第23話:『デュエルリンクス再起動!海馬コーポレーションの名誉をかけたデュエル』
早朝
ネオコーポレーションシティ、フロンティア管轄の港
そこに、一人の老人が車椅子に座って、水平線を見ていた。
そう、既に100歳を超え、世界で最長年齢となり、ギネスにもなった男、影丸だ。
影丸:「む…?」
水平線の向こうに影が見えた。
影丸:「無事戻ってきたな」
影丸は一安心したかのような口ぶりで言う。
フロンティア専用の船。
SOA特務隊のみんなが帰還したのだ。
第2OP『Jungle P《5050》』
第23話:『デュエルリンクス再起動!海馬コーポレーションの名誉をかけたデュエル』
SOA特務隊のみんなが乗る船が、港に着いた。
珠里:「んー、やっと帰って来れた!」
背筋を伸ばす珠里。
ツバキ:「何か、久しぶりって感じだね」
結衣:「そうね」
久しぶりに踏む、街の地面。みんな、大喜びだ。
クロノス:「疲れたノーね」
ナポレオン:「でアール」
若い者とは違い、腰を曲げるクロノスとナポレオン。
そこに、影丸が来た。
影丸:「みんな、ご苦労じゃったな」
鮫島:「影丸理事長…!」
斎王:「わざわざ、向かいに来てくれたのですか?」
影丸:「基地にずっといても暇じゃからな。こうやって、一人で外に出るのも悪くはない」
美寿知:「無理だけはなさらないでくださいね」
影丸:「なに、まだまだ若い者たちに負けるワシじゃない。ところで、慎也くんは、どこに?」
斎王:「彼でしたら、もうすぐ、船を降りるかと」
船を見る斎王。
その頃、慎也は、葵と共に、船の廊下を歩いていた。
葵:「とりあえず、初回ミッションの人たちは、無事に帰って来れたわね」
慎也:「ああ、だが、これで、みんなもわかったはずだ。戦いがどれだけ、危険なのか」
葵:「そうね…」
慎也は葵を見る。
慎也:「葵」
葵:「え?」
慎也は葵の両肩を掴む。
慎也:「多元世紀になって、お前も十分に戦った。これ以上、お前を危険な目にあわせたくない」
葵:「慎也…」
慎也:「お前は、もう引退しろ。もう戦わなくていい」
葵:「やめてよ、慎也。私は、ずっとあなたと一緒にいるって決めたのよ」
慎也:「だが、お前がライトのような目にあったら、俺は…」
葵:「守ってくれるんじゃなかったの?」
慎也:「え?」
葵:「私を守ってくれんじゃなかったの?あなた、私にそう言ったわよね」
慎也:「そ、それは…」
葵の両肩から、手を離す慎也。
葵:「もう」
葵がいきなり慎也の胸にダイブしてきた。
慎也:「あ、葵…」
葵:「私は、死ぬまで、あなたと一緒。そう決めたわ。それに、あなたのおかげで私は、ここにいられる。哲平たちのような仲間もできた。だから、大丈夫よ」
慎也:「葵…、そうだったな。今の話しは忘れてくれ」
葵を抱きしめる慎也。
葵:「バカ…」
小さい声で言葉を言った葵の頬はかすかに赤かった。
数分後、慎也と葵は船を降りた。
斎王:「慎也」
慎也:「斎王さん、どうしたんですか?」
斎王:「影丸理事長が話しをしたいそうだ」
斎王は後ろを振り向く。
そこには、車椅子に座った斎王がいた。
慎也と影丸は二人で、フロンティアの本部に向かった。
影丸が乗る車椅子は自動操縦、一人で動かすことが可能だ。
慎也:「そうですか、俺たちがワックスポワロに言っている間に、そんな会議が」
影丸:「あぁ、十天老士の連中は、私を含め、今回、加入された者たちの存在を否定している。中には、ワックスポワロで死を期待していた者もいた」
慎也:「あの人達は、力でしか人を見ていない。力があれば、世界をまとめられると思っているんだ。まあ、あまりの力に怯え、追放された人達もいますが」
影丸:「ここの最高戦力、四大神王者のことじゃな」
慎也:「ええ」
影丸:「会議に名前は出なかったが、こう長生きしているんじゃ、ワシの知っている連中か」
影丸が慎也に問う。
慎也:「機密事項です。申し訳ございません。ですが、あの人達は、必ずみんなの力になってくれます」
影丸:「信頼してるんじゃな」
慎也:「知らない人達にとって、あの人達は怖いイメージをされていますが、心優しい人達ばっかです。仲間は大切にする人達ですよ」
影丸:「そうか」
慎也:「俺は、これから元帥に報告しに行きます。部屋まで送りましょう」
影丸:「いや、大丈夫じゃ。もう少し、朝の風に当たりたい」
慎也:「そうですか。では、俺はこれで」
慎也が、この場を去る。
空を見上げる影丸。少し前に、鮫島が言っていたことを思い出す。
鮫島:「四大神王者のリーダーは、あの武藤遊戯だそうです」
影丸:「なに?」
美寿知:「慎也も、認めていました、間違いないです」
影丸:「そうか、まさか、伝説デュエリストが四大神王者のリーダーだったとは」
影丸:「死んだと思われていた武藤遊戯が生きていた。世間が、これを知ったら、大騒ぎになるな」
小さく呟く影丸。
影丸とて、武藤遊戯は知っている、デュエリストで知らない人なんていないはずだ。
今は何処で何をやっているのか、影丸もそれが気になってしょうがない。
数時間後
会議室、扉前
コンコン
慎也がドアをノックする。
慎也:「SOA特務隊8係リーダー、桐潟慎也です」
百々原:「入りたまえ」
扉の向こうから許可の声が聞こえたので、慎也は扉を開けて、中に入る。
慎也:「失礼します」
ドアに入ると、そこには、百々原元帥だけでなく、十天老士全員の姿もあった」
慎也:『全員、勢ぞろいか』
百々原:「では慎也、今回のミッションについて報告を述べよ」
慎也:「はっ」
慎也の長きにわたる報告が始まる。
その頃、
結衣:「ママ」
杏子:「どうしたの?結衣、浮かない顔して」
結衣:「……」
杏子:「黙ってちゃわからないでしょ」
結衣:「パパ…」
杏子:「!」
結衣の口から出た言葉に杏子はドキッとする。
結衣:「パパ、生きてたね。あの飛行機事故で死んでなかったね」
杏子:「結衣…」
結衣:「あたし、フロンティアに入ってよかったと思ってる。だって、パパが生きているってわかったし。すごく嬉しい」
だが、顔は嬉しそうにない。むしろ、悲しい顔をしている。
結衣:「私たちの知らないところでパパはずっと戦ってるんだね。私たちが知らない」
杏子:「結衣」
杏子が結衣を抱きしめる。
結衣:「ママ…」
杏子:「待ちましょう。パパのこと。それまで、死んじゃダメよ」
結衣:「うん…うん!」
少し涙を流す結衣。
待ち続けよう遊戯を。そして、ぎゅっと抱きしめるんだ。
杏子も結衣もそう誓う。
その頃、慎也は、ワックスポワロで起きたこと、そのあとのことを全て、百々原元帥と十天老士の者たちに伝える。
慎也:「以上が、今回の出来事です」
百々原:「正直、ワックスポワロでのミッション終了後のことは予想外だな」
腕を組む百々原。
メキボ:「ふー、しかし、ライトが死ぬとはな。奴も、このフロンティアの中でも強者の方。戦いの中で役に立つ存在だったんだが」
口に銜えている煙管から煙を出し、偉そうにする十天老士の一人メキボが言う。
慎也:『あんたから見れば、俺たち下っ端は戦いの道具にしかないってことか』
ヤバ:「ライトの穴はどうするんだ?奴らの中にライトの力を埋めるほどの奴はいないだろう」
北支:「確かに、あの海馬瀬人でさえ、このフロンティアの中では、弱いも同然」
慎也:「お言葉ですが、彼らも、この短期間で力は身につけています。神代凌牙と天城カイトは、ワックスポワロでキュミルを倒し、海馬瀬人、城之内克也たちはデニムを、闇川と剣代はセカンドステージでゼルダと戦いました」
口を挟む慎也。
メキボ:「どうかな。現に、神代と天城がキュミルを倒したのは、エースのマークのおかげ。海馬瀬人共の方には、君の彼女が付いて居たそうじゃないか。結局、自分の力ではない」
口に銜えている煙管を手に持ち、そういうメキボ。
ランセツ:「残念だが、今回のミッションで彼らの実力はそれなりにわかった。だが、まだ、弱すぎる。話しにならない」
慎也:『見てねえのによくいうぜ』
ヴォッカ:「とにかく、お前は、これからもあいつらの力を極限まで上げろ」
羽鳥:「弱いものは速攻に処分する」
慎也:「ですが-」
百々原:「もうよい。十天老士の皆も少し言い過ぎだ」
少し喝を入れる百々原。
百々原:「とにかく、慎也、みんなの世話とミッションご苦労だった。身体をしっかり休み、次に備えろ。皆にも、そう伝えてくれ」
慎也:「了解。失礼します」
慎也が部屋から出る。
宝井:「元帥は甘いですな。そんなようでは、今後のフロンティアが心配だ」
百々原:「何が言いたい、宝井」
宝井:「この世界は弱肉強食。強いものは生き、弱いものは死。今後のフロンティアは力が全てになる」
百々原:「そうとも限らんぞ」
宝井:「何…」
百々原:「強さだけで生きていたら、既にこの世界は強者しかいない。そうとは思わんか」
宝井:「何を根拠に」
百々原:「お前さんたちにも分かる時が来る。生きるのに何が一番大事なのか」
キョウ:『やはり、アンタは甘いな。そんなんじゃ元帥は務まらない。いずれは…』
平和な国、ダイシャラス王国
一台のヘリコプターが、宮殿にあるヘリポートに止まる。
一般兵:「王子が帰られたぞ!」
一般兵たちが急いでヘリポートに向かう。
ヘリコプターのパイロット、ラットリーが扉を開け、中から王子のバギーが素顔を見せる。
フェイトロン:「お帰りなさい、王子」
執事の服を着た若い男性が丁重にお迎えする。
バギー:「フェイトロンか。他の幹部共はどうした?」
フェイトロン:「ビート以外は、外に出られております」
バギー:「ならビートはどうした?」
フェイトロン:「いつも通りです」
バギー:「叩き起こして来い」
フェイトロン:「かしこまりました。部下を向かわせます」
バギーは、宮殿の周りを見る。沢山の国民が、自分の帰りを待ってくれていたのだ。
「バギーさまーー」、「お帰りなさーい」そんな声があちこちから聞こえる。
バギーは笑顔で手を振る。
しかし、その笑顔の裏では…。
バギー:『ふん、何も知らない奴らが。貴様らの命も、このダイシャラス王国のため、いや、”テイタラファミリー”のために今後、活かさせてもらうぞ』
国民たちはまだ知らない。バギーの本当の素顔と、その闇を。
ネオコーポレーションシティ
街中を歩くモクバ。
モクバ:「へへ、調整完了!久しぶりにデュエルしたいぜ」
左腕につけているデュエルディスクを見て、ニヤニヤするモクバ。
自分が付けているのは、この世に2台しかない、海馬兄弟専用のデュエルディスク。
モクバ:『兄様が作ったデュエルシステム、デュエルリンクス。システムこそまだあるけど、海馬コーポレーションがインダストリアルイリュージョン社と合併してから徐々に存在が薄れているけど、兄様はどうやって、この多元世紀に再びデュエルリンクスを復活させるつもりなんだろ』
モクバは色々と考えながら、前を歩く。
しかし、その後ろを付ける一人の男の姿があった。
スーツを着用し、メガネをかけている。
何やら端末のようなものを出し、何かを調べる。
画面にモクバの顔が出た。
???:「間違いない、海馬モクバだな」
端末をポケットに入れて再びモクバの後ろをつける。
フロンティア本部、デュエル場
広いデュエル場の中に海馬が一人立っていた。
目を瞑りながら、顔左側の方にデュエル・アイをゆっくりつける。
そして、目を開けると当時に右腕につけているデュエルディスクからカードを一枚ドローする。
海馬:「いでよ!我が最強の化身!”ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン”!!!」
海馬の背後からブルーアイズ・ホワイト・ドラゴンが出現した。
海馬:「滅びのバースト・ストリィィィム!!!」
ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴンが口から特大の粒子を壁に向かって吐き出す。
攻撃が壁にあたり、その衝撃の突風が海馬を襲うが、海馬は攻撃を受けた壁をずっと睨む。
海馬:「よし」
そういうと、ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴンが消えた。
海馬もデュエル・アイを左手で取る。
海馬:「デュエルディスクとデュエルリンクスの調整は、ほぼ100%。昔、いや、それ以上の仕上がりだ。あとは、これを再び世に送り出すために」
海馬がぶつぶつと呟いていると、携帯電話がなった。
海馬はそれに出る。
海馬:「どうした?モクバ」
携帯に表示されたモクバと文字を見て、とっさにモクバと名前を出す海馬。
???:『おっ、本当に出るとはな、いや、元社長、やっぱりあんたは弟思いの良い人だ』
電話の向こうから聞こえる聞き覚えのない声。確実に言えるのはモクバではないということだ。
海馬:「貴様、誰だ?」
???:『常識外れのご挨拶だな。それでも元海馬コーポレーション社長か?』
???:『それを知りたければ、今から30分以内に、ネオコーポレーションシティのトレイン整備場まで来い』
それを最後に電話が切れる。
海馬:「もしもし、もしもし!くそっ」
海馬は急いで部屋を出る。
その頃、フロンティアのとある場所で、ジャックとクロウがDホイールを走らせていた。
ジャック:「最近は走っていなかったからな。いい気持ちだ」
クロウ:「ああ、このままデュエルと行きたいが、ミッションで疲れたからな。どうだ。この後、温泉でもいかねえか?」
ジャック:「ふん、悪くないな」
そう言って、二人はDホイールを止める。
すると、クロウが何かに気付く。
クロウ:「おい、ジャック。あれ、海馬社長じゃねえか」
ジャック:「何?」
ジャックとクロウの目線の先には、全力で走る海馬の姿があった。
ジャック:「何を急いでいるんだ?」
ジャックがそういうと、海馬が、こちらに気付き、方向を変え、こちらに走ってきた。
クロウ:「おい、社長。どうしたんだ?」
ジャック:「何を、慌てて、どわっ!」
こちらに走ってきた海馬がジャックをホイールオブフォーチュンから引きずり下ろす。
海馬:「借りるぞ!」
そう言って、海馬はヘルメットもかぶらず、そのままホイール・オブ・フォーチュンでフロンティア本部を出る。
ジャック:「おい!ドロボー!!俺のホイール・オブ・フォーチュンを返せ!」
暴れるジャック。
クロウ:「どうなってんだ?」
呆然とするクロウ。
トレイン整備場
フロンティア本部を出て十数分。海馬は目的地に着いた。
ホイール・オブ・フォーチュンを止め、整備場内に入る。
すると、扉を開けてすぐ、目の前にモクバの姿があった。
海馬:「モクバ!」
海馬はすぐにモクバの元に向かう。
モクバ:「に、兄様。ごめん。俺がドジ踏んだばかりに、兄様に迷惑を」
意識があるモクバは、助けに来た海馬に謝る。
???:「迷惑をかける弟だな」
突如、聞こえた男の声。
2人の目の前にメガネをかけた一人の男が出てきた。
海馬:「貴様、よくもモクバを。ただでは済まさんぞ」
海馬の怒りを見て殺気を感じ取った男。
???:「流石は、伝説のデュエリストだ」
海馬:「何の目的で、このような悪党ごとする」
???:「今は無き、海馬コーポレーションの施設、情報、財産を全て頂く」
海馬:「何…」
???:「調べさせてもらった。海馬コーポレーションがインダストリアルイリュージョン社と合併してから、7割をインダストリアルイリュージョン社へ、3割を海馬本人が財産をわけあったと。その3割を使って、この多元世紀に大手の会社を作り上げる!この松浦大典がな!」
海馬:「金目当ての犯行ということか。貴様のような汚らわしい男に、海馬コーポレーションの財産を渡すつもりはない!」
松浦:「ならば、力づくで手にするまでだ!海馬コーポレーションを名誉をな!」
松浦が腕につけていたデュエルディスクを展開した。
海馬:「ほお、この俺にデュエルを挑むか。丁度いい、調整が完了した、このデュエルディスクとデュエルリンクスで、相手をしてやる!」
海馬が指パッチンすると、左腕につけているデュエルディスクと、コートの左肩から出てきた機器が接続され、デュエルリンクスが起動した。
モクバ:「兄様、頑張って!」
応援するモクバ。
海馬:「行くぞ!進化したデュエルリンクスで、貴様を完膚なきまで叩き落とす!」
海馬、松浦:「「デュエル!!!」」
2人の掛け声でデュエルがスタートした。
両者
LP4000
1ターン
海馬:「俺のターン!」
海馬がドローし、手札が6枚になる。
海馬:「”ブラッド・ヴォルス”を攻撃表示で召喚!!」
海馬の場にモンスターが現れた。
ブラッド・ヴォルス
レベル4 攻撃力1900
海馬:「1枚カードをセットし、ターンエンド」
海馬のターンが終了した。
2ターン
両者
LP4000
松浦:「俺のターン!」
松浦がカードをドローする。
松浦:「デュエルリンクスソリッドビジョンシステム。デュエルだけでなく、海馬瀬人が扱うカードそのものも、クリスタル・クラウド・ネットワークによってディスク転送されたホログラム。そして、量子情報は大脳の記憶領域と連動し、あらゆるデュエル情報が脳内映像となって、空間に可視化される、まさに、進化した決闘。だが、そのデュエルリンクスも、俺のものとなる!全てを頂くぞ!海馬!!”スフィンクスの家臣”を召喚!」
松浦の場に、スフィンクスを模した装備をする戦士が現れる。
スフィンクスの家臣
レベル4 攻撃力1900
松浦:「スフィンクスの家臣の効果発動。デッキから1枚ドローし、それがスフィンクスと名の付いたモンスターだった場合、そのカードを手札に加え、その後、攻撃力がエンドフェイズまで1000ポイントアップする」
松浦がデッキから1枚ドローする。
松浦:「ドローしたカードは”ヒエラコスフィンクス”。よって、スフィンクスの家臣の攻撃力アップ!」
スフィンクスの家臣に剣が持たれた。
スフィンクスの家臣
攻撃力1900→2900
松浦:「スフィンクスの家臣でブラッド・ヴォルスに攻撃!斬り裂け!」
スフィンクスの家臣の刃がブラッド・ヴォルスに迫る。
海馬:「トラップ発動!”攻撃の無力化”!」
海馬のフィールド全体にバリアが張られた。
海馬:「説明するまでもあるまい」
攻撃の無力化は、相手の攻撃を無効にし、バトルフェイズを強制終了させるトラップカード。デュエリストなら常識のトラップカードだ。
松浦:「デュエルは始まったばかりだ。2枚カードをセットし、ターンエンド」
松浦が2枚カードをセットし、ターンを終了した。
同時に、スフィンクスの家臣の攻撃力が元に戻る。
スフィンクスの家臣
攻撃力2900→1900
3ターン
両者
LP4000
海馬:「俺はブラッド・ヴォルスをリリースし、このモンスター召喚する!」
ブラッド・ヴォルスがフィールドから消えた。
海馬:「伝説の裁判者!”ジャッジ・マン”をアドバンス召喚!!」
海馬の場にジャッジ・マンが現れた。
ジャッジ・マン
レベル6 攻撃力2200
モクバ:「よし!ジャッジ・マンなら、あいつのモンスターを倒せる!」
海馬:「ジャッジ・マンでスフィンクスの家臣に攻撃!!」
ジャッジ・マンが、スフィンクスの家臣に攻撃し、破壊する。
松浦:「くっ」
松浦
LP4000→3700
海馬:「カードを1枚セットし、ターンエンド」
海馬はリバースカードを1枚セットし、ターンを終わらせる。
4ターン
海馬
LP4000
松浦
LP3700
松浦:「俺のターン!」
松浦がカードをドローする。
松浦は引いたカードと、手持ちにあるカードを確認し、伏せカードを発動した。
松浦:「トラップ発動!”守り神の裁き”!墓地に存在するスフィンクスモンスター1体を特殊召喚する!」
松浦の場に、スフィンクスの家臣が復活した。
スフィンクスの家臣
攻撃力1900
海馬:『低レベルモンスターを復活…。目的は、リリースか』
松浦:「スフィンクスの家臣をリリース!」
海馬の予想は的中した。松浦は復活させたばかりのモンスターをリリースの素材にした。
松浦:「”ヒエラコスフィンクス”をアドバンス召喚!」
松浦の場に新たなモンスターが登場した。
ヒエラコスフィンクス
レベル6 攻撃力2400
松浦:「更に、守り神の裁きのもう一つの効果により、相手モンスター1体を破壊し、1000ポイントのダメージを与える!ジャッジ・マン破壊!!」
ジャッジ・マンに落雷が落ち、そのままフィールドから抹消された。
そして、海馬に効果ダメージが。
海馬:「ぐっ!」
LP4000→3000
モクバ:「兄様!」
海馬:「ヒエラコスフィンクスでダイレクトアタック!!これで大ダメージだ!」
ヒエラコスフィンクスが海馬に迫る。
海馬:「させるか!トラップ発動!”カウンター・ゲート”!相手モンスターの直接攻撃を無効にし、デッキから1枚ドローする。それが、モンスターだった場合、表側攻撃表示で召喚する!」
海馬がカードを引く。
海馬:「神を俺をまだ見放してはいないようだ!舞い上がれ!!”ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン”!!!!」
海馬が引いたカードは魂のカード、ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴンだった。
空高く舞い上がり、フィールドに出没した。
ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン
レベル8 攻撃力3000
松浦:「このタイミングで、ブルーアイズとはな。さすがは、伝説のデュエリストだ」
松浦のフィールドのモンスターでは、ブルーアイズを倒すことはできない。それは、本人も分かっていることだ。
5ターン
海馬
LP3000
松浦
LP3700
海馬:「ブルーアイズの怒りは思い知る前に、その邪魔なモンスターを排除してやる」
海馬がデッキから1枚ドローする。ドローフェイズのドローだ。
海馬:「マジックカード”緊急合体”!デッキに存在する”X-ヘッド・キャノン”、”Y- ドラゴン・ヘッド”、”Z-メタル・キャタピラー”を除外し、エクストラデッキから”XYZ-ドラゴン・ヘッド”を特殊召喚する!!」
海馬のフィールドに3機のロボットが登場し、各部が分離し合体る。
XYZ-ドラゴン・キャノン
レベル8 攻撃力2800
海馬:「XYZ-ドラゴン・キャノン効果発動!手札を1枚捨て、相手フィールド上に存在するカード一枚を破壊する!」
手札を一枚捨てる海馬。XYZ-ドラゴン・キャノンの砲身が、ヒエラコスフィンクスに向けられる。
海馬:「消えろ!古代の亡霊よ!」
XYZ-ドラゴン・キャノンの砲身からビームが発射され、ヒエラコスフィンクスを破壊した。
モクバ:「これで、奴のフィールドにモンスターはいない!そして、兄様のフィールドには、攻撃できるモンスターが2体!」
ガッツポーズするモクバ。兄の勝利を確信したのだ。
海馬:「貴様など、このターンで葬り去ってくれる!行け!XYZ-ドラゴン・キャノン!奴にダイレクトアタック!!」
XYZ-ドラゴン・キャノンが松浦にダイレクトアタックを仕掛け、そのまま攻撃は松浦を襲った。
松浦:「ぐわっ!」
松浦
LP3700→900
海馬:「さあ、絶望しろ。我がブルーアイズの攻撃で!!ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴンでダイレクトアタック!滅びのバースト・ストリィィィム!!!」
ブルーアイズの攻撃が、松浦目掛けて放たれた。
この攻撃で勝負は決まるのか!!?
第2ED『空とキミのメッセージ《choucho》』
次回予告
ナレーション:ブルーアイズで松浦に攻撃を仕掛け続ける海馬。
対する松浦はスフィンクスで海馬に反撃を繰り返す。
2人のデュエルが激しく繰り広げられ、モクバが見守る中、海馬と松浦の戦いに終止符が打たれ、海馬が宣言する!
海馬:次回、遊戯王5DXAL「ブルーアイズの咆哮VSスフィンクスの怒り」
海馬:「進化したブルーアイズの姿を見るがいい!!」
遊戯王5DXAL豆知識コーナー!!
海馬:「俺が持つ”ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン”は、世界に4枚存在し、その内3枚を所持している。伝説の最強ドラゴンとも呼ばれており、3体融合で、ブルーアイズ・アルティメット・ドラゴンにもなる」