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第174話:『海馬登場!ブルーアイズ・エクステンダー!』







一台のバイク、いやDホイールが遺跡地帯を駆る。


そのDホイールの正面には、最強のドラゴンであるブルーアイズ・ホワイト・ドラゴンの顔が象られていた。


ブルーアイズを持つ人間は、この世でたった一人しかいない。

海馬コーポレーション社長にして、あのキング・オブ・デュエリストの永遠のライバルと歴史には刻まれているレジェンド・デュエリスト…。



海馬:「…」
バイザーで隠れて見えないが、それでもその眼差しを見れば、一瞬で戦慄するであろう。


海馬瀬人…。新たな力を、披露するときが来た。






第10OP『鏡のデュアル・イズム《petit milady》』








第174話:『海馬登場!ブルーアイズ・エクステンダー!』







アストラル:『速攻魔法”アストラル・エクシーズ・デストロイ”を発動!このターン、相手のエクシーズモンスターを戦闘で3体以上破壊したときに発動可能!墓地のアストラルモンスターを全て除外し、除外したモンスター1枚に付き300ポイントのダメージを与える!』

黒い影:『墓地のアストラルモンスターの数だと…!』

アストラル:『私の墓地には、アストラル・マジシャン、ゴーレム、ナイトの計3体が存在する。よって、アストラルモンスター3体を除外!合計900ダメージをお前に与える!』
アストラルが黒い影に向かって指を差し、そう宣言する。

黒い影:『なっ!』

アストラルのフィールドにアストラルモンスター3体の幻影が現れ、そして、その魂が黒い影を襲う。


黒い影:『……』


黒い影
LP900→0


黒い影は、眩しい光に包まれる。




そして、爆発音が鳴り、爆風を起こす。



明里:「やったの?」
爆風に耐えながらも、アストラルの勝利を確認しようとする明里たち。

煙の所為で、しばらく状況が見えなかったが、少しずつ煙が消え、アストラルが立っていることを確認する。


遊馬:「アストラル…!」

エリファス:『どうやら、アストラルの勝利のようだな』

鉄男:「よっしゃー!」
アストラルの勝利に喜ぶ鉄男がガッツポーズをした。


アストラル:『私の勝ちだ。ドン・サウザンドの影、そして我が記憶に残った悪夢よ』
アストラルが、遊馬達の方へ向かう。

もう私の前に敵はいなくなった…。アストラルはそう思った。

黒い影:『勝利を確信し、我に背を向けるか』

アストラル:『!』
アストラルは後ろから聞こえた声に反応し振り向いた。


煙の中から現れたのは、黒いアストラルではなく、それに化ける前のドン・サウザンドの姿だった。

デュエルに負けたことで、消滅仕掛けているのが誰が見てもわかる。

だが、奴の目は死んでなどいなかった。


トロン:「ドン・サウザンド…!」

フェイカー:「影とはいえ、まだ倒れぬか!」
トロンやフェイカーたちが警戒する。


遊馬は急いで、アストラルの隣に立ち、銃モードのナディエージダを構える。

妙な動きを見せれば、いつでも撃てる状態だ。


ドン・サウザンドの影:『アストラル、なぜ貴様は九十九遊馬に着く?そいつが、これから何をするのかわかっているはずだ』
ドン・サウザンドの影にそう言われてアストラルは遊馬を少し見る。


アストラル:『私は、遊馬がいるからここにいられる。彼が、選ぶ道を無理に止めるつもりはない。それが、危険なことであっても』
アストラルは自分が思っていることを、ドン・サウザンドの影にはっきりと言った。


ドン・サウザンドの影:『わからんな、人間もアストラル界の住民も…。我には、お前たちの気持ちが理解できぬ。まあ、そんなことはどうでもいい。我の本体は、カイゼル・サウザンドの力を与えているため、我が影は、これが最後だ。その最後の影から貴様らにお土産を送るとしよう』
ドン・サウザンドの影の身体が消えかけたかと思ったら、突然ブラックホールのような渦を作り出した。

遊馬:「なんだ…!」

アストラル:『ドン・サウザンド…!何をするつもりだ!』

ドン・サウザンドの影:『懐かしい友達に合わせてやろうと思ってな。もっとも、お前たちの仲間に一度やられて、機嫌を悪くしているがな。ハハハハハ!』
目の前のブラックホールが突然、爆発を引き起こした。


爆風に耐える遊馬達。






その頃、その爆風を聞いた者が近くにいた。


Dホイールを駆る海馬瀬人だ。

海馬は、爆発がした方へと走る。








爆発に巻き込まれた遊馬達。


爆風に耐え、目の前から人の気配を感じ、警戒する。



???:「見覚えのある顔がいるな」

???:「マジかよ」

???:「すげえ腹が立つって蚊!」
爆風の中から聞こえてくる昔聞いたことのあるような声。

その正体を見て、遊馬とアストラルは驚いた。


アストラル:『お前たちは…!』

遊馬:「ハートランドと同じ、闇デュエル界の四悪人!」
そう、遊馬達の前に現れたのは、蝉丸、クラゲ先輩、蚊忍者だった。

しかも、既に変貌している状態だった。



フェイカー:「あれがハートランドが私に仕える前に組んでいたと言われていた奴か」

羽蛾:「おいおい、どう見ても人間じゃねえだろ!」
奴らの姿を見て、羽蛾はツッコミを入れる。


すると、消滅したはずのドン・サウザンドの影の幻影が、3人の背後に現れる。


ドン・サウザンドの影:『こいつらは、先ほどお前たちの仲間にやられたようだが、我が復活させた。更なる力を与えてな』

遊馬:「更なる力…?」

ドン・サウザンドの影:『さあ行け。お前たちの新たな力で奴らを倒せ』
ドン・サウザンドの影は、最後にそう言って消えた。


遊馬:「待て!」
消えて行くドン・サウザンドの影を捕えようとする遊馬だが…。


クラゲ先輩:「先輩を無視すんじゃねえよ!」
クラゲ先輩が背中からクラゲの足を数本だし、そこから毒針を遊馬に向けて飛ばした。

遊馬は当たらないように、その毒針を躱した。


遊馬:「くっ」


蝉丸:「俺たちは、今機嫌が悪いんだ。お前たちの仲間に倒されてな」

クラゲ先輩:「ホント、今の人間共は先輩を立てることをしらねえ奴ばかりだ」
蝉丸、クラゲ先輩、蚊忍者は遊馬の顔を見る。


蚊忍者:「お前の顔を見ていると、無性に腹が立つって蚊!」
蚊忍者の怒りは頂点に達しているようだ。


しかも、遊馬を見た所為で…。


遊馬:「人を見るなり、イラつくって、どれだけ短気だよ」
遊馬は呆れたような感じで呟く。

蝉丸:「誰の所為だと思っているんだ!」

蚊忍者:「容赦なく行くって蚊!」
蝉丸、クラゲ先輩、蚊忍者は、それぞれ1枚のカードを手に取り、殺気を放つ。


その殺気を感じただけでわかった。奴らが手に持ったカードが、偽りのナンバーズであることに…。

遊馬:「蚊忍者とクラゲ先輩の戦術は、昔シャークとカイトから聞いている」

アストラル:『やるのか?だが、時間はあまりないぞ』

遊馬:「あいつを倒さない限り、ここは通れそうにないし、それに時間をかけるつもりはないぜ」
遊馬は前に出て、闇デュエル界の四悪人の3人と戦うことを決意する。


クラゲ先輩:「てめえの、その顔、すぐに捻りつぶしてくれる!」

蚊忍者:「捻りつぶすのは、僕の役目って蚊!」

蝉丸:「ドン・サウザンドのため、貴様をここで亡き者にしてやるぜ!九十九遊馬!」
3人の殺気が更に遊馬に放たれる。


すると、どこか遠い場所から妙な音が聞こえた。


遊馬:「?」

羅夢:「何だ?何の音だ?」
みんなも、その妙な音に動揺する。

耳を澄ませると、この音が何なのか段々わかってきた。

明里:「この音、もしかして…」

一馬:「バイクのエンジン音か?」
確かに、この爆音はバイクのエンジン音によく似ている。

しかし、ここはカイゼル・サウザンド内部。バイクなんて持ち運んだ仲間なんていないはずだ。



蝉丸:「一体、何なんだよ!」
爆音に腹が立ってきたのか、蝉丸が大声で怒鳴る。


すると、一台のバイクが遊馬の前に現れる停車する。


双六:「ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン…!」
バイクの正面にはブルーアイズ・ホワイト・ドラゴンの顔が象られている。

最初見た時、一瞬、本物のブルーアイズ・ホワイト・ドラゴンだと動揺してしまったぐらいに、完成度がすごかった。


そのバイクに乗っていた男がヘルメットを取る。


遊馬:「あ、あなたは…!」

レベッカ:「しゃ、社長!!?」
誰もが驚いた。


海馬瀬人が、ヘルメットを取り外し素顔を見せる。


蝉丸:「海馬瀬人?海馬コーポレーションの社長で、伝説のデュエリストの1人か」
蝉丸は海馬のことを初めて見るが、やはり伝説を歴史に刻んだ男。蝉丸でさえ、海馬のことをているようだ。


カーリー:「あれって、Dホイール?」

ボマー:「おそらく。ブルーアイズの顔がフロントにあるということは、あの方専用のものでしょう」

双六:「最近、見ないと思ったら、あんなものを…」
呆れたような感じで双六は言った。



クラゲ先輩:「そこをどけ!お前に用はない!」
クラゲ先輩が海馬を邪魔扱いした。

海馬:「この俺に目を向けないとはな。なら、丁度いい」

蚊忍者:「何だと?」

海馬:「このDホイールの試運転に付き合ってもらうぞ」

蝉丸:「何だと?」

海馬:「試運転に付き合ってもらうと言ったんだ。ありがたく思え。貴様らは俺が目指す新たなデュエルを導き出すための実験台になれるんだからな」
海馬はそう言って、ヘルメットをかぶり、Dホイールのエンジンを付け、爆音を鳴り響かせる。


海馬:「ブルーアイズ・エクステンダー、お前のスピード、ここで試させてもらうぞ」
海馬はDホイールもといブルーアイズ・エクステンダーを発信させた。


この辺りを、走行する海馬。

蝉丸、クラゲ先輩、蚊忍者は少し高いところに上り、海馬を目で追う。





蝉丸:「俺たちの邪魔をするなら、まずは貴様から葬ってくれる!」

クラゲ先輩:「社長か何だか、知らねえが、お前も俺より年下だろう?先輩に楯突くんじゃねえよ!」

蚊忍者:「すぐに刺してやるって蚊!」
3人はデュエルができる状態になる。



海馬:「行くぞ、雑魚共。デュエル!!!」





全プレイヤー
LP4000





勝手に話が進み、勝手に敵が海馬を追い、遊馬自身が物凄く無視されたような気がした。


遊馬:「何だったんだ?」
キョトンとする遊馬。

鮫島:「そういえば、ここに潜入するとき、海馬社長はいなかったですね」

アーサー:「会社の方が忙しいという話しは聞いていたんだが、まさかそれがDホイールを作ることだったとは…」

レベッカ:「わがまま開発も、ほどほどにしてほしいものだわ」
レベッカも呆れたような感じで言った。


フェイカー:「それよりもいいのか?このまま続けて」

レベッカ:「まあ、あの男なら大丈夫でしょう。デュエルの腕前は、誰もが認めるものだからね」
海馬のデュエルの腕前は誰もが知っている。

だからこそ、伝説のデュエリストの1人として歴史に君臨しているのだ。



ブルーアイズ・エクステンダーを駆る海馬は、目の前に出てきた柱をコーナーにして大きく曲がった。


海馬:『特に問題はないようだな』
海馬はスロットを回し、スピードを上げる。






1ターン


海馬:「俺の先行!ドロー!」
海馬はデッキからカードをドローした。

海馬:「まずはこいつだ!”正義の味方カイバーマン”!」
ブルーアイズの頭部を象るマスクをつけ、若い頃の海馬が着用していた服装と似たものを着用した戦士が堂々とした姿で現れる。


正義の味方カイバーマン
レベル3 攻撃力200


蚊忍者:「攻撃力たったの200って蚊!」

蝉丸:「笑えるぜ!正義の味方が、そんな攻撃力じゃ、苦労ないぜ!」

クラゲ先輩:「もう何もしなくていいぜ!先輩である俺が、すぐに壊してやるからな!ハハハハハ!」
3人は海馬が召喚したカイバーマンを侮辱する。


海馬:「お前たち、今笑ったことを後悔することになるぞ」
海馬は怖い目で3人を見つめる。

その目つきに流石の3人も動揺した。

海馬:「カイバーマンの効果発動!このカードをリリースし、手札から”青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)”1体を特殊召喚する!」
手札にあるカード1枚を上に掲げ、そのカードは輝きを放つ。

クラゲ先輩:「ブルーアイズだと…!」


海馬:「カイバーマンよ!その身を挺して、最強の龍を呼び起こせ!」

カイバーマン:『うおおおおおお!』
カイバーマンは雄叫びを上げ、自身から光の柱を天に差し、そこから最強の龍が現れる。


海馬:「いでよ!ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン!!」
白き最強の龍、ここに降臨!


ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン
レベル8 攻撃力3000


蚊忍者:「いきなり、エースの登場って蚊!」

蝉丸:「ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン…!海馬瀬人が持つ最強の龍!」
ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴンの登場に、蝉丸たちは驚きを隠せなかった。


そして、それは味方陣もそうだった。


鉄男:「ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン…」
目をキラキラさせる鉄男。

大好きなブルーアイズ・ホワイト・ドラゴンが目の前にいるのだ。当然、こうなる。


双六:「海馬は初手からブルーアイズ・ホワイト・ドラゴンを出してきたか」

アーサー:「手加減なしということか」

レベッカ:「当たり前よ。てか、社長に手加減って文字はないわ」
海馬のことをよく知るレベッカたちがそう言う。




海馬:「カードを2枚セットし、ターン終了だ」
海馬のターンが終了した。



クラゲ先輩:「攻撃力3000のモンスターを、1ターン目から召喚するなんざ、後輩が許されることじゃねえんだよ」

蝉丸:「すぐに粉砕してくれる。俺たちの新たな力でな」
蝉丸はブルーアイズ・ホワイト・ドラゴンをすぐに倒すと宣言する。


海馬:「できるのか?お前たちに」

蝉丸:「何…?」

海馬:「本当に、お前たちにできるのか?我が最強の龍を倒すことが」
落ち着いた表情で、海馬は呟く。


その態度に、蝉丸たちは腹が立ってきた。

蝉丸:「その余裕の態度が、自分を苦しめることになる!それを後悔させてやる!」
蝉丸の目が一瞬輝いた。





2ターン
全プレイヤー
LP4000


蝉丸:「俺のターン!」
蝉丸はデッキからカードをドローする。

蝉丸:「見よ!これが俺の新たな力!”RUM(ランク・アップ・マジック)-フォースイヴリ・カオス”を発動!」
蝉丸が発動したカードはランクアップマジックだった。



アストラル:『ランクアップマジックだと…!』

遊馬:「あれが、奴らの新たな力ってやつか…!」

エリファス:『だが、奴のフィールドにランクアップさせるエクシーズモンスターはいない。となると…』
ランクアップ使いのエリファスは、奴がやろうとしていることが手に取るようにわかってしまった。

蝉丸:「俺はライフを1000ポイント払うことで、エクストラデッキに存在するエクシーズモンスター1体を選択し、選択したモンスターと同じ種族でレベルが1つ上のエクシーズモンスターを特殊召喚し、このカードと選択したモンスターを、特殊召喚したエクシーズモンスターのオーバーレイユニットにする!」
蝉丸の頭上に1枚のカードが現れた。それは偽りのナンバーズ”No.3地獄蝉王ローカスト・キング”だった。

蝉丸
LP4000→3000


蝉丸:「俺が選択するのは”No.3地獄蝉王ローカスト・キング”!このカードと、ランクアップマジックを素材にオーバーレイ!!カオス・エクシーズ・チェンジ!」
フィールド頭上に黒い次元の渦が現れ、そこからモンスターが現れる。

蝉丸:「現れろ!CNo(カオスナンバーズ)3!地獄の凱歌は、世界を制し、全てをコントロールする!”大地獄蝉神ローカスト・カオス”!」
白い羽に目のような模様があり、全身黒い身体の蝉が、蝉丸のフィールドに現れる。


CNo.3大地獄蝉神ローカスト・カオス
ランク4 攻撃力3200


蝉丸:「攻撃力3200!ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴンより攻撃力は増しているぞ!もっとも、全プレイヤーは、1ターン目は攻撃できない。俺はこれでターンエンドだ」
蝉丸のターンが終了した。






遊馬:「まさか、新たな力がランクアップマジックとはな。予想していなかったわけじゃないが、出してきたモンスターがブルーアイズを上回るとはな」

ボマー:「バトルロイヤル形式でよかった。バトルロイヤルルールでは、全プレイヤーは1ターン目攻撃することはできない」

カーリー:「けど、次のターンが回ってきたら、社長のブルーアイズは終わりよ」
カーリーたちは、少し動揺し始めた。


エリファス:『奴がランクアップマジックを発動したとなると、他の2人も』
エリファスが、次にターンを迎えるクラゲ先輩を見る。





3ターン
海馬
LP4000
蝉丸
LP3000
クラゲ先輩
LP4000
蚊忍者
LP4000



クラゲ先輩:「俺のターン!」
クラゲ先輩がデッキからカードをドローする。



クラゲ先輩:「先輩の力を見せてやるよ!じっとして見てろ!”RUM(ランク・アップ・マジック)-フォースイヴリ・カオス”を発動!」
蝉丸と同じランクアップマジックを発動したクラゲ先輩。

デュエルを見ていた遊馬は「やっぱり」と呟く。


クラゲ先輩:「ライフを1000ポイント払い、エクストラデッキに存在するエクシーズモンスター1体を選択し、選択したモンスターと同じ種族でレベルが1つ上のエクシーズモンスターを特殊召喚し、このカードと選択したモンスターを、特殊召喚したエクシーズモンスターのオーバーレイユニットにする!」
効果の説明している間に、クラゲ先輩の頭上に1枚のカードが現れ、それは”No.4猛毒刺胞ステルス・クラーゲン”だった。


クラゲ先輩
LP4000→3000


クラゲ先輩:「俺は”No.4猛毒刺胞ステルス・クラーゲン”とランクアップマジックでオーバーレイ!カオス・エクシーズ・チェンジ!」
フィールド頭上に次元の渦が現れ、新たなモンスターを呼び覚ます。

クラゲ先輩:「現れろ!CNo.4!なにものにも捉われない大先輩!混沌の力を手にし、全てを突き刺せ!”猛毒海王デス・ステルス・クラーゲン”!」
無数の足から毒液が流れ、足元は毒液で充満している。ステルス・クラーゲンの進化した姿は、衝撃が強い姿だった。


CNo.4猛毒海王デス・ステルス・クラーゲン
ランク5 攻撃力3900


クラゲ先輩:「俺はこれでターンエンド」
クラゲ先輩のターンが終了した。


その間に、海馬は目の前に現れた柱を再びコーナー代わりに曲がった。


クラゲ先輩は、これを見て自分が無視されているんじゃないかと思った。コーナーを曲がるということは、前を見ていたということになるからだ。


クラゲ先輩:「先輩を無視すんじゃねえよ!腹が立つぜ!」
クラゲ先輩は一発、海馬を怒鳴った。






4ターン
海馬
LP4000
蝉丸
LP3000
クラゲ先輩
LP3000
蚊忍者
LP4000


蚊忍者:「僕のターンって蚊!」
蚊忍者がデッキからカードをドローする。


蚊忍者:「”RUM(ランク・アップ・マジック)-フォースイヴリ・カオス”を発動!このカードは―」

海馬:「説明など不要だ。デュエルを続行しろ」
蚊忍者が効果テキストを言おうとしたが、3回も同じことを聞きたくなかったのか、不機嫌そうに海馬はそう言った。

蚊忍者:「ふん、自分勝手な奴だ。まあいい、お前はどうせ俺たちには勝てないって蚊!」
蚊忍者のライフが減少する。


蚊忍者
LP4000→3000



蚊忍者:「僕は”No.2蚊学忍者シャドー・モスキート”を選択し、カオス・エクシーズ・チェンジ!」
フィールド頭上に現れた次元の渦にシャドー・モスキートが吸い込まれ、新たな姿となって現れる。

蚊忍者:「現れろ!CNo.2!混沌の中を漂う暗黒の影!”蚊学忍者カオス・モスキート・キル”!!」
もはや蚊とは言えない生き物だ。黒い身体に4枚の羽根を素早く羽ばたかせるモンスターが蚊忍者のフィールドに現れる。


CNo.2蚊学忍者カオス・モスキート・キル
ランク3 攻撃力3100


蚊忍者:「僕はこれでターンエンド」
蚊忍者のターンが終了した。


蝉丸:「俺たちのフィールドには3000越えの攻撃力を持つカオスナンバーズが3体!」

クラゲ先輩:「次のターンから、俺たちのモンスターの餌食になる!」

蚊忍者:「そのときこそ、お前の終わりって蚊ぁ!」
3人を相手にしている海馬に取って、この状況は不利も同然だ。

だが、海馬の表情に変化はなかった。


海馬:「甘く見られたものだ。ブルーアイズに、そのようなモンスターで対抗されるとは…」
海馬は3体のモンスターを見て呆れたような言葉を口に出す。

蚊忍者:「何だと?」

海馬:「安心しろ。お前たちに、次のターンはない」

蝉丸:「この状況を打破するというのか!」

クラゲ先輩:「この状況で余裕物故いてんじゃねえぞ!」

海馬:「我が最強の龍は、お前たちのようなモンスターに屈するドラゴンではない!」



海馬の言葉に答えるかのようにブルーアイズが雄叫びを上げる。

その雄叫びは、蝉丸たちを動揺させた。



レベッカ:「社長の闘志に、奴らビビってるわね」

羽蛾:「海馬瀬人、相変わらず化け物だぜ」
海馬のことをよく知るレベッカたちが呟く。





5ターン
海馬
LP4000
蝉丸
LP3000
クラゲ先輩
LP3000
蚊忍者
LP3000



海馬:「俺のターン!」
海馬がデッキからカードをドローする。

海馬は引いたカードを見て、笑みを浮かべ、ブルーアイズ・エクステンダーのスピードを上げる。

海馬:「喜べ!お前たちは、ブルーアイズの真の姿を見て敗北する!」

「「「何!?」」」

海馬:「リバースカードオープン!”ブルーアイズ・モーメント・フュージョン”!自分フィールド上にブルーアイズ・ホワイト・ドラゴンが存在するとき、フィールド上に存在するブルーアイズと手札またはデッキに存在するブルーアイズと名の付くモンスター任意を墓地へ送り、エクストラデッキからブルーアイズと名の付く融合モンスターを特殊召喚する!」
海馬のフィールドにいるブルーアイズの両隣に、新たなドラゴンが現れる。

それは紛れもなくブルーアイズ・ホワイト・ドラゴンだった。

海馬:「俺は3体のブルーアイズ・ホワイト・ドラゴンを融合!」
3体の白き竜が一つになる。


海馬:「進化した最強ドラゴンの姿、その目に焼き付けるがいい!」
ブルーアイズ・エクステンダーのスピードをさらに上げ、天空より新たな龍が降臨する。

海馬:「融合召喚!今こそ現れよ、”真青眼の究極龍(ネオ・ブルーアイズ・アルティメット・ドラゴン)”!!」
3体のブルーアイズが融合した最強を超える究極のドラゴンが現れた。


ネオ・ブルーアイズ・アルティメット・ドラゴン
レベル12 攻撃力4500


蝉丸:「攻撃力4500だと!!?」

海馬:「こんなもので驚くお前たちは、三流デュエリストだ。更に手札からトラップカード”白き竜の光の洗礼”を発動!」
海馬はデュエル上、普通出来ないことをやり始めた。


クラゲ先輩:「何!?」



竜崎:「手札からトラップ発動やと!」
流石の味方側も驚く。普通、手札からトラップカードは発動できないが、海馬はそれをやった。

つまり、何らかの条件を満たしたから、手札からトラップを発動できたのだ。その条件は、この後明らかになる―。


海馬:「このカードは、自分フィールド上に、ブルーアイズと名の付いた融合モンスターが特殊召喚されたとき、このカードは手札から発動可能!ライフを半分にすることで、エクストラデッキから”青眼の究極龍(ブルーアイズ・アルティメット・ドラゴン)”を特殊召喚する!」
ネオ・ブルーアイズ・アルティメット・ドラゴンが融合召喚に成功したため、手札からトラップカードを発動できたのだ。


海馬
LP4000→2000


そして、海馬の場にもう1体の究極のドラゴンが現れる。


ブルーアイズ・アルティメット・ドラゴン
レベル12 攻撃力4500


蚊忍者:「攻撃力4500のモンスターが2体だと…!」

クラゲ先輩:「後輩が調子に乗るんじゃねえぞ!」
クラゲ先輩が海馬に対して怒りをぶつけるが、海馬は聞く耳を持たずデュエルを続行した。


海馬:「リバースカード発動!”青き眼の軌跡”!このカードは、3つある効果の内、自分フィールド上に存在するブルーアイズと名の付くモンスターの数だけ、効果を選択し発動する!俺のフィールドには、2体のブルーアイズが存在する!よって、1つ目と3つ目の効果を発動!」
海馬がそう言うと、2体のブルーアイズが雄叫びを上げる。


海馬:「1つ目の効果は、エンドフェイズまでブルーアイズと名の付くモンスター以外の効果は無効となる!お前たちの雑魚モンスターはただのモンスターとなってもらう!」
3体のカオス・ナンバーズの効果が無効となり、力を失う。


蝉丸:「くっ!」


海馬:「そして、3つ目の効果は、このターン、自分フィールド上に存在するブルーアイズと名の付くモンスター1体は、墓地に存在するブルーアイズの数だけ攻撃することができる!更に、自分フィールド上に存在するブルーアイズと名の付くモンスター1体を除外することで、除外したモンスターの攻撃力分、ブルーアイズと名の付くモンスター以外のモンスターの攻撃力がダウンする!俺の墓地には3体のブルーアイズが眠っている。よって3回の攻撃を、ネオ・ブルーアイズは可能とする!」
墓地に眠る3体のブルーアイズが、ネオ・ブルーアイズ・アルティメット・ドラゴンに力を与える。

海馬:「そして、フィールド上のブルーアイズ・アルティメット・ドラゴンを除外!アルティメット・ドラゴンの攻撃力は4500。よって、全てのカオス・ナンバーズの攻撃力は0となる!」
ブルーアイズ・アルティメット・ドラゴンがフィールドから消え、3体のカオスナンバーズの力を奪い取る。


CNo.3大地獄蝉神ローカスト・カオス
攻撃力3200→0


CNo.4猛毒海王デス・ステルス・クラーゲン
攻撃力3900→0


CNo.2蚊学忍者カオス・モスキート・キル
攻撃力3100→0


蝉丸:「バ、バカな!」

クラゲ先輩:「俺たちのモンスターの攻撃力が0になった上に…!」

蚊忍者:「攻撃力4500の3回攻撃だと…!」


海馬:「消え失せろ!雑魚共!ネオ・ブルーアイズ・アルティメット・ドラゴンの3回攻撃!!アルティメット・バァァスト!!」
ネオ・ブルーアイズ・アルティメット・ドラゴンの3つの顔がそれぞれ粒子を口に溜め、それを一気に解き放ち、カオスナンバーズを粉砕する。


蝉丸:「ぐわああああ!」


蝉丸
LP3000→0


クラゲ先輩:「ぎゃあああああ!」


クラゲ先輩
LP3000→0


蚊忍者:「カカァァ!!」


蚊忍者
LP3000→0


3人のライフが一気に0になった。



海馬:「最強のドラゴンに敵はいない」
海馬が最後にそう呟く。








第11ED『切望のフリージア《DaizyStripper》』







次回予告

ナレーション:ドン・サウザンドがいると思われるまで急ぐフロンティア一行。

そんな中、小鳥の目の前に再びバリアン8人衆の1人シンディが現れる!

しかし、シンディはあることを抱えてながら、小鳥との戦いに挑んでいた。

そして、2人の戦いを止めに来た意外な人物が、シンディを説得する。


小鳥:次回、遊戯王5DXAL「バリアンとしての迷い」


小鳥:「もうやめましょう、シンディ」




遊戯王5DXAL豆知識コーナー!!


海馬:「俺の新たな足となる”ブルーアイズ・エクステンダー”は、俺の設計の元、海馬コーポレーションが開発したDホイールだ。海馬コーポレーションは、これからも新たなデュエルの目指していくために動く!諸君も楽しみに待っていろ!アッハハハハ!」
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