第10話:『幻術を敗れ!仲間のコンビネーション攻撃!』
百々原:「そうだ。彼らこそ、真の救世主になりうるのかもしれない。それが、私が彼らを、ここへ呼んだ理由だ」
会議室に響いた、百々原の声。周りの、みんなは一瞬で、百々原を見つめる。
反論していた、十天老士の10人は何も言えず、数人は席へ座った。
影丸:『多元世紀を終わらせる者たち。それが、今回、このフロンティアへ呼ばれた理由か』
百々原:「ここへ来たことで、彼らの運命は大きく変わるだろ。それは、本人たちにも済まないと思っている。だが、私は、賭けてみたいのだ。彼らの力に。彼女たちの運命に!」
百々原が、会議で訴えている、その頃、
ここ、ワックスポワロで起きている戦いでは、海馬が、滴であるデニスを斬り倒した。
ジャック:「海馬瀬人が、奴を倒したのか?」
クロウ:「ああ、間違いねえ。見ろ!あそこに倒れているのは、間違いなく、デニスって野郎だ」
城之内:「ケッ、いいとこどりかよ」
城之内は口を尖らす。
ラフェール:「だが、これで、邪魔者は消えた」
葵:「ええ、早く、ここから脱出しましょ」
そう言って、脱出ルートを探し出そうとした、そのとき!
デニス:「やれやれ」
海馬の後ろから聞こえる、聞き覚えのある声。
デニス:「誰か、倒れたって?」
倒したはずの、デニムの声が聞こえ、海馬は後ろを振り向いた。
第1OP『衝動《B'z》』
第10話:『幻術を敗れ!仲間のコンビネーション攻撃!』
即座に後ろを振り向いた海馬。
バーン!
デニムが青く派手なリボルバー式の拳銃で発砲。
弾は海馬の右の二の腕を貫通。持っていたブルーアイズソードを落とす。
城之内:「海馬!くそおお!」
葵:「待ちなさい!深追いは禁物よ!」
葵の言葉を全く耳に入れない、城之内。
城之内:「うおおおお!」
城之内は炎の大剣で、デニムを一刀両断した。
しかし、そこにいたデニムは一瞬で消えた。
城之内:「何…!?」
デニム:「こっちだ」
城之内は声が聞こえた方を振り向いた。
振り向いた方にデニムは立っており、一瞬で、城之内の頬を殴り飛ばす。
城之内:「ぐわっ!」
城之内も鉄くずの上に転がり落ちる。
鬼柳:「どうなってやがる!?」
ラフェール:「海馬の時も、城之内の時も、完全に攻撃は当たっていたはずだ」
クロウ:「だが、なぜ、あいつは無傷なんだ?」
何が何だか、わからない、みんな。
今までの動きを追っていく葵。
その中、葵は一つの答えにたどり着いた。
葵:「まさか、あなたの本来の力は、”幻術”」
葵の言葉に、フッと笑うデニム。
クロウ:「幻術って、あの人の目をくらます、あれのことか?!」
葵:「ええ。斬ったと思わせておいて、本当は斬られていない。そこにあったと思ったものが、実はなかった。それが、幻術。さっき、あいつは闇属性を使うと言った。幻術を作り出すための、主な主属性は、闇」
城之内:「幻術って、この世界には、そんな技まで持っている奴がいるのかよ」
葵:「けど、かなりレアよ。幻術って、修行して、簡単に身につく物じゃない。本人の才能で生まれる物なのよ。私も、この目で見るのは初めて」
海馬が撃たれたところに手拭を撒き、出血を止める。
葵:「厄介な敵を、相手にしちゃったわ」
デニム:「ふっ、簡単な幻術で、ここまで警戒されるとはな。今の幻術でも、まだ、3割の力しか出してないんだが」
ジャック:「3割だと…!」
デニムが右の人差し指と中指を立て、腕を上に挙げる。
デニム:「では、倍の6割だ」
デニムから放たれる黒い霧が、廃棄所を覆っていく。
葵:「こ、これは」
デニム:「魔鏡」
完全に、周りが黒い霧に覆われた。
葵:「みんな、目を閉じて!」
デニム:「もう遅い!」
城之内が目に映る光景。それは、昔、小さい頃に起きた出来事。父と母の離婚の光景だった。
父:『もう、うんざりだ!!』
母:『私もです!!』
二人の言い争いに間が空く。何も口にしない二人。そして、
父:『ここまでのようだな』
母:『克也と静香は引き取らせてもらいます』
父:『何を勝手なことを!』
母:『勝手はあなたの方です!借金まみれのあなたに、二人を預けることはできません!』
絶えない二人の喧嘩。小さい頃、よく見ていた光景だが、もう絶対見たくない物だった。
城之内は、右手で右側の髪を握る。
城之内:「もう、やめてくれ。父さん、母さん。借金は俺が、何とかするからよ…」
ラフェール:「やめてくれ!」
ラフェールの目に映る二度と見たくない悲劇の映像。それは、昔、両親と弟、妹を失ったきっかけの事故、船の沈没事故が目に映っていた。
ラフェール:「うあああああああ!!」
ラフェールが叫ぶ。
剛三郎:『瀬人よ。お前は、会社のためだけに生きろ。それが、お前の未来だ。うはははは』
海馬を養子として引き取った海馬剛三郎の笑い声が、海馬の耳に響く。
海馬:「この俺に、こんなまがい物を!」
海馬は左半分の顔を左手で押さえる。
クロウ:「父さん、母さん、どうして俺を置いて、行っちまったんだよ」
ジャック:「ゼロ・リバースさえなければ…」
鬼柳:「ニコ、ウェスト…俺は、お前らのオヤジを」
3人も幻術に罹り、その場から動かない。
そして、葵は…。
葵:『きゃあああああ!』
多元世紀が始まる前に、葵はバスの転落事故に遭った。その、事故で、葵は、一緒に乗っていた多くの友を失った。
バスが転落して、数分後、葵は目を覚ました。
頭から出血している。まだ、目が慣れていないのか、周りがぼやけている。
しかし、それでも、周りが赤いのはわかった。更には、温度が熱い。
目が段々慣れてきた葵の目に映ったのは、周りの木が燃え、友達が全員倒れている。地面は赤く血に染まっている。
葵:『みんな!!』
葵はすぐに起きあがった。
葵:『しっかりして!!』
葵は倒れている友達の後頭部を押さえて呼びかける。
葵:『ねえ!ねえっ…てば…』
葵の声が震えてきた。
死んでいる。今、自分の目の前にいる友は死んでいる。息をしていない。身体が冷たい。
葵は周りを見る。
葵:『ああ、あああ。…』
葵の目から涙がこぼれる。
葵:「やめて…もう嫌だ。友達が死んでいくのは…」
過去の記憶を思い出してしまった葵。
膝を地面につけて、頭を押さえる。
デニム:「フッ、完全に幻術に罹ったな」
デニムの前にいる、葵たちは、デニムが近くにいることに気付いていない。
デニム:「俺の幻術は、自身の過去を踏み入り、心を壊すもの。もう、こいつらの心はもう時期折れる。このまま、精神崩壊するのを待つとするか」
デニムは、腕を組んで、葵たちが精神崩壊するのを待った。
葵は、バスの転落事故に遭った数時間後に救助された。
すぐに病院へ運ばれ、手当てをした。
しかし、多くの友を失ったことで、葵に笑顔はなくなった。
退院して自宅に着いても食欲はない。
布団に包まり、事故にあったときのことを思い出す。
思い出しただけで、涙が沢山出る。
事故に遭ってから数日後。
夜の街中を歩く葵。
下を向いたままに歩いているので、よく人とぶつかる。
相手が謝っても、葵は、何も言葉を返さない。
そして、よくあることが、見知らぬところに来てしまうことだ。
下を向いて歩いているのだ。当然、前は見てない。
不良A:「お、なあ、おめえら。ここに女がいるぜ」
不良B:「マジかよ!お嬢さん、ここは女が一人で来るとこじゃないぜ」
不良C:「道を聞きたいんなら、俺たちが教えてやろうか?」
男が聞いても、葵は、反応しない。
不良D:「なんだ、この女?おい!」
男は葵の頬をビンタした。
葵は、地面に尻餅をついた。
しかし、叫びを上げることなく、葵は何も言わない。
不良E:「んだ?死んでるのか?」
不良F:「だが、いい身体してるぜ」
葵のナイスボディに目がいく不良共。
不良A:「元気ないなら、俺たちが元気にしてやるよ。一緒に来いよ」
男が葵の腕を掴む。
葵:『この人たちに、着いていったら、私、殺されちゃうのかしら。みんなのところにいけるなら、それでも』
葵はそう考えていたその時、いきなり、ぎゃ!っという男の声が聞こえた。
不良の一人がいきなり倒れた。
不良B:「なんだ!?お前!」
不良共が、いきなり現れた男に立ち向かう。
いきなり現れた男は不良共を片っ端から倒していく。
不良たちが全員、地面に倒れた。
???:「大丈夫か?」
不良から助けてくれた男が葵に手を差し伸べる。
しかし、葵は、何も言わない。
慎也:「俺、桐潟慎也。君は?」
葵:「立波…葵…」
久しぶりに、名前を聞かれたので、葵はつい、自分の名前を言ってしまった。
慎也:「葵か。いい名前じゃねえか。ここは、不良が溜まるバッドエリアだ。君のような美人な女が来るとこじゃない」
慎也が、そう言っても、葵の表情は変わらない。
慎也:「訳アリみたいだな」
慎也は、葵と一緒にファミレスに入った。
テーブルには、ジュースがある。
慎也:「そうか。事故で友達を。災難だったな」
葵:「私、これから生きていける自信がない」
慎也:「おいおい、まだ25歳だろ。人生これからだぞ」
葵:「でも、立ち直れないのよ。もう」
慎也は腕を組んだ。何か考えことでもしているようだ。
慎也:「なら、お前が死んで、あの世にいる友達にはなんていうんだ?」
葵:「え?」
慎也:「みんなが死んだから、私も、ここに来たとでもいうのか?」
葵:「そ、それは…」
慎也:「もし、俺があの世にいて、君のような女が来たら、こういうな。なぜ、来た。俺が見れなかった世界の分まで、お前は生き続けろってな」
葵:「死んだ人が、見れなかったもの…」
慎也:「そうだ。世界は遠い未来まで続いている。俺たちが見れるのは、精々、70年後までだ。人間の寿命は、平均80歳ぐらいだからな」
葵が真剣に慎也の話しを聞く。
慎也:「死んで行った奴らは、もう未来を見ることはできない。だったら、生きている奴が、それを見届け、自分があの世に行ったときに、それを報告するのが一番じゃないのか?そうすれば、先に死んで行った友達も、現実であった出来事を知ることができる。そうだろ?」
葵:「そうだけど…」
葵は再び、下を向いた。それを見て、慎也がため息をつく。
慎也:「なあ、葵。明後日、暇か?」
葵:「え、えぇ」
慎也:「なら、俺と一緒に、外の世界を見てみよう。事故に遭ってからまともに、外の世界を見てないだろ?」
葵:「見たって、心が痛むだけ…」
慎也:「そうかな」
葵:「え…?」
そして、2日後。
慎也と葵は、水族館を訪れていた。
葵は周りを見る。
家族と一緒に楽しむ者たちもいれば、友達と一緒に来ている者たち。みんな楽しそうだ。
けど、自分は2日前にあったばかりの慎也。何を楽しめばいいかわからない。
慎也:「よし、まずはイルカだ」
慎也がイルカのショーがやっている場所まで葵を誘導した。
数匹のイルカが、プールの中で泳いでいる。
そして、イルカはプールから飛び跳ね、天井からぶら下がっているうきわを潜る。
慎也は笑いながら、ショーを見ている。
葵は、どうして自分がここにいるんだろと、疑問を抱く。
慎也:「楽しくないだろ?俺といたって」
葵:「え?そんなこと」
慎也:「顔に出てるぞ」
葵は、何も言えなかった。
慎也:「あそこにいる、イルカを手なずけている女。俺の知り合いなんだ」
葵:「え?」
慎也がいう女性。水着の上にパーカーを来て、イルカを手なずけているポニーテールの女性。どうやら、彼女は慎也の知り合いらしい。
慎也:「あいつは、1年前に、家族を事故で失っているんだ。家族を失った現実を受け入れることができず、お前と同じような状況が続いていたんだ。けど、両親との夢の約束を思い出し、あいつは、長年の夢だった、イルカショーのトレーナーになったんだ」
葵:「約束…」
葵がそう呟いていると、イルカショーをしている慎也の知り合いの女性がパーカーを脱ぎ捨て、イルカの上に乗った。
慎也:「お前も友達との思い出や約束がいっぱいあるんじゃないのか?お、フィナーレか?」
慎也の言葉に、葵は友達との思い出を思い出す。
約束も山ほどした。
葵:「みんなとの思い出、約束。私、今まで…」
数分後、イルカショーは幕を下ろし、観客が拍手。イルカたちと、トレーナーは一礼をする。
慎也:「よし、帰るか」
慎也が立ち上がる。
葵:「え?まだ、ここに来て2時間しか経ってないわよ。遊園地もあるし、もっと楽しみましょうよ」
葵が慎也に言う。
慎也:「お?始めてみるな、お前の笑顔」
葵:「さあ、行きましょ」
葵が慎也の腕を引っ張る。
その後、二人は、遊園地でジェットコースターなどに乗って、沢山楽しんだ。
その日の夜。
慎也:「どうだ?迷いは吹っ切れたか?」
葵:「ええ。ありがとう。色々と。それと…」
葵の頬が赤くなる。
葵:「また会えないかしら」
慎也:「ん?ああ、お前がそういうなら」
葵は、すごく嬉しかった。また、慎也に会える。そうつまり、葵は好きになってしまったのだ。慎也という男性を。
あれから、数か月後。慎也と葵は恋人関係になっていた。
もう二人の恋に誰も入れないぐらい、二人は愛し合っている。
それから、数年後。二人が31歳のときに事件は起きた。
次元振動。世界であらゆるところで、その現象が起き、世界は融合。
多元世紀となった。
2人はすぐに、フロンティアへ入り、世界の混乱と戦った。
二人のデュエルの腕は、前世紀からかなりの腕だったらしいので、デュエルギアも優れている。
ある日の夜。
フロンティア本部
慎也の部屋
葵:「じゃあ、あなたも友達を」
慎也:「ああ、船の転覆事故で亡くした」
二人はベットで生まれたままの姿で寝ていた。
葵:「どうして、今まで黙ってたの?」
慎也:「ふっ、言ってたら、お前を元気にさせた意味がなくなるだろうと思ってな」
葵の頬が膨らむ。
葵:「そうやって、私のために黙っているなんて、反則」
葵は慎也の鼻をつまみ、引っ張る。
慎也:「痛い!痛いって!!」
慎也は葵の腕を掴む。
慎也:「何済ん…」
慎也が言葉をかけようとしたとき、葵は慎也の唇を奪った。
葵:「えへ、やり返し。もう、私に隠しごとはなしね」
慎也:「あ、あぁ」
慎也は自分の唇を触る。
ある日のこと。
フロンティアにある訓練所
葵:「幻術を破る方法??」
慎也:「ああ、お前には伝授させておくべきだろうと思ってな」
葵:「幻術って、あの、人の目を誘惑する奴でしょ。そんなの使って戦う人がいるの?」
慎也:「ああ、闇属性の力を極限まで引き出し、周りの人に危害を及ぼすほどの力を持つ者たち。そいつらは、基本、幻術を使うことができるみたいだ。だが、使えるのは、この世界でもごく一部。あったらレアなデュエリストらしい。このフロンティアにいる、四大神王者も使えるらしい」
葵:「私もアニメとかで、幻術ってのを見たことあるけど、罹ったら幻術世界と区別できないんでしょ?どうやって、それを破るの?」
慎也:「それを今から教える。そして、これはいつか役立つ日が来る。身体にしみつけておけ」
葵:『そうだ!あのとき、慎也から教えてもらった、幻術の解除の方法。あれを使えば!』
葵は祈るように両手を合わせる。
葵:「私の光を極限まで引き出す!」
『いいか。闇に対抗できるのは光が一番のセオリーだ。つまり、自分が持っている光属性のエナジーを極限まで引き出せば、幻術は解ける。そして、お前に教える解き方は、お前ひとりだけを解く者じゃない』
葵の頭に慎也が昔、言っていたことを思い出していた。
葵:「光よ。邪悪な幻術を打ち破れ…」
葵の身体が、輝く。
デニム:「ん?」
デニムが葵の体を見る。見るからに、光っている。身体が。一体、何が起きているという顔をするデニム。
葵が息を吐く。
葵:「幻術、解!!」
葵の身体から光が解き放たれ、自分に罹っていた幻術が解かれた。
そして、周りは、さっきまでいた廃棄所。
葵が放った光は、海馬たちの幻術も解いた。
城之内:「あれ、父さんと母さんは?」
ラフェール:「私は、今まで何を…」
ジャック:「頭がクラクラするぞ」
葵:「みんな、しっかりして。私たちは幻術にかかっていたのよ」
葵の言葉に我を思い出す、みんな。
海馬:「幻術だと…」
海馬はデニムを見る。
デニム:「バ、バカな…俺の幻術を破っただと…!」
動揺するデニム。
鬼柳:「よくもやってくれたな。デニムさんよ」
クロウ:「このおとしまい、どうつけてくれるんだ?」
デニム:「くそっ、こうなったら、また隙を作って、幻術に落とすまでだ!」
デニムがデュエルギアの銃を構える。
葵:「みんな、コンビネーションで行くわよ!」
葵の合図で、みんなが武器を構える。
デニム:「このおお!」
デニムが銃を発砲。
だが、それを海馬と城之内、ラフェールが弾き飛ばす。
デニム:「な、新米どもが、まさか!」
城之内:「へへ、結構鍛えられたからな、これが」
デニム:「くそおお!」
デニムは発砲を繰り返す。
海馬と城之内が弾を弾き出している間、鬼柳が銃を発砲。
鬼柳:「さっきのお返しだ」
鬼柳が撃った弾は、デニムの左腕を貫通した。
デニム:「ぐわっ!」
デニムが大勢崩す。
その間に葵はクロスボウを放ち、デニムの銃を弾き飛ばす。
葵:「今よ!トドメを!」
クロウ:「いくぜ!ジャック!」
ジャック:「お前に言われるまでもない!」
クロウとジャックが、武器を構え、デニムに接近する。
デニム:「く、来るな!」
クロウ:「お前たちのような奴らがいるから、世界は平和にならねえんだ!」
ジャック:「ここで始末する!うおおおお!」
ジャックがデニムの腹を斬る。
デニム:「ぐわっ!」
クロウ:「うおりゃあ!」
クロウがブーメランで、デニムの後頭部を殴る。
デニムは、そのまま鉄くずの上に倒れた。
鬼柳が与えた傷から大量に出血している。
ラフェール:「倒したのか?」
葵:「ええ、息はあるでしょうけど、もう戦える力はないでしょ」
葵がクロスボウを粒子化し、カードに戻し、ケースへ仕舞う。
すると、さっき、廃棄所へ送られた穴の近くの壁が破壊された。
そして、そこから知っている人達の顔が出てきた。
哲平:「葵、無事か?」
葵:「哲平?哲平なのね」
葵が哲平の方を見て確認する。
ミスティ:「京介」
エマリー:「パパ、大丈夫?」
鬼柳:「ミスティ、エマリー、お前らもいるのか?」
妻のミスティと娘のエマリーを見て、少し驚く鬼柳。
モクバ:「兄様!」
海馬:「モクバか」
モクバ:「うん!」
牛尾:「どうやら、全員、無事のようだな」
牛尾の言う通り、怪我はしている者の、全員、生きているようだ。
哲平:「今からロープを下ろすから、少し待っててくれ」
哲平は急いでロープを準備する。
その頃、廃棄所に設置している監視カメラから、葵たちの様子を見る者がいた。
「デニムがやられたか。キュミルは、勝手すぎるし、我が出る頃も近いか…」
男はモニターの電源を切る。
第1ED『あふれる感情がとまらない《生沢佑一》』
次回予告
ナレーション:デニムを倒した葵たちは、哲平たちと共に、慎也たちと合流することを決意する。
一方、ライトを目の前で失った小鳥たちの前に、再び、キュミルが立ちはだかる。
己の無力さを知っている小鳥たちだったが、そんな中、あのコンビがキュミルとぶつかる!
ハルト:次回、遊戯王5DXAL「仲間の仇!シャークとカイトの怒り」
ハルト:「頑張って、兄さん!」
遊戯王5DXAL豆知識コーナー!!
葵:「今回、デニムが使っていた”幻術”は己の闇属性のエナジーを極限まで引き出すことで出すことができる技よ。でも、使えるのはごく一部なのよ。なぜなら、幻術は、自身の才能も関係してくるのよ。罹ってしまったら、厄介だけど、私みたいに、幻術に対抗する力を持っていれば、解除することもできるわ。え、何か、アニメで見たことあるって?まあ、そんな話は忘れて、次回もお楽しみにね」