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第180話:『ヌメロン・ネットワーク消失!』









???:「まだ我々は負けていない!」
どこからか聞こえる声に、ドン・サウザンドを含め皆が反応する。


カイト:「!」
カイトは、ドン・サウザンドの背後にいる者を見て驚く。

Ⅴ:「アンドロメダ・アマルテア・ブレード!」
セカンドステージ状態のスペース・レイピアザーを手に持ち、ドン・サウザンドを背後から攻撃を仕掛けるⅤ。

ドン・サウザンドはすぐに方向転換し、セカンドステージ状態のイマジナリー・ヌメロニアで、Ⅴの巨大な光の剣を受け止める。

ドン・サウザンド:「No.5のエースのマークを持つ者か」
Ⅴの顔を見てドン・サウザンドはそう言った。




ドン・サウザンド:「大声を出さなければ、我を切れたかもな」
ドン・サウザンドはセカンドステージ状態のイマジナリー・ヌメロニアを振り、Ⅴを吹き飛ばす。


Ⅴ:「くっ!」
Ⅴはゴーシュ達がいる場所に立つ。


Ⅴ:「まだ我々の希望は折れていない。まだ九十九遊馬と神代凌牙いう希望が残っている!」


ドン・サウザンドを倒すために必要な鍵。それは、遊馬と凌牙。2人の希望が、この戦いに終止符を打ってくれることをⅤは信じている。








第10OP『鏡のデュアル・イズム《petit milady》』









第180話:『ヌメロン・ネットワーク消失!』




No.5のエースのマークを持つⅤ、No.7のエースのマークを持つドルべがカイトたちの前に現れる。




ドロワ:「Ⅴ、それにドルべ…!」

哲平:「2人が来たということは…」
哲平の予想は的中した。


後ろから味方が走ってくる。

うち3人は急いでこちらに向かってきている。


剣代:「梨香、珠里。さっきと同じだ。あれをやるぞ」

梨香:「了解!」

珠里:「うん!」
剣代、梨香、珠里の兄妹たちがそれぞれデュエルギアを持ってヌメロン・ネットワークの力の所為で動けなくなっているものたちの周りに立つ。


剣代は”光燐之太刀”を、梨香は”ラーマーヤナ”を、珠里は”ブリザード・バトン”を構える。


剣代、梨香、珠里:「「「三錐結界法陣!!」」」
剣代たちがそれぞれ手に持っているデュエルギアを地面に叩きつけた瞬間、動けなくなっている仲間たちを囲うように三角錐の結界が張り巡らせられる。


哲平:「これは、結界か…!」
三角錐の結界ができた瞬間、ヌメロン・ネットワークの力で身動きが取れなくなっていたものたちの体が動くようになった。


三沢:「身体が動く…!」

タカ:「この結界のおかげか…」
自分の身体が動くことを確かめる三沢たち。

そして、その三角錐の結界の中に、Ⅴとドルべと共に行動していた者たちが入ってきた。


城之内:「みんな、無事か?」

ヴァロン:「なんとかな、このなんたらネットワークの所為で動けなくなったときは、少し焦っちまったがな」

ラフェール:「それにしても、この結界、ヌメロン・ネットワークの力を遮断しているのか?」
改めて自分たちを囲う結界を見て、重度の高い結界だ知らされるラフェール。


舞:「あの子たちのおかげよ」
そう言って舞は、剣代と梨香、珠里の3人を見る。


ラフェール:「英雄の神の子供たちか」

舞:「父親に負けないぐらい強くなるのが目標みたいよ。だから、3人で色々と修行しているみたい」

梨香と珠里は、母親の明日香に頭を撫でられている。

剣代は、一安心したのか息を吸って吐いた。



ドン・サウザンド:「エースのマークを持たない奴らでも、ヌメロン・ネットワークの能力を跳ね返す者がいるとはな」
三角錐の結界を見て、ドン・サウザンドは一言言った。


ゴーシュ:「これで、後ろの連中は一安心だな」

ドルべ:「あぁ、だが戦えるものは私たちだけだ。後ろの者達は結界の中から出ることはできない。でれば再びヌメロン・ネットワークの力で、身体が動かなくなる」

アンナ:「一時凌ぎに過ぎないってことか」
大人数で攻められると思っていたが、それはできないようだ。

カイトは立ち上がろうとする。

しかし、傷が少しだけ癒えたとはいえ、まだ痛みはあるようだ。


Ⅴ:「お前は休んでいろ、カイト」


カイト:「クリス…」

Ⅴ:「お前はよくやった。次は私が何とかする」
Ⅴはカイトにそう言った。すると、ドルべが横から口を挟む。


ドルべ:「私たちだ」
今戦えるのはⅤだけではない。

ドルべも戦える。そして、さっきまで戦意喪失だったアンナもゴーシュもまだ戦える。






ドン・サウザンド:「貴様らが束になって来ようと、我に勝つことはできない!」
ドン・サウザンドから再び強い殺意が放たれる。


ドルべ:「ドン・サウザンド、お前は強い。だが、お前がどれだけ強くとも、私たちにあってお前にないものが、お前の強さを凌駕する!」

ドン・サウザンド:「我になくて、お前たちにあるものだと?」

ドルべ:「仲間と言う絆だ!」
ドルべはセカンドステージ状態のホーリー・ライトニング・カトラリーアローから、無数の矢を放つ。


ドン・サウザンドは、同じくセカンドステージ状態のイマジナリー・ヌメロニアで全て弾き返す。


Ⅴ:「ゴーシュ、アンナ。私に続け!同時攻撃を仕掛ける!」
Ⅴがそう言って前に走ると、ゴーシュとアンナは「おう」と返事をして共に前に出る。





その戦いを見届ける後ろの者達。

ミザエル:「我々も加勢できないのか!」

アリト:「無茶言うな、俺たちが今動けるのは、この結界に守られているおかげなんだぞ」

ギラグ:「この結界を出れば、すぐにヌメロン・ネットワークの所為で、身体が動かなくなる」


キャッシー:「今は、みんなを信じるしかないニャ」
結界の中でただ見届けることしかできない者達は、戦えないことを悔しがるも、今はⅤたちを信じ、勝つことを祈るのであった。


カイト:「くっ」
カイトは左腕を押さえて、エースのマークを持つ自分があの場にいないことを誰よりも悔しがっていた。


ハルト:「兄さんはよくやったよ」
弟のハルトが横にしゃがむ。

カイト:「ハルト…」

ハルト:「今は、みんなを信じよう」
ハルトは正直な気持ちを出さずにそう言った。ハルトの本当の気持ちは、兄を危険な戦場に出したくないことが本音だった。

さっきのドン・サウザンドとのの戦いを見て、兄は本当に死ぬ寸前だった。そんな光景をもう見たくはない。

だから、怪我をした兄を戦いに行かせず止めたのだ。


そして、ハルトは今ドン・サウザンドと戦っている者たちに向けて、心の中で呟いた。


ハルト:『みんな、兄さんの分までお願い。絶対に勝って』




ドルべがホーリー・ライトニング・カトラリーアローにNo.7のエースのマークの力を込める。


ドルべ:「イシュトリルトン・ローア!」
エースのマークの力で生成した矢を放った瞬間、その反動でドルべ自身の身体が後ろに押される。

そして放たれた矢は猛スピードでドン・サウザンド目掛けて飛ぶ。

牛尾:「あれは、どんな頑丈なものも貫通させる矢だ」

アリト:「これで、ドン・サウザンドのデュエルギアはお仕舞いだ!」
ドルべが放った矢でドン・サウザンドのデュエルギアが破壊できると思ったアリトたちだったが、その期待はすぐに覆した。

ドン・サウザンド:「甘い」
ドン・サウザンドはイマジナリー・ヌメロニアを横に並行して構え、ドルべが放った矢を受け止める。

受け止めた瞬間、反動で少しだけ後ろに下がったがドン・サウザンドは動じていなかった。


ドン・サウザンド:「仲間の絆と言う力を持ってしても、この程度か?ドルべ」
ドン・サウザンドはドルべを見つめる。


ドン・サウザンド:「仲間の絆と言うのは、この程度というわけか。笑えるな」
ドン・サウザンドは、ドルべの言った仲間の絆をバカにするような口調で言った。


ドルべ:「ドン・サウザンド、何か勘違いしてないか?」

ドン・サウザンド:「?」

ドルべ:「仲間の絆と言うのは、人間1人の力が強くなるんじゃない。人間一人一人が力を合わせて強い力を発揮するんだ」
ドルべがそう言うと、ドン・サウザンドは背後から気配を感じ取り、後ろを振り向く。


セカンドステージ状態のラーゼン・ゲイボルグを構えたアンナが、そこにいた。

アンナ:「行くぜ!」
No.6のエースのマークが輝き、アンナの身体を真っ赤なオーラで象った特急電車が
包み込む。

アンナ:「アンガー・エクスプレス!!」
アンナはその状態でドン・サウザンドに向かって突撃した。



ラリー:「あの態勢じゃ防御はできない!」

ナーヴ:「もらった!」
アンナの攻撃がドン・サウザンドに届くと思ったラリーたちだが、次の瞬間思いも寄らない方法で、ドン・サウザンドはアンナの攻撃を止めた。


ドン・サウザンド:「わが身を守れ、アラクネーよ」
ドン・サウザンドはある物を持った左手を突き出し、紫色のオーラがドン・サウザンドの盾になり、アンナの攻撃を受け止める。


アンナ:「何っ!」
紫色のオーラは形を変え、蜘蛛のような形を象った。


静香:「あれって、もしかして!」

龍可:「はい、間違いありません!」

キャッシー:「アラクネーの宝玉…!?」
ドン・サウザンドが持っていたのはエルフェンの森にあった”アラクネーの宝玉”だった。

キャットちゃんたちが回収しようとしたとき、バリアン8人衆の1人ペイトンに持って行かれてしまったものだった。






ドン・サウザンド:「アラクネーの宝玉。かつて、エルフェンの森を支配していた魔物ドミナシオンが封印されている宝玉」
ドン・サウザンドは宝玉を強く握ると、宝玉は強い輝きを放つ。


レミ:「まさか、ドミナシオンを復活させるつもりじゃ!」

珠里:「そんなことになったら、またエルフィンの森で起きたことが再現されちゃう!」
珠里は少し前にエルフィンの森であったことを思い出して慌ててそう言った。



ドン・サウザンド:「復活?神である我に、そんな下部など不要。この中に眠る力の9割はカイゼル・サウザンドに伝達されている。世界を滅ぼすためにな。そして、残り1割は―」
アンナの攻撃を受け止めている蜘蛛の形を象っている紫色のオーラが下半身が蜘蛛の足である女性を象り、アンナを動揺させる。

アンナ:「なんだよ…!こいつは!」


ドン・サウザンド:「残りの1割は我の力となっている。アラクネーが、お前を噛み殺す!」
紫色のオーラで象られた半身蜘蛛の足である女性の両手がアンナを捕える。

アンナ:「離せ!離せ!」
アンナはもがき続け脱出を試みるが全然脱出することができなかった。

そして、半身蜘蛛の足である女性の表情が変化し、何でもかみ砕きそうな大きな顎へと変わった。

その顎で、アンナをかみ砕こうとしているのだ。


ナポレオン:「マズいのでアール!」

マルタン:「このままじゃ、彼女が!」
アンナの身が危ないと分かっていても、結界の中にいる者たちは、ここから出ることはできない。つまり助けることもできない。

だが、みんなの思いを胸に、あいつが立ち上がる。

ゴーシュ:「そこを動くなよ、アンナ!」

ゴーシュが捕まったアンナに向かって走る。


セカンドステージ状態のクサナギブレードを横に並行にして構える。

ゴーシュ:「光弾波!」
光属性の波動を、クサナギブレードの流し込み、刀身中央から光で生成した球体を飛ばし、アンナを捕まえる半身蜘蛛の足をした女性の両手を吹き飛ばす。

アンナ:「ナイスだぜ!」
アンナはその隙に脱出する。

半身蜘蛛の足した女性が消え、ゴーシュの標的がドン・サウザンドに向けられる。


ゴーシュ:「乗らせてもらうぜ!」
ゴーシュのNo.8のエースのマークが輝く。

ゴーシュ:「真剣・アマムラウンメイ!」
クサナギブレードを地面に突き刺し、ドン・サウザンドの足元に結界を張り、身動きを封じる。

ゴーシュは凄まじいオーラを纏い、そのままドン・サウザンドに向かって突撃する。

結界の所為で、ドン・サウザンドは動けない。つまり、防御もできないということだ。


御伽:「今度こそ!」

ドロワ:「もらった!」
ゴーシュの攻撃で終わりだと思った…。だが、ドン・サウザンドは再び思いも寄らない方法で、攻撃を止めた。

ドン・サウザンドが首から下げているペンダントが輝き、ドン・サウザンドの前に結晶体の棒が現れ、ゴーシュの剣を受け止める。

ゴーシュ:「くっ、なんだ!」


ドン・サウザンド:「これがヴィータのペンダントの力か。防御には打ってつけだな」
ドン・サウザンドがそう呟くと、ヴィータのペンダントは更に強い輝きを放ち、足元の結界を打ち消した。

そして、ドン・サウザンドは結晶体に向けてイマジナリー・ヌメロニアを突き刺した。

貫通したイマジナリー・ヌメロニアの刀身が、ゴーシュに迫る。

ゴーシュ:「くそっ!ぐわっ!」
防御したものの、クサナギブレードはイマジナリー・ヌメロニアを受け止めた瞬間、刀身が折れ、ゴーシュはそのまま吹き飛ばされる。


ドロワ:「ゴーシュ!」
吹き飛ばされたゴーシュは地面に倒れる。


ドン・サウザンド:「さあ、最後だ」
ドン・サウザンドは別方向から迫るⅤを見る。


ドン・サウザンド:「カオス・ストーム・ヴィジオーネ」
イマジナリー・ヌメロニアを一振りし、無数の黒い竜巻を飛ばす。


Ⅴ:「スペース・ディフレクタ!」
セカンドステージ状態のスペース・レイピアザーを地面に突き刺し、バリアを展開。ドン・サウザンドが放った攻撃から自分の身を守る。

しかし、ドン・サウザンドの攻撃は思った以上のパワーがあり、すぐバリアにヒビが入った。


Ⅴ:「くっ!」
Ⅴはすぐその場から離れた。勿論、離れたと当時にバリアは無残に破壊された。


ドン・サウザンド:「どうした?逃げても戦いは終わらないぞ」

Ⅴ:「逃げるつもりはない!」
Ⅴのエースのマークが輝く。そして、スペース・レイピアザーを上に突き出す。

すると、Ⅴの頭上にある星座が現れる。

それはペガスス座だった。


城之内:「クリスの技が飛び出すぜ」

Ⅳ:「この攻撃で決めるつもりか…!」



ドン・サウザンド:「技を出す前に肩を付けてくれる」
ドン・サウザンドがⅤに牙を向く。


アンナ:「バーニング・トレイン!」
炎で象った電車をドン・サウザンドにぶつけるアンナ。Ⅴを援護しているのだ。

ドン・サウザンド:「邪魔だ」
ドン・サウザンドはイマジナリー・ヌメロニアを一振りして、アンナの攻撃を吹き飛ばした。

挙句の果てにアンナをも吹き飛ばした。

アンナ:「うわあああ!」


キャッシー:「アンナ!」
アンナは倒れているゴーシュのすぐ側に倒れる。


その間に、Ⅴは攻撃準備万端のようだ。

頭上に展開されているペガスス座がペガサスをモチーフにした巨大な槍となる。

Ⅴ:「この槍が、お前の罪に審判を下す!」
巨大な槍が、ドン・サウザンドに迫る。


Ⅴ:「ペガスス・ジャッジメント!!」
ペガサスをモチーフにした巨大な槍がドン・サウザンドに制裁を下した。

ドン・サウザンドの周りで大爆発が起こる。




イシズ:「やったのですか?」

リシド:「ドン・サウザンドを倒したのか?」
誰がどう見てもドン・サウザンドを倒したかのように見える。


戦いの中でダメージを受けたカイト、ゴーシュ、アンナもドン・サウザンドが立っていた場所を見る。


アリト:「ざまぁみろ!ドン・サウザンド!」

ギラグ:「これが人間の力ってやつだ!」
ドン・サウザンドを倒したと確定しているのか、アリトとギラグが笑ってそう言った。


黙々と爆炎が上がっている、その中から赤と青のオッドアイが、こちらを鋭く見つめていた。

その目線に、Ⅴとドルべがすぐに気づいた。


ドルべ:「まだだ!」
ドルべがセカンドステージ状態のホーリー・ライトニング・カトラリーアローを構えた。

しかし、爆炎の中から突然と襲ってきた衝撃波にドルべが吹き飛ばされる。


ドルべ:「ぐわっ!」

Ⅴ:「ドルべ!」
吹き飛ばされたドルべを見るが、突然後ろから襲ってきた殺気にⅤは恐る恐る振り向く。


ドン・サウザンド:「危ないところだったぞ。このリングがなければ、死んでいた」
そう言って、爆炎の中から現れたドン・サウザンドが見せたのは、左手の中指についている血のデスリングだった。


御伽:「あれは、血のデスリング…!」

雑賀:「そうか、あのリングでダメージを回復したのか」

ジュンコ:「でも、あれは確か血を吸い取ってダメージを回復していくんじゃなかったの?」

獏良:「確かに。でも、かつてあのリングの力を解放したフレシャス財団の孫・九垓は、それまで吸い取った血を利用して、力を最大限まで発動していた…!」

アキ:「もしかして、あの時使用した力で全ての血を使い切っていなかった。吸い取った血がまだリングの中に多少残っていたということですか?」
アキがそう聞くと獏良が頷いた。


ドン・サウザンド:「それだけではない」
話しが聞こえていたのかドン・サウザンドはそう言った。

ドン・サウザンド:「我は、バリアン8人衆それぞれに我の力の一部を開け与えていた。お前たちも見ただろう。我の力を使用し変貌した奴らを」
自分たちが戦ってきたバリアン8人衆は、ドン・サウザンドの力を解放したとき、まるで別人のように力も、中には性格が変わっていたものたちもいた。

ドン・サウザンド:「奴らに与えた力と我は一心同体。奴らが流した血は、我へと伝達し、この血のデスリングへと吸収される」

色葉:「何ですって…!」

明日香:「自分の部下たちを利用して、自分の力にしていたというの」

ナポレオン:「なんて卑劣な奴でアール!」
ドン・サウザンドがやっていたことに激怒するナポレオンたちであった。

だが、ドン・サウザンドにとって、こんなことは何とも思わなかった。

ドン・サウザンド:「奴らは、我に取ってただの人形。我のために、死力を尽くしてくれればそれでいい」

キャッシー:「やっぱ、あいつ最低な奴ニャ!」

等々力:「とどのつまり、自分勝手ということですね!」
ドン・サウザンドの言葉を聞くだけで怒りが込め上がってくるキャットちゃんたち。


Ⅴ:「くっ!デスリングの力を、ここで使うとはな」
Ⅴがセカンドステージ状態のスペース・レイピアザーを構える。


対するドン・サウザンドは、血のデスリングについているルビーから赤いオーラが放出され、それを身に纏う。


仕掛けてくると思ったのか、Ⅴは警戒心を強める。


しかし、一瞬の瞬きが命取りとなった。

その一瞬で、ドン・サウザンドはⅤの頭上にいた。

Ⅴ:「なにっ!」

ドン・サウザンド:「血のデスリングの力で、我は更なる力を手にした。もう我を止められる者はいない!」
ドン・サウザンドが、その拳でスペース・レイピアザーを粉砕し、Ⅴを殴り飛ばした。

Ⅳ:「アニキ!」

Ⅲ:「兄さん!」
吹き飛ばされた兄を見て、ⅣとⅢがヌメロン・ネットワークの力を遮断している結界から出ようとする。


闇川:「待て!この結界から出るのは危険だ!」

Ⅲ:「けど、Ⅴ兄さんが!」

Ⅳ:「くそっ!ヌメロン・ネットワークさえなければ!」
ヌメロン・ネットワークの所為で、エースのマークを持たない自分たちは動きが封じられる。

こちらは何もできず、ただ見ていることしかできなかった。



Ⅴ:「くっ」
Ⅴがやられ、ドルべもやられ、エースのマークを持つ5人がやられてしまった。


ドン・サウザンド:「エースのマークを持っていたところで、お前たちが人間だということに変わりはない。間もなく人間世界は滅びる。それまで、貴様らは、ここで―」
ドン・サウザンドが、話しをしていると、背後から迫る気配に気づき、ドン・サウザンドは振り向いた。

迫る拳でドン・サウザンドは右手で受け止めた。


鮫のように鋭い目が、ドン・サウザンドを見つめる。


凌牙:「間もなく人間世界を滅ぼす?そんなこと、俺たちがぜってーにさせねえ!」

ドン・サウザンド:「神代凌牙…」
自分に拳をぶつけてきたは、元バリアン七皇のリーダーであった凌牙だった。


Ⅳ:「凌牙!」
新たな味方の増援に、みんなが驚く。

凌牙の右手の甲に浮かび上がるNo.3のエースのマークが強く輝く。

ドン・サウザンド:「貴様も同じだ。やる気はあるかもしれないが、今の我にその拳は届かない」
ドン・サウザンドはそう言って、もう片方の手に持つイマジナリー・ヌメロニアを振り上げる。


凌牙:『そう時間は稼げないぞ』
凌牙はそう呟き、振り下ろされたイマジナリー・ヌメロニアを躱した。


凌牙:「ナハト・メーア!」
ブラックランサーに闇属性は波動を流し込み、地を走る斬撃を繰り出す。

無論、ドン・サウザンドはそれをいとも簡単に消し飛ばした。

ドン・サウザンド:「無意味だな」

凌牙:「…」
凌牙は冷静になって、ドン・サウザンドをどうやって相手をするか考える。





凌牙がドン・サウザンドと戦っている中、凌牙と共に行動していた仲間たちが到着する。

本田:「おお、城之内!無事みたいだな!」

城之内:「本田…!お前、ヌメロン・ネットワークの力を身体に受けてねえのか?」

本田:「今はな」

杏子:「小鳥ちゃんのエースのマークの力が、私たちを守っているのよ」
杏子の隣にいる小鳥はNo.2のエースのマークの力を使ってバリアを展開し、みんなを守っていた。

よく見ると、凌牙や小鳥たちと共に行動していた者達だけでなく、遊馬と共に行動していたはずの一馬や鉄男たちもいた。更には海馬の姿もあった。

葵:「もっとも、このバリアから抜けちゃったら、ヌメロン・ネットワークの力を身体に受けちゃうから行動は制限されるけど」
葵がそう言うと、フェイカーやトロンたちが前に出てくる。



カイト:「父さん…」
ダメージを受けているカイトが父であるフェイカーがいることに気付く。

フェイカー:「カイト…!大丈夫なのか・」
フェイカーはダメージを受けて座り込むカイトを見て少し驚いた。

カイト:「あぁ、それより父さんがいるということは…」
カイトがそう言うと、フェイカーは軽く頷いた。


トロン:「今、彼がヌメロン・ネットワークを破壊するために動いている。それまでは辛抱するしかない」
ドン・サウザンドと戦う凌牙を見るトロン。


そして、小鳥たちの影に隠れていたシンディが前に出て、みんなに顔を見せる。


アリト:「お前は確か、バリアン8人衆の1人の!」

ギラグ:「どういうことだ?なぜ、こいつがここにいる」
敵のはずであるシンディがいることに疑問を抱くギラグがシンディを怖い目で見る。

敵だったんだ。何も知らない人達から見れば、そんな目になることはシンディも分かっていた。


しかし、そんな視線を浴びるシンディの前に小鳥が立つ。

小鳥:「みんな、やめて」

シンディ:「小鳥…」

小鳥:「ここにいるシンディは、もう敵じゃない。シンディも人間の心を取り戻し、私たちと一緒にドン・サウザンドを止めに来たのよ」
小鳥がシンディが敵じゃないことを、みんなに教える。


だが、小鳥だけの言葉では信用できない者たちもいた。


タカ:「信用できるのか?何があったのか知らないが、そいつはバリアンであることに変わりはないぞ」

ブリッツ:「もし俺たちを騙す罠だったら―」
タカとブリッツはシンディが、自分たちを騙しているじゃないかと疑う。


璃緒:「その心配はありませんわ」
小鳥の次は璃緒がシンディの前に立つ。

璃緒:「シンディはもうドン・サウザンドの力から解放されている。それに、ドン・サウザンドからも縁が切られています」

結衣:「だから、小鳥は彼女の言葉を信じて、仲間に入れたのよ」

慎也:「遊馬も凌牙も、既に了承している。問題はない」
どうやら、凌牙や小鳥、遊馬達と共に行動していた者達は、シンディを仲間として受け入れたのだろう。


哲平:「わかった。そっちがそういうなら、俺は何も言わない。遊馬も凌牙も、彼女を受け入れたのなら、尚更な」

レミ:「それに、今はこんなことで揉めている暇はないみたいよ」
レミが結界の外でドン・サウザンドと戦う凌牙を見る。



ブラックランサーとイマジナリー・ヌメロニアが交差し、火花を散らす。


ドン・サウザンド:「バリアンの力を失った貴様が、我の前に再び現れることになるとは。少し前までは思ってもいなかったぞ」

凌牙:「それは、こっちのセリフだ。お前の顔など二度と見たくはなかったが、こうやって会えたのも何かの縁だ。お前は俺たちが倒す。絶対にな」

ドン・サウザンド:「神である我を倒すか。叶わぬことを簡単に口にするものではない。貴様に我を倒すことなど、不可能!」
ドン・サウザンドは凌牙を蹴り飛ばし、セカンドステージ状態のイマジナリー・ヌメロニアを思いっきり振る。

ドン・サウザンド:「ブラッド・サングエ・ヌメロン!」
ドン・サウザンドが身に付けている血のデスリングが輝き、イマジナリー・ヌメロニアに刻印が刻まれ、特大の斬撃を放つ。

見たらわかる。これを受けたら一溜まりもない。

凌牙は、咄嗟にしゃがみ込み、ドン・サウザンドが放った攻撃を躱す。


ドン・サウザンド:「ほい、今の攻撃を躱すとはな。対したものだ。だが、どこまで躱せ続けることができる!」
そう言って、ドン・サウザンドは再びブラッド・サングエ・ヌメロンを凌牙に向けて放つ。

しかも連続で、その攻撃を放ち、凌牙を襲う。


凌牙も躱しているが、ずっと躱し続けられるものではない。それは、凌牙が一番わかっていた。

剣山:「あのままじゃ、危ないザウルス!」


Ⅳ:「逃げろ!凌牙!」
Ⅳたちが凌牙の危機に目を丸くする。


ドン・サウザンドの攻撃を躱し続ける凌牙だったが、遂に足を滑らせてしまい、倒れてしまった。

チャンスとばかりに、ドン・サウザンドは凌牙に向かって攻撃を放った。

凌牙:「しまった!」

ドン・サウザンド:「これで終わりだ!」
ドン・サウザンドの攻撃が凌牙に迫る。


璃緒:「凌牙ーー!」
兄の危機に妹は叫んだ。


???:「イージスの絶対防御!」
凌牙の周りにバリアが張られ、ドン・サウザンドの攻撃を防ぎ切った。


ドン・サウザンド:「我の攻撃を…」
自分の攻撃が止められたことに少しだけ驚くドン・サウザンド。

誰が止めたのは、明白だった。


凌牙:「遅かったじゃねえか、遊馬」
凌牙の前に立っていたのは、No.1のエースのマークを輝かせ、バリアを展開する遊馬だった。


遊馬:「すまねえ、少しだけ力を溜めるのに、時間がかかっちまった」
遊馬は謝るなり、展開していたバリアを消す。





未来:「遊馬!」


一馬:「やっと来たか」
遊馬が姿を現したことに、遊馬の両親2人は笑顔を見せる。


ドン・サウザンド:「九十九遊馬。ついに来たか。我と決着を付けるために」
さっきまで人を見下すような目をしていたドン・サウザンドだったが、遊馬が現れた、その目つきは一変する。


その目は、手加減なしに叩きのめそうとする目だ。


遊馬はドン・サウザンドを倒した男。そして、アストラル世界の力とバリアン世界の力の2つを持っている油断できない相手でもある。



凌牙:「やれるのか?遊馬」

遊馬:「あぁ、後はみんなで力を合わせるだけだ」
遊馬はエースのマークが浮かび上がる右拳を握る。



ドン・サウザンド:「九十九遊馬、遂に決着の時だ。この戦いに勝ったものが、真の世界を手に入れることができる。我と汝の戦いを止めることはできないぞ」
ドン・サウザンドはイマジナリー・ヌメロニアを思いっきり振り、その威圧で遊馬を脅す。

しかし、遊馬はそれに動じていなかった。


アストラル:『流石、ドン・サウザンドと言っておくべきか。凄まじい殺気だ』

エリファス:『しかし、初めて体感するものではないだろう』

遊馬:「あぁ、昔と変わらねえぜ」
遊馬は少し笑って言った。


ドン・サウザンド:「行くぞ、九十九遊馬」

遊馬:「待てよ。戦うのはいいが、その前にお前の戦いを有利にしている、このヌメロン・ネットワークを消すのが先だ」

ドン・サウザンド:「何…?」

遊馬は右拳を挙げて、No.1のエースのマークを思いっきり輝かせる。

その眩しい輝きは、目を瞑るほどのものだった。



遊馬:「シャーク!小鳥!」


小鳥:「うん!」
小鳥は右手を突き出し、No.2のエースのマークを輝かせ、力を解放する。


凌牙:「エースのマークの力を一つにするんだ!」
凌牙がそう言うと、カイトが持つNo.4、ⅤのNo.5、アンナのNo.6、ドルべのNo.7、ゴーシュのNo.8のエースのマークが遊馬の輝きに共鳴するかのように輝く。


Ⅴ:「これは…!」

ドルべ:「遊馬に、エースのマークが共鳴している…!」
エースのマークの輝きは、遊馬のエースのマークへ伝達されていく。

ヨハン:「8つエースのマークが1つの力となっている…」

オブライエン:「一体、何をするつもりだ!?」
これから、遊馬が何をするのか味方にもわからない。



ドン・サウザンド:「九十九遊馬!貴様!」


遊馬:「見せてやるよ!ドン・サウザンド!俺たち人間の絆の力を!お前の力より強いってことをな!」
遊馬の右手が7色に輝き、頭上に8つのエースのマークの紋章が浮かび上がり、1つになる。

アストラル:『今だ!遊馬!』

遊馬:「おう!」
頭上に浮かび上がる巨大なエースのマークが、遊馬の右手に吸収される。


遊馬:「エンブレム・ブラストォォォ!!!」
遊馬は右拳を、ヌメロン・ネットワークが展開されている地面に思いっきり叩き付ける。

遊馬が殴りつけた場所から少しだが地割れが発生する。


ドン・サウザンド:「そんな拳で、我がヌメロン・ネットワークが破壊されると思って―」
ドン・サウザンドが話していると、辺りのヌメロン・ネットワークに亀裂が走り、所々が崩れていく。


ドン・サウザンド:「何…!?」
辺りのヌメロン・ネットワークが崩れていき、元通りの風景が少しずつ見えてくる。



小鳥が張った結界と、剣代たち兄妹が張った結界が同時に解かれ、みんなは身体が自由に動けるのか確かめる。


シェリー:「問題ないみたいね」

吹雪:「ちゃんと動けるね」

ベクター:「これで思う存分やれるってもんだ」
みんながドン・サウザンドを見る。



ドン・サウザンド:「遊馬、貴様、よくもヌメロン・ネットワークを…」


遊馬:「まずは第1の扉を破壊させてもらったぜ、ドン・サウザンド」
遊馬は「やってやったぜ」と言わんばかりの顔で、ドン・サウザンドを見た。


ヌメロン・ネットワーク消失!!!





第11ED『切望のフリージア《DaizyStripper》』





次回予告

ナレーション:ヌメロン・ネットワークを破壊することに成功した遊馬。

しかし、これはまだ最終決戦の前段階に過ぎない。

本当の決着は、これから始まる!

ああ、世界を命運をかけ、遊馬と凌牙が、神であるドン・サウザンドとデュエルをする!


遊馬:次回、遊戯王5DXAL「混沌の決戦!遊馬&凌牙VSドン・サウザンド」


遊馬:「ドン・サウザンド!お前を再び、葬ってやる!」







遊戯王5DXAL豆知識コーナー!!


遊馬:「次回は、遂にドン・サウザンドとの決戦が始まる。シャークと一緒に、あいつを再び倒してやるぜ!」
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