内:「うおおおおおお!」
レクシー攻撃に真っ正面から迎え撃つ城之内。


その叫びに恐怖はなく、気合だけが込められていた。


レクシー:「あなたは、これで終わりよ!」
鳥の幻影を纏ったハーピィ・カイリーは、城之内に突撃しようとする。


城之内:「ラブリー…・ファイアァァァ!!」
セカンドステージ状態の炎の大剣から更に炎が噴き出し、レクシーの攻撃をいとも簡単に粉砕した。


レクシー:「ま、まさか…!はっ!」
自分の攻撃が破られたことに気を取られ、動くのが遅れた。

城之内は、あのままこっちに突っ込んで来たからだ。


レクシーは急いで躱そうとするも、もう間に合わなかった。


城之内:「はあ!」
城之内の攻撃は、レクシーに大ダメージを与えた。


彼女の横腹が深く斬られ、血が地面に落ちる。


レクシーは、バタッと倒れた。


レクシー:「私の…負け…」
レクシーはゆっくりと目を閉じた。



城之内がレクシーを倒し、勝利したのだ。






その頃、目的地へ向かって吹雪たち。


既に肉眼で島が見えていた。


剣代:「見えた!」

吹雪:「シークレットサービス、応答してください。こちら、フロンティアSOA特務隊の天上院吹雪です。誰か、応答してください」
吹雪がシークレットサービスの研究所に通信で呼びかけても返事はなかった。


吹雪:「ダメか…」

剣代:「城之内さんたちともまだ、連絡が取れません」

吹雪:「急いで着陸して、みんなの援護と研究所の人たちの安否の確認を急ごう」

剣代:「了解です」
剣代がそう返事をすると、レーダーが何かを捕えた。


吹雪:「後ろから?」
ジェット機を操縦するものがレーダーの反応の正体を調べる。

そして、正体が分かった。


剣代:「あっちも早いですね」
レーダーの正体はビューティフルジャスティスが保有するジェット機だった。


つまり、彼女が戻ってきたのだ。


剣代の予想通りで、このジェット機にはデュランとアデラが乗っている。


アデラ:「そろそろ私たちも到着するわ。到着し次第、敵を追い詰める」

ヴィヴィエン:『えぇ、お願い。既に、マンディがやられたのを確認しているわ』
アデラの通信相手はビューティフルジャスティスのボス、ヴィヴィエンだった。

ヴィヴィエンは、風也が倒したマンディがすでにやられていることを認識していた。


アデラ:「あのマンディを倒すなんてね。やっぱり、一筋縄ではいかないってことね、フロンティアの連中は。デュラン、降りる準備をしなさい」

デュラン:「了解です」
デュランはすぐに飛行機から降りる準備を進める。


デュラン:『剣代、次こそあなたを…』
デュランは剣代を倒すことを心の中で決めていた。







第12ED『Sky chord~大人になる君へ~《辻詩音》』






次回予告

ナレーション:吹雪、剣代が目的地に到着した。しかし、同時に、アデラとデュランも到着し、吹雪と剣代を襲う。

その頃、フロンティアでは、新たな対策が練られていた。

そして、シェリーとベロニカの戦いは、今…。

激しくぶつかり合う剣が、両者の思いをぶつけ、そして戦いに決着を付ける。



シェリー:次回、遊戯王5DXAL「消える復讐」


シェリー:「復讐なんて、何も生まれないわ」
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