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第15話:『決着!!慎也VS狂言』







慎也:「神騎セイントレアで黒魔族のカーテンに攻撃!貫けぇ!」
神騎セイントレアが黒魔族のカーテンを貫き、塵となって消える。



狂言:「ぐわああああ!」




狂言LP2100→700




慎也:『遊戯隊長。あなたたちがいなくとも、世界は俺が守ります。弟子として、仲間として。あなたの大切なものを!』
四大神王者の弟子である桐潟慎也。

狂言:「この我が、ここまで押されるとは…!」
全ての人間をデュエルモンスターズの精霊とし、争いのない多元世紀を作り上げようとする狂言。




二人の戦いに、ついに、決着が!!!!










第2OP『Jungle P《5050》』









第15話:『決着!!慎也VS狂言』








慎也VS狂言。二人のデュエルはラストスパートへと突入していた。





慎也:「俺のターンは終了だ」
慎也のターンが終了した。




慎也LP1200
狂言LP700





ジャック:「よし!奴のライフを大きく削った」

ミスティ:「もう少しで決着がつくわ」
慎也の勝利が見え、喜ぶみんな。




狂言:「おのれ…」




10ターン
狂言LP700


狂言:「我のターン!!」
狂言がカードを引き、そのカードを確認する。


すると、突然、大声で笑い出した。


慎也:「?」


狂言:「ハハハ、どうやら、女神は、まだ我を見捨てていないようだ。桐潟慎也、貴様に、こいつが倒せるかな」


慎也:「何を出す気だ…?」



狂言:「マジックカード”悪魔法の神髄”を発動!」
狂言の場に、大きな魔法陣が現れる。

しかも、奇妙な声が魔法陣から聞こえ、部屋中に響き渡る。




海馬:「なんだ…?」

モクバ:「気味が悪いぜ…」



狂言:「全ては、極限の力なり!」

慎也:「どういうことだ?」

狂言:「我は、このカードの効果により、自分の墓地にある、モンスターを全て除外!」
狂言の墓地からモンスターカードが全て出てきて、魔法陣に吸い込まれる。

慎也:「これは、まさか、生け贄!」


狂言:「そうだ!これにより、召喚されるモンスターは、悪魔をも超える黒き神の龍を操る使い魔!!さあ。来い!エクストラデッキから、”極限悪魔龍使い・グランレデオン”を特殊召喚!!!」
狂言の場に、黒い巨大な龍、そして、その龍の頭に乗る使い魔が君臨した。



極限悪魔龍使い・グランレデオン
レベル9 攻撃力3400


恵美:「このタイミングで、攻撃力3400のモンスターを!」

吹雪:「これが、あの男の切札なのか…」
狂言が出したモンスターを見て、驚くみんな。


狂言:「だが、悪魔法の神髄を発動したターン、我は攻撃することができない」
グランレデオンは何もせずに、狂言の場に降りる。


狂言:「我は、これでターンエンドだ」
狂言のターンが終了した。


狂言:「慎也、このモンスターが、貴様に攻撃したとき、そのときが、貴様の最期だ!」


慎也:「くっ…」






12ターン
慎也LP1200



「俺のターン!」
慎也がカードを引く。


慎也:「くっ、今の手札じゃ、あの協力モンスターを葬るのは無理か。」




慎也:「神騎セイントレアを守備表示に変更!!」
神騎セイントレアが攻撃表示から守備表示へとなった。




神騎セイントレア
守備力0


慎也:「これでターン終了だ」
慎也のターンが終了した。







その頃、デュエルを船のモニターを通して見ている双六たちは…。




鮫島:「モンスターを守備表示にしただけ」

双六:「おそらく、手札に攻撃を躱せるカードがないのじゃろう」

アーサー:「攻撃力3400。簡単には倒せないか」








13ターン
狂言LP700


狂言:「我のターン!」
狂言がカードを引く。


狂言:「一応伝えておくが、極限悪魔龍使い・グランレデオンが攻撃するとき、お互いにこのカードを対象にした魔法、罠は発動できない。つまり、魔法トラップで攻撃を躱すことなどできないぞ」

慎也:「くっ、だが、神騎セイントレアはオーバーレイを持っているとき、戦闘では破壊されない効果を持っている。今、セイントレアはオーバーレイを二つ持っている。つまり、この効果は適用している」

狂言:「それは、どうかな」

慎也:「なんだと?どういうことだ?」

狂言:「極限悪魔龍使い・グランレデオンは、攻撃するとき、攻撃対象のモンスター効果を無効にする効果を持っている。つまり、セイントレアの効果を無効にできるということだ」

慎也:『くっ、だが、俺のモンスターは守備表示。破壊されてもダメージはない』

狂言:「更に、破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを相手ライフに与える効果も持っている。残念だったな」

慎也:「何!じゃあ、守備表示にしても、ダメージは!」

狂言:「勿論、存在する」



城之内:「マズいぜ!このままじゃ、慎也のライフが尽きちまう!」

静香:「何とかならないの、お兄ちゃん!」

城之内:「何とかって言ってもな…」



狂言:「さらばだ、慎也。我を、ここまで追い込んだ、記念だ。貴様の肉体は、この後にでも、すぐデュエルモンスターズの身体にしてやる。行け!極限悪魔龍使い・グランレデオン!デス・マキシマム・バースト!!」
極限悪魔龍使い・グランレデオンが、神騎セイントレアを攻撃する。その破壊力は常識を超えており、周りのモニターを破壊していった。

慎也:「ぐわああああ!」
慎也の辺りに爆炎が立ち上り、姿が見えなくなる。


葵:「慎也!!」

色葉:「そんな、まさか…!」

哲平:「くそっ…!」
悔しがるみんな。


狂言:「デュエルは我の勝ちだ。慎也、貴様の人生は、これから我が決めよう」
誰もが、このデュエルの決着がついたと思った。


だが、爆炎が消えて行くと、誰かが立っている姿が見えてきた。

狂言:「…!何!」

葵:「慎也!!」



慎也
LP200


なんと、慎也はLPを200残したまま立っていた。

フィールドにいた、神騎セイントレアは破壊されているのにも関わらずだ。

狂言:「どういことだ…!」

慎也:「こいつのおかげで助かったのさ」
そういって、慎也は一枚のカードを見せる。

慎也:「手札にあるマジックカード”ど根性戦士”は、このカードを墓地に送り、ライフを200にすることで、戦闘、または効果ダメージを無効にする」
慎也は、そのカードを墓地へ送った。


狂言:「くそ、無駄なことを。だが、どうあがいたところで、貴様の負けは見えている。次のターンで、全てを終わらせ、ここにいる、みんなを精霊として、進化させてやる。ターンエンドだ」
狂言のターンが終了した。



葵:「慎也…」
葵が慎也を見つめる。


その視線に気付いたのか、慎也が葵を見る。


慎也:「そんな顔するな、葵。俺は大丈夫だ。それに、お前にも黙っていたが、俺は四大神王者の弟子。あの人達の名を汚すつもりはない」

葵:「慎也…」
葵が笑顔になる。




マリク:「残り200ポイント。このターンで決着をつけなければ…」

雑賀:「次のターン、奴の強力モンスターの攻撃が来る」


狂言:「さあ、引け!貴様の最後のドローだ!」


慎也は目を閉じる。







13ターン
慎也
LP200


慎也は目を閉じたまま、カードを引く。


そのカードを見て、慎也の口はニカッと笑う。


狂言:「!?」


慎也:「ラストスパートだ!!行くぞ!」
慎也は引いたカードをフィールドに出す。


慎也:「マジックカード”異次元吹雪”を発動!!」
慎也の場に異次元のワームホールが出現。しかも、その中から吹雪が出てきた。

慎也:「自分フィールド上にカードが存在しないとき、デッキから”ブリザード・クルスナイト”を特殊召喚できる!来い!ブリザード・クルスナイト!!」
吹雪の中から白銀に輝く戦士が現れる。


ブリザード・クルスナイト
レベル7 攻撃力2500


狂言:「ブリザード・クルスナイト。データによれば、それが貴様のエースのようだが、そいつでは、我の極限悪魔龍使い・グランレデオンを倒すことはできないぞ!」

慎也:「ああ、今はな」

狂言:「何…!」

慎也:「更に、ブリザード・クルスナイトをリリース!!”シュネーシュトゥルム・クルスナイト”をアドバンス召喚!!!」
白銀に輝く2刀流の戦士が慎也の場に現れる。


シュネーシュトゥルム・クルスナイト
レベル8 攻撃力3000


狂言:「レベル8のモンスターを一体リリースで召喚するだと!?」

慎也:「このカードは、ブリザード・クルスナイトをリリースすることでアドバンス召喚できるモンスターだ。並みのモンスターと比べてもらっちゃ困る」

狂言:「何の力も出していないくせに、何を偉そうな!」


慎也:「このカードを出しても、そう言ってられるかな?」
慎也は手札にあるラスト一枚のカードを出す。

慎也:「マジックカード”アドバンスパワー”発動!アドバンス召喚に成功したとき、召喚に成功したモンスターの攻撃力を1500アップする!!」

シュネーシュトゥルム・クルスナイト
攻撃力3000 → 4500


狂言:「何!!攻撃力4500だと!」

慎也:「貴様が作り上げる理想の世界!ここで打ち壊す!」

狂言:「くそっ!」
狂言が逃げだす。

慎也:「逃がしはしない!行け!シュネーシュトゥルム・クルスナイト!極限悪魔龍使い・グランレデオンに攻撃!!ブリザード・デッドエンド!!」
シュネーシュトゥルム・クルスナイトが二刀の刀で、グランレデオンを斬り付け、切り口から身体が凍り付き、そのあと、再び、シュネーシュトゥルム・クルスナイトが斬り倒す。


極限悪魔龍使い・グランレデオンの身体は、そのまま逃げる狂言の方に倒れる。

狂言:「うわああああああ!」


狂言LP700 → 0



デュエルに勝負がついた。




レイ:「やった!慎也さんが勝った!」




船にいる、明里やカーリー、更に医務室にいる、イェーガーたちも喜んだ。





デュエルによって、ダメージを受けている慎也。そのまま、倒れている狂言に近づく。



狂言:「何故だ…。全てが同類になれば、争いはない。なぜ、それがわからん…」

慎也:「それは、お前が勝手に決めたことだ。同類になったところで争いは無くならない。人間は常に争いを繰り返す。そう言う生き物だ」


狂言:「だから、我は、それを作り上げようと、デニム、キュミルを付け、奴らと共に、その世界を作ろうとした!必ず、無くなる!争いのない世界は実現できるのだ!それを、この多元世紀で実現…」
狂言が話している途中、いきなり、狂言の首に大きな首輪が付けられた、その首輪には鎖が付いている。


慎也は、すぐ後ろに下がった。



アンナ:「なんだ…!?」



みんなの目の前が突如、霧で覆われる。



慎也:「もうお出ましか。牢獄(プリズン)」
慎也が口にする謎の言葉。

霧の中から、顔を包帯で包み、黒いボロボロのマントで身体を覆っている5人組の者が現れた。

一人の手には、鎖が握られており、その鎖の先は、狂言の首輪とつながっている。


色葉:「プリズン…、あれが?」
色葉がボソッと呟く。


万丈目:「なんだ、奴らは!?」


慎也:「この多元世紀から始まった最高司法機関、”中央裁判室”。悪は法で暴かれていくが、その法の力はあまりに強く、中央裁判室から与えられた法を潜り抜けたものは誰もいない。そして、その中央裁判室につく番人。それが牢獄。名を”プリズン”と言われている」

葵:「確か、何らかの力で異空間を自在に操ることで、どこにでも現れるとか」

哲平:「ああ、あいつらに目を付けられたら、まず逃げることはできない」



狂言:「くそっ、離せ!離せ!」
狂言が首輪に繋がる鎖を強く握り、もがく。







その頃、葵たちが倒したデニムも、3人のプリズンに拘束されていた。

デニム本人はまだ気を失っている。





雑賀:「中央裁判室の番人だということはわかった。だが、奴らは一体…」


慎也:「その正体は、誰もわからない。いつの間にか中央裁判室の番人に付いており、国家政府、それに、プリズンをつけている中央裁判室の裁判官たちにも、その正体を知らないと言われているからな」


シェリー:「人間なのかもわからないということね」




プリズン:「ご苦労だった。諸君」


慎也:「!」
いきなり口を開いたプリズンに少し驚く慎也。

口元の包帯の所為で言葉ははっきり聞こえないが、聞き取れないわけではない。



プリズン:「諸君のおかげで、再び、この世から悪を裁くことができる。感謝を述べよう」


慎也:「ちょっと待て。俺は、まだそいつに話しがある」

プリズン:「その必要はない。この者が生を背負う価値があるのか、死を知る必要があるのか、それは、中央裁判室が決定を下す」

慎也:「俺たちは、あんたらの手伝いをしたわけではないぞ」

プリズン:「前にも言ったはずだ、桐潟慎也。この世界の人間共は我々の掌の上。絶対に逃れられない」
中央にいるプリズンが掌を前に出す。





ジャック:「何だと!貴様ら!俺たちは、お前らのおもちゃでは……」
ジャックが前に出た瞬間、ジャックの首に狂言と同じ首輪が付けられた。


勿論、プリズンが付けたものだ。


クロウ:「ジャック!!てめえ!」
クロウも前に出ようとする。


慎也:「やめろ!手は出すな」
慎也がクロウの怒りを治める。


慎也:「済まない、プリズン。彼の首輪を外してくれ」

プリズン:「我々には、口を慎め、と、新入りに伝えろ。では、行くぞ」
そういって、5人のプリズンは狂言と共に姿を消した。

亜美:「何なの、あの人達」

吹雪:「あんまり関わりたくない人達だね」

慎也:「初めて会った人達は、皆そう言う。ま、あんな姿してるんじゃ、そう言うのが普通か」


アキ:「怪我は大丈夫?手当ては?」

慎也:「大丈夫だ、心配ない。それに、またお客さんが来たみたいだしな」
慎也が扉を見る。


そこから、数人、人が入ってきた。

だが、知っている顔だった。


クザン:「慎也…!」

慎也:「また会ったな、クザン」
二人がお互い名を呼び合う。



色葉:「クザン…、じゃあ、この人達が、大組織サイファーの刺客者」

三沢:「じゃあ、敵か」
みんなが戦闘の準備をする。


クザン以外のサイファーの隊員たちも、武器を構える。


慎也:「よせ、こちらはかなり消耗している。今は無駄な争いは避けるべきだ。そうだろ、クザン」
慎也がそういうと、クザンは大きくため息をつく。

クザン:「そうだな、皆、武器を治めろ」

隊員A:「ですが、隊長」

クザン:「命令だ。武器をしまえ!」
クザンが怒鳴る。

隊員たちは武器を閉まった。



クザン:「どうやら、この島の敵は倒したようだな」

慎也:「ああ、そっちも目的は果たしたのか?」


クザン:「80%ぐらいはな」

慎也:「なら残りの20%は…?」
慎也がそういうと、クザンが慎也に近づく。


クザン:「邪魔者を片付けた褒美だ。一緒に見るか、俺たちが探し求めているものを」
クザンが慎也に聞く。





その言葉に乗った慎也たちは、クザンと共に同行することにした。


行き先は、このビルの最上階。


船でみんなをサポートしていた双六や明里も、合流し、ビルの最上階に向かう。


クザンは、隊員たちを残し、慎也たちを道案内する。



そして、最上階。



慎也:「一体、何があるんだ?」


クザン:「見ればわかる」


みんなの前に大きな扉が現れた。


クザンは近くの電子機器からハッキングし、ロックを解除した。


大きな扉が開いた。


みんなは中に入る。


扉を開けた所為か、既に中は明るい。




そして、部屋の中央に何かがあった。




慎也:「これは、まさか、クザン、お前の本当の目的は…」


クザン:「どこから情報を持ってきたのかは知らんが、サイファーの上層部は、ここに、こいつがあること知り、それを持って来いと命令を受けた。お前も知っているように、こいつの大きさは場所によってそれぞれだが、この大きさなら運べる」
クザンが前に出る。



一馬:「慎也、これは…」


みんなの目の前にあるのは、高さ、30メートルほどで、一部かけているところはあるが、形はサイコロのように真四角の石版のようなものだった。

一カ所の一面には、文字が沢山書かれている。



慎也:「”神秘の石版”だ」

トロン:「神秘の石版?」

哲平:「確か、世界中に点在しており、謎の言葉や、とある場所、過去の歴史が記されている、文字が書かれている一面は絶対に、砕けず、傷をつけることもできないと言われた」

葵:「そんなものが何故?」



一人の女性、イシズが、石版に近づく。


そして、文字を見る。


イシズ:「どこかの古代文字?少なくとも、エジプトに伝わる古代神官文字、ヒエラティックテキストではないようです」

マリク:「じゃあ、また別の場所の文字」

フェイカー:「だが、このような文字は初めて見るぞ」

ドロワ:「何を書いてあるのか、さっぱりだ」

ゴーシュ:「ああ、何か重大なことでも書いてあるのか?」
みんなが文字を見ていると、3人の女性が口を開く。



杏子:「多元世紀1年、それは、始まりではない」

みんなが、驚く。杏子が、石版を見て、いきなり口を開いたからだ。

明日香:「多元世紀が始まるまでの200年間、そこが全ての始まり」

アキ:「だが、その歴史を知ってはいけない。知れば、人類は再び、闇へと染まる」
そして、続いて明日香とアキもが文字を見て、文章を読む。


杏子:「鍵は人間が持つべきものであり、持たなければいけないもの。歴史は、世の平和を乱す。人類に始まるはあるが、終わりはない。無限の歴史は、人類が作ってこそ」

杏子、明日香、アキ:「意味を成す」

石版の文章を読み終えたようだ。




杏子:「あ、あれ…?」

ツバキ:「お母さんたち、この文字が読めるの?」


明日香:「初めて見るのに」

アキ:「どうして、私たち、読めるの…」
杏子たち3人も、何がなんだかわからなくなり、自分自身が恐ろしくなる。


慎也:「つ、疲れているんだろ、俺たちは、ここで引き上げる。行くぞ」
慎也がそう言って、みんなを部屋から出す。


クザン:「彼女たちは一体、何者だ?」

慎也:「俺が仲間のプライベートを話すとでも思っているのか?それより、この石版に書かれている200年…まるで」

クザン:「ああ、国家政府の上層部が決しに隠している歴史と似ている。多元世紀になる前の200年間。”空白の200年”にな」

慎也:「ま、今は考えても仕方がない。あとのことは頼んだぞ」
慎也も部屋を出る。


クザン:「敵だからと言って他人任せか。嫌な奴だ」
クザンが再び石版を見る。

クザン:『流石に持ち運ぶのは無理か』

隊員:「隊長!」
クザンの隊員数人が、部屋に入ってきた。


隊員:「いいのですか?奴らを野放しにしておいて」

クザン:「俺たちの目的は、これを見つけ出すこと。奴らの始末じゃない」

隊員:「しかし…」

クザン:「命令だ。それより、この神秘の石版の文字部分を保存しろ。こいつを持って行くのは、やはり無理がある」
クザンは親指を石版に向けて指す。

隊員たちも神秘の石版を見るのが初めてだったのか、それなりに大きい石版を見て驚く。












その頃、慎也たちは船に搭乗していた。


慎也が、みんなより遅れて、船に乗る。

哲平:「慎也、そのライトは…」
慎也の目の前に立つ哲平。

慎也は首を振った。

慎也:「倉庫自体、既に崩壊している。残念だが、遺体を見つけるのは困難だ」

哲平:「そうか。部下たちは、全員無事だ」

慎也:「それはよかった。あとで、百々原元帥に、状況を伝える。通信室の用意をしてくれ」

哲平:「あぁ」

慎也:『既に50年が経っている多元世紀。これが始まりなのかもしれないな』
慎也は廊下を歩き進む。



そして、船は島を後にするのであった。








その頃、一台のヘリコプターがワックスポワロに向かって飛んでいた。



パイロット:「若、そろそろ目的地です」

???:「ああ」

パイロット:「ですが、あの島に一体、何があるというのですか?まさか、大昔に死んだ著名の遺産とか」

???:「そんなんじゃねえ、あそこには、人間をデュエルモンスターズにしちまう、とんでもねえ代物があるのさ」

パイロット:「人間をデュエルモンスターズに?まさか、若、ついに、あの計画を」

???:「ああ、それさえあれば、計画の進捗が8割まで高まる」

パイロット:「ですが、既に今、6割まで進んでいます。あそこにある代物は、本当に役に立つのですか?」

???:「分かってねえな、保険だよ。俺たちがいる王国、”ダイシャラス”が大組織を倒せるぐらい強くなるためのな」

パイロット:「若も人が悪い」

???:「そうさ、俺は、表は王国の王だが、裏は世界一敵大悪党なのさ。ニッヒッヒッヒ」
ヘリコプターの後ろのシートに乗る男が不気味な笑いをする。












その頃、筏に乗って海を放浪する男が立つ。


???:「嫌な予感がするな。ちょっくら行ってみるか」
男はサングラスをかけて、遠くに見える島を見る。







第1ED『あふれる感情がとまらない《生沢佑一》』








次回予告

ナレーション:ついに、狂言を倒した慎也。

全てを元帥に報告し、この出来事を話していた、その頃、ワックスポワロにいるクザンの目の前に謎の敵が現れていた。

クザンの部下を懲らしめていく謎の男。それを見てクザンが反撃するが、刃が経たず、苦戦するクザン。

そんなとき、一人の男が島に上陸した。



クザン:次回、遊戯王5DXAL「動き出す波乱」







遊戯王5DXAL豆知識コーナー!!


慎也:「謎が多いこの多元世紀だが、そんな世界の秘められた多くの謎を知っている者たちのことを、”スフィア”と呼んでいる。彼らが一体どんなことを知ってるのか、そして、次回、そんな”スフィア”にあてはまる人物が登場!」
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