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第186話:『絶望の予兆!オーバーハンドレットナンバーズの強襲!』







凌牙:「例えサイレント・オナーズ・アーク・ナイトを復活させたところで、俺にはまだシャークラーケンの攻撃が残っている!行け!シャークラーケン!」
シャークラーケンがサイレント・オナーズ・アーク・ナイトを木端微塵に破壊した。


遊馬:「トラップ発動!”エクシーズ・アトリビュート・シフト”!自分フィールド上に存在するエクシーズモンスターが破壊されたとき、破壊されたモンスターと同じ属性のエクシーズモンスターをエクストラデッキから特殊召喚する!」
サイレント・オナーズ・アーク・ナイトの残骸が、青い異次元の渦を生成した。


凌牙:「サイレント・オナーズ・アーク・ナイトは水属性。水属性エクシーズモンスターを召喚するつもりか…!」

遊馬:「その通りだぜ。そして俺が呼び出すのはこいつだ!」
青い異次元の渦よりモンスターの影が現れる。


遊馬:「現れろ!No.103!冷たき華麗なる令嬢よ。今こそ、その姿を現せ!”神葬零嬢ラグナ・ゼロ”!!」


No.103神葬零嬢ラグナ・ゼロ
ランク4 攻撃力2400


サイレント・オナーズ・アーク・ナイトに変わって2体目のオーバーハンドレットナンバーズが姿を現した。



璃緒:「ラ、ラグナ・ゼロ…!」


凌牙:「遊馬…、お前…」



遊馬の場にモンスターが途切れることはない。


なぜなら、遊馬は7体のオーバーハンドレットナンバーズを所持しているのだから…!






第10OP『鏡のデュアル・イズム《petit milady》』







第186話:『絶望の予兆!オーバーハンドレットナンバーズの強襲!』





遊馬の場に現れたかつて璃緒もといメラグが使用していたオーバーハンドレットナンバーズ”No.103神葬零嬢ラグナ・ゼロ”だった。




No.103神葬零嬢ラグナ・ゼロ
攻撃力2400



ラグナ・ゼロを見て璃緒は、かつて自分がメラグとして、バリアン世界のために戦ってきた過去の記憶を思い出してしまう。


璃緒:「私は…」
璃緒は自分の右掌を、顔に当てる。


鉄男:「璃緒さん…」
鉄男には何となくわかる璃緒の辛い気持ちが。

彼女自身、あの時の記憶はあまり思い出したくないと言っていた。

思い出せば辛いことしか思いつかないから…。





ラグナ・ゼロが現れ、凌牙は歯を立てる。


凌牙:「どういうつもりだ!遊馬!俺たちに嫌がらせでもさせているつもりか!」

遊馬:「…」

凌牙:「なんとか言え!遊馬!」
凌牙は怒鳴り声を上げてそう言った。


遊馬:「言ったはずだぜ、思い出話しようって」

凌牙:「思い出話…?」

遊馬:「俺は、こいつらでバリアン七皇のことを思い出しているんだ…。俺自身が本当のバリアンの気持ちを知るためにな」

凌牙:「くっ…、カードを1枚セット」
凌牙はカードを場にセットする。


凌牙:『遊馬…、お前は本当に変わったのか…。俺にはどこか辛いようにも見えるぞ、遊馬』
凌牙は遊馬を見つめる。


凌牙:「ターンエンドだ」
凌牙のターンが終了した。





4ターン
凌牙
LP4000
遊馬
LP6500


遊馬:「俺のターン、ドロー!」
遊馬がデッキからカードをドローする。


遊馬:「俺は手札から”Vサラマンダー”を墓地へ送り、マジックカード”炎の祝福”を発動」
手札のモンスター1枚をコストに、マジックカードを発動した遊馬。

その直後、遊馬のデッキの上が赤く輝く。


遊馬:「このカードは手札からレベル4以下の炎属性モンスター1体を墓地へ送ることで、墓地へ送ったモンスターのレベル1つにつき、1枚ドローする。Vサラマンダーはレベル4。よって、4枚ドローする」
遊馬は手札0枚から一気に4枚の手札を補充した。

遊馬は引いたカードは見てふと笑う。


遊馬:「行くぜ、シャーク」

凌牙:「っ!」

遊馬:「俺はマジックカード”エクシーズ・インクリース・フェイク”を発動!自分フィールド上に存在するエクシーズモンスター1体と、自分の墓地に存在するモンスターを1体ずつ選択し、墓地で選択したモンスターと同じ属性で、フィールド上で選択したモンスターと同じランクのエクシーズモンスター1体をエクストラデッキから特殊召喚する。ただし、この効果で特殊召喚したモンスターは、エンドフェイズ時に破壊される」
遊馬のフィールドに炎の渦が現れる。


遊馬:「俺は墓地よりVサラマンダー、フィールドよりラグナ・ゼロを選択!よって、エクストラデッキから炎属性のランク4モンスターを特殊召喚する!」
炎の渦が異次元の渦へと変化した。


遊馬:「現れろ!No.105!怒涛の拳闘士よ。その拳で敵を粉砕せよ!”BK(バーニングナックラー)流星のセスタス”!」
異次元の渦より新たなエクシーズモンスターが姿を現した。


No.105BK流星のセスタス
ランク4 攻撃力2500


アリト:「流星のセスタス…」


ベクター:「かつて、アリトが使用していたオーバーハンドレットナンバーズか…」

アリトは流星のセスタスを見て、かつて自分がやってきたことを思い出す。

あの時は途中、ドン・サウザンドに操られてしまい、自分を見失っていた。


アリト:『遊馬…、あの時、お前は俺を助けてくれた…。それが今では真逆になっちまったな』
アリトは、心の中でそう呟いた。





凌牙:「ラグナ・ゼロに流星のセスタス、オーバーハンドレットナンバーズを2体出してきたか…」


遊馬:「まだこれで終わりじゃないぜ、シャーク」
遊馬は1枚のカードを右手に持った。


凌牙:『やはり、即こいつらも…』
凌牙は遊馬が何をしてくるのか何となく想像はついていた。

だからこそ警戒心が高い…。



遊馬:「俺は”WRUM(ダブルランクアップマジック)-カオス・メタモルフォーゼ”を発動!」
見たことのないランクアップマジックが発動された。



アストラル:『カオス・メタモルフォーゼは、自分フィールド上にオーバーレイユニットを持たないナンバーズが2体存在する場合、それぞれをオーバーレイユニットにすることで、エクストラデッキからカオス・ナンバーズを2体選択して特殊召喚することができるランクアップマジック』

エリファス:『遊馬の場にいるラグナ・ゼロも流星のセスタスもオーバーレイユニットを持たない。よって、発動条件をクリアしている』
デュエルを見届けるアストラルとエリファスが解説し、遊馬の場にいるラグナ・ゼロと流星のセスタスの身体が異次元の渦に飲み込まれる。



遊馬:「まずは神葬零嬢ラグナ・ゼロでオーバーレイネットワークを再構築!カオスエクシーズ・チェンジ!」
ラグナ・ゼロが混沌に包まれたその姿を見せる。


遊馬:「現れろ!CNo.103!時をも凍らす無限の力が今、よみがえる。”神葬零嬢ラグナ・インフィニティ”!」
ラグナ・ゼロのカオス化した姿ラグナ・インフィニティが現れた。


CNo.103神葬零嬢ラグナ・インフィニティ
ランク5 攻撃力2800


遊馬:「そして、流星のセスタスでオーバーレイネットワークを再構築!カオスエクシーズ・チェンジ!」
ラグナ・ゼロに続き、流星のセスタスもカオス化する。


遊馬:「現れろ、CNo.105!その姿、まさにBK(バーニングナックラー)の絶対王者!BK彗星のカエストス!」
セスタスのカオス化した姿彗星のカエストスが現れる。


CNo.105BK彗星のカエストス
ランク5 攻撃力2800



凌牙:「っ!」
現れた2体のカオス・ナンバーズに凌牙が動揺する。





タカ:「2体同時にモンスターを進化させやがった…」

ブリッツ:「くっ、絶体絶命だぜ」
2体のモンスターから感じる殺気は、デュエルを見ている者達にも伝わってきた。




遊馬:「カオス・メタモルフォーゼの効果発動!自分フィールド上にカオスナンバーズが2体以上存在するとき、ライフを1000ポイント払うことで、エクストラデッキからナンバーズ1体を、このカードを素材にしてエクストラデッキから守備表示で特殊召喚する!」
再び現れた異次元の渦に、1つの魂が吸収された。


遊馬
LP6500→5500



凌牙:「またエクシーズモンスターを…!」
凌牙がそう言っている間に、異次元の渦から巨大な手が現れる。


遊馬:「この世の全てを握り潰せ!”No.106巨岩掌ジャイアント・ハンド”!」
岩でできた巨大な手。それはかつてバリアンだったギラグが使用していたモンスターだった。


No.106巨岩掌ジャイアント・ハンド
ランク4 守備力2000




ギラグ:「No.106…」
ギラグもまた、アリトと同じで過去にドン・サウザンドに操られたときがあった。

その時、ギラグを助けてくれたのが一足先に正気を取り戻していたアリトと、遊馬だった。


ギラグ:『アリトたちが助けてくれなかったら、今頃俺はここにはいなかった…。遊馬、お前は本当に、俺たちと決別するつもりなのか…』
ギラグは、心の中で呟いた。


遊馬:「バトルだ!BK彗星のカエストスでシャークラーケンに攻撃!コメット・エクスプロージョン!!」
彗星のカエストスが凌牙のシャークラーケンを粉砕した。


凌牙:「ぐっ…」


凌牙
LP4000→3600


遊馬:「この瞬間、彗星のカエストスの効果発動。このカードが戦闘によってモンスターを破壊し墓地へ送った時、破壊したモンスターの元々の攻撃力の半分のダメージを相手ライフに与える!シャークラーケンの攻撃力は2400。よって、1200のダメージを、シャークお前に与える!」
彗星のカエストスは、その拳を凌牙にぶつけた。


凌牙:「ぐわあ!」
凌牙は殴り飛ばされた。


凌牙
LP3600→2400



凌牙:「くっ」

遊馬:「安心するのは早いぜ!神葬零嬢ラグナ・インフィニティでブラック・レイ・ランサーに攻撃!」
ラグナ・インフィニティが、その鎌でブラック・レイ・ランサーを斬り裂く。


凌牙:「ぐっ!」


凌牙
LP2400→1700


凌牙:「トラップ発動!”黒き漆黒の槍”!自分フィールド上にオーバーレイユニットを持つブラック・レイ・ランサーが戦闘で破壊されたとき、破壊されたブラック・レイ・ランサーを特殊召喚し、デッキから2枚ドローする!」
破壊されたブラック・レイ・ランサー舞い戻り、凌牙はデッキから2枚ドローする。


ブラック・レイ・ランサー
攻撃力2100


遊馬:「モンスターを残し、手札を補充したか。流石、シャークだぜ。俺はこれでターンエンド」
遊馬のターンが終了する。



何とかモンスターを残した凌牙だが、身体へのダメージは大きかった。

胸を押さえる凌牙。


遊馬は、そんな凌牙を冷たい目で見ていた。





遊馬:「痛いか?シャーク」

凌牙:「っ…」

遊馬:「お前も俺と同じ、過酷な運命を背負ってきた奴だ。その運命を変え、お前は、ここにいる、だが、これだけを言っておくぜ」
遊馬は真剣な表情を見せ、言葉を放った。


遊馬:「まだ戦いは終わっていない」

凌牙:「!」

遊馬:「あの強敵であるドン・サウザンドを倒したんだ。しばらくは平和な日常が訪れるだろう。だが、バリアンの出現は、この多元世紀にとって、まだ戦いの始まりに過ぎないからな」
ドン・サウザンドの出現が戦いの始まりだと、みんなには理解できないことを遊馬は発言する。


遊馬:「次元振動の発生により、世界は過去と未来、そして平行世界と12次元世界を一つにし多元世紀が生まれた。そして、俺たちは必然的にも同じ平行世界からやってきた人間だ」
世界は、自分たちが生きている世界だけではない。未来と言う世界、過去と言う世界、決して交わることのない平行世界、そして科学でまだ解明されていない12次元世界。それらすべてが交わった世界が、この多元世紀である。

この世界では、モンスターの実体化も簡単にできる。だが、その影響で全世界各地で戦争が起きている場所が多い。

そして、ここにいる者達は1つの世界、1つの時代からやってきている。


遊馬:「AYW時代。武藤遊戯さんがキング・オブ・デュエリストになり、様々な大会を優勝。それと並行してファラオの魂の記憶を取り戻す戦いを繰り広げてきた」
これは、杏子や城之内、海馬やペガサスも知っている遊戯の伝説だ。


遊馬:「BJW時代。遊戯さんが活躍した時代の数年後。デュエルでの大きな事件が続き、中でも有名な事件はダークネス事件、世界精霊大戦が起きた極めて恐ろしい時代とも言われている」
この2つは、ある人物によって全て解決している。明日香や万丈目、吹雪やヨハンたちがよく知る人物。遊城十代が戦いを繰り広げてきた時代だ。


遊馬:「CHW時代。BJWの遥か未来の時代であり、デュエルが急速に進化した時代。ライディングデュエルが活発化した時代だ。そして、未来から来た強敵にある街が危機に陥れた時代でもある」
アキやジャック、鬼柳たちがいた時代。スタンディングデュエルの他に、Dホイールと言うバイク型デュエルディスクとも言えるものでデュエルをするようになった時代だ。


遊馬:「そして、俺が来ていた時代DTW。ARビジョンの発達により、デュエルは更なる進化を遂げた。そして、バリアンが現れた時代でもある」
遊馬や小鳥、凌牙たちが生きてきた時代では、Dゲイザーというものを目に取り付けて、拡張現実の中でデュエルをするという、リアルを追求したデュエルが生まれた時代だ。


遊馬:「今の話しを聞いて、誰もが思い出すことばかりなはずだ」
確かに、同じ時代で生きていれば、話しを聞いて思い出すことばかりだ。

遊馬:「なら、他の平行世界で生きてきた自分たちはどうなってしまったのか、知っているか?」
遊馬は凌牙に質問をぶつけた。

凌牙:「他の平行世界の自分たちがどうなったかだと?そんなことわかるはずがない。平行世界の記憶なんてあるわけがないからな。まさか、同一人物が、この世界にいるとでも言いたいのか?」

遊馬:「フッ、なら教えてやる。他の平行世界の自分たちがどうなったのか。それは、自分たちの記憶の中へ植え付けられているんだよ」
遊馬は人差し指で、自分の頭を指した。

ほとんどの者達が「え…」と反応する。

遊馬:「信じられないことだが、これは全て本当のことである。ただし、今は表には現れることのない閉ざされた記憶って奴だがな。だが、個人差で、その記憶が蘇る。そして、俺はその記憶が薄っすらと蘇った。その中にいたよ平行世界の俺が戦った宿敵”e・ラー”っていうの存在が、この多元世紀に紛れ込んでいることに」
遊馬が放つe・ラーと言う単語。その言葉を聞いて、凌牙とカイトは復唱した。


凌牙、カイト:「「っ!」」
突然の頭痛。頭の中に出てくる謎の顔。



フェイカー:「カイト…」

ハルト:「大丈夫、兄さん?」
頭を押さえるカイトを見て心配するハルトとフェイカー。


カイト:「今のは…」

凌牙:「…」
見覚えのない記憶。だが、なぜだか自分たちが実感したことのあるような感覚がある。


遊馬:「少しは記憶が過ったみたいだな。別世界の人物たちの記憶が…」


凌牙:「ドン・サウザンドは、まだ通過点に過ぎない。他にも巨大な敵が、この世界を襲う、お前はそう言いたいのか?」
凌牙が遊馬に質問した。


遊馬:「所詮、世界に平和が訪れることなんて、もっと先になるのさ。人類は戦い続けなければいけない。本当の平和が訪れるまでずっとな」
遊馬は気付いているのかもしれない。これから、どんな敵が待ち構えているのかを…。


小鳥:「遊馬、あなたが見る世界って…」
遊馬の話しを聞いて、小鳥は呟いた。


遊馬:「さあ、デュエルを続けるぞ!シャーク!今、お前の前にいるのは、世界を滅ぼそうとするバリアンなのだからな!」
遊馬がデュエルを続けるようにと話しをしてきた。




5ターン
凌牙
LP1700
遊馬
LP5500


凌牙:「くっ、俺のターン!」
凌牙はデッキからカードをドローする。




ペガサス:「今、遊馬ボーイのフィールドにはエクシーズモンスターが3体」


御伽:「どう見ても状況は明らかに凌牙君の方が不利だ」

ベクター:「このターンで、凌牙が対策を立たなきゃ、あいつは負ける…」


この状況を打破するのは簡単には行かない。


凌牙は引いたカードを確認する。


凌牙:『このカードは…』
凌牙は遊馬の場を確認する。


凌牙:『逃げても、状況は苦しむだけだ。なら、とことんやってやる。あいつに勝つために!』
凌牙は引いたカードを、フィールドに出した。


凌牙:「俺は”RUM-シャーク・ハウリング”を発動!」
凌牙が発動したのはランクアップマジックだった。

遊馬が先ほど使ったカードと同じ。エクシーズモンスターを進化させるカードだ。


凌牙:「自分フィールド上に存在するエクシーズモンスターを選択し、選択したモンスターよりランク1つ高い、水属性のエクシーズモンスター1体を特殊召喚する!」
凌牙の場に異次元の渦が現れる。

その渦は渦潮にも見えた。


凌牙:「俺はブラック・レイ・ランサーでオーバーレイネットワークを再構築!ランクアップ・エクシーズチェンジ!」
ブラック・レイ・ランサーの魂が渦に飲み込まれ、そして新たな姿となって現れる。

凌牙:「漆黒の槍よ。鮫肌の衣を纏い、その力で海の頂点に立て!現れろ!”ブラック・ティブロン・ランサー”!」
鮫の鎧を纏いし、ブラック・レイ・ランサー改めブラック・ティブロン・ランサーが現れた。



ブラック・ティブロン・ランサー
ランク4 攻撃力2700






凌牙:「ブラック・ティブロン・ランサーの効果発動!このカードが召喚に成功したとき、オーバーレイユニットを1つ取り除き、フィールド上に存在するオーバーレイユニットを全てブラック・ティブロン・ランサーのオーバーレイユニットとして吸収する!ステールン・ジョーズ!」
遊馬の場にいる3体のエクシーズモンスターのオーバーレイユニットが全て、ブラック・ティブロン・ランサーに吸収された。



CNo.103神葬零嬢ラグナ・インフィニティ
オーバーレイユニット:1→0


CNo.105BK彗星のカエストス
オーバーレイユニット:1→0


No.106巨岩掌ジャイアント・ハンド
オーバーレイユニット:1→0


ブラック・ティブロン・ランサー
オーバーレイユニット:1→0→3


遊馬:「オーバーレイユニットを全て吸収するとはな…!」

凌牙:「更に、吸収したオーバーレイユニットの数だけ、ブラック・ティブロン・ランサーは、このターン攻撃することができる!」

遊馬:「っ!」

凌牙:「行くぞ!ブラック・ティブロン・ランサーで、まずはNo.106巨岩掌ジャイアント・ハンドに攻撃!スピニング・トライデント!!」
ブラック・ティブロン・ランサーは手に持っている槍で、守備表示のジャイアント・ハンドを粉々に粉砕した。


遊馬:「守備表示のジャイアント・ハンドに攻撃しても、俺へのダメージはない。しかも残り2体は、ブラック・ティブロン・ランサーより攻撃力が上だぜ」

凌牙:「そんなこと、お前に言われなくてもわかっている。俺は、ここでブラック・ティブロン・ランサーのモンスター効果発動!1ターンに1度、オーバーレイユニットを1つ使い、このターンのエンドフェイズまで、ブラック・ティブロン・ランサーの攻撃力は、1300ポイントアップする!オーバーレイ・スビール!」
3つあるオーバーレイユニットの内1つを使用し、パワーアップする。


ブラック・ティブロン・ランサー
オーバーレイユニット:3→2
攻撃力2700→4000


遊馬:「攻撃力4000…」
攻撃力4000に、遊馬も少しは驚いているようだ。



本田:「よし!これなら、あいつのモンスターを破壊できる!」
攻撃力4000のモンスターを見た本田は、喜んでそう言った。




凌牙:「続けて行くぞ!ブラック・ティブロン・ランサーで神葬零嬢ラグナ・インフィニティに攻撃!」
ブラック・ティブロン・ランサーがラグナ・インフィニティを斬り倒した。


遊馬:「っ!」


遊馬
LP5500→4300


凌牙:「そして、ブラック・ティブロン・ランサーでBK彗星のカエストスに攻撃!スピニング・トライデント!」
手に持っている槍を投げ飛ばし、彗星のカエストスの胸に突き刺さった。


遊馬:「くっ!」


遊馬
LP4300→3100


凌牙:「俺はカードを1枚セットし、ターンエンド」
凌牙のターンが終了した。



ブラック・ティブロン・ランサー
攻撃力4000→2700


ブラック・ティブロン・ランサーの効果が切れ、攻撃力が元に戻った。



遊馬:「大胆な攻撃だぜ。まさか、ナンバーズを3体一気に破壊して来るなんてな」

凌牙:「お前も昔、よくやっていただろう」

遊馬:「そうだったか?昔のことなんて、もう覚えてねえよ」
過去は振り返らない…。今の遊馬は、そういう気持ちだった。



一馬:『遊馬、今のお前は、俺たちと楽しく過ごした日々すらも忘れようとしているのか…』


明里:『似合わないわよ、遊馬。アンタにそんな態度は…』
父と姉が、遊馬を見つめながら、心の中でそう呟いた。





6ターン
凌牙
LP1700
遊馬
LP3100


遊馬:「俺のターン!」
遊馬がデッキからカードをドローする。


遊馬:「もう一気に出す方がいいみたいだな…」

凌牙:「?」

遊馬:「俺はマジックカード”ナンバーズの強襲”を発動!1つの属性を選択し、選択した属性と同じ属性を持つナンバーズを効果を無効にして、エクストラデッキから可能な限り特殊召喚する!」
遊馬が発動したカードが強い輝きを放つ。


遊馬:「俺は光属性を選択!」
遊馬の場に3つの異次元の渦が現れ、遊馬が3枚のカードを右手に取る。


遊馬:「現れろ!No.102!光の使いよ、眩き光と共に、この地へ降り立て!”光天使(ホーリー・ライトニング)グローリアス・ヘイロー”!」
弓を持つ輝きに包まれた天使が現れる


No.102光天使グローリアス・ヘイロー
ランク4 攻撃力2500


かつて、バリアンだったドルべが使用していたオーバーハンドレットナンバーズである。

バリアン七皇リーダー・ナッシュに続き、みんなをまとめていた存在。その時の記憶が蘇る。


遊馬:「更にいでよ!No.104!そのまばゆき聖なる光で、愚かな虫けら共をひざまずかせよ!”仮面魔踏士(マスカレード・マジシャン)シャイニング”!」
面で素顔を隠す魔術師が現れた。


No.104仮面魔踏士シャイニング
ランク4 攻撃力2700


ドン・サウザンドに利用され続けたベクターが使用していたオーバーハンドレットナンバーズだ。

昔の自分は、残酷で孤独だった。人をだまし続け、絶望に落とすのが好きだった頃の自分を思い出してしまった。


遊馬:「そして最後はこいつだ!宇宙を貫く雄叫びよ。遥かなる時をさかのぼり、銀河の源よりよみがえれ!顕現せよ、そして俺を勝利へと導け!”No.107銀河眼の時空竜(ギャラクシーアイズ・タキオン・ドラゴン)”!」
ギャラクシーアイズ・フォトン・ドラゴンと匹敵するドラゴン。時空を操る黒き竜が現れる。


No.107銀河眼の時空竜
ランク8 攻撃力3000


真のギャラクシーアイズ使いを決めるためにミザエルが使用していたオーバーハンドレットナンバーズである。

このカードで、カイトと何度も戦った。ミザエルは、その頃の記憶を思い出した。




ベクター:『遊馬、お前は本当に、俺たちを苦しませたいのか…』

ミザエル:『私にはわかるぞ。遊馬、オーバーハンドレットナンバーズを召喚して辛いのは…』

ドルべ:『君ではないのか…、遊馬』
ベクターとミザエル、ドルべには遊馬の気持ちが何となく理解できる。


辛そうな遊馬の表情が、ドルべたちには見えた…。




ゴーシュ:『…』

ドロワ:「どうした?ゴーシュ」
ゴーシュの表情はどこか辛そうな顔をしていた。


ゴーシュ:「あいつ、本当に世界を滅亡させるつもりなのか?」

ドロワ:「?」

ゴーシュ:「ナンバーズを操る奴だ。一気にナンバーズを出して勝つことぐらい、あいつには簡単なことだろ」
ゴーシュの言う通りだ。遊馬は、誰も持っていないナンバーズのカードを持っている。つまり、ナンバーズに合わせたデッキを組んでいるということだ。

なら、一気にナンバーズを揃えて、凌牙に勝つことは簡単なことのはず…。



凌牙:『遊馬…、お前は何を狙っているんだ…』
凌牙も何となく、そのことは気付いているようだ。







遊馬:「更に俺はマジックカード”カオスチェンジ・サンクチュアリ”を発動!」
遊馬の場に、黒い結界のようなものが広がる。


遊馬:「このカードは、自分フィールド上に存在するエクシーズモンスターを素材に、それぞれランクが1つ高く、同じ種族のカオスナンバーズをエクストラデッキから特殊召喚する!更に、このカード効果の対象となるモンスターがフィールドに3体以上存在するとき、墓地に存在するエクシーズモンスター1体を選択し、選択したモンスターを素材にランクが1つ高く、同じ種族のカオスナンバーズをエクシーズ召喚することができる!」
たった今召喚された3体のオーバーハンドレットナンバーズがフィールド上空に現れた異次元の渦に吸い込まれた。

更に、遊馬の墓地にいるジャイアント・ハンドの幻影も現れ、異次元の渦に吸い込まれる。



ツバキ:「今、召喚したばかりのナンバーズを…!」

一星:「早速、カオス化するだと…!」


アリト:「それだけじゃねえ」

ギラグ:「墓地のジャイアント・ハンドが素材になったということは…!」
4体のモンスターが異次元の渦に吸い込まれたということは4体のカオスナンバーズが現れるということだ。


遊馬:「俺は、4体同時に、オーバーレイネットワークを再構築!カオスエクシーズ・チェンジ!」
4体のモンスターが新たな姿となって、フィールドに現れる。


遊馬:「現れろ!CNo.102!光に落ちた天使よ、光の鉄槌となりて、悪に裁きを!”光堕天使(アンホーリー・ライトニング)ノーブル・デーモン”!」
天使から堕天使に…。光と闇の力を持つ天使が降臨する。


CNo.102光堕天使ノーブル・デーモン
ランク5 攻撃力2900


ドルべ:「!」
久しぶりに見たノーブル・デーモンに言葉を失うドルべであった。



遊馬:「現れろ、CNo.104!混沌より生まれしバリアンの力が光を覆うとき、大いなる闇が舞い踊る。”仮面魔踏士(マスカレード・マジシャン)アンブラル”!」
赤い翼を広げ、アンブラルが登場する。


CNo.104仮面魔踏士アンブラル
ランク5 攻撃力3000


ベクター:「仮面魔踏士アンブラル…」
かつて使用していたカオスナンバーズを見て、ベクターは呟いた。



遊馬:「現れよ、CNo.106!混沌なる世界を掴む力よ、その拳は大地を砕き、その指先は天空を貫く!”溶岩掌ジャイアント・ハンド・レッド”!」
溶岩で来た拳が、遊馬の頭上に現れる。


CNo.106溶岩掌ジャイアント・ハンド・レッド
ランク5 攻撃力2600


ギラグ:「っ!」



遊馬:「そして顕現せよ、CNo.107!我が魂に宿りし粒子!今、光を超えた力となりて時を逆巻け!”超銀河眼の時空龍(ネオ・ギャラクシーアイズ・タキオン・ドラゴン)”!」
金色に輝く最強のギャラクシーアイズが、天空より舞い降いる。


CNo.107超銀河眼の時空龍
ランク9 攻撃力4500




ミザエル:「ネオ・タキオンまで…」
昔、自分が使用していたカオスナンバーズを見て、ミザエルが呟く。


ナーヴ:「お、おい、マズいぞ…!」


愛:「ジャイアント・ハンド・レッド以外、攻撃力がブラック・ティブロン・ランサーより上回っているわ!」

葵:「彼のブラック・ティブロン・ランサーが破壊されてしまったら…!」

慎也:「凌牙に勝ち目はない!」
皆が、カオスナンバーズの一斉攻撃が凌牙を襲うと思っていた。



遊馬:「安心しろ。ナンバーズの強襲を使用したターン、俺はバトルフェイズを行うことはできない」
つまり、4体のモンスターを召喚したが、このターンの攻撃はできないということだ。

皆が一安心した。


哲平:「なんとか、このターンは乗り越えられるということか」
一安心したのか、哲平はため息をついた。


遊馬:「俺はこれでターンエンド」
遊馬のターンが終了した。



しかし、4体のモンスターから放たれる殺気が、凌牙を襲っていた。





ジェリド:「このターンは乗り越えられたが、奴の不利に変わりはない」

モンド:「このターン、神代凌牙が何とかしなければ次の遊馬のターンで、一斉攻撃が来る。そう言うことですよね?」
モンドがそう聞くと、ジェリドは「あぁ」と返答した。


ジェリド:「幸い奴の場にリバースカードはない。破壊するなら絶好の場だ」


舞:「ならこのまま攻撃を仕掛ければまだ勝機は―」
凌牙がカオスナンバーズを破壊すれば、まだ勝ち目はあると舞は考えた。

しかし―



トロン:「そう簡単には行かないんじゃない。遊馬の場には、カオスナンバーズが4体。攻撃力も高いけど、厄介なのは、その効果だ」

ドルべ:「あぁ、どのモンスター効果も、凌牙を苦しめる効果ばかりだ。オーバーハンドレット・カオスナンバーズを破壊するには、まずモンスター効果をうまく躱すかまたは利用するしかない」
元々所持していたナンバーズカードだ。ドルべやミザエルたちは、その効果を熟知している。


この状況、どう考えても簡単に乗り切れるようなものではない。



凌牙:『ここに来て、4体のカオスナンバーズ…。この状況を打破するのは、簡単じゃない…。だが―』
凌牙はデュエルを続ける。






7ターン
凌牙
LP1700
遊馬
LP3100


凌牙:「俺のターン!」
凌牙がデッキからカードをドローする。

すると、遊馬が軽く笑った。


遊馬:「この瞬間、ノーブル・デーモンの効果発動!オーバーレイユニットを1つ取り除き、相手フィールド上のモンスター1体を選択して攻撃力を0にし、その効果を無効にする!」
ノーブル・デーモンが、自身の力でブラック・ティブロン・ランサーの力を無効にする。


CNo.102光堕天使ノーブル・デーモン
オーバーレイユニット:1→0


ブラック・ティブロン・ランサー
攻撃力2700→0




明日香:「ブラック・ティブロン・ランサーの攻撃力が0に…!」

ももえ:「これでは攻撃ができませんわ!」
ブラック・ティブロン・ランサーの攻撃力が0になったことに明日香達が驚く。



ドルべ:「それだけじゃない…!」


遊馬:「更に、ノーブル・デーモンのオーバーレイユニットが全て取り除かれた場合、相手ライフに1500ポイントダメージを与える!」
ノーブル・デーモンが手に持つ槍から光線を放ち、凌牙を襲った。


凌牙:「っ!」


凌牙
LP1700→200


璃緒:「凌牙!」
凌牙のライフが残り200となってしまった。


だが、これは彼にとって想定通りだった。


凌牙:「俺はマジックカード”リサステイティド・ドロー”!自分のライフが相手より少なく、自分フィールド上に存在するモンスターが1体以下の場合、デッキからカードを3枚ドローする!」
凌牙がデッキからカードを3枚ドローする。


遊馬:「お前らしくないなシャーク。リサステイティド・ドローは手札を増やすためなら、打って付けのカードだ。だが、そのカードを発動したエンドフェイズ、自分の手札が、リサステイティド・ドローの効果で引く前の手札よりも、多く手札があった場合、手札を全て墓地へ送るリスクがある」


凌牙:「あぁ、知っているさ。だが諦めなければ、チャンスは必ず来る。遊馬、お前が俺にそう教えてくれた」


遊馬:「…」


凌牙は引いたカードを確認する。



凌牙:「俺はモンスターを裏守備表示でセット」
凌牙は引いたカードの1枚を裏守備表示で場に出した。


凌牙:「更に、ブラック・ティブロン・ランサーを守備表示に変更!」
ブラック・ティブロン・ランサーが防御態勢に入る。


ブラック・ティブロン・ランサー
攻撃力2700→守備力900


凌牙:「そして、カードを3枚セットし、ターンエンド」
凌牙のターンが終了した。

そして彼の手札にカードはない。手札にあった全てのカードを場に出したのだ。




凌牙:『そうだ。必ず、勝機は来る…。遊馬、俺は最後まで諦めない!』
凌牙がそう呟くと、No.3のエースのマークが浮かび上がり輝きを放つ。


小鳥:「これは…」

カイト:「あいつはまだ諦めていない…」

ゴーシュ:「あぁ」

ドルべ:「凌牙は、このデュエルを勝とうとしている…!」
エースのマークを通して、凌牙の気持ちが伝わってきた。


それはNo.1のエースのマークを持つ遊馬にも伝わってきた。


遊馬:『そうこなくっちゃな』
心の中で遊馬は呟いた。





8ターン
凌牙
LP200
遊馬
LP3100


遊馬:「俺のターン!」
遊馬はカードを引いた。



遊馬:『シャーク、俺がお前にしてあげる本当の絶望は、これからだぜ』
遊馬は目を大きく開けた。

そこから放たれる殺気は尋常ではなかった…。







第11ED『切望のフリージア《DaizyStripper》』






次回予告

ナレーション:凌牙と遊馬の戦いは遂に終盤へ!

遊馬は、真の絶望を見せるため、新たな切札を投入し、凌牙を襲う!

しかし、世界を守るため、凌牙は決して諦めなかった。遊馬が教えてくれた希望を胸に、凌牙は最後のカードを引く!


凌牙:次回、遊戯王5DXAL「バリアン遊馬の最期」


凌牙:「遊馬、お前、最初から…」
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