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第13話:『慎也VS狂言 三皇帝一の力!』








ワックスポワロ、海岸付近。




前の戦いで、怪我を負った哲平の部下たち。

イェーガーが、順番に船へ運び、全員を無事に連れてきた。


イェーガー:「これで、全員ですね」
イェーガーが生存の確認をする。



そこに、羽蛾と竜崎が来た。


羽蛾:「なんだ!なんだ!?全員、怪我してるじゃないか!」

竜崎:「ワイらの知らないところで、何があったんだ?」

イェーガー:「お、ちょうどいい、お前たち。すぐに、怪我人を医務室まで運ぶのです」

羽蛾:「なっ!なんで、上から目線なんだ!」

竜崎:「歳が上とはいえ、時代は、ワイらの方が上、つまり、こっちの方が年上なんだぞ!」

イェーガー:「うっ、ええい!つべこべ言わずに運ぶのです!さあ、早く!」
3人が言い合う中、哲平の部下たちは何やってんだって目で3人を見る。






その頃、レベッカや明里たちは、いきなり通信不能になった原因を調べていた。



明里:「レベッカさん、原因わかりました?」

レベッカ:「もう少しよ。それと、レベッカでいいわ」

明里:「え?」

レベッカ:「歴史では、私の方がかなり歳が上かもしれないけど、この多元世紀には、そんなもの関係ないわ。でしょ?」

明里:「そうですね。レベッカ」

二人がニコッと笑う。



すると、レベッカのパソコンが何かを見つけ、異音が鳴る。


レベッカ:「通信不能になった原因がわかったわ」
レベッカがモニターを直視する。

そのモニターを明里、アーサー、ペガサスたちが見る。

レベッカ:「数分前から、ビル内部に通っているネットワークがジャミングされているわ」

明里:「ネットワークのジャミング。つまり…」

レベッカ:「ええ、誰かが手動でウイルスを撒いたんだわ。そして、外からの指示を防いでいる」
レベッカを高速でキーを叩いて言う。

カーリー:「何とかならないの?」

レベッカ:「落ち着いてカーリー。ここは、私が何とかするわ。こういうの昔から得意のよね」
レベッカが楽しそうに笑って言う。

アーサー:「頼むぞ。レベッカ」

レベッカ:「任せてよ。おじいちゃん!」
レベッカがウィンクをする。









第2OP『Jungle P《5050》』









第13話:『慎也VS狂言 三皇帝一の力!』









キュミルを倒した凌牙とカイト。



二人の怪我を手当てをする、璃緒とハルト。



璃緒:「凌牙、さっき、手が光っているように見えたけど、あれは…」
璃緒の問いに、凌牙は自分の掌を見る。

凌牙:「俺にもわからない。だが、あのとき、確実に力が上がったことは確信した」

璃緒:「怒りが爆発したってことかしら」

カイト:「いや、違う」
璃緒の言葉にハルトに腕を手当てしてもらっているカイトが口を挟む。

カイト:「怒りじゃない。あの力は、ピンチに駆け付けたかのように、俺たちの体に宿った」

ハルト:「ピンチのときに。確かに、兄さんたちは、あのとき、キュミルにやられそうになった。それが引き金になったってこと?」

カイト:「多分な。すまん、ハルト。もう大丈夫だ」
カイトが手当てをしてくれたハルトに手当てを止めるように訴える。

カイト:『だが、今でも気になるのが、あのとときの声…』



カイトたちがピンチの時に駆け付けたかのように自分たちに力をくれた、あの声。

???:『手を貸してやるよ。アストラル世界の力を、お前たちに託す』



凌牙:『それにアストラル世界…。まさか…』


カイト:『あいつは、生きているのか…』
声の主に向かって、あいつと呼ぶ二人。やはり、二人は知っているあの声が誰なのかを。




色葉がオブライエンに話しをかける。


色葉:「さて、これからどうする?」

オブライエン:「ここにいても仕方がない。慎也と合流することが一番あてがあると思うが」

色葉:「私も同感よ」

亮:「しかし、合流すると言っても、ただ闇雲に進んでも無駄だぞ」

エド:「通信はできない。現在地もわからないんじゃ、また何が起きるかわからない」

マルタン:「じゃあ、船にいる人達の通信が車で待つの?」

隼人:「そんなのいつ来るかわからないんだな」
そうやって、あーだこーだ言っていると、みんなが身につけているミッションウォッチから声がした。



レベッカ:『みんな、大丈夫?』


ミッションウォッチから聞こえた声に、この場にいるみんなが驚く。







その頃、葵、哲平組。



杏子:「その声、レベッカ!?」

結衣:「どうして、通信が!」


レベッカ:『こんなもの、私の手に罹れば、ちょちょいのちょいよ!』



レベッカはキーボードを高速で叩いてウィルスを除去している。








その頃、一人で先に進む慎也。


慎也:「流石、アーサー・ホプキンス博士の孫だな」



明里:『慎也、今すぐ、ここに向かって。あなたが一番近いわ』
明里が慎也のミッションウォッチにマップを転送する。

慎也はマップを開くと、今自分がいる階の一カ所に何やら目印がついている。


深影:「ジャミングを逆探知したんです。すると、ここからウィルスが放たれたみたいなんです」

矢薙:「ワシはあんまり、機械のことは詳しくないが、自然現象でネットワークのジャミングなんて発生しないものなんじゃろ」

カーリー:「もう何が起きるかわからない。ベテランなんだから、慎也はそのまま行っちゃって」


明里:「勿論、みんなも、今すぐ、ここに向かって、慎也の援護をしてもらう」


慎也:「なるほど、本当の殴り込みってやつか。いいだろう。俺は、このまま目的地へ向かう。みんなもあとから来てくれ」


葵、哲平、色葉:「了解!」



哲平:「よし、行くぞ」
哲平、葵たちが先へと進む。



色葉:「もう怪我は大丈夫?」


カイト:「ああ、なんとかな」

闇川:「俺も大丈夫だ」
闇川も立ち上がる。









その頃、新入り組だけでビル内へ入っている明日香達。


明日香:「私たちも行きましょう。兄さんたちが通っているところを辿れば、合流できるはずよ」

ジュンコ:「はい!」

ナポレオン:「もう罠はないことを祈るのでアール」








その頃、レベッカや明里たちのいる部屋にイェーガーが入ってきた。


深影:「イェーガー市長、怪我人は?」

イェーガー:「医務室へ運んで置きました」

マーサ:「なら、ここからは私たちの出番ね」

シュミット:「ああ」
マーサ、シュミット、それに、トメさん、セイコ、春と未来が医務室に向かう。



双六:「みんな、あともう一息じゃ」












そして、慎也は、数分後、目的地の場所へ着いた。

札には、第3管理室と書いてあった。


慎也は扉の目の前で、サンダー・ドラゴンのデュエルギア、リボルバー式の銃を構える。




慎也が少しずつ扉に近づく。


扉との幅1メートルぐらいに到達したとき、扉が自動で開いた。

慎也は警戒を怠らず、銃を構えて、一歩ずつ前へ進む。


部屋の中は既に明かりがついており、壁側にパソコンが並んでいる。

部屋の真ん中は、資料が散らかっているだけだ。


慎也が資料を足で踏み潰しているため、前へ歩くと、くしゃくしゃと音が部屋中に聞こえる。



キィィン


急に聞こえた異音。

慎也は、即座に異音が聞こえた方に銃を向き、発砲。

銃口の先にはレーザー光線の機器が、慎也を捕えていた。

その機器を、慎也は銃で打ち壊した。


???:「流石は、フロンティアのエージェント部隊、SOA特務隊8係リーダー、桐潟慎也。他の者たちとは動きが違うな」
慎也の前に、茶髪で前髪が長い男性現れた。

慎也は銃口をその男に向ける。

慎也:「何者だ?」

???:「我は狂言。今のワックスポワロを取り占める三皇帝のリーダーでもある」
男性が名前を名乗る。

慎也:「三皇帝…?」

狂言:「デニムとキュミルを破るとは、他の者たちも案外やる者だな」

慎也:「そうか、お前が、あの二人のトップ人物ということか」
慎也は、確信した。こいつを倒せば、ワックスポワロは解放されると。

狂言は、慎也が銃口を自分に向けているのにもかかわらず、足元に転がっていたペンを拾う。

狂言:「キュミルを倒した、神代凌牙と、天城カイト、新入りにしてはできるやるただな。他の奴らもそうだが」

慎也:「他のみんなの通信を聞いて気になったんだが、なぜ、みんなが新入りだと知っている。フロンティアのセキュリティは、そう甘くはないぞ」

狂言:「フッ、我にとって、あんなセキュリティ、銀行の金庫を開けるのと同じ。簡単なことだ」
ペンを両手でいじって言う。

慎也:「つまり、前は泥棒でもやっていたということか?」

狂言:「ああ、ちょうど、”AYW”ぐらいの時代にな」
狂言が一瞬で手元にあるペンを投げ、ペン先が慎也の手の甲にヒット。慎也はつい、銃を落としてしまった。

狂言:「SOA特務隊8係リーダー、桐潟慎也。フロンティア最高戦力、”四大神王者”と、接触が多い人物でもあるらしいな」

慎也:「くっ、それもフロンティアの情報を見て…」

狂言:「ご名答だ。しかし、驚いたな。話には聞いていたが、四大神王者のことを詳しく知っているのは、フロンティアの人物だけでも、本当にごくわずかしかいないとは」
狂言はポケットからデッキを出す。

狂言:「確かに、四大神王者のリーダーが、まさかあいつだったなんて、世間が知ったら、混乱するだろうな」
その言葉に、慎也が口を開く。


慎也:「お前、まさか、四大神王者の正体を…!」

狂言:「リーダーだけだがな。他の奴らまでは流石に手が回らなかったさ」

慎也:「くっ…」

狂言:「あいつらに、四大神王者のリーダーの正体をばらしたら、どうなるだろうな」
狂言は近くにあるモニターに映る、杏子たちを見て言う。杏子たちも、既に、この管理室がある階まで到達しているようだ。


慎也:「そうはさせない。みんなが来るまでに、俺がお前を倒す!」
慎也もデュエルディスクを左腕に取り付け、デッキをセット。デュエルディスクを起動させる。


狂言:「我を倒すというのか。ならば、お前は、我の理想の世界に不必要な存在となる。ここで消去させてもらうぞ」
狂言も既に装着しているデュエルディスクを起動。デッキをセットする。

狂言が身につけているデュエルディスクは、海馬コーポレーションが最初に開発した初代のデュエルディスクだった。


慎也:「行くぞ、狂言!」



二人:「「デュエル!!!!」」
二人の掛け声でデュエルがスタートした。










その頃、葵組は…。



カーリー:『デュエルエナジーの反応をキャッチ。慎也が敵とデュエルを始めたみたい』

葵:「こちらもすぐに向かうわ」
葵はカーリーの通信に応対する。


葵:『今行くわ。慎也』










その頃、明日香組は…。



美寿知:「急ぎましょう、皆さん」

明日香:「はい」
明日香組は、みんな、急いで階段を登っていた。









慎也と狂言はがお互い、手札が5枚になるようドローした。



両者LP4000





1ターン


慎也:「お前を倒して、ワックスポワロを解放する!俺の先行ドロー!」
慎也はカードをドローし手札が6枚となる。

慎也:「俺は手札にある”サンダードラゴン”を1枚墓地へ捨て」
慎也は手札にあるモンスターを、フィールドに出すことなく、墓地へ送った。

慎也:「デッキにあるサンダードラゴン2体を手札に加える!」
慎也はデッキからカードを2枚サーチ。同名カードになるサンダー・ドラゴン2枚を手札に加えた。

慎也:「魔法カード”コストダウン”発動。
手札を1枚捨て、手札にあるすべてのモンスターのレベルを2つ下げる」
慎也は新たなカードを1枚手札から墓地へと送った。

狂言:「これで、レベル5のサンダー・ドラゴンはレベル3となり、通常召喚できるようになったか。古い手だな」

慎也:「今見せてやるよ。サンダー・ドラゴンのコンボってやつを!レベル3となったサンダードラゴンを攻撃表示で召喚!!」
慎也の場に電撃を浴びた龍、サンダー・ドラゴンが出てきた。


サンダー・ドラゴン
レベル5→3 攻撃力1600


慎也:「そして、速攻魔法”三頭の共鳴”発動!ドラゴン族1体を通常召喚に成功したとき、墓地から同名カードを2枚まで特殊召喚することができる!墓地より2体のサンダードラゴン召喚!」

慎也の場に攻撃力1600のサンダードラゴンが3体。


サンダー・ドラゴン ×3
攻撃力1600


狂言:「コストダウンのコストで既に、もう一枚のサンダー・ドラゴンを捨てていたか」

慎也:「カードを1枚セットし、ターンエンドだ」
慎也のターンが終了した。


狂言:「いきなり、サンダー・ドラゴンが3体出すとはな。だが、そんな旧式のモンスターで何ができる」

慎也:「旧式かどうかは、この後にわかるさ」
その余裕そうな言葉に、狂言が少しカチンときた。


狂言:「なら、見せてもらおうか。お前のデュエルを!」







2ターン
両者LP4000


狂言:「我のターン!ドロー!!」
狂言がドローする。

狂言:「召喚!”プリーステス・オーム”!」
狂言の場に、黒と青の衣装に身を包んだ銀髪女性が現れた。


プリーステス・オーム
攻撃力1700


狂言:「更に、装備魔法”魔術の書”!これにより、プリーステス・オームの攻撃力を300アップ!」


プリーステス・オーム
攻撃力1700→2000


慎也:「攻撃力2000…」

狂言:「プリーステス・オームでサンダードラゴンに攻撃!」
プリーステス・オームが魔力でサンダー・ドラゴンに攻撃する。

慎也:「させるか!リバースカード発動!罠カード”緊急融合”!!」

狂言:「緊急融合…?」

慎也のフィールドに時空の渦が現れる。

慎也:「このカードは相手のバトルフェイズでのみ発動可能。自分フィールド上に存在するモンスターを墓地へ送り、融合素材で決められた融合モンスターをエクストラデッキから特殊召喚する!!」
3体のサンダードラゴンが時空の渦に呑まれる。

慎也:「怒涛の雷が、大地をも斬り裂く刃となる!融合召喚!!来い!!!”サンダー・ブレイブ・ドラゴン”!!!」
慎也の場に、雷を浴びた3つの頭を持つ龍が君臨した。


サンダー・ブレイブ・ドラゴン
レベル10 攻撃力3800


狂言:「旧式のモンスターが進化したか。プリーステス・オーム、攻撃を中断」
プリーステス・オームが攻撃をやめる。

狂言:「攻撃を止めたのはいいが、それが命取りになる。手札から速攻魔法”悪魔の魔術玉”。魔法使い族がモンスターを攻撃で破壊できなかったとき、相手に800ポイントのダメージを与える」
プリーステス・オームが黒い球体の魔力を慎也に飛ばす。

慎也:「ぐっ!」

慎也
LP4000→3200


狂言:「カードを1枚セットし、ターンエンドだ」
狂言のターンが終了した。


慎也:「俺が攻撃を止めるのを読んでいたか。一筋縄ではいかないか」

狂言:「我は、キュミルたちとは違う。奴らはただ前を見ていただけだが、我は相手の動きを常に分析し解析している。今、このときも」

慎也:「そんなことしてたら、生きづらいだろ」

狂言:「我は、この世界で生きる意志を捨てた」

慎也:「?」

狂言:「そして、世界は新たな多元世紀へと生まれ変わる…」

慎也:「訳のわからないことを!」
慎也がデッキの上に指を置く。







3ターン
慎也手札3枚 LP3200

慎也:「俺のターン!!」
慎也がカードを引く。

慎也:『今、サンダー・ブレイブ・ドラゴンでプリーステス・オームを攻撃すれば大ダメージを与えることができる。だが、奴が伏せた、五枚のカード…』
慎也は狂言が伏せたカードを見る。

慎也:『あれはおそらく、攻撃を無効にするトラップカード…。迂闊に攻撃はしたくないが、ここは、突破する!!』
慎也は引いたカードを手札に入れ、別のカードを右手に持つ。

慎也:「こいつは、自分フィールド上にドラゴン族が存在するとき、手札から特殊召喚できる。”龍監視の戦士”特殊召喚!!」
慎也の場に龍の鎧を纏う戦士が登場した。


龍監視の戦士
レベル2 攻撃力200


狂言:『真っ向勝負か』

慎也:「サンダー・ブレイブ・ドラゴンでプリーステス・オームに攻撃!アルティメット・サンダー・ストラァァイク!!!」
3頭の頭を持つサンダー・ブレイブ・ドラゴンが雷を呼びよせ、それをプリーステス・オームに落とす。

狂言:「トラップ発動!”聖なるバリア-ミラーフォース”!!」

慎也:「ッ!」

狂言:「これで、貴様のサンダー・ブレイブ・ドラゴンは消え去る!」

慎也:「そうはさせない!龍監視の戦士の効果発動!」
龍監視の戦士が剣を上へ挙げる。

慎也:「フィールド上にある、このカードを墓地へ送ることで、自分フィールド上に存在するドラゴン族一体の破壊を無効にする!!」
龍監視の戦士が剣を残し、フィールド上から消え去り、剣は光の粒子となって、サンダー・ブレイブ・ドラゴンに力を与える。

そして、そのまま聖なるバリア-ミラーフォースを打ち破った。

慎也:「サンダー・ブレイブ・ドラゴン!!プリーステス・オームを破壊しろ!!」
雷がプリーステス・オームに落ちた。


狂言:「ぐあっ!」


狂言LP4000 → 2200


狂言はかなりのライフを消耗した。


狂言:「慎也、旧式モンスターを使う割に、やる」

慎也:「俺のデッキに旧式なんていない。それを教えてやる。手札を全て伏せる。」
慎也は手札全て、つまり2枚のカードを伏せた。

慎也:「ターンエンドだ」
慎也のターンが終了した。


狂言:「お前の情報も拝見したが、情報以上の強さだ。見直したぞ」

慎也:「敵に見直されてもあまりうれしくないが、一応、礼は言うぞ」

狂言:「お前、多元世紀をどう思っている?」

慎也:「いきなり、なんだ?なぜ、そんなことを聞く」

狂言:「こんな世界さえなければ、人は普通に生活でき、デュエルも日常で行えたはず。だが、今はもう殺し合いの道具。デュエルモンスターズはどう思っているだろうな」

慎也:「デュエルモンスターズが人間に復讐でもしていると言いたいのか?」

狂言:「そうではない。だが、この世界を作り上げてしまった者たち、”特異点”のことは憎まれても仕方がないと我は思っている。そう、四大神王者のリーダーも」

慎也:「貴様…!」

狂言:「デュエルを続行だ」






4ターン


狂言:「我のターン!!」
狂言がカードを引く。

今、思えば、狂言の場にカードは一枚もない。この状況から、どう立ち向かうのか。

狂言は引いたカードを見る。

狂言:「どうやら、女神は、まだ我を見捨てはいないようだ」

慎也:「?」


狂言:「永続魔法”死者の魂魄”!!墓地からモンスター1体を攻撃表示で特殊召喚する。魂が蘇る!来い!プリーステス・オーム!」
狂言の場に、再びプリーステス・オームが出てきた。


プリーステス・オーム
攻撃力1700


慎也:『何をする気だ』


狂言:「更に、永続魔法の効果で特殊召喚したモンスターと同じレベルと種族を持つ、”魂魄トークン”を特殊召喚する!!」
狂言の場にプリーステス・オームの影のようなものが現れた。


魂魄トークン
攻撃力0
レベル4
魔法使い族


慎也:「レベル4のモンスターが2体…ま、まさか!」

狂言:「我は、レベル4のプリーステス・オームと魂魄トークンの2体でオーバーレイネットワークを構築!!」

慎也:「やはり、エクシーズ召喚!」

狂言:「その通りだ!エクシーズ召喚!羽ばたく弾丸が、杭を押し込む!”鳥銃士カステル”!!」
狂言の場に、ライフル銃を持った鳥の戦士が登場した。


鳥銃士カステル
ランク4
攻撃力2000


狂言:「鳥銃士カステルは二つの効果があり、1ターンに1度、どちらかを発動することができる。我は、1つ目の効果を発動する!オーバーレイを一つ取り除き、フィールド上に存在する表側表示モンスターを裏側守備表示にする!」


鳥銃士カステル オーバーレイ2→1


狂言:「失せてもらおうか。サンダー・ブレイブ・ドラゴン!!」
サンダー・ブレイブ・ドラゴン裏守備表示となり、フィールドから姿を消した。

慎也:「くっ、それでも、サンダー・ブレイブ・ドラゴンの方が守備力は…」

狂言:「甘い、マジックカード”守備抹殺”!」

慎也:「!!」

狂言:「フィールド上に存在する表側守備表示、裏守備表示モンスターを全て破壊する!!」
狂言が発動したカードから電撃が放たれ、そのまま裏守備となっているサンダー・ブレイブ・ドラゴンが破壊された。

慎也:「サンダー・ブレイブ・ドラゴン!!」

狂言:「これで、邪魔はいない。鳥銃士カステル、ダイレクトアタック!」
鳥銃士カステルがライフルから弾を発砲。その弾は慎也の右太ももに当たり、貫通する。

慎也:「ぐわっ!」


慎也LP3200 → 1200


勿論、ソリッドビジョン、映像なので怪我はしないが、この多元世紀になって、戦争で使用されるデュエルでは痛みは本物となっている。

つまり、慎也は本当に弾が自分の膝を貫通した痛みを味わっているのだ。

狂言:「ターンエンドだ」
狂言が憎い顔でターンが終了した。


慎也:「くっ」
慎也は痛みに耐えれず、片膝を床に付けた。






葵:「慎也!!」
部屋に響く女性の声。恋人の葵だった。

葵、哲平グループが到着したのだ。


ボマー:「奴が、この島の統一者か」
ボマーが狂言を見て、呟く。


葵たちが入ってきた扉とは違う、別の扉が破壊された。


色葉:「無事到着と言いたいけど、どうやら戦いは始まっているみたいね」
色葉グループも到着。


吹雪:「慎也君!」
片膝を床につけて下を向いている慎也を見て、名を叫ぶ吹雪。

明日香:「みんな」
色葉たちが入ってきた扉から、明日香達が来た。

亮:「明日香、どうして?」

明日香:「もう大丈夫だと思って」

梨香:「お兄ちゃん、大丈夫?」

珠里:「怪我してない?」

剣代:「ああ、大丈夫だ。問題ない」
兄妹で会話をする剣代たち。


小鳥:「慎也さん、どうしたんだろ」

アンナ:「怪我でもしたのか」
色葉たちと共に来た、小鳥たちが慎也の様子を見て呟く。


狂言:「我のカステルの弾丸を受け、痛みを味わっているのだ」
狂言が小鳥たちを睨んで言う。

それにビビる、小鳥たち。

アキ:「この人の殺気…」

愛:「尋常じゃない…」

エマリー:「何なの…」
睨まれていない、みんなも狂言の殺気に気付く。


明里:『みんな、大丈夫?しっかりして』
明里が通信で呼びかける。


狂言:「役者は揃った。丁度いい。お前たちにも教えてやろう。我の目的、この多元世紀を作り上げたものたち。そして、ここにいる桐潟慎也だけが知っているフロンティア最強戦力、四大神王者のことを…」





狂言が言う、目的、多元世紀、そして四大神王者のこととは……。



遂に、狂言の力が発揮される。









第1ED『あふれる感情がとまらない《生沢佑一》』







次回予告

ナレーション:狂言の口から語られる、自身の目的。

更に、多元世紀を作った者たちと、四大神王者の繋がりを明らかにする。

そんな中、思いもよらない人物の名前が、狂言の口から語られた。


杏子:次回、遊戯王5DXAL「四大神王者の謎に迫る 慎也と狂言の戦い」


杏子:ま、まさか、そんな…
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