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第192話:『正義の大盤振る舞い!覚醒するスター・ツヴァイハンダー』









ネオコーポレーションシティ

フロンティア本部



四大神王者のNo.4ロストこと、九十九遊馬は自室の窓から外を見ていた。


なお、彼の自室のベットには恋人の小鳥が気持ちよさそうに寝ていた。


どうやら、昨晩は一緒に寝たようだ…。


すると、遊馬のミッションウォッチに着信が届いた。


相手は、元帥の百々原からだった…。









第11OP『夜鷹の夢《Do As lnfinity》』










第192話:『正義の大盤振る舞い!覚醒するスター・ツヴァイハンダー』








シークレットサービスが管理する島の研究所で争いの火蓋が切られた。


城之内達が乗ってきたプライベートジェット機は、ここから離れようと、急いで離陸した。



ビューティフルジャスティスはメンバーたちは、森の中に逃げた城之内、シェリー、風也を追う。


絶対に逃がすまいと、容赦なしに攻撃を仕掛けてくる。




城之内:「おりゃあ!」
炎の大剣を振り回し、灼熱の炎で四方の敵を次々と倒していく。


すると、そこにレクシーが愛用するブーメランタイプのデュエルギア”ハーピィ・カイリー”が飛んでくる。


城之内は、炎の大剣でハーピィ・カイリーを弾き飛ばした。

下手に炎を出してしまうと、ハーピィ・カイリーの風の力により、逆に炎を利用された攻撃を仕掛けられてくるからだ。


レクシー:「さて、前の続きと行くわよ」
レクシーは弾かれたハーピィ・カイリーをキャッチし、やる気充分の表情を見せた。



城之内:「あぁ、来い」
城之内の雰囲気が、昨日と違うように見えたレクシー。

城之内は、どこか落ち着いた表情をしている。


レクシー:「あら、昨日とは違うのね。何かあったの?」

城之内:「俺は、俺さ。昨日の俺と何も変わりはないぜ」
少し笑って城之内は言った。


レクシー:「そう…。なら、昨日より本気で行くわよ」
レクシーが持つハーピィ・カイリーが輝き出す。

レクシーは全身全霊で、城之内と戦うつもりのようだ。






その頃、シェリーは、自分を襲ってくる敵を、戦闘不能に追い込んでいた。


聖剣-シュヴァリエで、峰打ちさせ、殺さず気絶させていくシェリーだったが、後ろから感じる殺気に気づき、咄嗟に後ろを振り向いた。



シェリー:「ベロニカ…!」

ベロニカ:「あなたに恨みはない。でも、敵である以上、容赦はしない」
ベロニカはとてつもない殺気を放ち、シェリーはそれに一瞬、怯えてしまった。


しかし、シェリーは昨日の彼女との戦いの中で、気になることがあった。

彼女は日本に対する復讐心を持っている。一体、それは何故なのか。シェリーは、ベロニカに問い詰めた。

シェリー:「日本に復讐する。昨日、そう言ってたわね」

ベロニカ:「…」

シェリー:「あれ、どういう意味かしら?」
シェリーはベロニカのローズ・・ジョワユーズを受け止めながら、問いかけた。

ベロニカはしばらくだんまりを続けた。


だが、彼女にとって日本に対する復讐は大きなもの。心の中に留めることはできなかった…。



ベロニカ:「私の両親は、戦闘の中、日本人に殺された」

シェリー:「!」

ベロニカ:「この世は戦争だから、両親を失う人は沢山いるわ。でも、私にとって、大切な父と母だった。だから、私の大切なものを奪った日本人が憎いのよ」
ベロニカはそう言って、シェリーから一旦距離を取り、後ろに下がる。


シェリー:「あなたの父と母を殺した日本人は、誰だかわかっているの?」

ベロニカ:「そんなこと私が知ったことじゃない」

シェリー:「なら、目の前にいる日本人に復讐しても意味ないじゃない」

ベロニカ:「そんなことわかっているわ。でも、この心を押さえることができないのよ。昔は、デュランを見ただけでも腹立たしかったわ」
同じシャインレディの1人デュランは、日本人だ。名前を変えたところで、日本人であることに変わりはない。だから、昔は、彼女を見た時、常に復讐心が蘇っていた。

ベロニカの復讐はそれだけ強いということだ。


シェリー:『この人も、私と同じ…』
シェリーもかつてある組織によって両親を失っている。

その時は、自分も復讐に捕らわれ、両親を殺した組織を追っていたときがあった。


結果的に、両親を殺した奴は、ある出来事を理由に存在がかき消され、復讐は無意味になった。







だが、何もなかった…。


復讐をしたところで、両親が戻ってくるわけではない。


それに気づいたのは、随分後のことだった。


ベロニカ:「私は、私が満足するまで、日本人をこの手で斬り続ける。例え、子供でも!」
ローズ・・ジョワユーズを構えたベロニカがシェリーに攻撃を仕掛けてきた。


シェリーとベロニカの戦いが始まる…。







その頃、風也はあんなに沢山の敵を相手にするのが難しかったため、敵から距離を取っていた。


ある一人を除いて…。


マンディ:「逃げるなんて、男らしくないね。見た目と同じで、貧弱な奴だね」
大剣タイプのデュエルギア”ディルジャルグ”を持つマンディだけは、風也を捕えていた。


風也は、”異次元エスパー・スター・ロビン”の長剣タイプデュエルギア”スター・ツヴァイハンダー”を手に持ち構える。


マンディ:「昨日も言ったけど、その武器じゃアタシには勝てないよ」

風也:「武器を見た目で判断するのはよくないよ。例え、小さな武器でも、使う人で、その武器は状況を覆すことができるんだからね」
スター・ツヴァイハンダーの刀身が黒いオーラに包まれる。

マンディ:「?」

風也:「闇の心理が、あなたを覆う。この攻撃からは誰も逃れられない」
スター・ツヴァイハンダーの刀身に纏われた闇のオーラが、周囲に散布され、マンディを捕える。


マンディ:「何をするのか知らないけど、こんなこけおどしがアタシに通用すると思っているの?」

風也:「こけおどしかどうか、確かめて見なよ」
風也はスター・ツヴァイハンダーを上に突き上げる。

すると、頭上に黒い次元の穴が展開された。


風也:「そこに突っ立ってると、大怪我するよ」
風也はそう呟くと、黒い次元の穴がエネルギーをチャージする。


マンディ:「確かに、これはちょっとやばいかもね…」
マンディは少し後ろに下がる。


風也:「もう遅いよ。僕の闇の力で、あなたを葬る」
黒い次元の穴に溜めていたエネルギーのチャージが完了したようだ。

風也:「ダンケルハイト・サイコ」
黒い次元の穴から無数の光線が放たれ、下にいるマンディに襲いかかる。


マンディは、ディルジャルグを使って抵抗する。


しかし、思った以上に放たれた光線の数が多く、全てを弾き飛ばすことはできなかった。

光線の1つがマンディの頬をかすめた。

マンディ:「チッ」
マンディは、剣をいきなり地面に突き刺す。


風也:「?」

マンディ:「はああ!」
マンディが攻撃を受けながらも気迫を溜める。

マンディの気迫に答えるかのように、ディルジャルグの刀身が赤く輝く。


風也:「あれは…」
刀身が赤くなっているということは、まさか…。

風也は何となくマンディが何をしてくるのか予測がついた。


マンディ:「プロミネンス・テスタメント!」
地面に突き刺したディルジャルグから炎が噴き出し、マンディを包み込む。


やっぱり、炎属性の攻撃…。風也は、ディルジャルグの刀身が赤くなった時点でそう思っていたようだ。


マンディ:「アタシに近づくと火傷するよ!」
マンディがそう言うと、自身を包み込んでいる炎から、次々と火が飛んできて、風也の攻撃と対抗する。


更に、周りに散布されている闇のオーラが、飛び散る炎によって、かき消される…。



昨日の戦いで、風也は闇属性の波動を使用した攻撃は見せなかった。だから、一応切り札として取っといたのだが、それはマンディも同じだったようだ。

マンディも昨日の戦いでは、炎の属性波動を使用した攻撃は出して来なかった。

だから、風也にとって予想外のことだった。



お互いの攻撃が落ち着き、さっきまで見えていた風景が目に映る。


マンディ:「闇属性の波動を持っていたなんてね。もしかして、見た目に遭わない悪人とかだったりして」

風也:「悪いけど、僕、悪人面するの苦手なんだよね。それに、あなたもとっておきを残していたとはね」

マンディ:「フッ、あたしの炎のビビったのかい?これぐらいの攻撃、まだまだ序の口よ」
マンディは地面に突き刺したディルジャルグを引き抜く。



風と炎、マンデイは力は、この2つの属性が鍵になるだろうと、風也は思った。

そして、同時に彼女には、まだまだ底知れない力があると悟った…。








その頃、吹雪と剣代が乗るプライベートジェット機は、目的まで残り20分ぐらいのところまで来ていた。

予定よりも早く到着しよう、罠を仕掛けるため、城之内たちに変装していた仲間に、スピードを上げてくれと頼み、飛行機は凄まじい速さで、目的地へ向かう。




吹雪:「みんなと連絡は着いたかい?」

剣代:「いえ、ミッションウォッチで何度も呼びかけていますが、応答ありません」

吹雪:「となると、おそらく敵が研究所を包囲した可能性があるね」

剣代:「ビューティフルジャスティスは、女性のみで構成された組織とはいえ、小組織に分類される組織。人数もそれなりいるはずです」

吹雪:「予想していなかったわけじゃないけど、やっぱりもう少し入念に作戦を練るべきだったかもね。これじゃあ、僕たちじゃなくて、向こうみんなが囮になってようなものだよ」
吹雪の作戦は、敵を自分たちに向けることで、城之内達を急いで目的地へ到着させ、麗しのブランイヤリングを手渡すことが作戦だった。


しかし、結局、敵は、目的地のシークレットサービス管理下の研究所に組織の大半を送り付けているみたいなので、無論敵は向こうの方が多い。


城之内達だけじゃ、確実に厳しいはずだ…。


剣代:「城之内さんたちは強い。そう簡単にやられる人達じゃないですよ」

吹雪:「そうだね。今は、彼らを信じよう」
とにかく、一刻も早く目的地へ着くことを優先する吹雪であった。




その頃、剣代たちのプライベートジェット機を襲ったレイドは、研究所に飛行機を着陸させ、外に出ていた。


島のあらゆる場所から爆発音が聞こえる。

レイド:「ドンパチやってるねえ」
レイドは周りを見渡し呟いた。


レイド:「さて、本物の麗しのブランイヤリングを持っている奴を探しに行きますか」
レイドは、行動を開始しようとしたとき、後ろに誰かいることに気付いた。

レイド:「フッ、そちらは戦いに参加しないのかい?」
レイドが後ろを振り向かず質問する。


後ろには、フードを被った男性が素顔を隠して立っていた。


レイド:「アンタらファクト団にとって、ビューティフルジャスティスは手駒に使える戦力。失いたくはないはずだ」
レイドが後ろを振り向き、フードを被った男性を見る。

謎の男:「使えないなら捨てる。それがファクト団だ。それに、あの小娘どもと同盟を組んでいるのは、アメリカ政府の機密情報を入手するために組んでいるだけだ」

レイド:「だが、結局、連中でもアメリカ政府の機密情報にたどり着くことはできない。予想は外れた」

謎の男:「最初から期待などしていない。我らのボスは、最初からビューティフルジャスティスを捨てるつもりでいるようだからな」

レイド:「おぉ、こわっ。それで、麗しのブランイヤリングはどうするつもりだい?いらないなら、俺がもらっちゃうけど」
レイドはそう言って、その場を後に使用とする。

謎の男:「勝手な行動は慎んでもらおうか」

レイド:「俺は、アンタと同じファクト団の者じゃない。命令を聞く覚えはないぜ」

謎の男:「麗しのブランイヤリングは、ファクト団にとって、今はそれほど重要なものではない。欲しければくれてやる。だが、ファクト団はビューティフルジャスティスがまだ使える組織なのか見極めたい。欲しければ、ビューティフルジャスティスが奪った後にしてくれ」

レイド:「おいおい、そちらの勝手な理由なんか知ったことじゃないよ。俺は俺の好きにやらせてもらう―」
レイドが、再びその場を離れようとしたとき、フードを被った男性からとてつもない殺気が放たれ、レイドは一瞬恐怖を覚えた。


どうやら、ここは言うことを聞くしかないようだ。

レイド:「わかったよ。麗しのブランイヤリングは、女共が奪ったら取り上げることにするよ」
レイドは、フードを被った男性に背中を見せる。


謎の男:「この島は、ビューティフルジャスティスが支配しているが、同時に我々も支配している。勝手な行動をすれば、即座に捕まえる」

レイド:「了解だ。俺は、麗しのブランイヤリングが女たちの手に来るまで戦いの見物でもしておくよ」
レイドはそう言って、その場を後にした。


謎の男:「世界犯罪者のレイド。やはり、侮れない奴だ…」
フードを被った男性も、その場から離れる。





その頃、風也は…。


風也:「はぁ、はぁ」
激しく息を切らし、膝をついていた。

マンディ:「ホントだらしないわね。これだけでへばるなんて」
風也と違い、まだ余裕の表情を見せるマンディ。


何度も言うが、マンディはビューティフルジャスティスの中で一番の筋力を持つ女性だ。

だから、体力もかなりあるのだ。



マンディ:「アタシは昔、プロレスラーをやっていてね。その時、現実を体験してがっかりしたよ。プロレスラーでも、こんなものなのかってね」
プロレスラー時代の話をするマンディは、過去のことを思い出して語り始めた。


マンディ:「全然、アタシを満足させてくれる相手はいなかったわ。男でも、アタシを見ただけで逃げる人はいるし、拳1発で倒れる奴もいた。全然、楽しくなったよ」
マンディにとって、何も面白くない過去の話し。

強い奴と戦いたい。だから、プロレスラーなんてやめてもっと世界を広く見るために、ビューティフルジャスティスに入って強い相手を求めてきたマンディ。





マンディ:「それは、ビューティフルジャスティスに入っても、結局同じ。強い相手を求めてきたけど、アタシを満足させてくれる人なんていなかった。ましてや、アンタみたいな貧弱な人ばかりで、プロレスラーにいた方が良かったと思ったときもあったわ」

風也:「あなたが求めている強さは何ですか?」
風也は立ち上がり、マンディに質問を投げた。

マンディ:「強ければ、それでいいわ。アタシを満足させてくれる強さ。アタシが欲しいのはそれだけよ」
マンディが、そう言うと風也は「そうですか」と呟き、スター・ツヴァイハンダーを前に突き出す。


マンディ:「アンタみたいな貧弱が、アタシを満足させてくれるなんて期待してないよ。アンタの強さの限界は見極めさせてもらったからね」
マンディがディルジャルグを振り回し、そして風也に接近する。


風也は息を吸っては吐き、気迫を溜める。

風也の周辺から風が吹き荒れる。


マンディ:「もう何をしても無駄だよ!」
マンディはディルジャルグの刀身に風を纏わせる。


マンディ:「デストロイ・フェザー!!」
刀身に纏った風を解き放つマンディ。

風也も知っている。この攻撃は飲み込まれれば、木端微塵に斬られる竜巻だ。


だが、それでも風也は態勢を崩さなかった。

ましてや、口を半開きし、そして呟いた。


風也:「真の姿を見よ、スター・ツヴァイハンダー」
スター・ツヴァイハンダーが輝き、その後、マンディが解き放った攻撃は、風也がいる場所から解き放たれた斬撃で打ち消された。


マンディ:「アタシの攻撃を一撃で…!」
流石に驚いたマンディは、目の前を見る。

白煙が消え、風也の姿が見えてきた。


風也:「あなたが、その武器を使うなら、僕も、同じ条件で戦うよ!」
マンディは目を疑った。さっきまで、長剣のデュエルギアを持っていたはずの風也だが、今は大剣タイプのデュエルギアを持っていた。

物凄く重たそうにも見える。



マンディ:「まさか、セカンドステージ…」
セカンドステージに入ったデュエルギアが、形状を物凄く変えるときはある。

今回みたいに、長剣のものが大剣になったり、他にもリボルバー銃が、ショットガンにある時だってある。


風也:「セカンドステージじゃないよ」
風也はそう呟き、大剣を地面に突き刺す。

風也:「これは、スター・ツヴァイハンダーのもう一つの姿、いや本来の姿と言っておくべきかな。知らないのかい?ツヴァイハンダーって言うのは、ドイツで使用されていた巨大な両手剣のことだって」
そう、ツヴァイハンダーとは、昔ドイツで使用されていた巨大な両手剣のことなのだ。

ついさっきまで使っていたスター・ツヴァイハンダーのサイズは巨大な両手剣ではなく、長剣サイズの武器だった。

だが、今はこれこそツヴァイハンダーだと言わんばかりの武器である。


スター・ツヴァイハンダーは、長剣の大剣の2つの形態を持つ可変型デュエルギアなのだ。


言うなれば、遊馬が使うナディエージダやエスペランサと同じタイプのデュエルギアである。



マンディ:「何だい。まだ奥の手があったのかい」


風也:「バリアンとの決着が着いてから10年。遊馬と共に修行し、その中で身に付けた、僕の成長の証だよ」
風也は地面に突き刺さった大剣のスター・ツヴァイハンダーを持ち上げ、剣先をマンディに向けて、いつでも掛かってきなよと挑発させるようなそぶりを見せる。


マンディ:「アタシと同じ大剣を使うのはいいけど、アンタの体力でどこまで、それを振るうことができるかしらね。そんな貧弱な身体じゃ、1回振り回しただけで、かなり体力持って行かれそうに見えるけど」

風也:「なら、仕掛けてみればいんじゃない?そしたら、わかるかもよ」

マンディ:「それもそうだね」
マンディは風也に向かって全速力で走る。

マンディ:「プロミネンス・テスタメント!!」
ディルジャルグの刀身が炎に包まれ、更にその炎がマンディを包み、その炎から周囲に炎が散布される。


無数の火の球が風也に迫る。


しかし、風也は、その場から動かず、大剣となったスター・ツヴァイハンダーを振り回し、火の球を弾き飛ばす。


弾き飛ばされたことで、マンディにその炎が跳ね返ってくるが、マンディは当たらないように、その攻撃を躱し続けた。



マンディ:「やるね。少しは楽しくなってきたよ!」
マンディはディルジャルグを大きく振り上げ、風也に向かってディルジャルグを思いっきり振り下げる。


風也:「効かないよ!」
風也はスター・ツヴァイハンダーで、マンディの大きな一太刀を受け止めた。


マンディ:『アタシの一太刀を受け止めた…』
マンディは一旦、後ろへ下がる。


風也:「僕の大盤振る舞いを見せてあげるよ!」
普段は、仮面を付けたとき、エスパー・ロビンの時にしか言わないセリフを、風也は言った。


マンディ:「面白い、面白いよ!アンタ!アタシを久しぶりに燃えさせてくれる!」
マンディの目つきが変わった。

戦いが楽しくてしょうがないのだ…!






風也:「行きます!」
風也はスター・ツヴァイハンダーを両手で持ち、マンディに接近する。


マンディ:「アタシも行くよ!」
マンディも風也に立ち向かう。


両者の大剣がぶつかったとき、周りを風圧が襲った。


マンディ:「はあ!」
ディルジャルグを思いっきり振り、風也を吹き飛ばそうとするが、風也はそうはならないように、すぐ後ろへ下がった。

マンディ:「いい反射神経だね。でも」
マンディは距離を取った風也に急接近する。

風也は急いで スター・ツヴァイハンダーを持った状態で防御態勢に入り、マンディのディルジャルグを受け止める。



マンディ:「大剣に切り替えた所為で、アンタの行動速度が遅くなっている。やっぱり、まだ使い慣れていないようね」
マンディの言っていることは嘘ではない。

今、自分が持っている大剣タイプのデュエルギアは、自分の体型には合わない武器だ。

だから、この武器の力を手にしてから、修行を積み重ね扱えるように努力してきた。


それでも、まだちゃんと扱うことができていない。

実戦でも、全然使ってこなかった スター・ツヴァイハンダーの大剣モード。

デメリットは、自分の行動速度が激変するということだ。


風也:「確かに、これを使っているとき、僕の行動速度は制限される。今でもうまく扱えるように、修行しているよ!」
風也は、 スター・ツヴァイハンダーに力を込め、思いっきり振り、マンディを遠ざける。


マンディ:「けどその修行も、全然効果が現れていないみたいね。その扱い方じゃ、アタシに勝てるわけないよ」
マンディは気迫を込め、攻撃態勢に入る。

マンディ:「今から放つ攻撃は、アタシが持つ力の中でもっとも最強の攻撃。アンタに、この攻撃を止めることはできない」
マンディから感じる気迫が徐々に大きくなる。


風也も息を吸って吐いて呼吸を整え、攻撃準備に入る。

風也:「あなたの攻撃に僕も全身全霊で受けるよ」
スター・ツヴァイハンダーを前に突き出し、後ろにマントを広げた”異次元エスパー・スター・ロビン”の幻影が現れる。


あっちも最大の力をぶつけてくるみたいね…。マンディはそう思ったのだろう。

表情が楽しそうに笑っていた。


ディルジャルグから眩しい輝きが放たれ、マンディはその直後にディルジャルグを振り回す。

マンディ:「激しい疾風よ。アタシに、勝利の道を!」
マンディはディルジャルグの柄を両手でギュッと握り、力を込めて特大の斬撃を放った。

マンディ:「デストロイ・フェザー・エクスプロージョン!!」
ディルジャルグから放たれた斬撃は空中で、無数の竜巻へと変化した。

無数の竜巻は、通常のデストロイ・フェザーで放つ竜巻が無数にあるとか考えていいだろう。


当たればケガでは済まない。普通なら誰もが逃げるはずだ。

だが、風也は逃げなかった。ましてや、竜巻に向かって突っ走り出した。

マンディ:「!?」
それを見たマンディが驚いた。

何をするつもりだ…!

マンディの心の中では、その言葉だけがループしていた。


風也:「僕と一緒に戦って、エスパー・スター・ロビン!正義の大盤振る舞いで、希望の道を照らせ!」
大剣モードのスター・ツヴァイハンダーに、風也の背後にいるエスパー・スター・ロビンの幻影が吸収される。


風也:「ディメンション・パーガトリー!」
マンディが放った攻撃を、スター・ツヴァイハンダーの刀身で吸収する。

マンディ:『アタシの攻撃を吸収している…!エスパー・スター・ロビンは異次元の力を操るデュエルギア。まさか、異次元の力を刀身に宿して…、はっ!』
マンディが色々と考えていると、いつの間にか風也はマンディが放った攻撃を全て吸収していた。


風也:「ディメンション・コントラクト!」
スター・ツヴァイハンダーの刀身が緑色に輝く。


異次元の契約…。これは、ディメンション・パーガトリーで吸収した攻撃を、自分の力とし、スター・ツヴァイハンダーの刀身に纏わせるものだ。


風也は、マンディが放った攻撃を、スター・ツヴァイハンダーに纏わせ、彼女を倒そうというのだ。



マンディ:「叩き斬ってあげるよ!うおおおおお!」
マンディは両手で、ディルジャルグを持ち、風也に仕掛ける。


両者、物凄い気迫を放ち、そして、武器を振り下げる。


武器を振りおろしてからは一瞬の出来事だった。


お互い、どうなったかわからなかった。


しかし、それでも周りを確認すると、マンディのディルジャルグの刀身が折れていた。


折れた刀身は、宙を舞って、マンディのところへ落ちる。



落ちた刀身は、マンディの右肩にぐさりと突き刺さった。

現実は認めたくない。だが、もう認めざるを得ないだろう。

この痛みは本物なのだから…。


マンディは、そのまま地面に仰向けで倒れた。



風也:「僕の勝ちだよ」



正義の大盤振る舞いは、勝利の希望を永遠に照らしてくれる…。

勝者は、風也!








第12ED『Sky chord~大人になる君へ~《辻詩音》』







次回予告

ナレーション:女性の気持ちと言うのは、男性には永遠に分からないもの…。

城之内は、そう思っていた。だが、レクシーとの戦いの中、彼もまた一人の男性として成長していく。

彼女のために、城之内は、その剣で敵を斬る!


城之内:次回、遊戯王5DXAL「ラブリーファイア!城之内の叫び!」


城之内:「俺は、あいつしか愛せないんだよ…」




遊戯王5DXAL豆知識コーナー!!


風也:「僕が愛用する”スター・ツヴァイハンダー”は、長剣と大剣の2つの形態を持つ可変型デュエルギアだよ。もっとも大剣の方は、まだ扱いになれてないから、これからも沢山修行して自在に操れるように頑張らないとね」
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