第26話:『アンナVS墓荒しのムガ 怒りを真の力に!』
とある街にある墓地
その墓地に腰を曲げた老人の管理員がやってきた。
既に、朝日は昇っており、辺りは太陽の光に照らされている。
管理員が一歩一歩前へ進み、新鮮な墓地へと足を踏み入れようとした。
管理員:「な、なんじゃ、こりゃあ!」
管理員は大きな声を出してしまった。
その声は、墓地全体に広まった。
それも、そのはず、墓石が地面が、木が、お供え物が辺りが、滅茶苦茶だったからだ。
管理員:「ど、どうなっているんじゃ!?」
管理員は驚きのあまり腰が悪いことを忘れて、走り出す。
お供え物は、辺りに散らばって、カラスが食い散らかしている。
地面は穴だらけ。穴の形からしてつるはしで開けられたようだ。
墓石も、多くが砕けて、今にも倒れそうなものばかりだ。
管理員:「い、一体、誰が、こんなこと・・・!ああ、祟りじゃ・・・!」
管理員は、その場に膝を突いた。
その姿を一人の男性が見ていた。
男は、ニッヒッヒと笑う。
手には、つるはしとショベルを持っている。
そして、男の足元には、小人のような影がいた。
そいつも、不気味な笑い声をし、手には男性と同じで、つるはしを持っていた。
小人は、そのまま、仕事を終えたかのように消えた。
男性も、その場を後にする。
第3OP『BRAVING!《KANAN》』
第26話:『アンナVS墓荒しのムガ 怒りを真の力に!』
ネオコーポレーションシティ国際空港
一人の女性が、そこにいた。
彼女の名前は、セイ。これから、友人サチと一緒に、ダイシャラス王国へ観光しに行くのだ。
サチ:「セーイ」
大きな声でサチが、手を振ってこちらに近づく。
セイ:「サチ!こっちこっち」
セイも手を振り返す。
サチ:「お待たせ。待った?」
セイ:「ううん、全然。手続きに行きましょう」
サチ:「そうね」
2人は手続き所に向かう。
セイ:「私、海外行くの初めてなのよね」
サチ:「えっ、そうなの?私もよ」
セイ:「ダイシャラス王国って、どんな場所かな」
サチ:「楽しみだよね」
セイとサチが楽しそうに話す。
すると、サングラスをかけた一人の男が、二人の横を通り過ぎた。
ダイシャラス王国の話しをしていたからか、その男は通り過ぎたセイとサチの方を振り向き、二人が歩いて行く姿を見る。
ロスト:「おいおい、偶然か?あの二人も行くのかよ」
そう、この男は、四大神王者の一人ロスト。
四大神王者とは、大組織フロンティアが持つ、世界のバランスを保つ勢力の1つ。4人で結成されており、世界勢力の中で最強と呼ばれている。
今は、フロンティアの上層部、十天老士に”孤独の法”を科せられ、フロンティアから追放され、4人とも行方不明となっている。
ロストは、その4人の中でも一番下のNo.4にあたる。
ロスト:「何事もなければいいがな」
ロストは、そう言って前へ歩き出す。
さらに、その近くで、一人の女性が電光掲示板を見ていた。
琴羽:「飛行機が離陸するまで、もう少し時間があるわね」
小鳥の母、琴羽だ。
彼女も、これからダイシャラス王国に向かうのである。
セイ、サチ、琴羽、3人とも観光でダイシャラス王国に向かうが、まだこのとき、誰も気づいていなかった。この後、ダイシャラス王国で悲劇が乙津れることに。
四大神王者の一人ロストが外に出た。
ロスト:「久しぶりだな、この街も。ゆっくりしていきたいが、遊戯さんに怒られるのは嫌だし、やることやって、俺も、あそこに行くとするか」
ロストが、この街に来た目的とは・・・。
フロンティア本部
パソコンが立ち並ぶ部屋に、三沢がいた。
博士号を持つ三沢だが、熱心にパソコンのキーボードを叩いていた。
三沢:『ワックスポワロから半年が経った。俺は、あの任務で何もできなかった。あの戦いで力は付けた人達は、確実に戦い方を見出している。それに比べて俺はまだ』
色々考えていると、頭が痛くなる。
よく見ると、辺りはカードが散らばっていた。
三沢:「俺にしかできない戦い方。それは、一体何なんだ!」
立ち上がり、机を叩く三沢。部屋中、バンっと音が鳴り響いた。
三沢:「この頭脳で、見つけ出すんだ。俺だけの戦いを!」
頭を抱え込む三沢。
フロンティア本部にある食堂場
そこに、数人の老人たちが集まって話しをしていた。
双六:「はぁ、また任務とはの」
大きなため息をつく双六。手元にある玉露を飲む。
アーサー:「またと言っても、前に出たのは、半年も前じゃないか」
双六:「そうじゃが、ワックスポワロの件で思い知ったわい。表に出るのがどれほど危険なのかを」
矢薙:「ワシらおいぼれは、裏で支援するだけじゃが、表に出るみんなにもしものことがあったらって考えるとな」
そう言って矢薙は大きなため息をついた。
春:「なら、そうならないためにも、正確な支援をすればいいだけのこと。おいぼれにもできることは沢山ある」
オボミ:『ソウダソウダ』
掃除ロボットのオボミが言う。かつては、遊馬の家に暮らして掃除や家事の手伝いをしていたが、同じロボットであるオービタル7と結婚?した。フェイカーやトロンの研究の手伝いをしているときもある。
六十郎:「そうじゃ、ワシみたいに元気じゃなくともできるやる。それが、人間じゃ」
春:「あんたは元気するだじゃよ」
六十郎に突っ込みを入れる春。二人とも玉露を口にする。
影丸:「そういえば、双六殿。お孫さんの件じゃが、家族には話したのか?」
車椅子に乗る影丸が双六に聞く。後ろには、看護の美寿知がいた。
双六:「あぁ、全員驚いてたわい。じゃが、杏子ちゃんと同じで、すぐに立ち直ったわい。帰ってきたら、ビンタするとか言っておった」
笑って言う双六。
美寿知:「あの、遊戯さんの両親は何をされているのですか?」
影丸の後ろに立っている美寿知が聞く。
双六:「父は実業家をしておる。妻は、その手伝いじゃ」
アーサー:「2人とも頑張り屋じゃったな」
双六:「ああ、その遺伝子が遊戯に伝わったんじゃろうな」
玉露を口にする双六。遊戯という言葉を出すだけで、胸が痛い。今は、どこで何をしているのだろうか。
その頃、とあるメンツが外を出歩いていた。
小鳥:「よかった。許可が下りて」
花束を持つ小鳥が安心したかのように言う。
キャッシ-:「任務に出る前だから、流石に慎也さんもわかってくれるでしょ」
アンナ:「これで貰えなかったら、ライトに悪いからな」
3人は半年前に死んだライトの墓参りに行くところだった。
任務が入ったので、その前に墓参りに行きたいと慎也に申し出たところ、慎也は考えることなく許可をくれたのだ。
他にも、鉄男、徳之助、等々力、Ⅲの4人がいた。
鉄男:「今度の任務は誰も死なせたくないな」
Ⅲ:「うん、そうだね」
等々力:「そうならないためにも、みんな、この半年で更に力を身がいたはずです」
徳之助:「もう同じような繰り返しはないウラ!」
鉄男:「そ、そうだな」
やけに張り切って言う徳之助。いや、徳之助も辛いのだろう。ライトが死んだことに。
遊馬が生死不明になったときもそうだった。
徳之助は誰よりも友達を大切にするいい奴だ。鉄男はそれを知っている。
墓地
アンナたちは、ライトの墓石の前に立ち、お花や、お供え物を置いた後、一人一人前に出て、墓石に向かって合掌する。
アンナや小鳥たちにとって、ライトといた期間は非常に短かった。
だが、入ってきたばかりの自分たちに積極的に話して来てくれて、わからないことを沢山教えてくれた。
そんなライトには感謝の言葉しかない。
安らかに眠ってほしい。アンナたちは、今一番、ライトに言いたい言葉を心の中で呟いた。
鉄男:「よし、行くか」
アンナ:「そうだな」
そういって、アンナたちが、この場を後にしようとした、そのとき。
ざあああああ。
妙な物音がした。
同時に、一本の木が、立ち並ぶ墓石に倒れた。
徳之助:「な、何だウラ!?」
Ⅲ:「木が倒れたんだ!」
Ⅲが倒れた木に向かって走る。
倒れた木の場所の近くに来たアンナたち。
キャッシー:「危なかった。この近くにいたら、木の下敷きになっていたわ」
鉄男:「けど、この辺の墓がめちゃくちゃになっちまったな」
倒れた木の所為で、周りの墓石は倒壊している。
倒壊していないものもあるが、一部分がかけたり、お供え物が散乱している。
等々力:「とどのつまり、地盤が緩かったのでしょうね」
Ⅲ:「いや、違うね」
Ⅲが倒れた木を見て言う。
小鳥:「どういうこと?」
Ⅲ:「見てみなよ」
Ⅲが倒れた木の根元を見る。
Ⅲ:「この痕、スコップで掘った痕だよ」
キャッシー:「えぇぇ!」
みんなが、木の根元を見る。
確かに、スコップで掘られたような跡が残っている。
しかも、足跡が残っている。
小鳥:「これ、随分くっきり残ってるけど」
足跡を見て疑問に思う小鳥。
Ⅲ:「多分、ついさっきまでいたんだ、ここに」
等々力:「なら、まだ近くにいるんじゃ」
等々力がそう言った、そのとき、再び別の木が倒れだした。
しかも、倒れる木の場所には、みんながいた。
小鳥:「きゃあ!」
鉄男:「うわああ!」
みんなは、ギリギリで避けたが、周りに砂ぼこりが充満する。
そして、次々と周りの木、特に大きい木が倒されていく。
鉄男:「なんだよ!一体!?」
徳之助:「うら!あ、あれは何だウラ!」
徳之助が指を指した、その先には、スコップとつるはしを持った小人がいた。
小人はニッヒッヒと笑う。
小人の手には、火を付けた新聞紙を持っていた。
それを、近くのゴミ箱に放り投げ、ゴミ箱が燃え盛る。
小鳥:「もしかして、あれが犯人!」
Ⅲ:「あれは確かトラップカードの・・・!」
Ⅲの言うトラップカード。頭の中に一枚のカードが浮かんだ。トラップカード”墓荒し”。そのイラストに載っている小人と同じだった。
アンナ:「あいつ、おい、みんなで捕まえるぞ!」
鉄男:「ああ」
みんなは、手分けして小人を捕まえようと動き出す。
しかし、小人は素早く動くため、簡単に捕まえることはできなかった。
小人は手に持つつるはしで、墓石に傷を付けていく。
徳之助:「やめるウラ!」
徳之助が飛びかかって捕まえようとしたが、小人は飛び上がり、徳之助は画面から地面に顔をダイブした。
徳之助:「痛いウラ・・・」
若干、涙を流す徳之助。
スコップを使って、すばやく穴を掘り、その穴に逃げ込もうとする小人。
等々力:「こいつ!」
等々力は木の棒で小人を殴ろうとしたが、一瞬、小人が穴へ入るのが早く、殴ることはできなかった。
そして、小人は別のところに穴の出入り口を作り、そこから出てきた。
それを繰り返す小人。周りが穴だらけになった。
等々力は、はぁはぁ、息を切らす。
等々力:「とどのつまり・・・、早すぎます・・・」
墓のお供え物を踏み潰し、まき散らす小人。
鉄男:「やめろ!」
鉄男は、ブリキの大公のデュエルギアである剣を手に持ち、小人を仕留めようとするが、素早い小人は、鉄男が振り下ろした剣を簡単に避けた。
そして、小人が避けた先には、ライトの墓石があった。
先ほど、みんながお供えした食べ物などを踏み潰し、ライトの墓石に飛び乗る小人。
???:「我ながら、いい眺めだな」
小人の隣に、つるはしを背中に担いでいる男性が現れた。
アンナ:「何もんだ!てめえ」
強い口調で男に聞くアンナ。
???:「俺の名か?ムガっていうんだ?よろしくな」
そう言って、背中に担ぐつるはしを右手に持ちだすムガという男。
Ⅲ:「その小人の宿主はお前か」
ムガ:「ああ、俺の相棒だ」
小人のほっぺをつんつん突っついて言うムガ。
小鳥:「どうして、こんなことを・・・」
ムガ:「どうしてって、それは墓荒しの役目は、墓を荒らすのが専門の仕事だからな」
徳之助:「墓を荒らすのが仕事って、どういう意味ウラ・・・?」
ムガ:「最近、裏世界でとあるゲームが始まってね。墓を荒らした場所で得点を稼ぎ、半年で一番得点が大きかったものが、莫大な賞金を手にするってな」
等々力:「裏世界って、とどのつまり、腐った世界のことじゃないですか」
ムガ:「ふん、何も知らない奴らには、そう思うかもしれないが、裏世界は金が沢山手に入る、は言ったら、二度と出られない世界。盗みは勿論、人殺しで金が手に入る自由な世界さ」
キャッシー:「腐った世界じゃない」
アンナ:「ゲームのために、こんなことをしてるのか!お前は!」
前に立つアンナ。
ムガ:「ああ、主催者によれば、賞金は1000万。10年は自由に生きることができる金額じゃねえか!」
そういって、近くの墓石につるはしを当てる。
当てた場所は少しだがかけた。
Ⅲ:「そんなことしたら、ご先祖様のバチが当たるよ」
ムガ:「怖くないな。金がかかってるんだ。そんなもの、屁でもねえ」
キャッシー:「あんた、最低よ!」
キャットちゃんが得意な高速移動で、ムガに近づく。
猫のように素早く移動するキャットちゃんの動きに一般の人々は付いていけない。
ムガ:「ふっ、女が俺に手を出して来るとはな。おい」
ムガが小人に声をかける。
すると、小人も高速移動し、キャットちゃんと同じ、いや、それ以上の高速移動で動き始める。
そして、小人がキャットちゃんの足首を捕まえ、体勢を崩してしまうキャットちゃん。
キャッシ-:「きゃあ!」
キャットちゃんはムガのいる方へ倒れてしまい、ムガはニヒッと笑う。
ムガは、倒れたキャットちゃんの腹を蹴り飛ばす。
小鳥:「キャットちゃん!」
蹴り飛ばされたキャットちゃんを鉄男と等々力が、受け止め、勢いで一緒に倒れてしまう。
腹を蹴られた所為で咳き込むキャットちゃん。
Ⅲ:「あんた、最低だ!女の子に、こんなことを!」
ムガ:「賞金がかかってるんだ。邪魔すんじゃねえよ」
アンナ:「て、てめえ」
ムガ:「おい、やれ」
ムガは小人に命令する。
小人は、好き放題に動き回り、物を荒し、墓石を傷つけ、倒壊させる。
アンナ:「や、やめろ!」
大声で叫ぶアンナ。
しかし、小人の動きは止まらず、破壊を続ける。
ムガ:「さて、俺も一仕事するか」
ムガが、つるはしを振り上げる。
隣にあるのは、ライトの墓石だ。
小鳥:「だ、ダメ!」
鉄男:「や、やめろー!」
ムガ:「ここは広い。俺の優勝は街がいないな!」
そう言って、ムガはライトの墓石につるはしを振り下げて、傷を付ける。
ムガ:「壊れろ、壊れろ!」
何度もつるはしを振り下ろし、ライトの墓石に無数の傷が付く。
小人は、周りを荒らし続け、墓石を破壊していく。
叫び続けるアンナたち。
手が止まることがないムガと小人。
ムガ:「墓を荒らすゲームなんて誰が考えたんだろうな。こんなの金が欲しい奴にとっては天国しかねえよ。なんだって、墓を破壊するだけで金が手に入るんだからな!これで、終わりだ!」
思いっきりつるはしを振り下げ、ライトの墓石を破壊したムガ。
等々力:「な、なんてことを・・・!」
目を丸くする等々力。
ムガ:「集計されるのは、明後日、これで優勝は間違いないな」
自信満々に言うムガ。
アンナ:「許さねえ・・・」
アンナがボソッと言う。
ムガ:「あ?何か言ったか?」
アンナ:「許さねえ、お前だけは絶対に許さねえ」
ムガ:「男みたいな口調で怖い女だ。だが、もうここでのやるべきことは終わった。警察が来る前にとんずらさせてもらうぞ」
ムガが後ろを振り向こうとしたとき、目の前がピカッと一瞬輝く。
なんだ?と、前を見るムガ。
アンナ:「俺を怒らせるとどうなるか、思い知らせてやる!!」
輝いていたのは、アンナの右手の甲だった。
そして、右手の甲に何かが浮かんできた。
紋章。しかも、小鳥たちは見覚えのある紋章だった。
Ⅲ:「あ、あれは!」
鉄男:「エースのマークだ!」
小鳥:「6ってことは、アンナがナンバー6の覚醒者!?」
アンナの右手に浮かんだ紋章は、凌牙やカイトと同じエースのマークだった。
真ん中には”6”という数字が入っている。
ムガ:「な、なんだよ、ありゃあ・・・!」
ムガは少し驚いた。
アンナは、ミッションウォッチを操作し、量子変換していた物を手に出す。
それは、アンナが中学生時代愛用していた、飛行型バズーカ”フライングランチャー”だった。
それを両手で持つアンナ。
砲口がムガを捕える。
アンナ:「くらえ、俺の怒り!」
バズーカを発砲したアンナ。その発砲弾は、普通とは違う。何か特別な力を宿したかのように光っていた。
ムガ:「うわああああ!」
ムガはそのまま吹き飛ばされ、小人もそれの巻き添えとなった。
小人は消え、ムガは背後にあった岩石に衝突し、意識を失う。
アンナははぁはぁと息を切らす。
そして、自分の右手の甲を見て、うわっと驚く。
小鳥:「アンナ、そのマーク!」
鉄男:「お前もシャークやカイトと同じ、アストラル世界に選ばれたみたいだな」
アンナ:「よくわかんねえけど、ムガにムカついて、怒りをぶつけようとしたら、何か力が湧いてきて・・・」
Ⅲ:「とにかく、警察に連絡しよう」
Ⅲの提案に、みんなが賛成し、警察を呼んだ。
数分後、警察が駆け付け、ムガはそのまま取り押さえられ、逮捕された。
その日の夜
ムガから、色々聞き出すことに成功した警察は、最近、起こっている墓荒し事件と関わりがあると思い、日本各地の墓に厳重な警備を置くとともに、裏世界で開かれている”墓荒し大会”(警察側が命名)の調査を開始した。
そして、フロンティアでは。
慎也:「とりあえず、みんな無事でよかった」
小鳥:「アンナのおかげです」
アンナ:「いやぁ、俺も、何が何だかわからねんだけどな」
少し照れるアンナ。
慎也:「裏世界では、墓荒しで開く、そんな大会があるとはな」
慎也がため息をつく。
キャッシ-:「慎也さんは、裏世界について知ってるんですか?」
慎也:「それなりにな。フロンティアのミッションには裏世界の任務も沢山ある。それに、俺は裏世界の住人たちにとっては標的にされているだろうしな」
徳之助:「標的ウラ?」
慎也:「”裏懸賞金”。裏世界に出されている手配書で、それにはそれぞれ賞金がついていてな、賞金首を捕まえたとき、もしくは始末したとき、捕まえたものには手配書に記載されている額を手にすることができるんだ。因みに、俺の裏世界の賞金額は、9千万だ」
その額を聞いて驚く、みんな。
徳之助に至っては、目を小銭マークにしている。
慎也:「お金欲しさに俺を殺すような真似はするなよ」
その言葉で、徳之助は正気に戻り、ははと笑う。
徳之助:「そんなことしないウラ」
等々力:「半分、本気だったのではないですか?徳之助くん」
等々力の言葉にビクッと反応する徳之助。
慎也:「とにかく、今日は早めに休め。明日の昼には、ダイシャラス王国に向かって出発するからな」
小鳥:「わかりました。行こう、みんな」
みんなは、各自部屋に向かった。
慎也は、一人、外に出て夜空を見る。
慎也:「神月アンナがナンバー6。まさか、女性にエースのマークが渡るとは、あいつは予想していたのか」
独り言をしゃべる慎也。
エースのマークは、凌牙、カイト、Ⅴ、アンナの4人に覚醒された。
着々と覚醒するエースのマーク。
次の覚醒者は一体、誰になるのか・・・。
第2ED『空とキミのメッセージ《choucho》』
次回予告
ナレーション:遂に、ダイシャラス王国に上陸したフロンティアのSOA特務隊。
賑やかな街中を情報収集する慎也たち。
そんな中、三沢は、ある場所で2人の女性が複数の男性に囲まれている現場を目撃し助けに入る。
複数相手にデュエルを挑む三沢に勝ち目はあるのか!
三沢:次回、遊戯王5DXAL「三沢の決闘 召喚!ファイブ・ドラゴン!」
三沢:「俺にしかできない戦いとは…一体…」