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第31話:『梨香VSケリロット 復讐鬼姫の猛攻』








小鳥:「えーと、できる限り、この国にいる人を守ってください。最優先が非戦闘員の救助です。あと、みんな無事に生き残ること、それだけです!」

未来:「いい言葉よ、小鳥ちゃん。お母さんのことは任せて」

明里:「私も一緒に探すわ」


ナーヴ:「奴らの隙にさせてたまるか」

ブリッツ:「俺たちだって半年間で力つけてんだ」

タカ:「奴らに俺たちの力を見せつけてやろうぜ」


御伽:「君たち、彼女の言葉聞いてた?優先は救助だよ」

本田:「ま、いいじゃねえか」


みんなが小鳥の言葉でやる気を出す。




慎也:「よし、みんな行くぞ!ミッション続行だ!」
慎也の掛け声で、みんなが外に出る。








街中は住民を殺そうと、テイタラファミリーの部下共が、そこら中にいた。



女性A:「きゃあああ!!」
一人の女性が逃げている。


テイタラファミリーの部下:「逃げろ逃げろ!死にたくなかったらな!」
部下は笑いながら女性を追いかける。

逃げていた女性は、右足を躓き、その場に転んだ。


部下は、女性の後ろに立つ。

テイタラファミリーの部下:「じゃあな」
部下は、武器を振り下ろした。

女性:「きゃあああ!」
女性は悲鳴を上げるしかできなかった。


部下:「ぐはっ!」
しかし、部下はいきなりその場に倒れてしまった。

女性:「え…?」
一体、何が起きたのか理解できない女性。

しかし、その答えは前を見てすぐにわかった。


エド:「キミ、大丈夫か?」
灰色の男性が女性に声をかけてきた。エド・フェニックスだ。

エドの手には、黒いスピアが握られている。

柄の頭で男の後頭部を殴ったのだ。


エド:「足を挫いてしまったのか」
エドは女性の足首を見てすぐに挫いたと判断した。女性の右足首は赤くなっていた。

明日香:「彼女は、私が安全なところまで運ぶわ」
エドの後ろに明日香がやってきた。

エド:「頼む」
エドは、女性のことを明日香に任せ、明日香は、女性に自分の肩を借りて立たせた。

2人は、この場を後にする。


その間に、別の敵の部下がやってきた。


エド:「虫みたいにぞろぞろと出てくる奴らだ」
エドは手に持つスピアを構える。

エド:「このブラッディランスィーで倒してくれる!」
エドが持つスピアは、D・HEROBloo-Dのデュエルギア、”ブラッディランスィー”だ。

突き刺し斬り倒した敵は血に染まる。無敵の槍だ。







別の場所では-------



2人のファミリーの部下が、周りをうろちょろ見ている。

部下A:「気を付けろ。さっきの動き、まるで猫だ」

部下B:「だが、俺の目は捕えた。敵は、女だ。力はない」
どうやら、この2人は何者かと戦っているようだ。しかも、女性だ。


キャッシー:「力はなくても、引っ掻く力はあるわよ」
猫耳のような髪の毛で眼鏡を付けた女性キャットちゃんは、いつの間に部下2人の間にいた。

キャッシー:「キャットネイルよ!」
キャッシーは右腕につけているブラウンとピンクのクロー武器で2人の部下の顔を引っ掻いた。

2人はギャアーと悲鳴を上げて、その場に倒れた。

キャッシー:「ご馳走様、ニャ♡」
キャットちゃんが使う、キャット・ガールのデュエルギア”キャットネイル”は見た目によらず引っ掻かれるとものすごく痛い。





他のところでも、SOA特務隊のメンバーは戦闘を開始し人命救助を優先に任務を開始した。


慎也:「全員、この半年でかなり力をつけている。そう簡単にやられはしないぞ、バギー」
慎也の言う通り、ワックスポワロの事件依頼、みんなの力は確実に上がっている。ついに、その力を見せるときが来たのだ。






第3OP『BRAVING!《KANAN》』







第31話:『梨香VSケリロット 復讐鬼姫の猛攻』








SOA特務隊が動いたことは、すぐにファミリーの幹部たちの耳に入った。



J・J:「何?フロンティアが」
走っていたJ・Jは、その場で止まる。


部下:『はい!間違いありません!フロンティアのSOA特務隊です!』
通信でもわかる。部下共は焦っている。





別の場所で通信を聞いていたファミリー四天王の一人、バックス。

バックス:「へっ、動いたか。一番つえ、慎也は何処だ」
バックスは走り続ける。



フェイトロン:「ほお、ついに来ましたか」
幹部の一人フェイトロンは、着けている蝶ネクタイをまっすぐにする。





王宮の中




ビート:「ぐがあああ!ぐがああ!」
すごい鼾を立てて寝る、幹部の一人ビート。


部下:「起きてください、ビート幹部!敵の反撃です」

ビート:「うーん、どこの敵だよ?」
毛布にくるまりながら部下に聞く。

部下:「フロンティアです!すでに、数人のファミリーの一員がやられています!」

ビート:「そいつら、強いのか?」

部下:「おそらく」
あまり自信はないが、部下は取り合えず、「はい」と返事をした。

ビート:「仕方ねえな」
ビートは布団から出てきた。




急いで、着替え、髪の毛を整える。


ビート:「強い敵ならやりがいがある。行くとするか」
ビートの目つきが少し変わった。

寝ることしか頭にないビートも街へと出て戦場に加入する。










1人で敵と戦う梨香----



部下A:「敵は、女一人だ!さっさと倒せ!」
1人の部下が周りにいる8人の部下に命令し、梨香に襲いかかる。

ファミリー全員の武器は近距離タイプの武器しかいなかったので、全員が梨香に近づく。

梨香:「簡単にやられるわけにはいかないのよね!」
梨香の手には刀が握られていた。

剣代が持つ光燐之太刀より、少し短い刀だ。


梨香:「煌めけ!サイバーエンジェル-螺天(ラーマ)!」
刀身が輝く。

梨香:「ラーマーヤナの斬よ!」
梨香はサイバーエンジェル-螺天のデュエルギア、”ラーマーヤナ”から斬撃を放ち、敵9人を一気に倒した。


梨香:「やった!イエイ!」
喜ぶ梨香。倒れている敵に向かってピースする。


サイバー・チュール:『梨香、私たちの目的忘れていない?』
ピンクのツインテールでバレリーナ用の舞台衣装を着こなす女性、”サイバー・チュール”が精霊体で出てきた。

梨香:「わかってるわよ。人命救助が最優先でしょ?」
梨香にはデュエルモンスターズの精霊が見える。それは、亡き父である十代の血を引き継いでいるからだ。

サイバー・チュール:『全く、梨香の性格はママと似ても似つかないわね』
溜息をつくサイバー・チュール。ママとは、明日香のことだ。


梨香:「ムッ。悪かったわね」
頬を膨らせる梨香。


すると、そのとき、どこからか悲鳴が聞こえた。


女性と男性、入り混じっている。


サイバー・チュール:『梨香!』

梨香:「うん!行くよ!」
梨香は悲鳴が聞こえた方へ走る。








男性:「た、助けてくれ…!」

女性:「助けて」
カップルが抱き合っている。女性は涙目になっている。


目の前には、剣を持った女性が立っていた。

ケリロット:「あなたたちに恨みはないけど、これも仕事だから」
ファミリー幹部の1人ケリロットは剣を振り上げる。



すると、どこからか斬撃が飛んできて、ケリロットの前を通過した。


梨香:「2人とも急いで逃げて!」
斬撃を放ったのは梨香だった。

男性:「あ、ありがとう…!」
男性が梨香にお礼を言って、彼女と一緒に逃げる。



梨香:「さあて、ここからは私が相手よ!ファミリーのお仲間さん!」
梨香が剣を構える。


目の前に立つ女性の横顔。さっきの斬撃の影響で立った砂塵が、女性の横顔を少し見えにくくしている。

ケリロット:「まさか、あなたがフロンティアの関係者だったなんてね」

梨香:「え…」
聞き覚えのある声。梨香はつい最近、この声をどこかで聞いた。


砂塵が消えて行く。

ケリロットが梨香の方へ顔を向ける。

梨香:「!!?」

ケリロット:「梨香、まさか、こんな形で、あなたと再会することになるなんてね」

梨香:「レ…レミ…!」
そう、梨香の目の前に立つ女性。それは、ついこの間、自分が道に迷っていたときに助けてくれた女性、上原レミだった。

友達になったばかりの女性だった。








その頃、アメルダとヴァロンは怪我をした老婆2人を担ぎ走っていた。


アメルダ:「おい、ヴァロン。どこへ行く?」

ヴァロン:「俺に聞くな!この国は詳しくないんだぞ!」

アメルダ:「婆さん、この国の住民だろう?どこか安全地帯とか知らないのか?」
アメルダが自分が担いでいる老婆に聞く。

老婆A:「この国は、安全なじゃ。全ての場所が安全地帯じゃよ」

ヴァロン:「現実を見てくれよ。今、この国は戦場だぞ!」
ヴァロンが少し焦りながら言う。

すると、後ろでスゥスゥ聞こえてきた。

なんとヴァロンが担いでいる老婆は寝ていたのだ。

ヴァロン:「なっ!こんなときに!」

アメルダ:「ええい、とりあえず、みんなが避難しているところへ行くぞ!」


ヴァロン:「そうするしかないようだな」
2人は人が多く避難している場所へ走った。









レミと再会した梨香。



梨香:「レミ…」

ケリロット:「……」

梨香:「レミ、あなたがどうして!」
梨香は今、何が起きているのか理解できなかった。

今、目の前にいるのはつい先日会って友達になった女性。

その友達が、さっきまで、そこにいたカップルを殺そうとしていた。

友達が人殺しを図ろうとしていたのだ。


ケリロット:「梨香、ごめん。私、テイタラファミリーの幹部なの」

梨香:「幹部って…」

ケリロット:「私は、テイタラファミリーの幹部、”ケリロット・バウ”」

梨香:「ケリロット・バウって、あなたは上原レミでしょ」

ケリロット:「その名前は、とっくの昔に捨てたわ。家族全員を失い、テイタラファミリーに拾われてから、私の名前はケリロット・バウになったのよ」

梨香:「嘘よ!あなたは私の友達でしょ!ねえ、そうでしょ?」
梨香がゆっくりとケリロットに近づく。

ケリロット:「あら、私がいつ友達になるって言った?それは、あなたの思い過ごしよ」
その言葉を言い放った瞬間、ケリロットは走って梨香に近づき、刃を向けた。

梨香:「!!」
梨香は、咄嗟に刀を構えた。

ケリロットは、梨香が構えた刀に、自分の刀をぶつける。

梨香:「ぐっ、太刀筋が…重い」
梨香は、この半年間、兄である剣代と修行をしていた。

その時に、刀の太刀筋の重さを快感している。

梨香は思った。レミの太刀筋は、兄と同レベルであることに。

ケリロット:「甘いわ!」
ケリロットは身体を捻り、脚を梨香に突き出す。

その蹴りは、梨香のお腹目掛けて飛ばされた。

梨香は右手を腹の前に出し、蹴りを受け止めようとするが、受け止めた瞬間、その蹴りの強さに耐えきれず、後ろに飛ばされた。

梨香:「きゃあ!」
梨香は仰向けに倒れてしまう。

ケリロット:「よく受け止めたわね。でも、受け止めきれなかった。少しやり過ぎたかしら」
不気味な笑みを見せるケリロット。

咳き込みながら、立ち上がろうとする梨香。

梨香:「太刀筋に、今の蹴り。かなり、鍛えこまれている」

ケリロット:「当然よ。私は十年前のとき、母と弟を亡くしてから、ずっとテイタラファミリーの、みんなに色々と叩き込まれたのよ」

梨香:「10年前…?そういえば、レミ、小さい頃に父を病気で亡くして、その後に、母と弟を通り魔事件で亡くしたって…」

ケリロット:「そうよ。家族を全員失ってから、私はファミリーの養子として、育てられたわ。愚かな人間に復讐するためにね!」
ケリロットの表情が変わった。

梨香:「復讐って…」

ケリロット:「私は父を病気で亡くしたわ。母と弟を通り魔事件で亡くしたわ。3人とも、助けられるはずだったのにね」
ケリロットは歯を思いっきり食いしばる。


梨香:「助けられたはずだった?どういうことなの…?」

ケリロット:「私の父は、次元振動が起きる前に、ある病気を患っていた。直すのは、困難な病気だと医者は言っていたわ。だから、毎月配られていた薬で、何とか生きながらえていた。だけど、その直後に次元振動が起きてしまった」

梨香:「!!」

ケリロット:「あの恐ろしい次元振動の影響で世界は変わってしまった。でもね、私たち家族には幸運だったわ。なんせ、その次元振動の影響で父の病気を治せるワクチンが見つかったからよ」

梨香はケリロットの話を黙って聞いた。

ケリロット:「私たち家族は神様が幸運を与えたんだと思ったわ。すごく嬉しかった。でも!」
ケリロットは拳を握り占める。

ケリロット:「病院の方は、そのワクチンの配合を見誤ってしまい、逆に父の病気を悪化させてしまったわ。その直後に、父は亡くなったのよ」

梨香:「それ、裁判にはならなかったの?」

ケリロット:「なったわよ!でも、裁判員は、病院側の調査した結果を元にワクチンを作り上げたこと、そして、初めて行われたこと、失敗に犠牲は付き物だとかふざけたことを言って、病院側を無実にしたのよ」
ケリロットは涙をぽろっと出す。

ケリロット:「そして、そのあと直ぐに起きたのが通り魔事件。これもそうよ。警察が一度取り押さえた強盗を取り逃がした所為で、逃げ道の先にいた母と弟を隠し持っていたナイフで突き刺し殺した。警察がミスさえ侵さなければ、2人は死なずに済んだわ」
ケリロットは涙を拭く。

梨香:「レミ…」
ボソッと、彼女の名前を口に出す。





ケリロット:「前世紀からそうだったのかもしれないけど、世界には愚かな人間が沢山いるわ。私は、家族を亡くしテイタラファミリーの養子になり、そして、17歳になって、歳を取らなくなってしまった。永遠の命を手にしたのよ」

梨香:「17歳で永久の命を…」

ケリロット:「知っているはずよ。世界の半分は次元振動の影響で年を取ることのない永久の命を手にした人がいるけど、1年に100人~200人が永久の命を自然に手にすることが多い。私は10年以上も前に”パーマネントライフ”で計測した結果、永久の命を宿ったと判断したわ」
パーマネントライフというのは、体温計のようなもので、口に加えて、その者が”永久の命”に値するかを検査するものである。


ケリロット:「私は、テイタラファミリーに忠誠を誓ったわ。私はファミリーのために働く。そして、家族を懲らしめた人間を殺し、世界をテイタラファミリーのものにする!」

梨香:「レミ、あなた…!」

ケリロット:「レミって名前は捨てたわ!私の名前はケリロット・バウ!ファミリー紅一点の幹部よ!」
ケリロットが梨香に急接近する。





サイバー・チュール:『梨香、この子は、復讐に取り付かれているわ』

梨香:「分かってるわ!でも、私はレミを…レミを助けたい!」
梨香が刀を構える。


ケリロット:「何、一人でベラベラとしゃべっているのかしら」
ケリロットには、サイバー・チュールの姿は見えない。梨香が独り言を言っているようにしか見えないのだ。


梨香もケリロットに接近する。

そして、2人の剣が交わる。




梨香:「レミ、復讐したって、あなたのパパもママも弟も、返ってこないわよ!」

ケリロット:「そんなこと、わかっているわよ!でもね、私はどうしても許せないの!家族を奪った人間を!」
梨香とケリロットは一度、距離を取る。

ケリロット:「”魔導法士ジュノン”!魔導書の力を今ここに!」
ケリロットが持つハンドアンドハーフソードと呼ばれる剣の刀身が輝く。

ケリロット:「マジークガイドソード、その刃で梨香を塵にせよ!」
ケリロットが使う魔導法士ジュノンのデュエルギア、”マジークガイドソード”から斬撃が飛ばされる。

梨香:「ラーマーヤナ!その輝きで敵の攻撃を受け止めて!」
梨香は手に持つ刀から斬撃を放ち、2人の攻撃がぶつかる。



その影響で、砂塵がまき散らされた。


梨香:「うっ」
梨香は、目を瞑ってしまう。

サイバー・チュール:『梨香、前!』

梨香:「分かってる!」
梨香はすぐに目を開いた。

その瞬間、ケリロットが、砂塵の中から飛び出てきて、梨香に剣を突き刺そうとする。


しかし、梨香は瞬時に躱した。


ケリロット:『これを躱すなんて…』
ケリロットは少し驚いた。


この一瞬の攻撃を躱したからだ。






梨香は、この半年で、修行した一部の記憶を思い出す。






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それは、母である明日香が、自分たちを呼んだときのことだった。




梨香:「動体視力?」

明日香:「ええ、あなたたちのお父さんはね、物凄く目が良かったの。学生時代のときに、体育の時間で、球技をしているときに、完全にボールを捕えていたわ。まあ、その動体視力があっても、頭脳派の三沢君には勝てなかったけど」

珠里:「でも、その動体視力がどうしたの?」
珠里が質問してきた。


色葉:「3人には、その動体視力を上げてもらおうと思うの」
そこに、色葉が現れた。

知っていると思うが、色葉は十代の幼馴染でもある。


梨香:「色葉さん」

色葉:「あなたたちが十代の子供なら、遺伝で動体視力がいいはずよ」

剣代:「なるほど、動体視力を鍛えれば、動くものを捕えることができる。今後の戦いにも役に立つ」

色葉:「流石、長男!頭いいね」

梨香:「でも、具体的にどうやって、上げるの?」

色葉:「そうね。やっぱり、バッティングセンターとかで、ボールを避けるところから始めるしかないんじゃないかしら。一流のスポーツ選手は、そういう身近な場所で動体視力を鍛えているわ。勿論、このフロンティアにはスポーツができる場所もある、バッティングセンターもね」
色葉がウインクする。




そして、動体視力を鍛える修行を始めた。


3人共、ヘルメットをつけて、ピッチングマシンから16メートルぐらい離れた場所に立つ。


ヘルメットを被っていれば、頭に当たっても平気だ。






梨香:「あわわわわ」
梨香は両手を広げ、慌てる。

ボールが飛んできて、頭を下げてしまう。

ボールは頭上を通っていった。



珠里も、梨香のように慌てていた。

ましてや、しゃがんでも、お尻にボールが当たることも多かった。



剣代は、100%ではなかったが、ボールを避けていた。

一番、十代の血が通っているだけのことはある。




しかし、梨香も珠里も負けていられなかった。

1週間して、避けられるようになった。

たまにボールに当たってしまうが、20回に1回程度だ。


色葉:「うん、もうヘルメットは外しても大丈夫ね」

明日香:「でも、頭にだけは気を付けなさい」

梨香、珠里:「「はーい」」
2人は返事をし、剣代もわかったと返事をする。



2週間にして、3人の動体視力は前に比べてものすごく上がった。



吹雪:「すごいね。2週間で、ここまで上がるなんて」
吹雪は目の前の光景を見て驚いた。


バッティングのレベルはトレーニングモードマックス。これは、バッディングするときのレベルではなく、こういった修行のために使われるレベルで、その辺のバッティングセンターにはないレベルだ。

そして、難易度は球速:165 km/hが2秒ごとに飛んでくるレベルだった。


それを3人はいとも簡単に躱している。



吹雪:「流石、我が義理息子たちだね」


明日香:「兄さんは関係ないでしょ」

吹雪:「いやいや、明日香の子供は、僕の子供でもあるからね」

明日香:「調子のいいこと言っちゃって」
少し呆れる明日香。



色葉:「でも、これなら、戦いで生き抜けるレベルね」

明日香:「そうですね」
少し暗い顔をする明日香。

色葉:「分かっているわ、明日香」

明日香:「え?」

色葉:「あの子たちを戦場に出したくないのわ。でも、母である、あなたが信じていないと」

明日香:「大丈夫よ。私もわかっているから」

色葉:「そう」





梨香:『これなら行ける』
梨香は、心の中で、そう思った。




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ケリロットの攻撃を躱す梨香。




梨香:「さっきのお返しよ!」
梨香はケリロットを蹴ろうとする。

ケリロット:「くっ!」
ケリロットは両腕で蹴りを受け止め、後ろへ下がる。


ケリロット:「やるわね」

梨香:「私があなたの目を覚まさせてあげるわ」
梨香の目が真剣になった。


友を助けるため、梨香は動く。








第2ED『空とキミのメッセージ《choucho》』







次回予告

ナレーション:友を助けるために動いた梨香。

その頃、ドルべの前に幹部の1人、トリアンイトが立ちふさがる。

住民を人質に取られ、動きを止められてしまったドルべ。

だが、そのとき、ドルべに奇跡の光が降り注いだ。


ドルべ:次回、遊戯王5DXAL「光天使の光 奇跡の光」


ドルべ:「彼らを救う力を、私に…!」





遊戯王5DXAL豆知識コーナー!!



梨香:「私が使っているデュエルギアは”サイバー・エンジェル-螺天(ラーマ)”の、”ラーマーヤナ”。お兄ちゃんと同じで刀タイプの武器よ。母譲りのモンスターに、父が戦争の時に使っていた刀。パパとママの思いが詰まった武器よ。因みに、ラーマーヤナは、ヒンドゥー教の聖典の一つで、その主人公がラーマと呼ばれている伝説の戦士よ」
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