このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

第171話:『怒涛の銀河!』








一台のヘリコプターが、フロンティア本部の屋上に到着した。


中から降りてきたのは、任務のため”ベイチニア半島”に行っていた、ミスティ、鬼柳、吹雪、恵美、未来、そして亜美とエマリーたちだった。




その頃、彼等の到着を知った百々原がヘリコプターが着陸した屋上へ向かっていた。


百々原:『随分、早く帰って来れたものだな』
百々原は少しだけ急いでいた。






第9OP『HEART・BEAT《MARIA》』







第171話:『怒涛の銀河!』





無事にフロンティア本部に到着した鬼柳や吹雪たちは、ここまで送って来てくれた南羽剣一にお礼を言った。


吹雪:「ありがとう、キミのおかげで無事にここまでくることができた」

鬼柳:「礼を言う」

剣一:「いえいえ、僕はあなたたちにできることをやっただけです」
剣一は人差し指で眼鏡を少しずらしてそう言った。



吹雪:「キミはこれからどうするんだい?」

剣一:「僕は避難状況を上空から確認しなければいけません。皆さんのご武運を祈っています!」
剣一は最後にそう言うと、扉を閉めて離陸準備に入った。


剣一は準備ができると同時に、外にいる吹雪をチラッと見る。


剣一:『また会える日を楽しみにしてますよ、吹雪さん』
剣一は心の中でそう呟き、ヘリコプターを離陸させた。


同時に、元帥の百々原が屋上に到着した。


百々原:『あのヘリコプターはフロンティア所有のものではない…』
離陸したヘリコプターを見て、百々原はそう思った。


剣一が操縦するヘリコプターは、何処かへ飛び去った。

剣一は、ヘリコプターを操縦しながら、スマホ端末を手に取り、どこかへメールを送った、



メールにはこう書いてあった。


『ベイチニア半島の任務に参加していた者たちを送り届けるため、フロンティア本部に。会話は控えめ。余計なことは話さず』

送り先、アッシュ

アッシュ、つまり四大神王者のリーダーである武藤遊戯のコードネームだ。







百々原:「君たち!」

百々原は到着した吹雪たちを迎える。

亜美:「あ、元帥!」

恵美:「逃げなくていいんですか?」
百々原がここにいることに少しだけ驚く恵美たち。

しかし、百々原は迷いもなく、「私にはこの街の市長の責任がある」と言って、最後までここにいることを告げた。


百々原:「君たちこそ、どうやってベイチニア半島から、こんなに早く…?それにあのヘリコプターは…」


ミスティ:「御存知ないんですか?てっきり四大神王者の補佐をやっていると言っていたので、知っているものかと…」
ミスティの口から出た四大神王者の補佐という言葉に、百々原は引っかかった。

百々原:『四大神王者の補佐だと…』


未来:「南羽剣一と名乗っていましたけど」
名前を聞いた瞬間、百々原の身体は一瞬固まった。

南羽剣一。知っている名前だ。だが、その男が、この者たちに接触するとは百々原は思ってもいなかったのだ。


エマリー:「元帥?」
少しだけ焦っているような顔をする百々原の顔を覗くエマリー。

エマリーの顔を見て、元帥は表情を変える。

百々原:「あ、あぁ、彼のヘリか…。少し変わっていたから、わからなかったよ」
どこか誤魔化すような口調にも聞こえる百々原の言葉。


だが、皆は不思議がることなく、急いでカイゼル・サウザンドについての情報を聞いた。


鬼柳:「そんなことより、みんなはあのデカ物の中にいるんだろ?俺たちも早く行って加勢する!」

百々原:「君たちも行くのか…」


ミスティ:「あの中には、私たちのように娘たちを持つ者たちもいます。私たちだけが、ここで傍観しているのは、黙っていられません」


未来:「私の夫と子供たちも中にいるのでしょう?なら、急いで向かうだけです!」
ここに向かう途中、ヘリコプターの中で確認したのだ。自分たちの覚悟を。



嘘はついていない。みんな、仲間たちが心配なのだ。


百々原:「わかった。別の屋上に、カイゼル・サウザンドに入るためのゲートがまだ展開されているはずだ。そこから中に入れる。だが、入ってしまえば、こちらからバックアップはできないぞ」

吹雪:「わかっています。急いで教えてください」

百々原は、みんなをゲートが展開されている屋上へと案内する。







ネオコーポレーションシティに現れたカイゼル・サウザンドの影響でパニック状態の街中


それは、そこだけではなく、全世界が慌てていた。




そして、ここ日本の西側にある温泉が有名な街”ラクオウジシティ”でも、街中はパニック状態だった。


避難こそしてなくても、世界の終わりが近いことに変わりはなく、街の人たちは錯乱状態に入っている者たちが多く暴動も起きていた。



そんなラクオウジシティには、大組織フロンティアの西支部が存在する。


ミッションウォッチなど、フロンティアの隊員たちが使うものは、基本的にここで製造されており、今でも隊員たちが使えるような機器を多く開発している。


そんな開発チーム兼研究チームを引っ張っているチーフが、チーフ室にいた。


そして、もう1人あの男も、この部屋にいた。

2人はテレビに映るカイゼル・サウザンドの中継を見つめていた。


不動博士:「世界の終わりが近いと言うのに、国家政府は手を出さず、全てフロンティアいや、九十九遊馬くん任せとはひどい話だ」
フロンティア西支部研究および開発チームのチーフを兼任している不動博士。

この男を、皆は知っているだろうか?

そう、この男はモーメントの発明者でもある男だ。

しかし、その研究が進んでいく中、モーメントが危険だと気付き、研究を中止しようと試みるも、それを許さなかったスポンサーらによって責任者から除名され、その後モーメントが暴走し、あの大悲劇”ゼロ・リバース”を起こしてしまった。

その悲劇が起きたのが、ネオ童実野シティである。

そう、不動博士と共にチーフ室にいる男が守った街である。


遊星:「政府も、自分たちの手を汚したくないんだろう。それに、バリアンとなれば、必然的に遊馬に責任が回ってくる」
ネオ童実野シティの英雄であり、フロンティアが持つ世界勢力”四大神王者”のNo.3の不動遊星。そして、今ともにいる不動博士の息子だ。


なぜ、ゼロ・リバースで命を落とした不動博士が、ここにいるのか…。それは、今後の物語で語られるだろう。最も、世界が終わらなければの話しだが…。


不動博士:「いいのか?お前は行かなくて?」

遊星:「…」
遊星は父の問いに黙ってしまった。


???:「あなた、遊星にそんなこと言わないでください。遊星だって、ホントは行きたくて仕方がないんですから」
部屋に1人の女性、いや背後にもう1人。2人の女性が入室してきた。


遊星:「母さん…、由加」
遊星の母親である不動道子、そして妹にあたる由加の2人が入ってきた。


母も、父と共にゼロ・リバースで命を落としている。母がいるが、ここにいるのもいずれわかる時が来るだろう。

そして、妹の由加と名乗る人物についても、いずれわかる時が来る…。


不動博士:「そうだったな、済まない、遊星」
不動博士は息子に謝るが、遊星は「気にしていない」と返した。


由加:「そういえば、さっき本部から情報が流れてきたわ。どうやら、あのカイゼル・サウザンドの中には、遊馬達の他にも多くの隊員たちが潜入したみたいよ。その中に、アキの名前もあったわ」
その名を聞いて、遊星は少し動揺してしまう。

ずっと離れていても忘れることのできない女。当たり前だ。なぜなら、自分の妻なのだから。


不動博士と道子は、心配そうに遊星の顔を見る。


アキが息子の妻であることは知っている。


そして、由加にとってアキは友達でもある。

由加の頭に蘇る過去の記憶。楽しい日常を歩んで来た。一緒に遊び、一緒に笑う、そして一緒に学校にも行った。

そう、由加にとってアキは、同級生にあたるのだ。


ここにいる遊星の過去と、不動博士、道子、由加の記憶は食い違っている。だが、そんなこと、今はどうでもいい。


遊星は、首からぶら下げているネックレスいや、リングを掌に置く。

そのリングは、ペアリングになっており、ペアとなるリングを、今はあの中で戦っているアキが持っている。


アキは、それをいつも、左手の薬指に付けている。

そして、今もそれを付けて戦っている。




遊星は、掌に乗せたペアリングを握り占める。

遊星:「俺はまだアキとは会えない…」
遊星は下を向いて呟いた。下を見ているのは家族に、今の表情を見せたくないからだろう。

遊星:「それに遊戯さんかも、遊馬の覚悟を信じるとの話しが来ている。俺が向こうに行くことはできない」
気持ちを切り替えたのか、すぐに顔を上げて真剣な眼差しを見つめる。

由加:「兄さん…」

道子:「愛している人を信じるのも夫の役目よ」

不動博士:「あそこにいる者たちを信じよう、今は」

皆の様子は、ここからじゃわかるわけがない。だが、遊星たちは信じた。遊馬達を、そしてアキたちを…。








ネオコーポレーションシティ


街中の一部周辺は、既に誰1人いない。

そこにいれば、真上はすぐにカイゼル・サウザンドがある。一番危険だ。


しかし、そんな危険な場所である道路を数台の乗り物が通り過ぎた。

4台のバイクに、1台の車。

そして、その4台はただのバイクではない。

ライディングデュエルができるバイク、”Dホイール”である。


その全ての乗り物が、フロンティア本部に到着した。


皆がフロンティア本部の建物の入り口前に止まる。


ドラガン:「門番がいないとなると、やはりここの者たちも避難したようだな」

ブレイブ:「けど、元帥は残るって言ってたらしいぜ。なら、まだここにいるはずだ」

ハラルド:「ジェリド、モンド。本部に誰かいないか探せないのか?」
チーム・ラグナロクのドラガン、ブレイブ、ハラルドがDホイールから降り、ヘルメットを取って、車から降りてきたSOA隊2係リーダーのジェリドと、SOA隊5係リーダーのモンドに話しかけた。

ジェリド:「今やってる。そうせかすな」

モンド:「通信は繋がりませんでした。ですから、緊急探知システムで、他のミッションウォッチの居場所を探します」
モンドがそう言って、ミッションウォッチを操作し、ジェリドは「頼む」と言葉を返す。

すると、車からもう1人男性が降りてきた。

モクバ:「緊急探知システム?こいつには、そんなものもついているのか?」
車から降りてきたのは、海馬モクバであった。

車から降りるなり、自分が付けているミッションウォッチを見つめながら人差し指で叩いて言った。


ジェリド:「ミッションウォッチをつけている隊員の生命反応察知するシステムだ。だが、あくまで緊急装置であり、滅多に使うことはねえ。それに、システムそこまで長くものわけじゃねえからな」
緊急探知システムが何なのか解説するジェリドであった。


ドラガン:「中に潜入したみんなは無事だろうか」

ハラルド:「ドン・サウザンドの力は侮れない。早くみんなの援護に向かわなければ」

モクバ:「どんな奴が相手だろうと、兄様は絶対に負けねえぜ!」
兄の強さを自慢するモクバが、ハラルドたちの間に割り込んだ。


ブレイブ:「まだ、社長が戦うなんて決まってないぜ」

モクバ:「へへん!兄様の力に興味を持つ連中が、続々と出てくるさ。けど、兄様はそれを全部倒すんだ!」
子供のようにはしゃぐモクバであった。


モンド:「探知完了」
ミッションウォッチから出てきたホログラムに、フロンティア本部の建物内部の構成図が出てきた。


モンド:「ここに、人が密集している!」
モンドが指さした場所には、確かに多くの人々がいる反応があった。場所はとある本部ビルの屋上である。

場所を突き止めたモンドのホログラムを見て、ずっとDホイールに乗っていた、あの男がエンジンを始動させてDホイールに乗ったまま、ビル内部へ入る。


ジェリド:「お、おい!」

ドラガン:「ちょっと待て!」
ドラガンたちはいきなり動いたDホイールを追いかける。


Dホイールに乗ったホイーラーは、Dホイールに乗ったまま階段を登っていく。





その頃、屋上では、ずっとその場にいる斎藤達、そしてベイニチア半島から戻ってきた吹雪たち。そして、元帥の百々原がいた。


吹雪たちは元帥に、案内されてここまで来たのだ。


そして、彼等の前には、カイゼル・サウザンド内に入るゲートが展開されている。


春:「気を付けてな」

未来:「はい、お婆ちゃん」
春の言葉に、すぐ答えた未来は、ゲートの前に立つ吹雪たちの側に立つ。


百々原:「その中に入れば、カイゼル・サウザンド内だ」

吹雪:「よし、みんな行こう!」
吹雪がそう言って、みんなが中に入ろうとしたとき、近くにある階段の扉がバタッと開き、そこからバイクの爆音が聞こえ、一台のDホイールが飛び出してきた。


百々原:「なんだ!?」
百々原は目が飛び出すぐらい驚いた。


そして、そのDホイールは単身、ゲートの中へと突っ込んだ。



鬼柳:「今のは…」
流石の鬼柳も驚いているようだ。


そして、エレベーターの扉が開き、屋上にまたもやお客さんが到着した。


ハラルド:「どうやら、遅かったようだな」

ドラガン:「ったく、勝手過ぎるぞ、あの人は」
エレベーターから降りてきたのは、ハラルド、ブレイブ、ドラガン、モクバ、ジェリド、モンドたちだった。


百々原:「ジェリドにモンド。なら、やはりさっきのは…」
さっきDホイールに乗って、ゲートに突っ込んで行ったのか察しが付いた百々原であった。






カイトルート



少し遠くではあるが、目に映る大きな樹木に向かって走るカイトたち。


あそこまで行けば、ドン・サウザンドはもうすぐそこだ。


カイト:『さっきから感じる、この感覚…』
カイトは目を配りながら走っていた。


カイト:『間違いない…、奴は近くにいる』
自分が感じている感覚が、何なのか察しがついているカイトは、走りながらデッキケースに手を伸ばし1枚のカードを持つ。


ミザエル:「近いのか?」
カイトがカードを手に持ったことに気付いたミザエルが聞くと、カイトは小さい声で「あぁ」と返事をする。


そして、その直後に攻撃は訪れた―。

空を飛ぶ1体のドラゴン。先ほど見た、あの者が操る竜、”銀河眼の次元竜(ギャラクシーアイズ・ディマンシオン・ドラゴン)”だ。



ハルト:「兄さん!」

カイト:「下がってろ!ハルト!」
カイトは手に持つカードを前に突き出し、”銀河眼の光子竜(ギャラクシーアイズ・フォトン・ドラゴン)”を呼び出した。


2体のドラゴンは、口から放つ粒子光線をぶつけ合い、激しい爆風が周りを襲う。


徳之助:「うらっ!」

等々力:「とどのつまり、さっきのドラゴンって!」
攻撃がぶつかり合う前、みんなはその目に映った。ドラゴンの正体が…!



スペンサー:「決着の時だ、天城カイト」
目の前に突然と現れた人物。

ギャラクシーアイズ・ディマンシオン・ドラゴンを操るバリアン8人衆の1人スペンサーだった。


カイト:「スペンサー」

スペンサー:「今度は、本気で戦うぞ。カイト」
スペンサーは鋭い目つきでカイトを見つめる。



マリク:『さっき会ったときより、物凄い殺気だ』

クロウ:『何だ…!この感覚…』

エド:「僕たちには見えない、何かが奴に纏わりついている…!」
誰もがスペンサーの殺気に気付いていた。

そして、スペンサーには、何かが纏わりついている。

無論、カイトはそれが何なのか、察しが付いていた。


カイト:『ドン・サウザンドの力か…』
カイトはそう思い呟いた。


スペンサー:「行けっ!ギャラクシーアイズ・ディマンシオン・ドラゴン!監獄のディマンシオン・トルネード!」
口元にエネルギーを集約し、一度それを口の中に閉じ込め、その後口の中に溜めたエネルギーを一気に放った。


カイト:「向かい撃て!ギャラクシーアイズ・フォトン・ドラゴン!!破滅のフォトン・ストリィィーム!」
ギャラクシーアイズ・フォトン・ドラゴンも口元に粒子を溜め、それを光線として放つ。


互いの攻撃は、またぶつかり合い、大きな爆風を引き起こした。


氷室:「さっきも思ったが、なんて威力だ!」

亮:「やはり、特別なドラゴン…、破壊力も他のドラゴンに比べて別格ということか…!」
改めて2体の竜の破壊力に驚く氷室たちは、爆風に吹き飛ばされないように踏ん張りながらそう呟く。



スペンサー:「まだだ…。ディマンシオン・ドラゴンは、更なる高みへと道を進める!」
ギャラクシーアイズ・ディマンシオン・ドラゴンは、空高く舞い上がり、雲より上に飛び、身体を輝かせる。

スペンサー:「逆巻く銀河よ、怒涛の力を手に入れ、真の銀河の頂点に立て!」
ギャラクシーアイズ・ディマンシオン・ドラゴンが身体を輝かせながら、降下する。


スペンサー:「降誕せよ!”CX(カオスエクシーズ)超銀河眼の次元竜(ネオ・ギャラクシーアイズ・ディマンシオン・ドラゴン)”!!」
新たなギャラクシーアイズ・ディマンシオン・ドラゴンの姿は、3つの顔を持ち、灰色に身体を輝かせる龍へとなっていた。


カイト:「カオスエクシーズ化しただと…!ならば!」
カイトは右手を挙げ、身体を赤く光らせる。


すると、ギャラクシーアイズ・フォトン・ドラゴンが剣のようなものに変化し、カイトはそれを手に持つ。


カイト:「逆巻く銀河よ、今こそ、怒涛の光となりて姿を現すがいい!降臨せよ、我が魂!”超銀河眼の光子龍(ネオ・ギャラクシーアイズ・フォトン・ドラゴン)”!!」
3つの顔の内、2つは翼にあり、身体を赤く染め上げたギャラクシーアイズ・フォトン・ドラゴンの進化した姿が、君臨した。


2体のネオ・ギャラクシーアイズが向かい合っているのだ。


スペンサー:「お前のカオス化した力を見せてやれ!アルティメット・ディマンシオン・トルネード!!」
3つの顔の口元に粒子が溜められ、それを一気に放射する。


カイト:「アルティメット・フォトン・ストリィィーム!」
カイトもまたネオ・ギャラクシーアイズ・フォトン・ドラゴンの必殺攻撃を繰り出した。

両者の攻撃がぶつかったとき、また大きな爆風が襲ってきたが、さっきよりも規模が全然違った。


ここは、カイゼル・サウザンド内部に展開されている仮想空間であり、本物の世界じゃない。つまり、作り物。一部の空間にヒビが入った。




そして、2体の竜の攻撃は別行動をしている仲間たちにも被害が及んだ。



ゴーシュ、アンナルート



目的地の樹木を目指すゴーシュとアンナたち。


すると、突然、物凄い爆風が襲ってきた。


翔:「何、今の爆風!?」

藤原:「近くで、何かが起きているのかもしれない…!」
そう藤原の言う通りで、この近くで戦闘が行われている。


そして、それは、みんなの目に映った。


チャーリー:「おい、あれを見ろ!」
チャーリーが指を指した場所には、2体の龍がぶつかり合っている姿が見受けられる。


そして、その内1体は、ネオ・ギャラクシーアイズ・フォトン・ドラゴンだった。


ドロワ:「ネオ・ギャラクシーアイズ…!」

ゴーシュ:「まさか、あそこにカイトがいるのか…!」
ゴーシュがそう言うと、ドロワはすぐに2体の龍がぶつかり合う方向へ向かった。


ゴーシュ:「おい、ドロワ!」
ゴーシュ達もドロワを追いかける。


ドロワは、カイトの恋人。彼氏が心配するのは当たり前のことだ。





2体の龍がぶつかり合う、その近くでカイトとスペンサーは自分たち自身が戦う準備を整えていた。


カイトは、ギャラクシーアイズ・フォトン・ドラゴンの青龍刀デュエルギア”ギャラクシー・サーベル”を握る。


対するスペンサーも”CX(カオスエクシーズ)超銀河眼の次元竜(ネオ・ギャラクシーアイズ・ディマンシオン・ドラゴン)”のカードを持ち、そのカードを青龍刀タイプのデュエルギアに変化させた。

カイト:「それが、お前のデュエルギアか」

スペンサー:「”ディマンシオン・ブレード”。この剣の名前だ。お互い対等の武器。正々堂々とぶつかり合い、そして真のギャラクシーアイズ使いを決めるぞ!」
お互いに物凄い気迫をぶつける。


ハルト:「兄さん!」
カイトの元へ駆けようとするハルトをオービタル7が止める。

カイト:「そこで見ていろ、ハルト!」
カイトは大きな声でハルトに言った。



カイト:「俺たちの戦いは、誰にも止められない!」
最後にそう言うと、カイトそしてスペンサーが前に向かって走り出し、デュエルギアを握り占める。


カイト:「フォトン・シュトゥルムアングリフ!」
ギャラクシー・サーベルから風属性の波動が放たれ、カイト自身に纏われる。

その風には粒子が入り混じっていた。

カイト:「はああ!」
カイトは、そのままスペンサーに突っ込む。


スペンサー:「フッ、そんな攻撃が俺に通用するものか」
余裕の笑みを見せ、スペンサーのディマンシオン・ブレードに、力が込められる。


スペンサー:「ワープ・ディマンシオン・スラッシュ」
スペンサーが剣を大きく振った。


しかし、斬撃などは出て来なかった。


リシド:「攻撃が出ていない?」

クロウ:「攻撃の失敗か?なら、今の内だぜ!カイト!」
誰もが、スペンサーの攻撃が失敗だと思った。


スペンサー:「失敗?愚かな奴らだ。これぐらいの攻撃が見えないとはな…」
スペンサーがそう言った瞬間、カイトは後ろからの攻撃に気づき、方向転換して剣を構える。

そして、どこから放たれたのか、斬撃がカイトを襲う。


カイト:「くっ!」

スペンサー:「こういう戦いは、背を向けた奴が負けになる」
いつの間に、カイトの後ろに近づいていたスペンサーが、ディマンシオン・ブレードの刃をカイトに向ける。


オービタル:『カイトサマ!!』

ハルト:「兄さん!!」
切られそうになるカイトを見て、叫ぶハルト達。


カイト:「フォトン・ディフェンド!」
ギャラクシー・サーベルから、光子を解き放ち、バリアを展開する。


カイトが出した防御技は、ハルト達が知らない技だった。

ハルト:「兄さん、あんな技を!」

矢薙:「じゃが、あれなら攻撃から身を守れるぞ!」
矢薙の言う通り、ディマンシオン・ブレードの刃を、バリアが受け止めた。

スペンサー:「やはり、そんなものか…」
スペンサーがディマンシオン・ブレードに力を込め、カイトが張ったバリアを簡単に打ち壊した。

カイト:「!」
カイトの目の前には、人間誰もが怖れる刃があった。


そして、その刃はカイトの左肩を切りつけた。



エド:「カイト!!」
みんなの目には、衝撃的な光景が目に映った。


左肩から血を流すカイト。

その血は、地面にポタポタと垂れ落ちる。


カイト:「ぐはっ!」


ハルト:「兄さーん!」
実の兄が切られた光景は、ハルトに取って衝撃的なものだった。


カイトは、左肩を押さえ、地面に跪いた。




そして、ネオ・ギャラクシーアイズ・フォトン・ドラゴンは、ネオ・ギャラクシーアイズ・ディマンシオン・ドラゴンの攻撃を諸に喰らい、そのまま倒れてしまう。


ミザエル:「くっ!」
カイトを助けようと、ミザエルが立ち上がろうとするが…。


スペンサー:「かつて、ギャラクシーアイズ使いを名乗った者などに用はない。そこで、こいつの最後を見ていろ!」
スペンサーから解き放たれる闇の気迫が、ミザエルを吹き飛ばす。

ミザエル:「うわっ!」

等々力:「ミザエル君!」
等々力と徳之助が、吹き飛ばされたミザエルを受け止める。


スペンサー:「終わりだ、カイト。お前のギャラクシーアイズ使いの物語は…」
スペンサーはディマンシオン・ブレードを振りかざす。


スペンサー:「ここで終わりを告げる」
ディマンシオン・ブレードを振り下げ、カイトに再びディマンシオン・ブレードの刃が接近する。


ハルト:「兄さん!!」
兄のピンチに見ることしかできないハルトが兄の名前を大きな声で叫んだ。







フェイカー:「!」
その頃、遊馬が言う樹木に向かうフェイカーが、その場に止まる。

一馬:「フェイカー?」

トロン:「どうした?」
共に行動してる一馬たちがいきなり止まったフェイカーに問いかける。

フェイカー:「…、すまん、何でもない」
フェイカーは何かを隠しているかのように、そう言って再び走り出す。

聞こえたような感じがしたのだ。

息子の声を…。次男の叫び声が…。








第10ED『さすらいびと《DASEIN》』






次回予告

ナレーション:スペンサーの力に追い込まれるカイト。

絶体絶命のピンチに、カイトが持つNo.4のエースのマークが輝き始める。

仲間たちとの熱い友情、そして恋人ドロワが見守る中、カイトの真の力が覚醒する!

カイト:次回、遊戯王5DXAL「友情の炎!赤いギャラクシーアイズ!」


カイト:「ギャラクシーアイズ…、俺と共に!」



遊戯王5DXAL豆知識コーナー!!


カイト:「ギャラクシーアイズ最強ドラゴン、それが”超銀河眼の光子龍(ネオ・ギャラクシーアイズ・フォトン・ドラゴン)”だ。攻撃力4500で、オーバーレイユニットを取り除けば、相手フィールド上のエクシーズ素材を全て取り除き、このカードの攻撃力は取り除いた数×500ポイントアップさせることができ、その分攻撃することも可能だ」
1/1ページ
スキ