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第29話:『テイタラファミリーの策略 ダイシャラス王国の危機』






ダイシャラス王国式典3日前の午前中



小鳥:「お母さん!?」
目の前にいる人物を見て驚く小鳥。そこに立っていたのは、実の母、琴羽だった。

隣には、九十九未来がいる。


琴羽:「仕事は頑張っているかしら?小鳥」

小鳥:「う、うん。でも、どうして、お母さんがこの国に?」

琴羽:「それは…」
琴羽は、自分がなぜここにいるのか、その経緯を全て話した。


小鳥:「へえ、そうだったんだ。なんか、サチとセイに似てるわね」

琴羽:「あら、フロンティアの関係する友達以外にも、この国にいるの?」

小鳥:「うん、二人も旅行券で、この国に来たんだって」

琴羽:「セイちゃんとサチちゃんとは楽しめた?」

小鳥:「うん、また明日、会うことになってるわ」

琴羽:「そう、楽しんでらっしゃい」
琴羽が目の前にあるジュースを飲む。


未来:「それじゃあ、私たちは、ママトークでもしましょうか。明日ぐらい、2人でゆっくりしましょう」

琴羽:「そうね」

楽しく話す3人。





その頃、サングラスをかけた1人の男がビルの上にいた。


何やら地図を出して、数か所に×印を書く。


ロスト:「ここも違ったか」
腕を組む男。それは、四大神王者のロストだった。


ロスト:「なんとしても式典までに、この国の闇を暴かねえとな」
すると、電話の着メロが鳴った。

電話を見ると、画面には、武藤遊戯と書いてあった。

ロスト:「遊戯さん…?…もしもし」
電話に出るロスト。

ロスト:「え!?」
驚くロスト。その理由とは…。









第3OP『BRAVING!《KANAN》』







第29話:『テイタラファミリーの策略 ダイシャラス王国の危機』







ロスト:「えっ!?遊戯さんも、この国に来るんですか!?」
電話の内容を聞いて驚くロスト。


ロスト:「いえ、別に困るわけではないですけど。はい、はい、2日後の昼ですね。わかりました」
そう言って、ロストは電話を切った。



ロスト:「早く仕事しないとな」
地図を片付けるロスト。


急いで、屋上を後にした。







その頃、小鳥たちは。



小鳥:「未来さん、その…」

未来:「どうしたの?小鳥ちゃん」

小鳥:「いや、3日後のことで…」
その言葉に未来は少しだけ悲しそうな顔をする。


未来:「覚えてくれたんだ」

小鳥:「ごめんなさい。ダメな話だってことはわかっているんですが、どうしても気になって」

未来:「いいわよ。それに、忘れていなかったのね」

小鳥:「忘れるはずないです!」
少し強く言葉を発する小鳥。


琴羽:「もう何十年も経っているのね」

未来:「ええ」
ジュースを飲む未来。

未来:「この任務が終わって、街に帰ったら行くわ」

小鳥:「そうですか」
口は笑っているが、目が笑っていない。今の小鳥は、少し悲しい表情をしている。

小鳥:『2日後、この国で式典が行われる日。この日は、遊馬の命日でもある。遊馬は、この日、落石に巻き込まれ、生死不明となった』


小鳥:「私も一緒に行っていいですか?」

未来:「ええ、あの子も喜ぶわ」

琴羽:「ちゃんと、遊馬君のお墓に挨拶していきなさい」

小鳥:「わかってるわよ」
小鳥が窓の外を見る。








ダイシャラス王国

王宮




ラットリー:「王子、昨日の連中、消さなくてよろしかったのですか?」
昨日の連中とは、会談に来た宝井たちのことのことを言っているのだろう。


バギー:「消してもよかったが、それで計画に支障が出ては困る」

ラットリー:「一人二人殺したところで、それほど影響は出ないはずですが…」

バギー:「忘れたのか、お前は?連中は何十人の仲間を引き連れて、この国に入国している。あの5人を殺せば、必ず、仲間たちは異変に気付け動き出す」

ラットリー:「まあ、そうでしょうね」
ちょっとしょんぼりするラットリー。



バギー:「奴らを殺して、外の連中を動かしたくない。奴らにも、計画のために人質になってもらおうじゃないか。このテイタラファミリーの幹部に勝てる奴なんていやしないんだ」

ラットリー:「注意すべき相手は、やはり、桐潟慎也ですね」

バギー:「ああ、十天老士が前に出るとは思えんし、そいつを覗けば、一番キャリアが高いのは奴だ。奴の戦いの武勇伝は知っているし、最悪、幹部全員を送り付ける可能性もある。そんなことより、例の装置の準備はどうだ?」
バギーが言う例の装置、ラットリーはあれのことだなという感じで受け答える。


ラットリー:「準備は90%ほど完了しています。現在は、エネルギーの最終調整のみです」

バギー:「そうか」

ラットリー:「それと、私の方から少しご報告したいことが」

バギー:「なんだ?」


ラットリー:「半年前に、ワックスポワロに突如現れた男のこと覚えていますか?」

バギー:「四大神王者ロストのことか。奴がどうした?」

ラットリー:「はい、実は、まだ確信ではないのですが…」
ラットリーは自分が知っていることを全て話した。

バギー:「!?そいつは本当なのか」

ラットリー:「ええ、実は、内緒で情報部門に調べさせていたんです。この半年間。すると、足取りを追っていったら」

バギー:「その情報にたどり着いたということか。だが、奴は、既に死んでいるはずでは」

ラットリー:「えぇ、ですから、確信がないんです」

バギー:「だが、これは面白い情報手にした。まさか、あのロストがな…」
バギーがニヒッと笑う。











とある大部屋



そこに、慎也、オブライエン、剣代、ドルべの4人がいた。


オブライエン:「司令はどうした?」

慎也:「お前たちに話すことなど何もないと言って、ここには来なかった」

剣代:「自由なお方だよな、十天老士様って言うのは」

ドルべ:「最初からあの人に頼るつもりはない。いてもいなくてもかわらんさ」

慎也:「厳しいな。それより、ドルべ。昨日の会談のことだが、どうだった?王子と会って」
慎也が率直にドルべに質問した。

ドルべ:「…少し昔話から始めますが、私は一度、人間ではない存在でした。そのときの私は、敵である人間に殺意を感じさせていました」
ドルべが言う昔話。それは、自分がバリアンだったときの話だ。

バリアンとは人間界、アストラル世界に並ぶ第3の世界バリアン世界のことだ。ドルべを初め、凌牙や璃緒たちは、そのバリアン世界の住人だった。

今亡き友である九十九遊馬とアストラルのおかげで、バリアンとして消え去った自分たちを人間として蘇らせてくれたのだ。



ドルべ:「私が、あの会談で感じたもの、それは、私が出していた殺意と同じもの。それを、王子から感じ取りました。いえ、王子だけではなく、門で出迎えをしたラットリーという男からもです」

剣代:「ドルべの言う通りだ。俺も、あの王子から危険な匂いがする」
剣代も腕を組んで言う。


慎也:「オブライエンはどうだった?」
慎也がオブライエンに同じ質問をしてきた。

オブライエン:「……」
オブライエンは口を開かなかった。

だが、これが何を意味しているのかは、慎也にはわかっていた。


慎也:「謎の第2王子、王宮にて現るか」

オブライエン:「それで、これからどうするつもりだ。踏み込むわけではあるまい?」

慎也:「これだけじゃ、踏み込む理由にはならんだろう。それに、今回、命令の権限があるのは宝井司令だ。あの人が動かないんじゃ、こちらも手が出せないさ」
椅子に深く腰掛ける慎也。

ドルべ:「だが、もし向こうが動いてでもしたら…」

慎也:「そのときは、正々堂々と相手をしてやるさ。相手が、どんな手を使ってこようがな」
パソコンのモニターに映るバギーのプロフィールを真剣に見る慎也。










ダイシャラス王国


街中のとあるファミレス。


サングラスで素顔を隠す四大神王者の一人ロストが、ハンバーガーを食べていた。

ハンバーガーの他にテーブルには、ポテトフライとジュースがあった。

タブレットを使って、何かを調べていた。


ロスト:「関係者以外立ち入り禁止区域はざっと200件か」
ロストがタブレットで見ていたのは、ダイシャラス王国の地図だった。

何カ所に印が表示されているが、これは、ロストが口にした立ち入り禁止区域のところだろう。


ロスト:「更に、ここから王宮関係者しか立ち入ることができない場所は…」
ロストはタブレットを操作し、条件を絞って立ち入り禁止区域を洗い出す。


すると、およそ50件がヒットした。


ロスト:「はあ、50件ね。こりゃあ、式典までに全部を見るのは無理か。とりあえず、手あたり次第見て回るか」
ロストは、ジュースを飲んで、店を出る。








その頃、一人の女性が道に迷っていた。


梨香:「やばい、道に迷っちゃった」
周りを見て、そう確信した梨香。

梨香:「ママに電話しても繋がらないし、ホテルの名前は頭に入れていないし、最悪」
ため息をついた梨香。


すると、


???:「どうかしたの?」
一人の女性が梨香に声をかけてきた。

梨香:「え?」
梨香は後ろを振り向いた。

そこには、自分と同じくらいの銀髪の女性が立っていた。

???:「よかったら、聞くけど…」
その言葉を聞いた梨香は、声をかけてくれた女性に迷子だと話した。


???:「そう、じゃあ、私も探すよ。この街は長いし、すぐ見つかるかも」

梨香:「ホント!ありがとう!えーと…」

レミ:「レミ。上原レミ」

梨香:「日本人なんだ。私は、天上院梨香。よろしくね。レミ」

レミ:「こちらこそ。それで、ホテルだけど、どんなところとか覚えている?」

梨香:「えーとね、確か高い高級ホテル」

レミ:「それだけじゃ、わからないよ」
レミが少し呆れる。

梨香:「慎也さんが言うには、有名人とか国家政府の人がよく宿泊するホテルとか言ってたかな」

レミ:「なら、あそこかな。10分ぐらいでつけるわ。行きましょ」
レミは、指を指し、梨香はレミについて行く。



2人は歩きながら、色々と話した。


梨香:「へえ、生まれも育ちも、ここなんだ」

レミ:「ええ、昔は家族とずっと、ここに暮らしていたの」

梨香:「昔?今は?」
梨香の、その言葉でレミは少し悲しい顔をした。


レミ:「もう家族はいないわ。物心つく頃に、父を病気で亡くして、4、5歳の頃に母と弟を通り魔殺人事件で亡くしているわ」
レミが言った言葉で梨香も、少し悲しい顔をした。

梨香:「ごめん。聞いちゃいけないこと聞いちゃったね」

レミ:「ううん、いいの。梨香は、信頼できる両親がいるの」

梨香:「ママはいるわ。学生の頃は、女王とよばれていたぐらいに強いデュエリストだったみたい。パパもママ以上に強かったみたいだけど、私が生まれる時には、もうこの世にはいなかったわ」

レミ:「私も聞いちゃいけないこと聞いちゃったわね。ごめんなさい」

梨香:「知らなかったんですもの、仕方ないよ」

レミ:「私たち、少し似ているわね。フフフ」

梨香:「そうだね。ハハハ」
2人は笑う。


そうこうしているうちに…



レミ:「さあ、着いたわよ。ここでしょ」
レミが指を指すホテル。それは、紛れもなく自分が宿泊しているホテルだった。

梨香:「ここだわ!ありがとう、レミ。また、またどこかで会いましょう」

レミ:「そうね」

梨香:「じゃあ、ホント、ありがとう!」
梨香はホテルに向かって走り出す。

レミは、手を振って見送った。


すると、電話が鳴り出した。

レミ:「はい」

J・J:『ケリロットか。俺だ』
電話の相手は、あまり世には知らされていない王宮に潜む四天王の一人J・Jだった。

レミ:「どうしたんですか?」
レミも、さっきとは違う雰囲気で話す。まるで暗そうな顔で。




J・J:「予定より、帰りが遅いんで連絡した」
J・Jの王宮の門の側で電話をしていた。


レミ:「すいません。ちょっと、寄り道をしていたので」

J・J:『また子供と遊んでいたのか?お前の子供好きには呆れる。それより、早く帰ってこい。王子がお呼びだ』

レミ:「了解です。すぐ行きます」

J・J:『ケリロット、一つ忠告しておく。王宮の外にいる人間は全て駒だ。子供も含めてな。そして、家族を失ってから、お前を育ててきたのは、王子を初め、この王宮のみんなだ。期待を裏切るなよ』

レミ:「分かっています」
レミは電話を切って、王宮に向かった。









その頃、ホテルのフロントでは----



珠里:「お姉ちゃん、遅かったね」

梨香:「ゴメン。道に迷って、レミって子に案内してもらっていたの」

珠里:「レミ?この街の人?」

梨香:「ええ、そして、私の友達よ」
梨香は嬉しそうに言う。








あれから、3日が経過した。







王宮



バギー:「ついに、この日が来た。このファミリーが、この世界を変えるときが!」
バギーは暗い部屋の中独り言を呟いた。

その姿は闇に潜む狼のようだった。





その頃、各国から沢山の有名人が来日してきた。


飛行機は、各国の自家製ジェットで埋め尽くされている。



クロウ:「すげー、飛行機の数だな」

ジャック:「各国から多くの著名人が来ているんだ、同然だろ」
2人は空港の屋上から滑走路を眺めていた。


クロウ:「式典開始まで残り2時間半。お前はこれからどうする?会場まで行くか?」

ジャック:「ふん、そっちは慎也たちがいる。それに、式典などに興味などない」

クロウ:「同感だな。ひとっ走りするか」
クロウがヘルメットを手元に持つ。

ジャック:「いいだろう」

そう言って、2人はDホイールを走らせた。










式典開始1時間前



会場は既に、沢山の人で埋め尽くされていた。


会場の近くの道路も渋滞している。


小鳥:「すごい人だわ」

璃緒:「そうね。流石、バギー王子ってところかしら」

凌牙:「ふん、浮かれている場合じゃねえだろ。話しに聞けば、慎也たちは、あの王子を警戒してんだろ。何が起きるかわかんねえぞ」

璃緒:「まあ、そうだけど」

ベクター:「まあ、いいじゃねえか。今は、黙って式典を見てようぜ」
いきなり凌牙と璃緒と肩を組んで来たベクターがニコニコして言う。


鉄男:「そういえば、セイやサチたちは、どうした?」

小鳥:「遅れてくるって。何でも、渋滞に引っかかって、開始10分ぐらい前に到着しそうなのよ」
鉄男と質問に小鳥が簡潔に答えた。







その頃、サチとセイはタクシーに乗っていた。



サチ:「運転手さん、あとどれくらいで着きそうですか?」

タクシー運転手:「うーん、このスピードだと、40分ぐらいかな。いつもなら、10分ぐらいで着けるんだけど、式典日だからね」

セイ:「車から降りようにも、車間距離がこんなに狭いんじゃ出れないわね」

タクシー運転手:「ごめんね。なるべく急ぐから」

サチ:「お願いします」
渋滞に引っかかったタクシーの中で会場に到着するのを待っていた。







式典開始30分前




宝井:「いいな、慎也。何があっても勝手な行動は厳守しろ」
無線機で慎也と連絡を取り合う宝井は、今、ホテルのフロントにいた。





慎也:「了解です」
その頃、慎也は既に会場入りしており、王子が登場するのを待っていた。


毎年、式典はとある大広場でやっている。

天気は快晴。式典の日には持って来いの天気だった。










式典開始20分前



ラットリー:「みんな、準備はいいな?」

ポッパー:「俺たちの準備はできている。それより王子はどうした?」

ラットリー:「もうじき来る」

ビルベント:「いやは!ようやく、このときが来たのか!」

フェイトロン:「全てはテイタラファミリーのために」

ケリロット:「………」




バギー:「全員集まっているな」
幹部たちがいる元にバギーが現れた。

後ろには、四天王の4人がいた。

バギー:「行くぞ。俺たち、ファミリーが戦争の引き金となる時だ」
バギーはおしゃれなマントを羽織り、会場へ行く。






式典開始10分前





ロスト:「……」
四大神王者ロストは、どこか怪しい場所に潜り込んでいた。


ロスト:『ここで、32件目。そろそろ、何かしらの物が出てもいいんだが』
ロストは静かに前へ進む。



しばらく進むと、目の前に光が見えた。照明の光だ。


ロストは、そこに向かって歩き出す。





ゆっくりと照明がついている場所を覗き込むロスト。


ロスト:「……!」
ロストは何かを発見した。

目に映るもの…

それは、巨大な装置だった。

全長70メートルぐらいはあるだろう。


ロスト:「なんだよ…!これ」
ロストは急いで、巨大な装置の周りを見る。


ロスト:「地下に、こんなものが…」
しばらく歩いていると操作できそうなモニターを見つけた。

モニターに何かが表示されているものの、操作方法がわからない。

とりあえず、モニターに映る内容を見た。



ロスト:「バリアの制御装置?平和な国に、何でこんなものが必要なんだ」
ロストがぶつぶつ言っていると、電話のバイブが動き出す。

ロストは急いで電話に出る。


ロスト:「遊戯さんですか?えぇ、多分とんでもない代物が出ましたよ」
ロストは巨大装置を見て言う。






そして、午前10時




10時の鐘と共に、音楽隊の合唱が始まった。


これは式典のオープニング。毎年同じ合唱が演奏される。

2分ほどの演奏が流れ続け、お花が沢山並ぶ壇上の上に、バギー第2王子が立つ。


同時に、演奏も止まった。


バギー:「国民の皆さん、そして、各国から来日された皆さん、今年も、この時期がやってまいりました。我が父の命日に行われるダイシャラス王国の盛大な式典!父も天国で喜んでこの光景を見ているでしょう。そして、もう一つ、今年は多元世紀になって、丁度50年になります。次元振動の影響で、世界は入り混じり、戦争が絶えない世界となってしまいました。デュエルモンスターズを使った戦争。こんな戦争は、いつ終わるのか。いつ世界は平和になるのか。我々は、それを願い続けて、今まで生きてきたことでしょう」
バギーはマイクの前に、大きな声で話を続ける。





小鳥:「戦争が絶えない世界か。ホント、世界はいつ平和を取り戻すんだろう」

鉄男:「そうだな。それに世界中の8割は歳をとらない身体になっている。人口は増え続ける一方、戦争で死者を多数も出している。ホント、平和な国はまだ訪れることはないな。いや、もう訪れることがないかもな」

小鳥:「あんまり、不吉なこと言わないでよ」
小さい声でしゃべる小鳥と鉄男。

そして、2人がしゃべっている間に、バギーの話も大詰めを迎えてきた。



バギー:「苦しい生活が、今まであったでしょう。そして、これからもある。ですが、今は、そんなことを忘れて、楽しみましょう。今年は、昨年までとは違う式典にしています!皆さんには一瞬ですが楽しんでいただきます!」




ドルべ:「ん?一瞬?」
バギーが言った言葉に反応するドルべ。


ベクター:「どうしたんだ?ドルべ」

ドルべ:「あの男、今、一瞬って言ったよな」

ベクター:「ん?その今まで違う式典のサプライズが一瞬で終わるってことじゃねえのか?」

ドルべ:「そんなバカな考えがあるか」
ドルべは急いで、壇上の上に立つバギーに向かって周りの人を避けながら近づく。

ドルべ:『胸騒ぎがする』



バギー:「まずは、今年の式典を始める前にもう一言、申し上げたい。戦争は人が争いを続けるからこそ続くもの。ならば、その争いを続ける人間を消せばいい!だから!」
バギーがそういった瞬間-------。








ダイシャラス王国、地下施設





地下施設にある巨大装置が起動した。


そこに四大神王者のロストがいた。


ロスト:「装置が起動した…!?」
驚くロスト。







その頃、外は-------。



ダイシャラス王国全体がバリアのようなもので囲まれた。


住民たちは動揺し始めた。一体、これから何が起きるのだろうかと。



ロビン:「なんだ…?」




ゴーシュ:「おいおい、国全体が囲まれたぞ!?」
フロンティアのメンバーたちも驚く。





小鳥:「な、なに…」

するとどこからか悲鳴が聞こえた。


場所は壇上のすぐ側だった。


ガードマンの一人が血まみれで倒れていた。

それを見た近くの女性が悲鳴を上げたのだ。


斬ったのは、茶髪で鼻ピアスをした男だ。なぜなら手に、血まみれのナイフを持っているからだ。




ガードマン:「一体なんの真似だ!?」
もう一人のガードマンが、ナイフを持った男に近づこうとした、そのとき---。


ひゅー、ぐさっ!

そのガードマンの胸を一本の矢が撃ち抜いた。



バギーの隣に立つ灰色のオールバックの髪の男。この男も形は違うが鼻ピアスをしている。手には、クロスボウが握られている。



式典にいる、みんなは恐怖で足が動かない。

この式典は、毎年、全世界生放送をしているので、テレビでも、この光景は映っていた。



バギー:「私、ダイシャラス王国第2王子バギーは、ここに宣言する!我々、テイタラファミリーが、この国を治め大組織の一つにし、戦争をコントロールできる理想の世界にすることを!!」
バギーがそういった瞬間、バギーの周りに多くの人数が現れた。

バギーの下につく幹部たちだろう。


バギー:「誰かが戦争をコントロールすれば、戦えない民たちは平和に暮らせる!この国はもっと平和になる!」
バギーが両手を上げて笑って言葉を発する。


小鳥:「戦争を理想する世界なんて…民が幸せになれるはずが…!」
小鳥が思っていることを口にする。



バギー:「勿論、今、この国にいる人達には、我々の計画を遂行するための犠牲となってもらう。この国に張り巡らされたバリアは、この国にいる不幸な人々を閉じ込めるために、一年かけて作り上げた強力なバリア。中から攻撃しても外から攻撃しても消すことはできない」
バギーは国全体を張り巡らされているバリアを見て言う。



慎也:「くそっ…、ドルべの嫌な予感が当たったか」
慎也が悔しそうに言う。




バギー:「さあ、始めよう。テイタラファミリーが戦争を動かすときだ!」
バギーは恐ろしい目つきで言う。







第2ED『空とキミのメッセージ《choucho》』





次回予告

ナレーション:遂に、本性を露にしたバギー率いるテイタラファミリー。

国家政府に要求を出し、国にいる人々の無差別殺人を開始する。

無差別殺人は、要求が受け入れるまで続けると宣言するバギー。

これに対抗しようと慎也たちが動こうとするも、司令宝井は反撃の命令を与えず、待機せよと命ずる。

そんなとき、小鳥がついに怒りを爆発させた。


小鳥:次回、遊戯王5DXAL「司令権剥奪!? SOA特務隊反撃開始」

小鳥:「あなたに司令は務まらないわ!」




遊戯王5DXAL豆知識コーナー!!




宝井:「フロンティアの上層部には、私を含む十天老士と呼ばれている10人で構成された機関が存在する。この機関はフロンティアの最高権力でもあるため、我々の決定は絶対である」
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