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第25話:『ダイシャラス王国の闇 動くテイタラファミリー』




ワックスポワロの出来事から半年


ネオコーポレーションシティに海馬コーポレーションが設立され、多元世紀の影響で薄れていたデュエルモンスターズの存在も今では嘘のようだった。

街中では、所々でデュエルが繰り広げられている。


同時に、海馬コーポレーションが開発したデュエルリンクスを復旧し、多元世紀のデュエルモンスターズは、進化を遂げたのだった。








第3OP『BRAVING!《KANAN》』








第25話:『ダイシャラス王国の闇 動くテイタラファミリー』






ネオコーポレーションシティ

海馬コーポレーション本社、社長室


社長の海馬が、デスクに座り、パソコンの画面を見ていた。

縦棒グラフが画面に表示されており、縦棒は右に目を向けていくにつれ、高くなっている。



海馬:『この半年で、デュエルディスクの復旧率は、70%越え、新たなデュエルシステムは、ほぼ100%の仕上げとなった』
海馬が言う、新たなデュエルシステムとは、デュエルリンクスのことだ。

クリスタルクラウド・ネットワークにデュエルは、モンスターだけでなく、カードそのものをデュエルディスクを通して、脳内で受け取り、映像はデュエルディスクについているデュエルアイによって、空間に可視化されるものだ。


更に、映像は、デュエルアイだけでなく、Dゲイザーにも連動するように設定され、それらを取り付けることなく、デュエルを楽しむこともできる。



そして、新たなデュエルディスクは、モードチェンジを可能にする。カードそのものを映像化するデュエルディスクだが、カード自体も使用することができ、デュエルすることができる。


これは、かつて武藤遊戯のみが使用していたデュエルディスクであり、それを量産したものである。

世間は、カードの有無でデュエルを楽しめる時代となった。


そして、海馬は次なるステップへ突き進もうとしていた。



別のモニターを見る海馬。

そこには、バイクを走らせてデュエルをする映像が映っていた。


そう、ライディングデュエル。Dホイールというものを操作しながら、デュエルを繰り広げるハイテクのデュエルだ。


多元世紀になる前、それ以前のライディングデュエルは、スピードワールドというフィールドに支配され、魔法はスピードスペルという魔法しか使えなかったと聞くが、この世界では、そんな縛りはない。



海馬:「フッ、この俺がもっと楽しいものにしてやる」
モニターの電源を切り、部屋を出る海馬。


残ったものはデスクの上にある書類。

その中に、見覚えのないDホイールの図があった。

バイクの先端部分に龍の頭が付いて居る。


まさに、これは、海馬専用の……











ネオコーポレーションシティ



とある喫茶店



そこに、九十九一馬の妻、未来、そして、小鳥の母である観月琴羽が、テーブルを挟んで座っていた。



未来はコーヒーカップを手に取り、コーヒーを飲む。

琴羽:「娘から聞いたわ。初仕事大変だったみたいね」

未来:「うん、目の前に仲間が死ぬところも見ちゃったからね」

琴羽:「どうして、そんな危険なことをやっているところに、娘を活かせてしまったんだろうって、最近、思ってきたわ」

未来:「何もきかされていなかったんでしょ?なら、自分を責める必要はないんじゃないの?」

琴羽:「それは、そうだけど…」

未来:「それに小鳥ちゃん、物凄く頑張っていたわよ。周りのみんなよりも」
コーヒーカップをテーブルの上に置く未来。

その言葉に、思わず、えっ?と返してしまう琴羽。

未来:「あの子を見ていると、息子を思い出すわ」
未来の言うあの子。今は亡き、実の息子、遊馬のことだ。



琴羽:「そう言えば、もう少しよね。遊馬君の命日」

未来:「ええ、もう50年以上も経つのね。あの子が、いなくなって」

琴羽:「多元世紀になる前だったわよね」

未来:「今でも後悔しているわ。遊馬を冒険家にさせたことを。危険がいっぱいだってわかっていたのに、私たちと同じ道を歩ませてしまったことを」

琴羽:「未来…」
つい、ぽろっと名前を口にする琴羽。

一応、言おう。二人は小学校からの同級生なのだ。

未来:「ってごめんなさい。しんみりさせちゃったわね。それより、面白い話とかないの?」

琴羽:「お、面白い話!?そ、そうね。あ、そういえば、この間、街のデパートでおみくじ引いたら、2等賞が当たったわよ。どこかの王国の観光チケット」

未来:「王国?」

琴羽:「ええ、確か名前は、”ダイシャラス王国”だったかしら」
2人のトークは、まだまだ続くようであった。










フロンティア本部


百々原元帥、元帥室




百々原は、誰かと通信で話しているようだ。



明智:『海馬瀬人のおかげで、デュエルシステムの復旧が80%を超えたようだな』

百々原:「ええ、流石、海馬コーポレーションを束ねる社長だと思っています」
百々原が話していたのは、多元世紀にて、13番目に日本の大統領になった明智だった。


百々原:「”AYW”時代に、数々の歴戦を武藤遊戯と共に乗り越え、遊戯の永遠のライバルとして君臨している海馬瀬人。多元世紀で、再び不死鳥となるときが来たみたいですね」

明智:『AYW…、デュエルモンスターズの始まりの時代とも言われた時代だったな』

百々原:「海馬や、城之内、それに遊戯は、その時代の出身です」

明智:「バトルシティが開幕した時代だからな。それに、BJW、CHW、DTWにも、AYWに負けないぐらい強いデュエリストは沢山いる」

百々原:「その者たちは、今、このフロンティアにいます」
百々原は自分の目の前にあるノートパソコンの画面に、海馬や杏子、他の者たちのプロフィールを出す。


明智:「どうだ?そちらに入って半年になるが、みんなの様子は?」

百々原:『ご安心下さい。問題はないです。皆、世界の真実を知り、修行に励む物も多くいます』

明智:「そうか。それは、よかった」

百々原:『ですが、この者たちが入ったことで、彼らは何というか…』

明智:「本人たちの、耳にも入っているはずだが、何も連絡はないのだろ?」

百々原:『ええ、私はてっきり、この者たちの加入に反対かと思って、こちらに来るものだと』

明智:『彼らもわかっているのだろ、この世界に、今は戦えるものが多くいないとダメだということに』

百々原:「はぁ…」


明智:「それより、百々原元帥、フロンティアのSOA特務隊を、この国に向かわせてほしい」
明智が画面にとある国の写真を出す。


百々原:「ここは、確か…」

明智:『ダイシャラス王国。一番平和な国とも言われている場所だ』

百々原:「そんな場所に、なぜ、特務隊を?」

明智:『半年前に起きたワックスポワロ事件の首謀者、狂言の履歴を調べてると、奴は、この国に定期的に出入りしていたことが判明してな』

百々原:「あの男が、ここに?」

明智:『ああ、何が目的があって出入りしていたと考えられるが、当の本人は、中央裁判室にかけられ、地下深くの牢獄にかけられたそうだ。面会も拒否された』

百々原:「手掛かりは、特になし。行ったとして、もしもの時を考えなくてはいけないですね」

明智:『引き受けてくれるか?』

百々原:「了解しました。慎也を隊長に、SOA特務隊を、その国へ向かわせます。それと、司令として、十天老士の一人も追加で向かわせます」

明智:「よろしく頼むよ」
明智は通信を切った。

そして、席から立ち上がり、近くの台に置いてある本を手に取り、ページをめくる。

明智の目に映ったのは、ダイシャラス王国の写真と、その国を治める王子、バギー・グ・テイタラの写真だった。


明智:「さて、この調査に吉と出るか凶と出るか…。いずれにせよ、ただではいかんだろう」
明智が本を見ながら呟く。








その頃、明智と話していた百々原は椅子に深く座る。



百々原:「闇が消えることはないということか、この世界は」
百々原は立ち上がり、外を見る。


百々原:『国家政府は、一体、この世界で何がしたいのだ?奴らの上層部は、この世界の秘密を知っているのではないのか。なぜ、世界を元に戻そうと努力をしない、しない理由があるのか』
百々原が心の中で疑問に抱いていることをぶつぶつ呟く。


そして、百々原が、近くにある電話機を手に持ち、誰かに電話をかける。


百々原:「私だ。至急、SOA特務隊8係リーダーの桐潟慎也と、十天老士の宝井重郎を、ここに呼んでくれ」





フロンティアSOA特務隊の新たな戦いが始まろうとする……







ダイシャラス王国





王宮




王座の間




バギー:「全員揃ったな」
ダイシャラス王国第2王子バギーが椅子に座り、足を組む。


そして、目の前には、十数人の者たちが、右膝を床につき、頭を下げる。


内4人が、他の者たちより目立つように前に出る。


ラビリット:「我ら四天王を初め、幹部共々、全員出席しました」
灰色のオールバックの髪、鼻にピアスをした男が頭を少しだけ上げて言う。



バギー:「お前らを呼んだのはほかでもない。例の計画についてだ。少し計画に変更はあったが、予定通り、一週間と3日後に計画を実行する」
足を組み直し言葉を発するバギー。


J・J:「先代の王、カルロラ・デ・テイタラの命日。その儀式を開く日」
長い髪を後ろで縛り、メガネをした男、J・J(ジェー・ツー)が言う。

バギー:「そうだ。俺の父、カルロラが死んだ日。そして、毎年、王国の外から人々を招いて行われる法要。今年は計画のために、例年よりも倍の人数が、ここに来るはずだ。仕込みは済んでいるのだろ?バックス」
バギーが、顔中入れ墨で、目つきが悪るそうな男に言う。

バックス:「ああ、王国の外に出した券は、既に、何も知らないものたちにほぼ配られた。ネットワークベースによれば、券を持っているほとんどが、既に、こちらに向かう交通機関を予約したそうだ。抜かりはない」
立ち上がってバギーに言うバックス。


ポッパー:「王子の前だぞ!無礼なことはよせ!」
バックスの隣にいるスキンヘッドの男が言う。


バックス:「ケッ、いつ、俺の保護者になったんだ、ポッパーよ。俺は、ただ王子に状況を報告しただけだろ」

ポッパー:「バックス、貴様ぁ」
ポッパーの立ち上がり、言い争いになりそうになる。


J・J:「そこまでにしろ、二人とも。王子もだが、他の幹部もいるのだぞ!我々、四天王が言い争ってどうする」
J・Jが二人の間に入った。


そのおかげで、口論は収まり、二人とも、再び、右膝を床に付ける。

ラビリット:「申し訳ございません、王子。無礼な姿を」


バギー:「構わん。それより、同名の組織には、計画のことを話したのか?」

ラビリット:「この王国から武器を調達している組織を中心に、全ての同名組織には話しました。全員が、王子に賛同しています」

バギー:「ふん、当然だ。この国から、あれほどの武器を渡してるんだ。賛同してもらわないと困る」
バギーが鼻で笑い、ニヤッとする。


J・J:「王子、ワックスポワロの件についてはどうするのです?元はといえば、あそこにある物が手に入れることができなかったから、計画に少し変更が加えられたはず」

バギー:「人間をデュエルモンスターズにする機関。あれさえあれば、この王国の民たちを、俺たち、”テイタラファミリー”の生きる屍にできたんだが、ワックスポワロにいた者たちも、既にあそこにはいないし、過ぎたことを悔やんでも仕方がない。製造している麻薬で何とかするしかないだろ」
バギーが近くに置いてあった笛を手に取って言う。

形はリコーダーに似ている。



バギー:「ともかく、時間はあまりない。俺たちテイタラファミリーの力で、この王国を大組織にする。いいな!」
その言葉に、ははっと返事をする、部下たち。









王座の間から、幹部たちが出てきた。



ディヴィット:「これからどうするんだ?ラビリット。儀式の準備は、ほとんど終わってんだろ?」
テイタラファミリーの幹部の一人、ディヴィットが聞く。

ラビリット:「今回の儀式に失敗は許されない。念のため、会場のチェックをする」
ラビリットが歩きながら、そう言うと…。


部下:「ラビリット様ー!」
一人の男がこちらに近づいてくる。


部下:「ラビリット様!も、申し訳ございません!儀式の会場に置いてあった先代王子の指輪が、盗賊に盗まれました!」

ラビリット:「なに…」

ディヴィット:「あちゃー」

部下:「現在、我々、ファミリーの操作兵士が、盗賊を追っています!」

ラビリット:「ガードは万全ではなかったのか?2日前はそう報告を受けているぞ」

部下:「も、申し訳ございません。ですが、2日前はあれが精一杯のガードで」

ラビリット:「だが、結果、指輪は盗まれた。そうだろ?」
ラビリットが右手にクロスボウを持つ。デュエルギアのようだ。

部下:「ラビリット様…。ど、どうか、お許しを」

ラビリット:「気に食わんな。2日前と、今の現状が食い違っているではないか」
ラビリットの怒りが頂点まで達しているみたいだ。

それに気付いた、部下がヒイイと怯え、その場を去る。


部下:「ど、どうか、お許しをー!」

ラビリット:「消えろ」
ラビリットがクロスボウの矢を放ち、その矢が、部下の背中に突き刺さり、矢は身体を貫通した。

部下はそのまま、前に倒れ血を流す。


ディヴィット:「ああ、また殺しちゃったよ。”撃ち抜きの亡霊”、伊達じゃないね」

ラビリット:「ふん」
ラビリットが、その場を去る。

ディヴィット:「おーい、あれ、処分しといて」
ディヴィットが近くにいる兵士を呼び、死体の始末を頼む。


そして、ディヴィットも、ここを去った。







ダイシャラス王国


市街




警備員:「近くにいるはずだ!さがせ!」
王宮直轄の警備員が、街中を走る。





その中、一人の男が建物の陰に隠れていた。


盗賊:「へへ、俺が、捕まるかってんだ」
盗賊はそういうと、盗んだ先代王子の指輪を見る。


盗賊:「へへ、こいつは、裏取引で金になるぜ。これで、俺も、億万長者だ」
盗賊は指輪にキスして、それをポケットに入れる。


そして、すぐに走って、どこへ向かった。






盗賊が向かった場所は、港だった。


高跳びするつもりだ。


盗賊:「手に入れる者は、手にした。とっとと、ここからおさらばだ」
盗賊が自分のボートがある場所まで走る。


目の前に、自分が乗ってきたボートが見えた。

あと、少しで逃げられる。

そう思った、その時、ボートが炎に包みこまれ沈んでいく。

盗賊:「な!?」


???:「ったく、面倒なことすんなよ」
倉庫の上に立つ男。盗賊は、その男の顔に見覚えがった。


盗賊:「お、お前は、バギー王子の下にいる幹部の一人、バックス!!?」
そう、倉庫の屋根に上にいたのは、バギーの幹部バックスだった。


ボートを燃やしたのは、こいつの仕業だろう。

何故なら、噂によれば、こいつは、フレムベルを使う炎属性の使い手。ボートを燃やすことなど容易いことだ。



バックス:「ふん、泥棒さんには、重い処刑を宣告しないとな」
バックスがそういうと、盗賊の周りに3匹の獣が現れた。

”フレムベル・ヘルドッグ”だ。


盗賊は、怯える。


盗賊:「こ、これ返すから、た、助けてくれ」
指輪を前に出す盗賊。


バックス:「フン、知ったことかよ」
そういって、フレムベル・ヘルドッグに合図。合図と同時に3匹の獣は、盗賊に向かってかけた出す。

盗賊:「うわあああ!」
盗賊は、その場に倒れ、フレムベル・ヘルドッグに襲われる。


辺り大量の血が飛ぶ。

フレムベル・ヘルドッグの口の周りにも、血が付いて居る。


バックス:「最高だぜ、人の血っての言うのはよ」
バックスが笑って言う。









王宮





ガリアント:「バックスが盗賊を見つけ、指輪を取り合えしたらしい」
テイタラファミリーの幹部ガリアントが言う。



ケリロット:「盗賊の方は?」
テイタラファミリーの幹部で紅一点、ケリロットが聞く。


ガリアント:「骨も残らずだ」

ケリロット:「相変わらずということね」

ガリアント:「ああ、全く好き勝手な奴だ。そんなことよりケリロット、お前最近、街の子供と会っているそうだな」
ガリアントから単刀直入に聞かれたので、少し驚いたケリロット。

ケリロット:「え、ええ」

ガリアント:「別に止めはしないが、ほどほどにしておけよ。お前の顔は、あまり外に知られていない。国家政府にもな」

ケリロット:「分かっているわ。私を育ててくれた王子を、テイタラファミリーのためですもの」
ケリロットが小さい声で言う。


そう、自分はテイタラファミリーのために、生きている。そう誓っているのだ。








ネオコーポレーションシティ





とある、女性の家。


そこに住む女性が電話で話していた。



セイ:「えっ!くじ当ったの!しかも2名行きの!?」
女性が驚いて、ソファーから立ち上がった。






セイの電話相手の家



サチ:「うん」

セイ:『サチ、すごい!運持ってるね!』

サチ:「ありがとう。せっかくだから、セイ、一緒に行かない?」





セイ:「え、いいの?親には?」

サチ:『うん、パパもママも、今は忙しいから、友達と行きなさいって』

セイ:「わかった、行くよ」





サチ:「これで、3人行けたら、小鳥も誘えたのにね」



セイ:「そうね。でも、小鳥、今忙しいんでしょ?あのフロンティアに入ったって」



サチ:「うん、大丈夫かな、小鳥」
サチが窓から外を見る。








フロンティア本部



休憩所に、慎也と葵、哲平、そして、色葉の4人がいた。



慎也:「そうか、お前たちは別任務が入ったか」
椅子に座って言う慎也。


葵:「ええ、ごめんなさい。慎也たちの任務に協力できなくて」


慎也:「仕方がないさ。それで、その任務ってのいうのは?」

哲平:「最近、日本のとある海岸で、所属不明の貨物船が上陸した事件を覚えているか」

慎也:「ん?確か、先月ぐらいの話しだったな。詳細は、俺の方まで来ていないから、あまり知らないが」
ミッションウォッチからホログラムを出し、その事件の記事を見る慎也。


色葉:「実は、その船には、大量の武器が積みこまれていたのよ。機関銃とか爆弾とかね」

慎也:「おいおい、初耳だぞ。何で、そんな船が、日本に上陸したんだ?」

哲平:「さあな、それは不明だ。なんせ、その船には、人ひとりいなかったみたいだからな」

慎也:「生存者なしってことか」
近くに置いてある缶コーヒーを手に取り、一口頂く。


葵:「船の外傷を調査すると、おそらく嵐に遭遇して、乗組員は全員、海に放り出されたんじゃないかって噂よ」

慎也:「船の外傷を調べて、なぜデータベースは調べないんだ?警察は」

哲平:「しないんじゃない。できないんだ」

慎也:「?どういうことだ」
疑問を抱く慎也。

葵:「何でも、日本の警察が貨物船を調査しようとしたとき、国家政府が調査を止めて、船を持って行っちゃったのよ」
その言葉を聞いて慎也は確信した。

慎也:「なるほど、つまり、その持ちだされた船に潜入して、データベースを調査。国家政府に見つからず情報を掴んで来いか。ランクSのミッションだな」

色葉:「正解。もう嫌になっちゃうわ。国家政府に見つかったら、ただじゃ置かないし」

慎也:「確かに、だが幸運を祈っているよ」
慎也が立ち上がる。

葵:「あなたも気を付けて、慎也。話しは聞いているけど、あの狂言が入国していたっていう王国に入るんでしょ?」
葵が立ち上がって聞く。

慎也:「ああ、その目的の調査だ」

哲平:「確か、来週には、第一王子の命日で、毎年行われている儀式があるんだったな」

慎也:「あぁ、今年は、著名人を含め、かなりの人数が出席するらしい。何事もなければいいがな」
慎也が休憩所を出る。


慎也:『そう、何事もなければいいのだが…嫌な予感がするのは俺だけか…?』
慎也は廊下を歩いて、心の中で呟く。








元帥室





百々原:「というわけで、君を司令として、彼らと一緒に同行させる」
百々原が前に立つ男に言う。


宝井:「了解です」
金髪ヘアの老人、十天老士の宝井が言う。


百々原:「既に、メンバーには、慎也を通して伝達しているはずだ。出発は4日後。調査機関は、1週間をめどにしている」

宝井:「その間に、あの狂言と内通していたものを探せばいいのですよね?」

百々原:「まだ、内通していたとは限らん。その王国にしかない何かを手に入れようとしていただけかもしれん」

宝井:「それと、元帥。今回のメンバーですが、ワックスポワロに連れていったメンバーが参加するようですね」

百々原:「ああ、ここに来て半年、彼らも力は着々とついてきている」

宝井:「ですが、それでも弱すぎます。どうか、”同化計画”の実行を!」
少し笑って百々原に言う宝井。


百々原:「”Xデータファイル”を使用したあれか。ならぬと言ったはずだ」

宝井:「ですが、力は付きます。この世界、力こそ全て。フロンティアが強くなるとためには」

百々原:「そのために、彼らを実験体にして、全員に彼らと同じ枷を付けるつもりか?」
百々原が物凄い目つきで宝井を睨みつける。

宝井:「も、申し訳ございません」

百々原:「とにかく、期待しているぞ。宝井。くれぐれも失敗はしないようにな」

宝井:「了解」
そう言って、宝井は部屋を出る。



宝井:『この世界は力こそ全て、なぜぞれがわからない。今に見ていろ。Xデータファイルを盗み、いつか、このフロンティアを最強の大組織にしてやる!』
ドアの目の前で、そう誓う宝井。


宝井もまた、闇が動き出すというのか・・・!







第2ED『空とキミのメッセージ《choucho》』







次回予告

ナレーション:ライトの墓参りに来たアンナたち。そこに、墓荒しのムガという男が現れ、墓を無差別に荒し回る。

それを見たアンナが怒り、ムガを止めに出た。

半年で力を付けたアンナの力でムガを止めることができるのか。アンナの真の力が覚醒する!

アンナ:次回、遊戯王5DXAL「アンナVS墓荒しのムガ 怒りを真の力に!」


アンナ:「俺を怒らせるとどうなるか、思い知らせてやる!!」






遊戯王5DXAL豆知識コーナー!!


海馬:「海馬コーポレーションが開発した”デュエルリンクスソリッドビジョンシステム”は、デュエルだけでなく、カード自体も、クリスタル・クラウド・ネットワークによってディスク転送されデュエルを可能にする。更に、量子情報は大脳の記憶領域と連動し、あらゆるデュエル情報が脳内映像となって、空間に可視化される、まさに、次世代のデュエルシステムだ!」
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