第21話:『開眼!セカンドステージ VS 最上刀衆の1工』
闇川:「はあ!」
ゼルダ:「ふん!」
闇川の刀をナイフで受け止めるゼルダ。
さっきから、闇川は、攻撃を仕掛けるが、全てゼルダはナイフで受け止めている。
闇川:「はぁ、はぁ、くそっ…何故、斬れない」
ゼルダ:「さっきも言ったはずだ。貴様の刀からは覚悟が感じられないと」
闇川:「覚悟だと…」
ゼルダ:「そうだ。刀を握る覚悟だ」
闇川:「俺にも、覚悟はある!戦う覚悟がな!」
闇川が、高速移動した。まるで、忍者だ。
闇川:「はあ!」
闇川が刀から黒い斬撃を放つ。
しかし、ゼルダは、それを躱す。
六十郎:「闇川…」
鉄男:「さっきから手も足も出ていないじゃないか…」
小鳥:「あの人に弄ばれている感じだわ」
みんなが、二人の戦いを見て、闇川の不利を確信する。
剣代:「闇川は、さっきから攻撃をしているが、それをゼルダは全て、受け止めている。そして、何より、ゼルダは、まだ自分から仕掛けていない」
慎也:「あぁ、ゼルダの奴。完全に、闇川をバカにしている」
剣代:『何を考えているんだ、闇川』
闇川の動きを見て、何かを思う剣代。
二人のぶつかり合いは、まだ続くのであった。
第2OP『Jungle P《5050》』
第21話:『開眼!セカンドステージ VS 最上刀衆の1工』
慎也:『俺が、ゼルダに初めて出会ったのは、もう40年も前になる。ある任務で、小さな街に入った俺は、街を制圧していたテロリストを排除する役目を仰せつかった。だが、新米だった俺は、5人の相手に囲まれ、追いつめられてしまった。そんなときだった。奴が現れた」
慎也が昔のことを思い出す。
新米で、敵に追いつめられたとき、命を諦めかけた、そのとき、奴は、俺の前に現れ、その手に持つ剣で、テロリスト5人を一掃した。
慎也:「お前は…」
ゼルダ:「力もないのに複数の敵を相手にするとは、なかなかの根性だな」
慎也:「うるさい。貴様、何者だ?フロンティアに関係するものじゃねえだろ」
ゼルダ:「フロンティア?大組織のか。なるほど、俺の敵ということか」
ゼルダが、慎也に剣先を向ける。
慎也:「!!?」
ゼルダ:「俺は、大組織サイファーの勢力・天下八大王の一人、ゼルダ・ウルフィアス」
慎也:「世界勢力の一つ”天下八大王”の一人だと…!」
ゼルダ:「貴様に、覚悟はあるのか!」
ゼルダが刃を、慎也に向け、攻撃に出る。
慎也は避けた。
慎也:「こんなときに、どうして、サイファーの世界勢力と!」
慎也が実体剣を出す。
ゼルダの剣を受け止める。
ゼルダ:「ほお、俺の刃を真正面から受け止めるか」
ゼルダは一度、距離を取る。
ゼルダ:「ならば、これは受け止められるか!」
ゼルダが、その剣から、巨大な斬撃を出す。
慎也はすぐに避けた。
後ろにある崩壊しそうなビルが、スッパンと斬れた。
慎也:「なんて、切れ味だ」
慎也が斬れたビルを見て驚く。
ゼルダ:「次は、当てる!」
ゼルダが、再び、巨大な斬撃を出す。
そのまま、慎也に斬撃が接近する。
しかし、そこに、小さな女の子が現れた。
女の子:「ママ、どこー!ママ!」
女の子は鳴きながら、ママと叫ぶ。
ゼルダ:「!!」
慎也:「危ない!」
慎也は女の子の前に現れ、ゼルダの斬撃を剣で受け止める。
慎也:「くっ、うおおおおおお!」
慎也がゼルダの斬撃を受けきった。
しかし、物凄い衝撃だったのか、身体中のダメージがすごく、膝を地面につけてしまった。
慎也が、女の子の方を向く。
慎也:「この先に、俺たちの…、仲間たちがいる。この近くで保護した住民たちだ。…もしかしたら、そこに、ママがいるかしれない。い、行くんだ」
女の子:「う、うん」
女の子は、慎也が指さした方に向かって走る。
慎也に近づく、ゼルダ。
慎也:「新米がでしゃばるもんじゃないな。さあ、トドメを差せよ」
慎也がゼルダに向かって言う。
しかし、ゼルダは、剣を収めた。
それを見て、何故という顔をする慎也。
ゼルダ:「貴様の、覚悟、しかと見た。今日は、これまでだ」
ゼルダは、立ち去ろうとする。
慎也:「なぜ、殺さない?」
ゼルダ:「俺が殺すのは、覚悟が強いものだけだ。貴様の覚悟は、まだ小さな豆だ。次会うときには、ボールサイズまで拡大しろ。そうすれば、殺してやる」
そう言って、ゼルダは立ち去った。
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慎也:「覚悟か…」
葵:「えっ?」
慎也:「俺もあいつに覚悟を教わったんだなと思ってな。敵である、あいつに」
闇川とゼルダの剣がぶつかり続ける。
ナイフで、闇川の刀を受けるゼルダ。
ゼルダ:「なるほど、貴様、力を求めているな」
闇川:「!!」
ゼルダ:「何度も剣を交えれば、大体、相手の気持ちがわかる。だが、力を手にしたところで、強くはなれんぞ」
闇川:「何!?」
ゼルダ:「力を追い求める者と、そうでない者の差を教えてやる!」
ゼルダが放たれる殺気。それに怯える闇川。
ゼルダ:「ふん!」
ゼルダがナイフから白い斬撃を放つ。
ナイフから出たにも関わらず、大きな斬撃だ。
それを、受け止める闇川。
闇川:「くっ」
後ろに押される闇川。
闇川:「何だ、この力は…!!うわあああ!」
後ろの柱に背中をぶつける闇川。
六十郎:「闇川!!」
明日香:「なんて、力なの!」
剣代:「これが、世界最強の剣士の実力…!」
斬撃で飛ばされた闇川が立ち上がる。
闇川:「こんなもの、師匠の修行に比べれば!」
ゼルダ:「立つか。なら、もう一撃だ!」
ゼルダが、再び斬撃を放ち、闇川を襲う。
闇川:「くっ!」
斬撃を受け止める闇川。
闇川:「お、俺は、力を…!」
力を追い求める闇川。再び、吹き飛ばされそうになる。
しかし、
剣代:「分からないのか!闇川!」
剣代が叫ぶ。
闇川も反応した。俺の名を叫ぶ剣代。
剣代:「気づけ、闇川。力を付けたところで、強くなれるわけじゃない!」
闇川:「!!」
剣代:「力を持てば強くはなれる。だが、逆に、自分を見失う時だってある!」
闇川:「!!!」
そうだ、俺は過去に力を追い求めるあまりに、師の元を離れ、自分を見失ったときがあったじゃないか。
闇川の頭に浮かぶ過去の自分。
剣代:「強くなるには、その力を使いこなすための覚悟だ!」
闇川:「覚悟…」
剣代:「お前は、何を守りたい。前、俺に言っていなかったか!」
前に剣代に言った、俺の覚悟。
六十郎:「闇川…」
闇川:「俺は、俺は、師である六十郎師匠を守ること…!」
闇川の覚悟。それは、師の六十郎を守ることだ。
その気持ちが伝わったかのように、闇川の刀、黒刀・霧雨が輝き出す。
ゼルダ:「?」
ゼルダも少し驚いているようだ。
一体、何が起きたのか。周りにいる、みんなにも、そして、闇川にもわからない。
だが、一つ言えることは、闇川が受け止めていた斬撃が消えているということだ。
そして、黒刀・霧雨が変わった姿で、闇川の手に収まっていた。
刀身の形状が変化し、刃の根元に”弐型”と書いてある。
珠里:「なに!何が起きたの!?」
哲平:「まさか、これは…!」
慎也:「”セカンドステージ”…!」
慎也が口にする用語。それに、反応する六十郎。
六十郎:「なんだ、それは」
慎也:「”デュエルギア”がデュエリスト自身の力に反応し、進化する現象だ。だが、セカンドステージの取得は、早く手も半年は掛かる。こんなに早く取得するはずが…!」
慎也も驚く闇川のセカンドステージ。その取得の速さの脅威に哲平も驚いている。
剣代:「闇川の覚悟が、デュエルギア、いや、機甲忍者ブレード・ハートにも伝わったんだ」
さっきまで深刻な顔をしていた剣代だが、今は笑っている。
やっと、強くなるための覚悟を見つけた闇川を見てホッとしているのだ。
闇川:「セカンドステージ…。ブレード・ハート。俺に力を貸してくれるというのか」
雲に隠れていた太陽が顔を見せ、闇川の刃を照らす。
ゼルダ:「なるほど、それが貴様の覚悟か。ならば、試してやろう!」
ゼルダがナイフを捨て、1枚のカードを手にする。
ゼルダ:「来い!”闇の魔剣士ラディナス”!!」
ゼルダの前に黒い鎧を身に纏う戦士が現れた。
そして、戦士の身体が輝き、ゼルダの手に一本の黒い刀が握られた。大きさ、普通の刀より、少し大きめだ。
ゼルダ:「この最上刀衆の一工、”漆黒刀”が、貴様の覚悟を見てやる!!」
剣先を闇川に向ける。
哲平:「慎也、あれが、噂に聞く…」
慎也:「ああ、ゼルダが持つ最上刀衆の一本、”漆黒刀”だ」
色葉:「話を割り込んで悪いんだけど、その最上刀衆って何?」
慎也:「世界に存在する特別な精霊の力を持つ刀で、”刀衆”100工、”特刀衆”25工、”大刀衆”21工、そして、一番上のランク、”最上刀衆”12工。その最上刀衆の一本が、ゼルダが持つ漆黒刀。斬られたものは、すぐに黒い灰になるとも言われている」
慎也が最上刀衆について解説する。
闇川:「やっと、剣を抜いたか」
闇川も剣を構える。
ゼルダ:「行くぞ!」
闇川:「来い!」
二人の剣が激しくぶつかり合う。
物凄い音が周りに聞こえる。
そして、しばらくして、二人は、距離を取って、互いに背中を向けて立っていた。
ゼルダ:「ふん」
ゼルダが鼻で笑う。
次の瞬間、闇川の右肩が斬れ、大量に出血する。
六十郎:「闇川!」
闇川:「くっ」
闇川が肩を押さえたまま、膝を付く。
闇川:「これが…、覚悟の差か」
ゼルダ:「例え、セカンドステージに入ったところで、まだ使いこなせはしないか」
ゼルダが闇川を見る。
ゼルダ:「素晴らしいものを見せてもらった。最後だ。我が剣の切れ味、もう一度、その身体で味わえ!」
ゼルダが闇川に接近する。
六十郎:「闇川!!」
闇川がゼルダの方を見る。
既に、ゼルダは剣を振り上げていた。
避ける気力は、闇川にない。
闇川に剣が振り下ろされた。
闇川自身も、ここで死ぬのかと覚悟を決めた。
しかし、何者かが白い剣でゼルダの剣を受け止めた。
ゼルダ:「?」
闇川:「け、剣代…!!」
そう、剣代が闇川を守ったのだ。
明日香:「け、剣代!?」
珠里:「お兄ちゃん!」
梨香:「い、いつの間に、あそこに!」
ゼルダが距離を取る。
剣代:「大丈夫か?闇川」
闇川:「あぁ、すまない」
剣代:「気にするな。仲間を守るのは当然のことだ」
笑って答える剣代。
ゼルダ:「いい刀だ」
剣代:「こいつか?父が残した、”E・HEROネオル”のデュエルギア、”光燐之太刀”だ」
ゼルダ:「いい名をつけたな。刀の名は持ち主の気持ちがこもっていると言われている」
剣代:「俺は、父が愛した母を、そして、大切な妹たちを守る。そう、この刀に、そして亡き父に誓った」
ゼルダ:「それが、お前の覚悟か」
剣代:「ああ」
剣代がそういうと、光燐之太刀が輝き出す。
ゼルダ:「!?」
六十郎:「これは、闇川と同じ現象…!?」
剣代:「セカンドステージか。なら、俺のこいつもセカンドステージに入れるということだな」
剣代が持つ刀の形が変化した。
刃の形状が変化し、金色のラインが刀身に入っている。
ゼルダ:「ほお」
慎也:「まさか、剣代もセカンドステージに!」
葵:「口振りからして、初めてじゃないみたいね」
哲平:「既に、取得していたというのか」
先輩たちが驚く。
明日香:「…!」
剣代を見る明日香。その後ろ姿に、愛する男の背中が見えた。
明日香:「十代…」
梨香:「え?」
母がボソッと口にした言葉を聞いていた梨香。
明日香:「な、なんでもないわ」
すぐに、何も言っていないかのように誤魔化す明日香。
ゼルダ:「いい目だ。お前を見ていると、我が最強のライバル、”世界最強の剣豪”を見ているようだ」
剣代:「確か、四大神王者No.2バーンだったな。一体、どんな人なんだ?」
剣を構えながら、質問する剣代。
ゼルダ:「何を考えているかわからない、神出鬼没な男。影に隠れて、悪を斬る。そんな奴だが、力は認めている。この俺と唯一、対等に戦える奴だからな」
ゼルダも剣を構える。
ゼルダ:「名前を聞いていなかったな」
剣代:「天上院剣代。それが俺の名前だ」
ゼルダ:「剣代…。フッ、いい名だ。いくぞ!剣代!」
剣代:「いざ、尋常に勝負!!」
二人が、同時に動き出し、一瞬、剣が交わったかのように見えた。
だが、いつの間にか、二人は背中を向けている。
しばらく、続く沈黙。
しかし、剣代の方が、最初に膝を付いた。
頭から、少し血を流す。
珠里:「お兄ちゃん!!」
剣代:「あんた、強いな。完敗だ」
剣代が頭を押さえながら、笑って言う。
ゼルダ:「この勝負、預けるぞ」
ゼルダが剣代の方を見る。
すると、左頬から少し血を流していた。
ゼルダ:「初めて、俺に挑んで、俺に血を流したのは、二人。四大神王者バーン、そして、次は、お前だ」
ゼルダが剣代を指さす。
そのあと、先ほどまで対戦していた闇川を見る。
自分の肩を押さえる闇川。
ゼルダ:「貴様の名を聞こう」
闇川:「…闇川だ。」
ゼルダ:「闇川、貴様もまだまだ未知の可能性を秘めている。次会うときまでに、今の100倍は強くなれ」
そう言い残し、ゼルダは、後ろを向き歩き出す。
慎也:「どこへ行く?」
ゼルダ:「俺の目的は、テロの殲滅。既に用は済んだ」
ゼルダは、そう言い残し、近くに置いてるボートに飛び移る。
そして、この場を後にした。
ゼルダ:「天上院剣代…。なるほどな。面白い奴だ」
ゼルダの口が、笑う。
六十郎:「すぐに、その傷を手当てしてやろう」
闇川:「すいません。師匠」
肩を押さえる闇川。
明日香:「剣代!」
珠里:「大丈夫!?お兄ちゃん!」
剣代:「ああ、対したことはない」
恵美:「待ってて。すぐ手当てするわ」
自身のミッションウォッチから救急箱を出す、恵美。
吹雪:「流石は、恵美。準備がいいね」
恵美:「これでも、元々は保険室の先生よ」
ウィンクをする恵美。
葵:「かなりやられたわね」
慎也と共に船内を歩く葵。
慎也:「ああ、哲平に聞いたら、どこかの島で一度、上陸して、大きいダメージを受けている場所は、すぐに修理しないと、街まで持つかわからないらしい」
二人は、そう言って、コントロール室に来た。
慎也:「だが、俺たちは運がいい。ここから、5分ほどのところに、無人島がある。そこで、一度、上陸して、修理作業すれば、明日の、朝には、街につく」
葵:「予定は、少し変わるけど、以下仕方ないわね」
慎也:「あぁ、海賊にテロリスト、まさか、世界最強の剣士が来るとは、誰も想像しなかっただろうしな」
そう言って、慎也はマイクを手に取り、口元に近づける
慎也:「これより、俺たちは船の復旧作業のため、予定を変更して、この近くにある無人島に緊急上陸する。街までもう少しのところ済まないが、無事に街まで戻るためだ」
慎也のことは船内中に響いた。
シェリー:「仕方ないわね。色々あったもの」
ミゾグチ:「そうですね」
クロウ:「結局、今日中には街に戻れねえってことか」
璃緒:「早く街の空気を吸いたいですわ」
仕方ないと思う人もいれば、愚痴を言う人もいる。
フロンティアは、少し航路を変え、近くの無人島へ向かって進む。
無人島
誰もいない島。森が溢れ、島の中央には草原が広がる。
その草原の真ん中にある不気味な形をした石。
いや、これは石ではなく、洞窟の入り口だ。
その洞窟の奥にある謎の石版。謎の文字が、刻まれる、この石版は…!
第2ED『空とキミのメッセージ《choucho》』
次回予告
ナレーション:予定を変更し、誰もいない無人島に上陸したSOA特務隊のみんな。
修理班が船の整備をしている中、一人、森の奥へと進むイシズ。
しばらくして、森を抜け、広い草原に出たイシズたちの目に映る、謎の洞窟の入り口に入り、発見したのは、何とあの石版だった。
イシズ:次回、遊戯王5DXAL「我此処に至り 謎のメッセージ」
イシズ:「どうやって、このメッセージを…!」
遊戯王5DXAL豆知識コーナー!!
ゼルダ:「世界最強の剣士の言われた俺が愛用する”漆黒刀”は、この世に12工存在する”最上刀衆”の一本で、斬ったものを即座に黒い灰にすると世間で言われている。俺が、この剣で殺すのは、悪のみ。だが、この剣を使用しても、我が最強のライバル、世界最強の剣豪とは決着は付かなかった。俺も、まだまだ未熟ということか」