第27話:『三沢の決闘 召喚!ファイブ・ドラゴン!』
ダイシャラス王国
港
ラリー:「ここが、ダイシャラス王国か」
船から降りたラリーが、目の前に見える光景を見て言う。
と言っても、倉庫が立ち並ぶだけで、向こう側から、がやがやと声が聞こえるぐらいだが。
ナーヴ:「それで、ここからどうするんだ?」
ナーヴが隣にいる慎也に声をかける。
慎也:「作戦会議で言った通りだ。半年前、ワックスポワロでプリズンに連れていかれた狂言が、なぜ、ここに入国を繰り返していたのか、それの調査だ」
タカ:「けどよ、こういった場合、どういう調査をすればいいんだ?」
慎也:「観光客の姿を装い、まずは街中を探る。そうすれば、少しは情報が手に入るかもしれないからな」
雑賀:「なるほどな。だが、聞く相手を間違えたら」
慎也:「全てが水の泡になるな。そのときは、みんなでフォローするさ。何かあったときは、ミッションウォッチの無線で知らせてくれ」
雑賀:「了解だ」
慎也:『さて、吉と出るか凶と出るか。ここの島の影が見つかるといいんだが』
第3OP『BRAVING!《KANAN》』
第27話:『三沢の決闘 召喚!ファイブ・ドラゴン!』
フロンティア
百々原元帥の部屋
百々原が、作業をしていると、いきなり扉が開いた。
百々原は作業の手を緩めず、言葉を発する。
百々原:「トップの部屋にノックもしないで入るとは、一体、誰だい?」
百々原は聞く。
???:「久しぶりに、ここに来たんで。つい忘れていました」
入ってきた男性の声を聞いて、手がピクッと止まり、顔を上げる。
百々原:「ほお、これは珍客だ。まさかが、君が来るとはな」
ダイシャラス王国
港
フロンティアのSOA特務隊がダイシャラス王国に上陸。慎也の指示で、既に、メンバー全員は、船から降りていた。
宝井:「慎也、俺に何も言わずに、SOA特務隊を動かすとは、どういうつもりだ」
船から降りてきたのは、今回の司令、宝井重郎だった。
慎也:「すいません、いつもの癖で」
慎也が謝った。しかし、頭を下げず、ただ口で言っただけの謝罪だった。
宝井:「今回は、俺が司令として一緒に来ているんだ。忘れるな」
慎也:「承知しております」
慎也はそう言って、その場をすぐ後にする。
宝井:『油断も隙もない男だ。だが、所詮、SOA特務隊の奴らも、フロンティアにとってはただの駒。全てを統一するためのな』
宝井が悪だくみするような顔で言う。
SOA特務隊のみんなが街中に出て調査を開始する。
城之内&舞ペア
舞:「ねえ、この男、この街で見たことない?」
舞が街中を歩く犬の散歩中と思われる男性に聞く。
しかし、男性は知らないといい、舞はその男性にお礼を言って、その場を後にする。
城之内も、同じ写真を持って街中の人々に聞くが、応えはさっきから同じで知らないと返事が戻ってくるだけだった。
舞:「城之内!」
舞が城之内に手を振る。
城之内:「どうだ?そっちは」
舞:「ダメね。この男見たことある人は一人もいないわ」
城之内:「そうか。まあ、そう簡単には見つからないか」
舞:「テレビとかで見たことあるけど、こういうのって結構が手がこるのよね」
城之内:「ああ、とりあえず、聞くだけ聞こうぜ」
舞:「そうね」
2人は再び聞き込みを開始する。
雑賀&ラリーペア
ラリー:「何か俺たち、刑事みたいだね」
雑賀:「遊びじゃないぞ」
ラリー:「わかってるよ。でも…」
ラリーがチラッと目線を変える。
雑賀はラリーの目線の先を見る。
ももえ:「きゃー、ジュンコさん!これ安いですわよ!」
ジュンコ:「安いけど、その服の柄、何かダサくない?だったら、こっちの方が、いいじゃん!」
キャッシー:「何言ってるんですか!こっちの方が大人らしさがあってかわいいじゃないですか」
3人の女性が洋服店で服を手に持ち、言い争っている。
チャーリー:「へい、彼女!俺とお茶でもしないかい!」
チャーリーは路上でナンパしていた。
明里:「チャァァーリィィー」
物凄い目でチャーリーを睨む明里。
チャーリー:「そ、そんな怖い顔すんなよ、マイハニー」
明里:「誰が、マイハニーだぁぁ!」
明里はチャーリーをぶっ飛ばし、チャーリーはお星さまになった。
雑賀は呆れた顔で、その姿を見る。
雑賀:「これは、慎也に報告だな」
雑賀はため息をついて言う。
チーム・ラグナロクペア
ハラルド、ブレイブ、ドラガンの3人が缶コーヒーを片手に、路上に立っていた。
ブレイブ:「そう言えば、今回の任務で司令について、お偉いさんについて聞いたか?」
ハラルド:「ああ、確か、十天老士の一人、宝井重郎と言ったな」
ドラガン:「慎也から聞いた話だと、十天老士共は、立場を利用して、好き放題する奴らばかりで、今回一緒に来た、その男は隊員を簡単に捨て駒に扱うような奴らしい」
ブレイブ:「おいおい、何だよ。そりゃあ」
ハラルド:「その男が立てる作成は、手段を選ばないらしい。フロンティアの仲間がいるのにも関わらず、躊躇なく島全体を爆破させたり、身代わりになれと、部下たちを盾にすることも多いらしい」
慎也から聞いたことを全て話すハラルド。
ブレイブ:「まだ半年しか経っていない、俺たちに変な作戦押し付けたりしねえよな」
ドラガン:「司令はあくまで宝井重郎だが、作戦隊長は慎也らしいから大丈夫だろ」
ブレイブ:「そ、そうか。なら、大丈夫だな」
少し一安心したブレイブだった。
三沢&クロノス
クロノス:「この男を見たことないノーね?」
クロノスが、女性3人を引き止めて写真に映る狂言を見たことないかと聞く。
女性3人は、全員見たことないというだけだった。
クロノス:「そうなノーね。引き止めて悪かったノーね」
クロノスが、その場を後にする。
三沢:「ゴメン、君。この男、見たことない?」
三沢も近くの男性に聞くが、応えは一緒だった。
三沢:「やはり、狂言は他人にはなるべく顔を見られないように、ここへ来ていたようですね」
クロノス:「そうなると、捜すのは困難なノーね」
少しがっかりするクロノス。
三沢:「直接、狂言に聞ければいいのですが…」
クロノス:「当の本人は、プリズンに連れ去られ、そのままどこかに幽閉されたってシニョール慎也が言っていたノーね」
三沢:「ええ、そうなると、面会はかなり困難だと聞いています。とりあえず、続けましょう。クロノス先生は向こうをお願いします」
クロノス:「分かったノーね」
2人は分かれて聞き込みを再開する。
クロノスと分かれた三沢は、なるべく情報を聞き出すため、通りかかった人すべてに話しを聞く。
しかし、返事はすべて一緒だった。
三沢は聞き込みをしていると同時に頭の中で考え事をしていた。
ワックスポワロでの戦い。剣代や闇川の力。
自分は何もやっていないし、戦い方を見出していない。
三沢:「俺にしかできない戦いとは…一体…」
三沢は少し不安だった。このまま置いて行かれるのではないか。そういう不安だ。
そんな思考の中、三沢は聞き込みを続ける。
そして、聞き込みに夢中だった三沢はいつの間にか、一通りの少ない道に来ていた。
周りに建物はあるが、どこもシャッターが閉まっている。
周りの風景からして、元々ここは商店街だったのだろう。
建物の壁に貼り付けられているチラシは15年前の日付だった。
三沢:「気づかないうちに、ここまで来てしまったか」
ここには人はいないだろう、そう思った三沢は引き返すことにした。
すると、その時!
女性の声A:「きゃああああ!」
女性の声B:「助けてぇぇぇ!」
2人の女性の声が聞こえた。
その声に気付いた三沢は、声が聞こえるところまで走る。
廃虚の建物の中
2人の女性が怯え、周りには3人の男性が女性たちを囲うように立っていた。
男性A:「叫んだって、誰も助けに来やしないさ」
男性B:「アニキ、こいつら、どうします?」
不良アニキ:「そうだな。こないだひっかけた女共より、レベルは低いが悪くない」
そう言って3人の中で兄貴と呼ばれている男がズボンのチャックを下ろそうとする。
不良アニキ:「まずは、俺からだ」
男性B:「え~、前もアニキだったからじゃねえか。今日は、俺からやらしてくれよ」
男性Bがそう言う。
すると、男性Aが青髪の女性の両腕を掴み拘束する。
女性A:「きゃ、離して!!」
女性B:「セイ!」
セイ:「サチ!助けて」
青髪の女性が茶髪に助けを求める。
サチ:「セイを離して!!」
サチが近くにあったパイプでセイを拘束している男性を殴ろうとする。
男性B:「おおっと」
しかし、男性Bがそのパイプを掴み、サチの頬をビンタする。
その場に倒れるサチ。
セイはサチの名を叫ぶ。
不良アニキ:「大人しくしないと痛い目に…」
不良アニキが言葉を続けようとした、そのとき、いきなり扉がバンと開く。
三沢:「!!お前たち、その女性たちに何をしている!」
男性A:「アニキ!」
不良アニキ:「チッ、たまたま、ここを通りかかったか。人が全然いない分、叫ぶと外に響くからな、この辺は。だが、警官じゃねえな。しかも一人だ」
男性B:「なら、殴ってもいいよな!」
男性がBが三沢を殴ろうとする。
躱そうとする三沢だが、少しだけ男性の拳が頬に当たった。
男性A:「面倒な奴だな!」
男性Aが、三沢の腹を膝で蹴り飛ばす。
三沢:「ぐはっ!」
咳き込む三沢。
男性Bも、膝を床に付けている三沢を蹴り飛ばす。
倒れ込む三沢。
セイ:「ああぁ」
怯えるセイとサチ。
三沢:「早く…逃げるんだ…」
三沢が苦しそうに言う。
セイとサチは急いで、逃げる。
男性A:「あ、この野郎!」
男性Aが二人が逃げた扉へ走る。
しかし、その前に三沢が立ちふさがった。
男性B:「お前の所為で、あいつらを逃がしたじゃねえか!」
男性A:「こいつは高くつくぞ!」
三沢:「払うつもりはない」
不良アニキ:「だが、払ってもらうぜ!」
アニキが左腕につけているデュエルディスクで、三沢を襲う。
よく見ると、デュエルディスクに刃物が付いている。いわゆる、改造デュエルディスクというものだ。
三沢:「お前、デュエリストか?」
三沢はそう言って、飛んで攻撃を躱す。
アニキ:「最近はやってねえがな」
三沢:「なら、ここへ真剣勝負。デュエルで勝負をしようじゃないか」
三沢もデュエルディスクを出す。
三沢:『俺の戦い方。やはり、それは、こいつしかない。こいつに俺の頭脳を合わせた戦い。それが、今できる俺の戦い方』
三沢が心の中で呟く。
男性A:「てめぇ、調子のいいこといってんじゃねえよ!」
三沢:「勿論、俺が負ければ、俺を肉なり焼いたりして、彼女たちを追えばいいだろう」
不良アニキ:「ほお、その条件に気に言った。だが、勝負をチンタラとやっている暇はない。あの女共を逃すからな。だから、こちらは3人で戦わせてもらう!」
アニキがそう言うと、男性二人も近くに置いてあったデュエルディスクを腕につける。
三沢:「バトルロイヤルか。いいだろう。倒し害がある!」
4人:「「「「デュエル!!!!」」」」
バトルロイヤルのデュエルが始まった。
全プレイヤー
LP4000
1ターン
三沢:「俺の先行!ドロー!」
三沢がデッキから一枚ドローする。
三沢:「マジックカード”酸素分子補給”を発動!デッキから”ハイドロゲドン”2体を守備表示で特殊召喚する!」
三沢の場に濁った水の集まりでできた恐竜が2体現れた。
ハイドロゲドン ×2
レベル4 守備力1000
不良アニキ:「モンスターをいきなり2体…」
三沢:「だが、これで終わりじゃない。まだ通常召喚が残っている。”カーボネドン”を通常召喚!」
三沢の場に銀色の鎧を纏う恐竜が現れる。
カーボネドン
レベル3 攻撃力800
男性A:「これで3体目!」
三沢:「これで、酸素と炭素が揃った。マジックカード”ボンディング-CO2”を発動!ハイドロゲドン2体と、カーボネドン1体をリリースし、デッキから”カーボンダイアキサイ・ドラゴン”を特殊召喚する!!」
三沢の場の3体のモンスターが一つになり、新たなモンスターが君臨する。
カーボンダイアキサイ・ドラゴン
レベル8 攻撃力2800
男性B:「3体のモンスターが1体に!」
三沢:「カーボンダイアキサイ・ドラゴン効果発動!特殊召喚に成功したとき、墓地に存在する”ハイドロゲドン”1体を特殊召喚することができる!」
三沢の場に、ハイドロゲドンが1体舞い戻った。
ハイドロゲドン
守備力1000
三沢:「先行は最初のターン、攻撃できない。俺はこれでターンエンドだ」
三沢のターンが終了した。
不良アニキ:「1ターン目から上級モンスターを出すとはな。だが、バトルロイヤルルールは全員が最初のターン攻撃はできない。フッ、見せびらかしだな」
アニキがカーボンダイアキサイ・ドラゴンを見て笑う。
男性A:「まだまだ余裕だぜ。アニキ、ここは俺から行くぜ!」
2ターン
全プレイヤー
LP4000
男性A:「俺のターン!」
男性Aがデッキからドローする。
男性A:『まだ始まったばかりだ。焦る必要はないぜ』
男性Aが手札から1枚のカードを右手に取る。
男性A:「”騎士(ナイト)デイ・グレファー”を攻撃表示で召喚!」
男性Aの場に戦士が現れた。
騎士(ナイト)デイ・グレファー
レベル4 攻撃力1700
男性A:「ターンエンドだ」
男性Aのターンが終了した。
3ターン
全プレイヤー
LP4000
男性B:「俺のターン!」
男性Bがデッキからドローする。
男性B:「”ライトレイグレファー”を召喚!」
男性Bの場にも男性Aと似た戦士を召喚した。
ライトレイグレファー
レベル4 攻撃力1700
男性B:「1枚カードセットし、ターンエンド」
男性Bのターンが終了した。
不良アニキ:「お前ら、もう少ししっかりやれよ」
男性B:「こっちには3人もいるんだ。最初から本気なんて詰まんねえだろ」
不良アニキ:「確かにそうだな」
4ターン
全プレイヤー
LP4000
不良アニキ:「俺のターン!」
アニキがデッキから1枚ドローする。
不良アニキ:「俺はこいつを召喚する。”戦士ダイ・グレファー”!」
アニキの場にも戦士が現れた。
戦士ダイ・グレファー
レベル4 攻撃力1700
不良アニキ:「カード1枚セットし、ターンエンド」
アニキのターンが終了した。
三沢:『こいつら3人とダイ・グレファーを。戦士族デッキか?見かけによらず、意外なデッキだな』
三沢の心は、そう呟いた。
ターンエンド
5ターン
全プレイヤー
LP4000
三沢:「俺のターン!」
三沢がデッキから1枚ドローする。
三沢:『それぞれのプレイヤーにモンスターが1体ずつ。そして、中央と左側の男の場には伏せカードが一枚。トラップカードか。はたまた、ブラフ。まあ、攻撃はするがな』
三沢は手札を見てニヤッとする。
三沢:「”アイアゲドン”を召喚!」
三沢の場に鉄の塊でできた恐竜が現れる。
アイアゲドン
レベル4 攻撃力1200
三沢:「こいつが通常召喚に成功したとき、墓地からハイドロゲドン1体を特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターはエンドフェイズ時に墓地へ送られる」
ハイドロゲドン
攻撃力1600
男性B:「エンドフェイズに破壊されるということは、さっきみたいに、強力モンスター召喚するための素材にする気か」
三沢:「察しがいいな。ハイドロゲドン2体をリリース!」
三沢の場のハイドロゲドン2体がフィールドから消えた。
三沢:「”ダイハイドロゲドン”を特殊召喚!」
三沢の場に細部は少し異なるが巨大化したハイドロゲドンが現れた。
ダイハイドロゲドン
レベル6 攻撃力2000
三沢:「このカードはハイドロゲドン2体をリリースした場合のみ特殊召喚できるモンスター。だが、これもあくまで素材だ」
三沢が手札からカードを場に出す。
三沢:「マジックカード”ボンディング-Fe3O4”を発動!ダイハイドロゲドン1体と、アイアゲドンをリリースし、デッキから”アイアンアキサイ・ドラゴン”を特殊召喚する!!」
2体のモンスターが融合。2体目の上級モンスターが現れた。
アイアンアキサイ・ドラゴン
レベル8 攻撃力2800
男性B:「こいつは…」
三沢:「お前たちは科学方式を知っているか。このデッキは、俺が作り上げた最高のデッキの一つ。科学方式デッキ」
三沢の新たなデッキ、科学方式デッキ。
カーボンダイアキサイ・ドラゴンは、炭素+酸素→二酸化炭素で生まれ、アイアンアキサイ・ドラゴンは鉄+酸素→酸化鉄で生まれる。
三沢:「カーボンダイアキサイ・ドラゴンで戦士ダイ・グレファーに攻撃!カーボンブレス!!」
カーボンダイアキサイ・ドラゴンが口から破壊光線を発射し、戦士ダイ・グレファーを破壊する。
不良アニキ:「ぐっ」
不良アニキ
LP4000→LP2900
男性B:「アニキ!」
三沢:「カーボンダイアキサイ・ドラゴンの効果。モンスターを戦闘で破壊したとき、デッキから1枚ドローする!」
三沢がデッキから1枚ドローする。
三沢:「次はお前だ!アイアンアキサイ・ドラゴンでライトレイグレファーに攻撃!アイアンデストロイ!!」
アイアンアキサイ・ドラゴンも口から破壊光線を吹き出し、ライトレイグレファーを亡き者にする。
男性B:「ぐわっ!」
男性B
LP4000→2900
三沢:「アイアンアキサイ・ドラゴンの効果。戦闘でモンスターを破壊したとき、もう一度モンスターに攻撃することできる。アイアンアキサイ・ドラゴン2回目の攻撃で、騎士(ナイト)デイ・グレファーを破壊する!」
アイアンアキサイ・ドラゴンの攻撃が、騎士(ナイト)デイ・グレファーに向かう。
男性A:「うわあ!」
男性A
LP4000→2900
三沢:「カード1枚セットし、ターンエンド!」
三沢のターンが終了した。
不良アニキ:「1ターンで、俺たちのライフから、それぞれ1100ポイントも奪うとはな。少し侮っていたようだな」
男性B:「だが、俺たちのデッキは、3つ揃ってこそ最凶だ」
男性Bが笑って言う。
その笑いに、三沢が無気味な感覚を覚える。
三沢:『こいつら、まさか、タッグデュエリストか』
6ターン
三沢
LP4000
他3人
LP2900
男性A:「俺のターン!」
男性Aがドローする。
男性A:「マジックカード”死者蘇生”!墓地から騎士(ナイト)デイ・グレファーを復活させる!」
男性Aの場に先ほど破壊された騎士(ナイト)デイ・グレファーが戻ってきた。
騎士(ナイト)デイ・グレファー
攻撃力1700
三沢:『墓地のモンスターを復活。狙いは上級モンスターの召喚か』
男性A:「騎士(ナイト)デイ・グレファーをリリースし、”伝説レジェンド・グレファー”特殊召喚する!」
男性Aの場に黄金の鎧を纏ったグレファーが参上した。
伝説レジェンド・グレファー
レベル8 攻撃力3000
三沢:「伝説レジェンド・グレファー…!ダイ・グレファーが伝説の戦士となった最終形態!」
男性A:「そうだ!グレファーの真の姿だ!このモンスターはグレファーと名の付いたモンスターをリリースすることで特殊召喚することができる。更に、装備魔法”伝説-竜の刃”をレジェンド・グレファーに装備!攻撃力500ポイントアップ!」
伝説レジェンド・グレファーの剣が握られる。
伝説レジェンド・グレファー
攻撃力3000→3500
三沢:「攻撃力3500…!」
男性A:「伝説レジェンド・グレファーでカーボンダイアキサイ・ドラゴンを攻撃!」
レジェンド・グレファーがカーボンダイアキサイ・ドラゴンを破壊した。
三沢:「ぐっ!」
三沢
LP4000→3300
三沢:「カーボンダイアキサイ・ドラゴンの効果発動!破壊されたとき、デッキと墓地から1体ずつハイドロゲドンを特殊召喚する!」
三沢の場にハイドロゲドン2体が舞い戻る。
ハイドロゲドン ×2
守備力1000
男性A:「モンスターを残しやがったか。だが、伝説レジェンド・グレファーの効果発動!戦闘でモンスターを破壊したとき、相手ライフに300ポイントのダメージを与え、俺はデッキから1枚ドローする!」
男性Aがデッキからカードをドローする。
三沢
LP3300→3000
舌打ちをする三沢。悔しかったのだろう。
男性A:「更に、装備魔法、伝説-竜の刃の効果により、グレファーと名の付いたモンスター1体につき、300ポイントのダメージを与える。フィールドにいるグレファーは1体。よって、300ダメージを貴様に与える!」
追加ダメージが三沢を襲う。
三沢
LP3000→2700
男性A:「ターンエンドだ:
男性Aのターンが終了した。
不良アニキ:「フッ、このまま押し切るぞ!」
男性B:「おうよ!」
男性Bの反撃が始まる。
7ターン
三沢
LP2700
各男性
LP2900
男性B:「俺のターン!」
男性Bがデッキからドローする。
男性B:「伏せカード発動!”リビングデッドの呼び声”!墓地から、ライトレイグレファー特殊召喚!」
男性Bの場にグレファーが戻ってくる。
ライトレイグレファー
攻撃力1700
三沢:『まさか、こいつも!』
男性B:「ライトレイグレファーをリリースし、”伝説レジェンド・グレファー”特殊召喚!」
男性Bの場にもレジェンド・グレファーが現れた。
伝説レジェンド・グレファー
レベル8 攻撃力3000
三沢:「やはり!」
男性B:「分かってると思うが、このモンスターはグレファーと名の付いたモンスターをリリースすることで特殊召喚することができる」
男性Bが効果の説明をする。
三沢の中では、説明しなくてもいい、と思っていた。
三沢:「装備魔法”伝説-竜の刃”をレジェンド・グレファーに装備!攻撃力500ポイントアップ!」
男性Aと同じで、レジェンド・グレファーに装備魔法をつけた。
伝説レジェンド・グレファー
攻撃力3000→3500
男性B:「伝説レジェンド・グレファーで、アイアンアキサイ・ドラゴンを破壊する!」
伝説レジェンド・グレファーがアイアンアキサイ・ドラゴンを破壊する。
三沢:「くっ」
三沢
LP2700→2000
三沢:「アイアンアキサイ・ドラゴンの効果発動!破壊されたとき、デッキからレベル4の恐竜族モンスター1体を特殊召喚する。”コッパゲドン”を特殊召喚!」
三沢の場に新たなモンスターが現れる。
コッパゲドン
レベル4 攻撃力900
男性B:「モンスターを残したところで無意味だぜ!伝説レジェンド・グレファーの効果!戦闘でモンスターを破壊したとき、相手ライフに300ポイントのダメージを与え、俺はデッキから1枚ドローする!」
デッキから一枚ドローする男性B。三沢もダメージを喰らう。
三沢
LP2000→1700
三沢:「そして、装備魔法の効果か」
男性B:「その通りだ!装備魔法、伝説-竜の刃の効果により、グレファーと名の付いたモンスター1体につき、300ポイントのダメージを与える!フィールドにいるグレファーは相棒のグレファーを合わせて2体。よって、600ダメージ!」
三沢は更にダメージを喰らう。
三沢
LP1700→1100
男性B:「ターンエンドだ」
男性Bのターンが終了する。
三沢:『ワンパターンだな。となると、こいつも』
三沢はアニキと言われている男性を見る。
8ターン
三沢
LP1100
各男性
LP2900
不良アニキ:「俺のターン!」
アニキがデッキからドローする。
不良アニキ:「伏せカード”リビングデッドの呼び声”発動!墓地から戦士ダイ・グレファーを特殊召喚!」
三沢:「…」
三沢は何も言葉を出さなかった。
戦士ダイ・グレファー
攻撃力1700
不良アニキ:「戦士ダイ・グレファーをリリースし、”伝説レジェンド・グレファー”特殊召喚!」
やはり、伝説レジェンド・グレファーを特殊召喚した。三沢の読みは当たっていた。
伝説レジェンド・グレファー
レベル8 攻撃力3000
不良アニキ:「効果をもう言わなくてもいいな」
三沢:「ああ。ったく、三度目の正直とは、まさにこのことか」
不良アニキ:「装備魔法”伝説-竜の刃”をレジェンド・グレファーに装備!攻撃力500ポイントアップ!」
伝説レジェンド・グレファー
攻撃力3000→3500
不良アニキ:「レジェンド・グレファーで、コッパゲドンに攻撃だ!蹴散らせ!」
レジェンド・グレファーが攻撃を開始する。
三沢:「コッパゲドンの効果発動。このカードが戦闘対象になったとき、手札から通常魔法カードを発動することができる!マジックカード”ボンディング-2CuO”を発動。ハイドロゲドン2体、コッパゲドン1体をリリースし、”コッパアキサイ・ドラゴン”を特殊召喚する!!」
三沢の場に上級モンスターが現れた。
コッパアキサイ・ドラゴン
レベル8 攻撃力2800
レジェンド・グレファーが、そのままコッパアキサイ・ドラゴンに攻撃したが、コッパアキサイ・ドラゴンは破壊されず、フィールドに戻った。
不良アニキ:「ん?なぜ破壊されない?」
三沢:「このモンスターは1ターンに1度、戦闘で破壊されないの効果を持っているのさ」
不良アニキ:「なるほどな。だが、ダメージは適用される」
三沢:「っ!」
三沢
LP1100→400
不良アニキ:「そして、装備魔法、伝説-竜の刃の効果により、グレファーと名の付いたモンスター1体につき、300ポイントのダメージを与える。フィールドにいるグレファーは3体。よって、900ダメージを与える!これで終わりだ!」
三沢:「トラップ発動!”緊急化学反応”!自分の墓地にハイドロゲドンが1体以上いる場合のみ発動可能。墓地に存在するハイドロゲドン2体と、デッキに存在するゲドンと名の付いたモンスターを特殊召喚する!!」
墓地より、ハイドロゲドン2体が特殊召喚された。
ハイドロゲドン ×2
守備力1000
三沢:「デッキから呼び出すのは、”マグネシウゲドン”だ!」
三沢の場に新たなモンスターが現れた。
マグネシウゲドン
レベル4 攻撃力1300
三沢:「このカードが攻撃表示で特殊召喚に成功したとき、デッキから魔法カード”ボンディング-2MgO”を発動することができる!」
三沢がマジックカードを発動した。
三沢:「ボンディング-2MgO発動!フィールド上、ハイドロゲドン2体と、マグネシウゲドンが1体存在するとき、この3体をリリースし、デッキから”アキサイドマグネシウム・ドラゴン”を特殊召喚する!」
三沢の場に新たな上級モンスターが降臨した。
アキサイドマグネシウム・ドラゴン
レベル8 攻撃表示2800
不良アニキ:「だから、何だって言うんだ!これで終わりだ!」
三沢:「嘗めるな。このモンスターがフィールドに存在する限り、自分が受ける効果ダメージは全て無効になり、無効にした数値分、LPを回復する!」
不良アニキ:「なにっ!」
三沢
LP400→1300
三沢のライフが回復した。
不良アニキ:「ちっ…ターンエンドだ」
アニキのターンが終了した。
不良アニキ:「おい、お前の攻撃で決めろ」
男性A:「おうよ!あいつの手札は0。何もできやしねえさ」
男性B:「そうだな。ははははは」
男性Bに釣られ、他の2人も笑う。
三沢:「嘗められたものだな」
不良アニキ:「なに?」
三沢:「3人もいて同じ戦術しか取らん奴らに、負けるつもりはない」
男性A:「なんだと…?」
男性B:「なら、この状況を脱してみろよ!」
三沢:「そのつもりだ」
三沢はデッキの上に指を置く。
三沢:『諦めなければ、デッキは必ず答えてくれる。俺の知恵が詰まった、このデッキで、全てをひっくり返す!』
9ターン
三沢
LP1300
他3人
各LP2900
三沢:「俺のターン!」
三沢がデッキからドローする。
三沢:「マジックカード”精霊の咆哮”を発動。自分フィールド上に存在するモンスターをランダムに墓地へ捨て、墓地へ送ったモンスター1体につき、デッキから2枚ドローする。俺はフィールド上に存在するコッパアキサイ・ドラゴン、アキサイドマグネシウム・ドラゴンを墓地へ送り、デッキから4枚ドローする!」
三沢の場にいた2体のモンスターが消えた。その代り、三沢はデッキから4枚ものカードを引いた。
男性B:「バカめ、フィールドのモンスターを全滅させやがった!」
男性A:「これで俺たちの勝ちは決まりだな」
不良アニキ:「フッ」
三沢:「”オキシゲオン”を召喚!」
三沢は新たなにモンスターを場に出す。
オキシゲオン
レベル4 攻撃力1800
三沢:「そう焦るな。勝負はこれからだ。マジックカード”ボンディング-H2O”発動。自分フィールド上に存在するハイドロゲドン2体とオキシゲドン1体をリリースし、デッキから”ウォーター・ドラゴン”1体を特殊召喚する!」
三沢は発動したマジックカードにより、新たな上級モンスターを呼び出そうとしているのだろう。
不良アニキ:「フィールドをよく見ろよ!お前の場にハイドロゲドンがいねえぜ!よって、その発動は無効だ!」
三沢:「常識に囚われているからそういう。そんなこと見ればわかる。だが、このカードでそれは覆る!速攻魔法”酸素サポート”発動!ボンディングと名の付いた魔法カードを発動したとき、ハイドロゲドン2体を、このカードで代用することができる!」
フィールドに水の渦が出てきた。
男性A:「なに!!」
三沢:「全てを飲み込め!”ウォーター・ドラゴン”!!」
水の龍がフィールドに現れた。
ウォーター・ドラゴン
レベル8 攻撃力2800
不良アニキ:「くっ、モンスターを出したか。だが、そいつ一体で何ができる!?」
三沢:「策はあるさ。デッキはちゃんと俺の声に応えてくれたしな。マジックカード”ファイブ・サモン”!自分フィールドにウォーター・ドラゴンが存在するとき、墓地から、カーボンダイアキサイ・ドラゴン、アイアンアキサイ・ドラゴン、コッパアキサイ・ドラゴン、アキサイドマグネシウム・ドラゴンを1体ずつ召喚条件を無視して特殊召喚する!!」
4つの色とりどりの渦が場に現れる。
男性B:「何だと!!」
三沢:「君臨しろ!ファイブ・ドラゴン!!」
三沢の場に先ほど破壊されたドラゴンたちが場に戻り、ウォーター・ドラゴンを含め、5体の竜が場に現れた。
三沢の場にいるモンスター
全て攻撃力2800
不良アニキ:「ば、バカな!?」
三沢:「アキサイドマグネシウム・ドラゴンで男性Aのレジェンド・グレファーに攻撃。このとき、攻撃対象モンスターの攻撃力がアキサイドマグネシウム・ドラゴンの攻撃力よりも500以上上回っている場合、対象モンスターを破壊し、破壊したモンスターン元々の攻撃力分のダメージを与える!」
男性Aのレジェンド・グレファー、攻撃力3500のモンスターが散った。
男性A:「ぐわあああ!」
男性Aは吹き飛ばされ、背後の壁に激突する。
男性A
LP2900→0
男性B:「俺たちのレジェンド・グレファーの方が攻撃力がたけぇはずなのに!」
三沢:「次はお前だ!」
男性B:「!!」
三沢:「コッパアキサイ・ドラゴンで、お前のレジェンド・グレファーに攻撃!」
三沢は男性Bのレジェンド・グレファーを指さして言う。
三沢:「この瞬間、コッパアキサイ・ドラゴンの効果発動!このカードが攻撃を行うとき、ライフを1000ポイント払うことで、フィールド上に存在するモンスターを3体まで選択し、攻撃力を1000ポイント下げる!」
三沢は自分のライフを引き換えにして効果を発動した。
三沢
LP1300→300
男性B、不良アニキの伝説レジェンド・グレファーの攻撃力が下がる。
伝説レジェンド・グレファー
攻撃力3500→2500
そして、コッパアキサイ・ドラゴンはそのまま、男性Bのレジェンド・グレファー瞬殺した。
男性B:「ぐっ!バカな」
男性B
LP2900→2600
三沢:「アイアンアキサイ・ドラゴンでダイレクトアタック!!」
アイアンアキサイ・ドラゴンが男性Bを襲う。
男性B:「うわああああ!」
男性B
LP2600→0
男性Bは、その場に倒れた。
不良アニキ:「こ、こんなことが…!」
三沢:「最後はお前だ」
三沢が不良アニキを指さして言う。
三沢:「カーボンダイアキサイ・ドラゴンで、最後のレジェンド・グレファーに攻撃!」
カーボンダイアキサイ・ドラゴンがレジェンド・グレファーを抹殺した。
不良アニキ:「ぐっ!!」
不良アニキ
LP2900→2600
不良アニキ:「くそっ…」
三沢:「これでトドメだ!ウォーター・ドラゴンのダイレクトアタック!アクア・パニッシャァァァー!!」
ウォーター・ドラゴンが口から螺旋状に回る水を放ち、不良アニキにトドメを刺した。
不良アニキ:「ぐわあああ!」
不良アニキ
LP2600→0
デュエルの終了と同時にソリッドビジョンが消える。
男性B:「あ、あにき…!!」
不良アニキ:「ず、ずらかるぞ!」
3人が立ち上がり、扉を開けて逃げようとしたその時!
見覚えのある姿をした人達が、3人を取り押さえた。
警官:「警察だ!大人しくしろ!」
不良アニキ:「くっ…くそっ…」
3人は観念したのか大人しく拘束された。
警察が、駆け付けてくれたのだ。
しかし、三沢にはある疑問があった。
なぜ、警察がここに来たのかということだ。
しかし、その疑問はすぐに解決した。
警官と一緒にいる二人の女性。さっき、不良3人に襲われていた女性二人だった。
三沢はなるほどという感じで、ニコッと笑う。
第2ED『空とキミのメッセージ《choucho》』
次回予告
ナレーション:十天老士の宝井と共に、ダイシャラス王国の第2王子バギーと会談することになったSOA特務隊のメンバー。
緊迫な場の中、話をするみんなだが、バギーの目には何か裏があるような目をしていると察するドルべ。
ついに闇が動き出すのか?
ドルべ:次回、遊戯王5DXAL「ダイシャラス第2王子 隠された闇の目」
ドルべ:「この男…、何かある」
遊戯王5DXAL豆知識コーナー!!
三沢:「俺たちが上陸した”ダイシャラス王国”は、第2王子”バギー・グ・テイタラ王子”が収めている国で、昔の地形で言うシンガポールに位置する場所にある国だ。多元世紀で、一番平和な国とも言われているぞ」