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第181話:『混沌の決戦!遊馬&凌牙VSドン・サウザンド』










遊馬:「見せてやるよ!ドン・サウザンド!俺たち人間の絆の力を!お前の力より強いってことをな!」
遊馬の右手が7色に輝き、頭上に8つのエースのマークの紋章が浮かび上がり、1つになる。

アストラル:『今だ!遊馬!』

遊馬:「おう!」
頭上に浮かび上がる巨大なエースのマークが、遊馬の右手に吸収される。


遊馬:「エンブレム・ブラストォォォ!!!」
遊馬は右拳を、ヌメロン・ネットワークが展開されている地面に思いっきり叩き付ける。

遊馬が殴りつけた場所から少しだが地割れが発生する。


ドン・サウザンド:「そんな拳で、我がヌメロン・ネットワークが破壊されると思って―」
ドン・サウザンドが話していると、辺りのヌメロン・ネットワークに亀裂が走り、所々が崩れていく。


ドン・サウザンド:「何…!?」
辺りのヌメロン・ネットワークが崩れていき、元通りの風景が少しずつ見えてくる。



小鳥が張った結界と、剣代たち兄妹が張った結界が同時に解かれ、みんなは身体が自由に動けるのか確かめる。


シェリー:「問題ないみたいね」

吹雪:「ちゃんと動けるね」

ベクター:「これで思う存分やれるってもんだ」
みんながドン・サウザンドを見る。



ドン・サウザンド:「遊馬、貴様、よくもヌメロン・ネットワークを…」


遊馬:「まずは第1の扉を破壊させてもらったぜ、ドン・サウザンド」
遊馬は「やってやったぜ」と言わんばかりの顔で、ドン・サウザンドを見た。


ヌメロン・ネットワーク消失!!!









第10OP『鏡のデュアル・イズム《petit milady》』







第181話:『混沌の決戦!遊馬&凌牙VSドン・サウザンド』







ヌメロン・ネットワークを破壊した遊馬。


ヌメロン・ネットワークが破壊されたことが、今でも信じられないとドン・サウザンドは内心驚いていた。


ドン・サウザンド:『九十九遊馬…、やはりこやつは侮れない。まさか、このヌメロン・ネットワークを破壊するほどの力を持っているとは』
ドン・サウザンドは周りを見渡し、そう呟く。


8人のエースのマークの輝きが収まっていく。

カイト:「今のは、一体…」
輝きを無くしていくエースのマークを見てカイトは呟く。

すると、小鳥が横に立ち、解説を始めた。


小鳥:「エンブレム・ブラスト。8つのエースのマークの力を1つにして、遊馬の拳でどんなものをも打ち壊す力。もっとも、その力を使うためには、デュエルエナジーをエースのマークに溜める必要があるみたいよ」

一馬:「だから、遊馬はそれが使えるまでの間、隠れてデュエルエナジーを溜め、彼がその間、時間を稼いでいたんだ」
一馬は、遊馬と凌牙を見る。


遊馬:「時間稼ぎ助かったぜ、シャーク」

凌牙:「お前は昔から遅刻癖が多いからな、死ぬ覚悟はしていた」
とカッコつけているような口調で凌牙はいい、遊馬は「素直じゃねえ奴」と小さい声で言った。


そして、遊馬はドン・サウザンドを睨みつける。

遊馬:「これで、正々堂々戦えるってもんだ」


エリファス:『覚悟はできているだろうな?ドン・サウザンド』
アストラル世界を絶望へと誘うドン・サウザンドが目の前にいるのだ。アストラル世界の守護神とも言えるエリファスの目つきが変わるのは無理もない。


ドン・サウザンド:「ヌメロン・ネットワークを破壊しただけでいい気になるなよ。お前たちがいるのは、我がカイゼル・サウザンドの中だということを忘れるな」

シンディ:「けど、あなたの力を1つ潰したのは事実。こちらにも勢いがついているわ」
元主に向かってそう言ったのはシンディだった。


ドン・サウザンド:「シンディ。我が忠誠心を忘れ、敵に回るとはな」

シンディ:「私はもう、あなたの人形じゃない。私は人間の心を知った。自分の野望のために世界を潰そうとするあなたについて行くことは、もうできない」
遂に、シンディはドン・サウザンドとの縁を切った。

ドン・サウザンド:「忘れるなよ、シンディ。お前はバリアンだ。バリアンである以上、お前の命は我が操れることを忘れるな」
ドン・サウザンドは右手を前に突き出す。


小鳥:「シンディはやらせないわよ!」
小鳥がシンディの前に立つ。


ドン・サウザンドは右手から衝撃波をシンディに向かって放つ。

小鳥はNo.2のエースのマークの力を使ってバリアを展開し、シンディを守る。

小鳥:「うっ!」
衝撃波は予想以上に強く小鳥の身体は少し押されたが、ドン・サウザンドの衝撃波に耐えた。

シンディ:「小鳥…」

小鳥:「大丈夫、あなたは私が守るから」
小鳥は平然な顔でシンディにそう言った。


璃緒:「彼女に手を出すのであれば、私たちが許しません」
今の璃緒の目を見たら凍り付きそうだ。誰もがそう思った。


凌牙:「決着を付けるぞ、ドン・サウザンド!」
ドン・サウザンドを指さして凌牙は言った。



ドン・サウザンド:「フッ、いいだろう。だが、決着を付けるのであれば前と同じ方法で決着を付けようではないか」

遊馬:「前と同じ方法だと…」

アストラル:『それはつまり…』


ドン・サウザンド:「そう、デュエルで決着を付けるのだ。我と遊馬、そして凌牙の3人でデュエルをし、勝ったものが世界の命運を勝ち取る!」
ドン・サウザンドが勝てば世界は破滅される。逆に、遊馬か凌牙が勝てば世界は守られるということだ。


遊馬:「前と同じやり方で、全ての蹴りを付けるっていうことか。神を名乗る奴が言うような言葉じゃねえな。だが、その話し乗ったぜ」
遊馬は凌牙を見ると、凌牙は軽く頷いた。

凌牙も納得しているようだ。


凌牙:「デュエルを決着をつけてやる。覚悟しろ!ドン・サウザンド」
凌牙はDパッドを手に取る。



ドン・サウザンド:「フッ」
ドン・サウザンドは鼻で笑うと、指を鳴らした。



するとどうなったのか。カイゼル・サウザンドの外装の周りに無数のモニターが現れ、そこに遊馬達の姿が映った。


更に、世界各地のテレビ局の回線もカイゼル・サウザンドが出ている電波に奪われ、テレビにも遊馬達の姿が映った。




フロンティア本部ビル屋上


春:「遊馬…!」

イェーガー:「それに他の皆さんも…!」
画面に映る孫や仲間たちを見て動揺する者たち。


その中、共にいた元帥の百々原だけはこれから起きることを予想していた。


百々原:「遂に、決着を付けるときが来たみたいだな」
そう小さい声で呟く百々原は遊馬達が勝つことを祈る。






世界をまとめる国際組織”国家政府”本部があるヴェーロイアでは…。



朧:「回線が全て奪われているようです。おそらく、ドン・サウザンドの仕業かと」
国家政府の最高権力者”五輪師星”の秘書を務めている朧がタブレットを手にして説明をする。


???:「わかっておる。こんな映像を出してくるのは画面に映るあいつぐらいなものだ」
五輪師星の1人の杖を持った小太りの老人が目の前にあるモニターを見てそう言った。


???:「ドン・サウザンド、奴もまた世界の真実を知るものかもしれない奴だ。ここで消しておかねば後々面倒になる」

???:「奴を倒さなければ、この世界は終わりだ。後が面倒だととかそういう問題ではない」
背が小さいチョビ髭を生やした老人が椅子に座ってそう言った。


???:「奴は”特異点”でもなければ”スフィア”でもない。しかし、その存在はあの”無限の放浪者”よりも厄介な存在だ。九十九遊馬が処置してくれればいいのだがな」
侍のような姿で腰に刀を差す老人が、ドン・サウザンドがある者よりも厄介な存在だと話をする。

ここにいる最高権力者5人にとってドン・サウザンドは消えてほしいと願っているようだ。






ラクオウジシティ

フロンティア西支部


研究室に籠る不動博士と息子の遊星がモニターを見つめる。


遊星:『遊馬…』
遊星は心の中で遊馬の名前を呼ぶ。




ネオコーポレーションシティ街外れ


南羽剣一が操縦するヘリコプターが、着陸していた。


南羽はヘリコプターの操縦席についているモニターに映る遊馬達を見ていた。

腕を組み戦いを見届けるつもりなのだ。

映像は遊馬や凌牙、ドン・サウザンドだけではなくその近くにいる仲間たちをも映していく。


先ほどまで、このヘリコプターに乗せていた吹雪や鬼柳たちも映る。


その他にも、杏子やアキ、それに明日香達や、その子供たちも映った。


その映像を見ている途中、南羽のスマホの着信が入った。


南羽:「はい」
南羽は通話に出た。

南羽:「えぇ、見てますよ。流石に気になりますからね。まあ、僕が心配するほどでもないでしょうけどね。はい、ではまた世界が破滅してなければ後ほど」
南羽はそう言って、着信を切った。





その頃、南羽に電話した男もスマホを耳元から離した。


ここはとある場所にある基地


黒いジャケットを着用する男は、テレビに映る仲間を見ている。

その後ろ姿は、そうあの男その者だった…。






アストラル世界


アストラル世界にはテレビなどない。

だが、綺麗な空に遊馬や凌牙、そして世界を滅ぼそうとするドン・サウザンドの今の状況が浮かび上がっていた。



エナ:「遂に始まるのですね」
アストラル世界の住人であるエナが祈るように手を合わせて呟いた。






カイゼル・サウザンド内部



ドン・サウザンド:「今、ここの状況は外の連中に見えるようにした。お前たちの最後を見届けさせるためにな」
ドン・サウザンドは自分の勝利を宣言しているかのような口調で言った。


凌牙:「悪趣味な奴だ。だが、勝つのはお前じゃねえ。俺たちだ」
凌牙はDパッドを左腕にセットする。



エリファス:『遊馬、後は頼むぞ』
エリファスは後ろに下がる。

遊馬:「1度勝っている奴だ。負けるつもりはねえよ」
遊馬は笑ってそう言った。



遊馬と凌牙が横に並び立つ。


凌牙:「お前と一緒にデュエルするのは、あの時以来だな」

”あの時”―。

それは、遊馬と凌牙ことナッシュが初めてドン・サウザンドを相手にデュエルしたときのことだった。

今でも覚えている。ドン・サウザンドの圧倒的な力を…。その圧倒的な力が、再び自分たちの前に立っていることが、夢を見ているようでならなかった。


遊馬:「そうだな。あの時、お前はバリアンとして散った仲間たちのためにドン・サウザンドと戦ったな」
そう言って、遊馬はDパッドを左腕につける。

凌牙:「久しぶりのデュエルだ。足引っ張んじゃねえぞ」

遊馬:「お前もな、シャーク」
2人は楽しそうに話すとDゲイザーを左目に取り付けた。


アストラル:『準備はできているな?遊馬、シャーク』

凌牙:「当たり前だ」

遊馬:「俺たちはあいつを倒すために、ここに来てんだ。準備なんてものはカイゼル・サウザンドに入ってくる前からできてるぜ」
アストラルの確認に2人はそう答えた。



ドン・サウザンド:「神代凌牙…、そして九十九遊馬。ここにエンドマークを打つ」

遊馬:「ドン・サウザンド!お前を再び、葬ってやる!」
遊馬は、右手の甲にNo.1のエースのマークを浮かび上がらせ、ドン・サウザンドを指さして言った。


凌牙:「俺はあの時とは違う。バリアンとしてではなく、今度は人間としてドン・サウザンド、お前を打つ!」
No.3のエースのマークが凌牙の右手の甲に浮かび上がり、凌牙は物凄い威圧をドン・サウザンドにぶつける。


凌牙、遊馬:「「行くぞ!」」
Dパッド、Dゲイザーを起動する。


「「「デュエル!!!」」」
3人の掛け声でデュエルが開始された。




全プレイヤー
LP4000



小鳥:「遊馬、シャーク!」

鉄男:「世界はお前たち2人に掛かってるんだ!絶対に負けんじゃねえぞ!」
小鳥や鉄男、仲間たちが遊馬達を応援する。




その頃、モニターを通して遊馬と凌牙を見る世界中の人々も2人を応援する。




遊馬と同じ四大神王者の不動遊星も、モニターの前に立ち腕を組んでデュエルを見届ける。


遊星:『頼むぞ、遊馬』




ネオコーポレーションシティ街外れに止めてあるヘリコプターの中にいる南羽剣一も操縦席のモニターを見て「始まったか」と呟く。







デュエルを目の前で見届けるシンディは、ドン・サウザンドのデュエルを知らない。

シンディ:『2人はドン・サウザンドと戦ったことがあるみたいだけど、一体、どんなデュエルを…』
シンディは心の中で呟いた。




1ターン


ドン・サウザンド:「先行はもらう。我のターン、ドロー!」
ドン・サウザンドはデッキからカードをドローし、手札が6枚になる。

引くカードを手札に加えるなり、別のカードを手に取って場に出すのかと思いきや―


ドン・サウザンド:「我はこれでターンエンド」
ドン・サウザンドは何もせずにターンを終えた。





海馬:「何…!」

モクバ:「何もカードを出さずにターンを終了しやがった…」
ドン・サウザンドの行動に思わず声が裏返りそうになるぐらい驚く海馬たち。


等々力:「トドのつもり、どういうことなのですか?」

徳之助:「手札事故でも起きたウラか?なら、今がチャンスウラ!」
と徳之助はチャンスとばかりに攻められると思い、遊馬達に攻めれるよう声をかける。


しかし―

小鳥:「いえ、この状況チャンスでも何でもないわ」
小鳥がデュエルの状況を見て呟いた。


シンディ:「小鳥?」
ドン・サウザンドはカードを場にセットしなかった。つまり、フィールドががら空き。モンスターを出せばダイレクトアタックで、ドン・サウザンドのライフを一気に減らせる。

しかし、小鳥の顔は何か警戒心のあるような顔だった。

小鳥だけじゃない。遊馬も凌牙も同じだ。


小鳥:『この展開、あの時と同じ…』
小鳥は、心の中で呟いた。




凌牙:『初めてデュエルしたときも、奴は先行でカードを場に出さなかった。あの時と同じことでもするつもりか…』
凌牙は遊馬の方を見る。

凌牙の視線に気付いたのか、遊馬も凌牙の方を向き軽く首を縦に振った。






ドン・サウザンド:「さあ、来い。我の場はがら空きだ。好きなタイミングに攻撃してこい!」
ドン・サウザンドは挑発口調でそう言った。


アストラル:『油断大敵だぞ、遊馬』

遊馬:「お前に言われなくても分かっているさ」



2ターン
全プレイヤー
LP4000


遊馬:「次は俺の番だ。俺のターン、ドロー!」
遊馬がデッキからカードをドローし、手札が6枚になる。


遊馬:「俺は”ブルブレーダー”を召喚!」
遊馬の場に大剣を持つ牡牛が現れる。


ブルブレーダー
レベル4 攻撃力1600


遊馬:「更に手札から速攻魔法”スーパーサイクロン”を発動!フィールド上に存在する魔法、トラップカードゾーンのカード1枚を破壊する!相手は、このカードを対象とするカード効果を発動することはできない!」
遊馬が発動したカードは、マジックまたはトラップカードを破壊するカードだが、フィールドには破壊対象となるマジック、トラップカードなんてものなかった。


城之内:「どういうつもりだ?遊馬の奴。破壊するカードもないのに、あんなカードを発動しやがって…」

御伽:「単なるプレイングミスには見えないけど…」
と、遊馬を不思議そうに見る城之内達。


しかし、小鳥には分かっていた。遊馬がなぜあんなカードを発動したのかを…。


小鳥:「破壊するカードはあるわ」

キャッシー:「え?でも、ドン・サウザンドは前のターン、1枚もカードを場には出していないわよ」

小鳥:「えぇ、ドン・サウザンドのターンではね」
そう、ドン・サウザンドは自分のターンでは何もしていない。

だが、遊馬のターンでは既に動いている。


アストラル:『我々の目は誤魔化されないぞ、ドン・サウザンド』
アストラルはドン・サウザンドを指さした。


遊馬:「俺のドローフェイズ時、既にお前は手札からフィールド魔法”ヌメロン・ネットワーク”を発動している!」

ドン・サウザンド:「やはり気付いていたか」
とドン・サウザンドは呟いた。

遊馬:「ヌメロン・ネットワークは、相手のドローフェイズ時に自分フィールド上にカードが存在しない場合、手札から発動でき、自分の場にカードが存在しなければ、デッキからヌメロンカードの効果を得て発動することができる。しかも、ヌメロンと名の付くエクシーズモンスターがオーバーレイユニットを使用して効果を発動するとき、オーバーレイユニットを取り除かなくても効果を発動することができる厄介な効果が満載だ」

凌牙:「そいつには、散々な目にあったからな。だが、俺たちにその手はもう通用しないぜ」


遊馬:「すぐに葬らせてもらうぜ!」
遊馬が発動したスーパーサイクロンの竜巻がドン・サウザンドのフィールドに迫る。

ドン・サウザンド:「なるほど、何十年も前の戦いだ。すでに忘れていると思っていたが、そうではないようだな」
竜巻が迫る中、ドン・サウザンドは目を瞑って語る。

ドン・サウザンド:「だが、我もあの時とは違う。お前たち人間よりも我は先を行く!手札からトラップカード”ヌメロン・モーメント”を発動!」
ドン・サウザンドは遊馬のターンにも関わらず、手札からカードを発動した。




チャーリー:「おいおい、反則じゃねえのか…!」

牛尾:「相手のターンに、手札からトラップカードだと…!?」

ドン・サウザンドが取った行動は、誰もが納得していなかった。

だが、ドン・サウザンドはズルなどしていない。

ドン・サウザンド:「反則ではない。これが我のデュエル。このカードはヌメロン・ネットワークを対象とするカード効果が発動したときのみ手札から発動できる!ヌメロン・ネットワークを墓地へ送り、デッキからフィールド魔法”ヌメロン・サンクチュアリ”を発動する!」

ドン・サウザンドは発動しているフィールド魔法を墓地へ送り、新たなフィールド魔法を発動した。


凌牙:「ヌメロン・サンクチュアリだと…!」


エリファス:「新たなヌメロンカードか…!」
みんなが驚いている中、ドン・サウザンドを中心に新たなフィールドから展開される。


魔法陣のようなものが無数に現れ、縦横無尽に広がる。


ドン・サウザンド:「ヌメロン・サンクチュアリは、ヌメロン・ネットワークの効果を引き継ぎ、更にヌメロンモンスターの攻撃力を2倍にする効果を持つ!」


凌牙:「ヌメロン・ネットワークそのものの効果も酷かったが、それにプラスして攻撃力を倍にする効果とはな」

遊馬:「だが、今の奴のフィールドはがら空き。ここは一旦、勝負に出る!」
遊馬は攻撃を仕掛ける気なのだ。

遊馬:「行くぞ!ドン・サウザンド!ブルブレーダーでダイレクトアタック!!」
ブルブレーダーはその手に持つ大剣を握り締め、ドン・サウザンドに接近する。


ドン・サウザンド:「我の場にはモンスターがない。ダイレクトアタックするなら、今しかないな」
今の展開は、攻撃を仕掛ける絶好のチャンスだ。その絶好のチャンスを作ったドン・サウザンドがそう言った。

ドン・サウザンド:「だが甘いぞ。ヌメロン・サンクチュアリの効果発動!このカード以外、自分の場にカードがない場合、デッキからヌメロンと名の付くカードを選択し、その効果を得て発動する!」
ドン・サウザンドはデッキから1枚カードを選択した。

ドン・サウザンド:「我はトラップカード”ヌメロン・バース”の効果を発動!自分フィールド上にこのカード以外のカードが存在しない場合、相手のダイレクトアタックを無効にする!更に、我はデッキから1枚ドローする!」
ブルブレーダーの攻撃が強制的に止まった。


遊馬:「お前の場にフィールド魔法以外、カードはない。やっぱりそう来るよな」

ドン・サウザンド:「我はドン・サウザンド。人間よりも先を見ぬ気、そして絶望へと誘う。それが我だ」
ドン・サウザンドはヌメロン・バースの効果でデッキから1枚ドローする。



遊馬:「カードを1枚セットし、ターンエンドだ」
遊馬のターンが終了した。




遊馬:「ドン・サウザンドも、昔とは違うというわけか」

アストラル:『ヌメロン・サンクチュアリ…。おどおどしい空気を感じる…』


凌牙:「ヌメロン・ネットワークとは違う不気味な気配だぜ…」
凌牙たちは展開されているヌメロン・サンクチュアリを見渡し呟く。



ドン・サウザンド:「ヌメロン・サンクチュアリに入れば、例えバリアンだろうと抜け出すことはできない。抜け出したければ、我を倒すことだ」
ドン・サウザンドのオッドアイが光る。


その瞬間、とてつもない殺気が凌牙と遊馬、いやここにいるみんなを襲う。



剣代:『奴から放たれる殺気が少しずつ強くなっている…』

ツバキ:『本当に化け物って言うべきだね…』
剣代とツバキが心の中でそう呟いた。




3ターン
全プレイヤー
LP4000


ドン・サウザンド:「我のターン!」
ドン・サウザンドがデッキからカードをドローする。

そして、引いたカードを前に突き出す。


凌牙:「あ?」

遊馬:「何の真似だ?」
凌牙たちから見たドン・サウザンドの行動は、どこかこちらをバカにしているようにも見える。

いや、バカにしているというより、ここから何かが始まるような感じでもあった。


ドン・サウザンド:「ヌメロン・コード…、それは世界の過去と未来全てが記されているカード。あらゆる世界の運命を全て決める力を持つ絶対的な力。我は、その力を利用し、世界を我が物にし、全ての神になろうとした。だが、それはお前たちに阻止されてしまった」
もう50年以上も前の話しを旗り始めるドン・サウザンド。





ブレイブ:「あいついきなりなんだ?」

鬼柳:「昔話でもして、気を紛らわせているつもりか?」

徳之助:「いや、昔、ドン・サウザンドは遊馬達に負けているウラ。それを語ったらむしろ逆効果になるウラよ」

じゃあ、なぜ、ドン・サウザンドはいきなり昔のことを語り始めたのか。それは誰にもわからない。

だが、何となく嫌な予感がしていた。小鳥やカイト、一馬たちはそう予感してしまったのだ。



ドン・サウザンド:「あの戦いの後、ヌメロン・コードは、アストラル世界へ送られ、誰も手に触れることのできない場所へと保管された」

ドン・サウザンドは前に突き出したカードをひっくり返し、カードの表面を上に向ける。

ドン・サウザンド:「だが、一度はヌメロン・コードを手にした身。その力は、我の手へ導かれる」
そう言うと、突き出したカードが輝き、そのカードの上に何かが出てきた。


遊馬:「!?」

未来:「一馬、あれって…」

一馬:「まさか…!」
遊馬たちは驚愕する。ドン・サウザンドのカードの上に現れたのは、紛れもなくヌメロン・コードだった。


エリファス:「やはりな…」


アストラル:『ヌメロン・ネットワークに、ヌメロン・サンクチュアリ。ヌメロンと名の付くカードを使用してくるからまさかと思っていたが…』

凌牙:「なら、あれはヌメロン・コードなのか?」

アストラル:『いや、おそらくあれは本物のヌメロン・コードではない。その証拠に、あのヌメロン・コードは色が違う』
アストラルはヌメロン・コードについてあらゆる情報を知っている。情報を持っているからこそわかる。ドン・サウザンドが持っているヌメロン・コードは本物ではないと…。


ドン・サウザンドが持っているヌメロン・コードは誰がどう見ても紫色だった。


ドン・サウザンド:「そう、これは我の記憶によって生まれたヌメロン・コード。しかし、本来の力に比べ、闇の力を膨大に所持しており、3つの鍵の力によって生まれたカイゼル・サウザンドが覚醒したとき、このヌメロン・コードを組み込めば、人間界とアストラル世界、いや12次元世界が全て破壊され、我がものとなる」
今ドン・サウザンドが言った言葉は全世界に知れ渡った。







フロンティア本部にいる元帥の百々原に、フロンティア西支部にいる遊星に、国家政府の最高権力者たちに、全世界の人たちが唾を飲んだ。




ドン・サウザンド:「誰かが全ての世界を束ねなくてはいけないのだ。世界を保つためには」
ドン・サウザンドは自分の心の中で秘めている思いを口にする。

ドン・サウザンド:「かつて、人間界は、ある戦争で、12次元世界全てに攻撃を受けた。それが、”世界精霊大戦”だ」
かつて、地球を中心に繰り広げられた戦争。

この戦争で、地球を守って散ったのが、遊城十代である。


ドン・サウザンド:「あの戦争の中、それぞれの次元で生まれた神が、人間界を手にするために転移してきた。12次元の世界から見れば、人間界は、技術が発達し進化をし続ける世界であるがゆえ、その力を手にしたいと思うものも多い。我も含めてな」
あの戦争は地球内部ではなく、宇宙にも戦火を広げた。

その宇宙に現れた敵が12次元の神たちだった。

その神たちに十代の下に集っていた精霊たちが立ち向かい、地球を守ってくれたのだ。


ドン・サウザンド:「世界が異なるから戦いは収まらないのだ。だから我は決めた。全ての世界を統一するためには、今の世界を破壊し、バリアン世界が中心となって、全ての世界を結び付け、新たな神となった我が世界を想像しなければいけないとな」
ドン・サウザンドが真の目的を口にした。


遊馬:「お前の言っていることはただの傲慢だ。世界を統一することと、世界を潰すことは訳が違う!」

ドン・サウザンド:「言ったはずだ。世界をまとめるためには、今の世界を潰す必要があるとな」

凌牙:「それが俺たちには理解できねえって言ってんだ」

ドン・サウザンド:「理解してもらうつもりはない。これから滅びゆく人間共が味わうのは絶望だけなのだから」
紫色のヌメロン・コードが輝き出す。


凌牙:「何だ…!」


ドン・サウザンド:「さあ、見るがいい。闇のヌメロン・コードの力を…!」


ドン・サウザンド、遂に本領発揮!





第11ED『切望のフリージア《DaizyStripper》』







次回予告

ナレーション:かつてドン・サウザンドを倒した遊馬と凌牙。

だが、ドン・サウザンドは2人が知らない新たな力で、圧倒的力を見せつけ、世界を絶望へと震わせる。

世界中が見届ける中、遊馬と凌牙はドン・サウザンドにどう立つ向かうのか?

世界滅亡のカウントダウンまで、後がない!


凌牙:次回、遊戯王5DXAL「死神に染まった地獄の門」


凌牙:「死神…、これが奴の真の力なのか…!」
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