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第172話:『友情の炎!赤いギャラクシーアイズ!』








左肩から血を流すカイト。

その血は、地面にポタポタと垂れ落ちる。


カイトは、左肩を押さえ、地面に跪いた。



そして、ネオ・ギャラクシーアイズ・フォトン・ドラゴンは、ネオ・ギャラクシーアイズ・ディマンシオン・ドラゴンの攻撃を諸に喰らい、そのまま倒れてしまう。


その姿は、まるで主人とやられるタイミングがリンクしたかのような光景だった。





スペンサー:「終わりだ、カイト。お前のギャラクシーアイズ使いの物語は…」
スペンサーはディマンシオン・ブレードを振りかざす。


スペンサー:「ここで終わりを告げる」
ディマンシオン・ブレードを振り下げ、カイトに再びディマンシオン・ブレードの刃が接近する。


ハルト:「兄さん!!」
兄のピンチに見ることしかできないハルトが兄の名前を大きな声で叫んだ。








新第10OP『鏡のデュアル・イズム《petit milady》』






第172話:『友情の炎!赤いギャラクシーアイズ!』







近くにいないはずの次男の声が聞こえたような感じがしたフェイカー。

不満な心を持ちながら、目的地の樹木へと走っていた。






同じく樹木へと走り続ける凌牙たち。


凌牙はエースのマークを通じて感じていた。

カイトがバリアンと戦っていることに…。




そして、それは遊馬も同じだった。


遊馬:『カイト…』
走りながらカイトの名前を呟く。




遊馬、凌牙:『『負けんじゃねえ』』
2人の心はリンクした。






そして、カイトの右手の甲にNo.3のエースのマークが浮かび上がり、カイトはギャラクシーサーベルで、ディマンシオン・ブレードを受け止める。


スペンサー:「フッ、まだ抵抗するか」
カイトの目はまだ死んでいなかった。


No.3のエースのマークが強い輝きを放ち、ギャラクシー・サーベルに力を与える。

カイト:「セカンドステージ」
カイトの周りから突風が発生し、スペンサーは後ろへと下がる。


カイトの手に持たれたのはセカンドステージしたギャラクシー・サーベル…。刃こそ、青龍刀と同じだが、武器全体の形状は矛のような長柄武器へとなった。




イシズ:「あれが、彼のセカンドステージ…」

マリク:「セカンドステージできたのか…」
カイトのギャラクシー・サーベルがセカンドステージした姿を今まで見たことがなかったマリクたち。

修行の時の様子でも、あのようなデュエルギアを見せていなかったので、少し驚いた。



カイトが再び立ち上がったと同時に、仲間たちが駆け付けてくれた。


ゴーシュ:「ハルト!」

ハルト:「ゴーシュ!」
駆け付けてくれたのは、ゴーシュやアンナたちだった。


アンナ:「ネオ・ギャラクシーアイズ・フォトン・ドラゴンが見えたからまさかと思ったが、やはりカイトか!」

哲平:「戦いの状況は…!」
カイトとスペンサーの戦いを見る哲平。


そして、ドロワはすぐにカイトを見て気付いた。

左肩に覆っているケガに…。


ドロワ:「カイト…」

ハルト:「兄さんなら大丈夫だよ」
心配そうな顔をするドロワに、ハルトが声をかけた。

ハルト:「少し焦ったけど、今の兄さんならきっと勝てる。だって、僕の兄さんで、ドロワの好きな人だから」
ハルトは笑顔でドロワにそう言った。

ドロワは少し気まずく、頬を赤くするが、「そうだな」とすぐに返事を返した。



更に、倒れていたネオ・ギャラクシーアイズ・フォトン・ドラゴンも立ち上がり、飛び上がる。


カイト:「お前もまだ行けるな?」
カイトの問いにネオ・ギャラクシーアイズ・フォトン・ドラゴンが雄叫びを上げる。






スペンサー:「立ち上がるなら、息の根を止めるまで!」
ディマンシオン・ブレードを持ち、カイトに迫ってくるスペンサーの殺気は、カイト自身も感じていた。


しかし、カイトは手に1枚のカードを持ち、そのカードを前に突き出す。


カイト「”フォトン・サーベルタイガー”!」
カイトの前に光子でできた虎が現れる。その虎には、雷のような模様が入っていた。


カイト:「限界勢力!フォトン・タイガープロテクト!」
フォトン・サーベルタイガーの力が、カイトの身体と1つにし、カイト自身の身体に電流が入り混じった光子が纏われる。



ラフェール:「限界勢力…!」

哲平:「限界勢力を身に付けるには、かなりの時間が必要になるが、カイトは、短期間の修行の中で、限界勢力を身に付けていたのか…!」
カイトが限界勢力の力を使えることを知らなかった哲平は、カイトの成長ぶりに驚いた。


スペンサー:「なら、限界勢力の力見せてみろ!」
光子を纏うカイトに急接近するスペンサー。


カイトは、セカンドステージしたギャラクシー・サーベルに、身体中に纏われた光子を伝達させ、デュエルギアを構える。


カイト:「はああ」
カイトは落ち着いた表情で、気迫を身体中に溜める。


カイト:「ライトニング・ティグリス!」
ギャラクシー・サーベルから光子で象った虎を解き放つ。

スペンサー:「ディマンシオン・スラッシュ!」
ディマンシオン・ブレードから斬撃を放つスペンサーだが、その斬撃は、カイトが解き放った光子の虎に打ち破られた。


スペンサー:「!」
驚いたのかスペンサーは、少し目を大きくする。

そして、カイトが放った光子の虎がスペンサーを襲う。



そして、上空で戦う2体の龍も、お互いに全力で粒子の光線を放ちぶつけ合う。


翔:「うわっ!」

ヴァロン:「なんて、威力のある攻撃だ!」

アメルダ:「あんな攻撃がぶつかり続ければ、この辺りにいたら危ないぞ!」
2体の竜の攻撃は、激しさを増すばかりであった。


あの2体の竜が攻撃をやめさせることができるのはただ一つ。カイトとスペンサーの決着が着いた時だけだ。



カイトの攻撃を喰らうスペンサー。


スペンサー:「やるな」

カイト:『今の攻撃で、まだ立っていられるか…』
カイトは傷ついたスペンサーの身体を見て呟く。


スペンサー:「お前が、それだけの力を解放するなら、俺もそれなりの力を解放させてもらう」
スペンサーがディマンシオン・ブレードを構え、一言呟いた。

スペンサー:「セカンドステージ」
その一言で、スペンサーの周りから突風が発生する。


カイトたちは、その突風に吹き飛ばされないように耐える。


カイト:「!」
スペンサーの方を見て、奴が持つデュエルギアにカイトは少し動揺してしまう。


先ほどまで青龍刀を持っていたはずだったが、今スペンサーが持っているのは、大剣の形状をしたデュエルギアだった。



スペンサー:「そんな顔をするな。たかが、大剣になっただけだ。もっともパワーは、先ほどよりも何倍にも増しているがな」
セカンドステージしたディマンシオン・ブレードを地面に向かって強く振り下ろしたスペンサー。


そこから地響きが発生し、カイトはすぐにその場から離れた。

スペンサー:「ここからは、ドン・サウザンド様からもらった力を使って、お前を叩きのめす!」
スペンサーから解き放たれる闇の力。


アンナとゴーシュは、この力に見覚えがあった。


アンナ:「この力は…!」

ゴーシュ:「あの時と同じだ…!」
そう、2人がそれぞれ戦ったバリアン、ブラナーとサリバンも同じ力を使っていたからだ。



カイト:『やはり、この感覚、ドン・サウザンド!』
カイトはすぐにスペンサーの周りに漂う力がドン・サウザンドのものだとすぐに気づいた。



スペンサーはセカンドステージしたディマンシオン・ブレードを上に突き上げる。

すると、スペンサーの頭上にブラックホールが現れる。


スペンサー:「ブラックホール・ギャラクシー!」
そのブラックホールからビームが解き放たれ、無差別に地上を襲う。


カイト:「くっ!」
カイトはNo.3のエースのマークの力を解放し、バリアを張って身を守る。



ジム:「マズい!」

ヨハン:「みんな!隠れろ!」
ヨハンの言う通りに、みんなは近くの立体物の後ろに隠れ、身を守る。


さっきまで立っていた場所には、スペンサーが解き放った攻撃が直撃している。



カイト:『広範囲の攻撃か…!』
カイトは、バリアを展開しながらスペンサーを見る。




スペンサー:「ンフフフ」
不気味な笑い声をするスペンサー。


あれはもう、1分前のスペンサーとは違う。

ドン・サウザンドの力に支配されたスペンサーだ。


スペンサーは、カイトに急接近する。

その速度は尋常ではなかった。

動きが全然目で追えない。


カイト:「っ!」
カイトはエースのマークの力で展開しているバリアに意識を集中する。


スペンサー:「そのようなバリア、一突きで十分だ」
ドン・サウザンドの力が刃に纏われるセカンドステージしたディマンシオン・ブレードを前に突き出す。


そして、カイトの周りに展開しているバリアがいとも簡単に砕け散った。


カイト:「何っ…!」
カイトにスペンサーの牙が迫ってくる。


ハルト:「兄さん!」

ドロワ:「カイト!」
カイトの危機に大きな声でカイトの名を叫ぶ弟と恋人。

カイトの耳に、2人の声は届いていた。


だからこそなのか…。普通なら死ぬ覚悟を決めるところだが、カイトは身体中に気を溜め始めた。


カイト:「はああああ!」
今のカイトは、限界勢力によってフォトン・サーベルタイガーの力を身に纏った”フォトン・タイガープロテクト”によって身体から光子を入り交えた電流を放出している。


カイトの声に反応しているかのように、放出している電流がチリチリと音を鳴らし、最終的には棘のように鋭い電流が、スペンサーに突き刺さろうとする。


スペンサーは刺さるわけにはいかないと言わんばかりに後ろへ下がる。


徳之助:「ほっ、なんとか攻撃を受けずに済んだウラ」

翔:「けど安心するのは早いよ」

ヨハン:「翔の言う通りだ。ドン・サウザンドの力を解放してから、確実にパワーが上がっている。エースのマークの力で作ったバリアもあんな簡単に壊されるとなると、もう防御はできない」
戦いを見て、そう実感したヨハンたち。


そして、実際にドン・サウザンドの力を使用したバリアンと戦ったゴーシュとアンナが、スペンサーを見て違和感を感じる。



ゴーシュ:「あのスペンサー、俺が戦ったサリバンってやつよりも力が増大している…!」

アンナ:「俺が戦ったブラナーよりもだ。強さこそ同じかと最初は思ったが、奴から感じる気迫が全然違う…!」
今のスペンサーに動揺を隠し切れないゴーシュとアンナ。

この強さは、本当にドン・サウザンドの力を解放しただけで出てくるものなのか…。

2人の頭の中は、それだけが全然離れなかった。



カイト:『ドン・サウザンドの力を解放してから、奴のパワーとスピードは桁違いに上がっている。バリアを張ったところで、すぐに打ち破られるだけだ。なら、正々堂々と倒れるまで攻撃を与え続けるだけだ』
カイトはセカンドステージしたギャラクシー・サーベルを構え、いつでも攻撃ができるように、そしていつでも攻撃を受け止められるようにする。


スペンサー:「真っ正面にやり合おうということか。ならば、最高の舞台にしよう。ネオ・ギャラクシーアイズ・ディマンシオン・ドラゴン!」
大きな翼を広げ、雄叫びを上げるネオ・ギャラクシーアイズ・ディマンシオン・ドラゴン。


カイト:「望むところだ!」
カイトの頭上にもネオ・ギャラクシーアイズ・フォトン・ドラゴンが羽ばたく。


スペンサー:「アルティメット・ディマンシオン・トルネェェド!!」


カイト:「アルティメット・フォトン・ストリィィーム!」
2体のドラゴンは、口から粒子を放出しぶつけ合う。


そして、カイトとスペンサーも再び剣を交える。


カイト:「くっ」

スペンサー:「もう俺を止められるのは誰もいない。味方にもな」
スペンサーの背中から黒い影が出てくる。

そして、その影は巨大な化け物を作り出し、その影の赤い目が、カイトを睨む。

カイト:「ドン・サウザンド…」

???:『天城カイト…。ヌメロン・コードを機能させる鍵を持つ男…』

カイト:「ヌメロン・コードを機能させる鍵…。ギャラクシーアイズのことか」

???:『貴様はもっとも邪魔な存在。だからこそ、同じギャラクシーアイズに選ばれたスペンサーをぶつけた。かつてのミザエルと同じように』

カイト:「ギャラクシーアイズでギャラクシーアイズを消すか…。面白いことを言うな。だが、どんなギャラクシーアイズをぶつけてこようが、俺は負けるつもりはない!俺のギャラクシーアイズ・フォトン・ドラゴンこそ、真のギャラクシーアイズだ!」

???:『その強気も、これまでだ。スペンサーはもはや、破壊の道具だ。そんなスペンサーを貴様は倒せるかな』
そう言って、黒い影はカイトの前から消えた。



スペンサー:「ドン・サウザンド様、この俺に力を!」
スペンサーがそう言うと、スペンサーの身体中に黒いオーラが纏われ、更にそのオーラはネオ・ギャラクシーアイズ・ディマンシオン・ドラゴンにも伝達した。





その直後に、ネオ・ギャラクシーアイズ・ディマンシオン・ドラゴンの力が上がり、口から放出している粒子の出力を上げ、ネオ・ギャラクシーアイズ・フォトン・ドラゴンを追い詰める。


六十郎:「おい、マズいぞ!」

闇川:「あのままでは、ネオ・ギャラクシーアイズが!」
ネオ・ギャラクシーアイズ・フォトン・ドラゴンのピンチに誰もが気付いた。

あのまま、追い詰められれば確実にやられる。


そして、カイトも…。


カイト:「っ!」

スペンサー:「諦めろ。貴様のギャラクシーアイズの力では、俺のギャラクシーアイズの力には勝てない」
スペンサーが、セカンドステージしたディマンシオン・ブレードの柄を強く握り占める。


カイト:「ギャラクシーアイズの力だと…?貴様が使っているのはドン・サウザンドの力だ。ギャラクシーアイズの力ではない」

スペンサー:「いや、ギャラクシーアイズの力だ。俺は、ギャラクシーアイズの力を最大限まで引き出して戦っている」

カイト:「なら、ドン・サウザンドの力がなくても俺に勝てるはずだ。それがなぜ、そんな力を使う?」

スペンサー:「更なる高みへと目指すためには、どうしてもドン・サウザンドの力が必要だ。ギャラクシーアイズの力が最強でも限界はある」
スペンサーは気付いているのだ。ギャラクシーアイズという力の限界を…。

それを超えるためには、新たな力が必要。だからこそ、ドン・サウザンドの力が必要だと…。スペンサーはずっとそう思っていた。


カイトとスペンサーが話している間に、ネオ・ギャラクシーアイズ・フォトン・ドラゴンが、やられそうになる。


カイト:「そうか。お前は知っているのかギャラクシーアイズの限界を…」
ボソッと呟くカイト。

その口振りからカイトもギャラクシーアイズの限界には気付いているようだ。


カイト:「だが、人間には新たな可能性を導き出す強さを持っている。その力があれば、ギャラクシーアイズも強くなれる!」
カイトの右手の甲のエースのマークが輝きを放つ。


スペンサー:「これは…」

カイト:「見せてやる。俺が導き出したギャラクシーアイズの新たな姿を!」
カイトがそう言うと、セカンドステージしたギャラクシー・サーベルの刃が赤く輝き、そして炎に包まれた。


オービタル:『オオ!コレハ!』

ミザエル:「ギャラクシー・サーベルの刃が炎に包まれたぞ!」
カイトが持つギャラクシー・サーベルが炎に包まれたことに驚くミザエルたち。



カイト:「フォトン・サラマンダー!」
一度、距離を取り、炎の斬撃を飛ばす。


その斬撃を、スペンサーは受け止めるが、予想以上のパワーに驚いていた。


スペンサー:「この斬撃はただの斬撃ではない…!」
スペンサーが受け止めている斬撃をよく見ると、斬撃の中に光の粒子が混ざっていた。


輝き方から、ギャラクシーアイズのものだと、スペンサーはすぐに見抜いた。


カイト:「ギャラクシーアイズ…、俺と共に!」
カイトはセカンドステージしたギャラクシー・サーベルを突き上げ、刃の先から炎を放出した。


その炎はネオ・ギャラクシーアイズ・フォトン・ドラゴンへと渡り、その炎の力を自分のものとした。


カイト:「ネオ・ギャラクシーアイズ・フォトン・ドラゴン-バーニングモード」
ネオ・ギャラクシーアイズ・フォトン・ドラゴンがカイトの炎を纏った姿。それが、バーニングモードである。

その姿になった瞬間、ネオ・ギャラクシーアイズ・ディマンシオン・ドラゴンの攻撃を弾き返す。



アメルダ:「あれは…」

ゴーシュ:「俺たちも知らない、ネオ・ギャラクシーアイズ・フォトン・ドラゴンの姿…」
見たことのないネオ・ギャラクシーアイズ・フォトン・ドラゴンの姿に、みんなは空いた口が塞がらなかった。


御伽:「しかし、彼が持つ属性の波動は”風”だったはずじゃ…」

哲平:「1人の人間が複数の属性波動を持つことは、そんなに珍しいことじゃない。ただ、取得するのに時間がかかるということだけだ」

三沢:「修行中で身に付けたのか?だが、修行もそこまで期間は長くなかったはずだ」
仲間たちの間で少しだけ騒然とする。


哲平:『カイトの体内に一番流れている属性波動は、風属性だと遊馬は言っていた。だから、風の属性波動を中心に修行をしたと聞いていたが、まさか自力で炎の属性波動も使えるように修行していたのか…』
少なからず、カイトの成長スピードは速いと、哲平は思った。



スペンサーは、受け止めていたカイトが放った炎の斬撃を打ち消す。

スペンサー:「ギャラクシーアイズに炎の力だと…」

カイト:「ギャラクシーアイズに訪れる限界。俺は、それをこの炎で超える!」
ギャラクシーアイズの限界を、カイトは自らの炎で超えると言うのだ。

それを聞いたスペンサーは、納得がいかなかったのか、怒りの表情を露にする。


スペンサー:「お前如きの炎が、ギャラクシーアイズの限界を超えるだと。そんなバカなことがあってなるものか。俺の、ドン・サウザンド様の力こそが、ギャラクシーアイズの力の新たな可能性を導き出す!」
あくまで自分の力が絶対だと言い張るスペンサーの身体は、ドン・サウザンドの力のオーラに纏われていた。




カイト:「所詮、他人の力を借りて、ギャラクシーアイズの力を上げているまでだ。自分の力を信用できないものにギャラクシーアイズは応えてくれない」
カイトはバーニングモードになったネオ・ギャラクシーアイズ・フォトン・ドラゴンを見つめる。


スペンサー:「くっ」

???:『奴を殺せ。スペンサー…。お前のギャラクシーアイズこそが、最強のドラゴンだ』
スペンサーの身体に眠るドン・サウザンドの力が、スペンサーの意志に関係なく放出され、スペンサーはネオ・ギャラクシーアイズ・ディマンシオン・ドラゴンのように、雄叫びを上げる。

スペンサー:「ありがたき力!これこそがギャラクシーアイズを真の頂点へ導く力!」
その姿はもう暴走しているようにしか見えなかった。

ネオ・ギャラクシーアイズ・ディマンシオン・ドラゴンも、主人に闇の力が与えられた影響か、闇の力を纏い、一部の身体が変貌し、目つきが変化する。


ヨハン:「闇の力が、あいつを、そしてモンスターを取り込んでいる…」

ゴーシュ:「奴は、他のバリアンの連中と違って、特別な力をドン・サウザンドからもらったようだな」

ドルべ:「ギャラクシーアイズの限界を超える。その思いが、スペンサー自身を蝕んでだ。もう奴を止めることができるのは…」

ハルト:「真のギャラクシーアイズ使いの兄さんだけ」
みんなが、真のギャラクシーアイズ使いであるカイトを信じる。

仲間として、そして友として…。その思いが伝わったのか、No.3エースのマークが強い輝きを放つ。


カイト:「行くぞ!ネオ・ギャラクシーアイズ・フォトン・ドラゴン!!」
身体中から炎を放出し、3つの口元に炎を溜める。

そして、それを一気には放ち、闇の力に取り込まれたネオ・ギャラクシーアイズ・ディマンシオン・ドラゴンにぶつけ、燃やし尽くす。


そして、カイトもまたセカンドステージしたギャラクシー・サーベルを突き上げる。


次の瞬間、刃から炎が放出し、長い炎の刃が空を突き刺す。


スペンサー:「ディマンシオン・ブレードで斬るまでだ!」
スペンサーがカイトに突っ込んでくる。


カイト:「終わりだ。スペンサー」
カイトが長い炎の刃となったギャラクシー・サーベルを振り下げる。

その技の名は―


カイト:「光子斬-炎昼!」
その刃はスペンサーを飲み込んだ。



スペンサー:「…」
炎の刃に飲み込まれたスペンサーは、その中で何を思っているのか、それは誰にもわからない。

だが、彼がどれだけギャラクシーアイズに力を注いでいたのか。それは何となくわかる。


なぜなら、聞こえるからだ。彼の消える間際の声が…。


スペンサー:「ギャラクシーアイズ…こそが…、永遠の力…、ヌメロン・コードを…手に入れ―」

攻撃が終わったとき、スペンサーは、その場にいなかった。



戦いは、カイトの勝利となった。



ハルト:「兄さん!」
兄の勝利のあまりの喜びにハルトが走って近寄ってきた。


ハルト:「やったね、兄さん」

カイト:「…」

ハルト:「どうしたの兄さん?」
勝ったのに浮かない顔をする兄に、ハルトは聞いた。

カイト:「奴は、ギャラクシーアイズの力の限界に気づいていた。その限界を超えようと奴は他人の力を使って超えようとした」
カイトは手に持つギャラクシー・サーベルを見つめる。

カイト:「これから、ドン・サウザンドのようにもっと恐ろしい敵が待っているはずだ…」

ハルト:「兄さん、もしかして悩んでいるの?自分の力の限界に?」

カイト:「…」
カイトは自分の力でギャラクシーアイズの限界を超えようとしている。だが、それがいつまで続けられるのか。それが不安だったのだ。


ドロワ:「その時は、力を貸そう」
ドロワはハルトの後ろに立つ。

カイト:「ドロワ」

ドロワ:「お前は、他人の力で限界を超えることを拒んでいるようだが、それは違う。他人の力があってこそ、成し遂げられることもある」

ゴーシュ:「ドロワの言う通りだ。お前が、力の限界を超えられなくなったら、いつでも俺たちに話せ。いくらでも力を貸してやるよ」

カイト:「ゴーシュ」

ゴーシュ:「もっとも、俺はお前の力を借りずとも、己の限界を超えるけどな」
と、自分は1人で成し遂げてやるような口調でゴーシュはカイトを少し挑発する。

カイト:「フッ、言ってくれる。なら、俺もやれるところまで1人でやるさ」

ゴーシュ:「フッ」

マリク:「それよりも急ごう。目的は、もう少しだ」
マリクが指を指したところには、目的地の大きな大樹があった。

カイトたちは頷き、目的地に向かって走る。


敵も残りわずか!だが、再びドン・サウザンドの罠が待ち構えていることに、アストラルは気付いていなかった。






新第11ED『切望のフリージア《DaizyStripper》』





次回予告

ナレーション:スペンサーが落ち、敵の数も残りわずかとなってきた。

そんな中、目的地に向かう遊馬達を阻むドン・サウザンドの影!

そして、ドン・サウザンドの罠により、かつてバリアンだったベクターと共闘して遊馬とアストラルを苦しめた奴の影がアストラルの前に現れる!

カオスエクシーズの逆襲が始まる!


アストラル:次回、遊戯王5DXAL「エクシーズ激戦!ナンバーズVSカオスエクシーズ」


アストラル:『私は亡霊などに負けるるもりはない』
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