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第169話:『血塗られし偉大なるバアルを撃破せよ!』






10ターン
一馬&フェイカー&トロン
LP1200
ハートランド
LP2700


一馬:「俺のターン!」
一馬はデッキからカードを1枚ドローする。

一馬:『インフェクション・カオス・ベルゼブブ。攻撃力は3000越え。そして、こちらがオーバーレイユニットを使用した効果を使えば、そのオーバーレイユニットを吸収し、自分のものにする。更に、複数回攻撃を持ち、敵のモンスターの表示形式を変更する効果。更に、モンスターを破壊し、破壊したモンスターの攻撃力の数値を相手ライフから奪う効果。どれも厄介な効果だ』
一馬は自分の手札を見る。

一馬:『下手に壁モンスターを出したところで、表示形式が変わりガードができず、壁モンスターを揃えたとしても、複数回攻撃によりモンスターはすぐにやられてしまう…。早く何とかしたいが、俺の手札に、あの化け物を倒すカードはない』
一馬はDゲイザーから、フェイカーとトロンが伏せたカードを確認する。

一馬:『今は、自分のやるべきことをやる。そうだ。勝負は、フェイカーのターンだ』
一馬が動いた。

一馬:「俺はマジックカード”ワンオブゼム”を発動。デッキの中からモンスターカード1枚を選択し、攻撃力を0にして特殊召喚する!そして、相手は、この効果で特殊召喚したモンスターに攻撃宣言することはできない」
一馬はデッキからモンスターカードを選択し、フィールドに出す。

一馬:「俺が特殊召喚するのは、”ガガガパラディン”!」
ガガガモンスターの新たな戦士、聖騎士の姿をした戦士が一馬の場に守備表示で現れる。


ガガガパラディン
レベル4 守備力300
攻撃力1800→0


一馬:「カードを2枚セットし、ターンエンドだ」
一馬も特に反撃することなくターンを終了した。


ハートランド:「あなたも終わりですか。芸の無い人達だ」
ハートランドは、一馬とトロンを見つめる。


ハートランド:「もう勝つ気がないのなら、フィナーレと行かせてもらいます!」
ハートランドは、次の自分のターンでケリをつけるつもりだ。





11ターン
一馬&フェイカー&トロン
LP1200
ハートランド
LP2700


ハートランド:「私のターン!」
ハートランドがデッキからカードを1枚ドローする。


ハートランド:「インフェクション・ジェネラルの効果により、私は場に新たなインフェクション・バグ・トークンを特殊召喚!」
またまた現れたインフェクション・バグ・トークン。一馬たちは、もうこのトークンを見飽きていた。


インフェクション・バグ・トークン
守備力300


ハートランド:『さて、どのようにトドメを刺しましょうか』
ハートランドは、一馬たち3人の共有フィールドを確認する。

ハートランド:『奴らの伏せカードは4枚。一馬が2枚伏せ、トロンとフェイカーが1枚ずつ伏せている。そして、モンスターは3体。どれも、インフェクション・カオス・ベルゼブブで倒せるモンスターだが、ガガガパラディンはワンオブゼムの効果で特殊召喚された影響で攻撃宣言することができない。つまり、インフェクション・カオス・ベルゼブブのオーバーレイユニットを使用する連続攻撃は強制的に止められる』
ハートランドの目線が、トークンへと向けられる。

ハートランド:『インフェクション・バグ・トークンをリリースすれば、インフェクション・カオス・ベルゼブブの効果でモンスターを破壊し、攻撃力分のダメージを相手ライフに与えられる。しかし、一馬とトロンのことだ。伏せたリバースカードのどちらかは、そのダメージを無効、もしくは跳ね返すカードを伏せている可能性が高い。特に怪しいのはトロンのカードだ。トロンは、インフェクション・カオス・ベルゼブブの破壊効果を無効にした時、デッキからトラップカードをサーチして場に伏せていた。となると、やはり効果もむやみに発動するのは避けるべきか。なら―』
手札を確認するハートランド。

ハートランド:『やることはただ一つだ』
ハートランドは手札からカードを発動する。

ハートランド:「私はマジックカード”インフェクション・バーサーカー”を発動!この効果発動のコストにより、インフェクション・バグ・トークンと永続魔法インフェクション・ジェネラルを破壊する!」
トークンと序盤から出していた永続魔法をハートランドは自らの手で破壊した。

ハートランド:「これにより、このターン、インフェクション・カオス・ベルゼブブの攻撃力は、インフェクション・カオス・ベルゼブブに乗っているオーバーレイユニットの数×400ポイントアップする!インフェクション・カオス・ベルゼブブに乗っているオーバーレイユニットは5つ。よって、攻撃力が2000ポイントアップ!」
どす黒いオーラがインフェクション・カオス・ベルゼブブを纏い、攻撃力を膨大にアップさせる。


CNo.1インフェクション・カオス・ベルゼブブ
攻撃力3600→5600


フェイカー:「攻撃力5600…!」

トロン:「くっ!」


ハートランド:「さあ、行きますよ!インフェクション・カオス・ベルゼブブでローブ・オブ・エステートに攻撃!!ファンタスティック・バアァァル!!!」
インフェクション・カオス・ベルゼブブが、守備表示のローブ・オブ・エステートを破壊する。


トロン:「くっ!」

ハートランド:「インフェクション・カオス・ベルゼブブの効果発動!オーバーレイユニットを1つ取り除き、インフェクション・カオス・ベルゼブブはもう一度攻撃を可能にする!」
オーバーレイユニットを使うことで複数回攻撃を可能にするインフェクション・カオス・ベルゼブブ。だが、オーバーレイユニットが減ったということは、インフェクション・バーサーカーで攻撃力が上がっているインフェクション・カオス・ベルゼブブの攻撃力が下がるということだ。


CNo.1インフェクション・カオス・ベルゼブブ
オーバーレイユニット:5→4
攻撃力5600→5200


ハートランド:「さあ、次です!インフェクション・カオス・ベルゼブブでゴゴゴガードナーに攻撃!!」
インフェクション・カオス・ベルゼブブがゴゴゴガードナーを粉砕する。

一馬:「くっ!だが、これでお仕舞いだ。ワンオブゼムで特殊召喚したガガガパラディンは攻撃対象にはできない。連続攻撃はできないぞ!」
これでバトルフェイズは終わりかと思われた。

だが―


ハートランド:「私のファンタスティックは、ここからですよ!速攻魔法”インフェクション・カース”を発動!自分フィールド上にインフェクションと名の付くモンスターが存在するとき、相手フィールド上に存在するモンスター1体を破壊し、そのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手ライフに与える!」

一馬:「なっ!」

ハートランド:「勿論、私が選択するのは、ガガガパラディン!そして、ガガガパラディンの元々の攻撃力は1800。破壊されれば、お前たちのライフは0だ!」
インフェクション・カースの呪いは、ガガガパラディンを襲い、呪い殺した。

これで、3人のライフは尽きる…!

トロン:「終わらせて溜まる者か!リバースカード発動!トラップカード”紋章死守”!墓地に存在する紋章獣を2体除外することで、効果ダメージを無効にする!」
トロンは墓地の紋章獣バシリスクとユニコーンを除外し、効果ダメージを無効にした。




ハートランド:「やはり、効果ダメージを無効にするカードを伏せていたか!だが、インフェクション・カースの更なる効果を発動!墓地に存在する、このカードを除外することで、インフェクション・カオス・ベルゼブブは、もう一度バトルすることができる!更に、インフェクション・カースが除外されたターンのバトルフェイズ中、相手はフィールド上に存在する伏せカードの発動はできない!!」

フェイカー:「何っ!?」
3人の場は伏せカードはあるものの、モンスターは既に全滅していた。



インフェクション・カオス・ベルゼブブの直接攻撃を受ければ、もうライフは完全に尽きる…!


ハートランド:「さあ、最後だ!愚かな人間共!インフェクション・カオス・ベルゼブブでダイレクトアタック!!ファンタスティック・バアル!!!」
インフェクション・カオス・ベルゼブブが攻撃を仕掛ける。


ハートランド:「安心しろ!お前たちが地獄へ行ったあとで、すぐに息子共も地獄へ送ってやる!安らかに眠れ!ジジイ共!!」
インフェクション・カオス・ベルゼブブの攻撃が接近する。

フェイカー:「くっ、ここまでか」
フェイカーが、勝負に諦めていた。

だが―

一馬:「かっとビングだー!」

ハートランド:「?」
突然の叫び声に、ハートランドが動揺する。

一馬:「俺は墓地よりガガガパラディンの効果発動!自分フィールド上に存在する伏せカード1枚デッキに戻すことで、デッキからトラップカード1枚選択し、墓地へ送る!」
一馬は伏せていたカードを1枚墓地へ送り、デッキから別のトラップカードを選択し、そのカードを手に持つ。

一馬:「俺が墓地へ送るトラップカードは”攻撃の無敵化”!」
一馬はカードをハートランドに見せ、墓地へ捨てた。

すると、一馬の墓地が輝く。

一馬:「ガガガパラディンの効果は、ここからが真骨頂だ!ガガガパラディンの効果により、たった今、墓地へ送ったトラップカードの効果を発動する!」

ハートランド:「何っ!」

一馬:「これは、墓地からカード効果発動のため、インフェクション・カースの効果の射程範囲外だ!無効にはできない!攻撃の無敵化の効果により、このバトルフェイズ中、自分への戦闘ダメージを0にする!」
一馬たち3人の周りにバリアが張られ、攻撃を無効にする。


一馬&フェイカー&トロン
LP1200


ハートランド:「くっ、また余計なことを!ターンエンドだ」
ハートランドは悔しそうな表情でターンを終了した。

そして、インフェクション・バーサーカーの効果が切れ、インフェクション・カオス・ベルゼブブの攻撃力が元に戻る。


CNo.1インフェクション・カオス・ベルゼブブ
攻撃力5200→3600




一馬:「ふー、とりあえず、危機は脱したな」
インフェクション・カオス・ベルゼブブの攻撃を回避したことに満足する一馬を見て、ハートランドは少し苛立つ。


ハートランド:「危機は脱しただと?この状況で、よくもそんなことが言えるものだ。私の場には、絶対的な攻撃力と効果を持つインフェクション・カオス・ベルゼブブがいる。対するお前たちの場にモンスターはいない。先ほどはただの一時凌ぎに過ぎない!」

トロン:「何をそんなに苛立っているんだい?ハートランド。自分が思うように事が進まないから腹が立っているのか?」

ハートランド:「挑発のつもりか?それには乗らんぞ!」
姿を変えたとはいえ、ハートランドに落ち着きがないのは、誰が見ても分かる。

一馬:「フェイカー、俺たちができることは全てやった」

トロン:「後は君に任せるよ」
2人は勝負の行方をフェイカーに託す。

フェイカー:「一馬、バイロン、お前たち2人の力、私が繋ぐ!」

ハートランド:「私を無視するなー!」
自分のことを無視して話しを進める3人を見て、ハートランドの怒りの尾が切れた。

フェイカー:「我々3人の力で、お前を倒す!」
12ターン目、フェイカーのターンが訪れた。





12ターン
一馬&フェイカー&トロン
LP1200
ハートランド
LP2700


フェイカー:「私のターン!」
フェイカーがデッキからカードをドローする。

一馬:「トラップカード発動!”エクシーズ・ホープス”!墓地に存在するエクシーズモンスターを任意の数だけ除外し、除外したモンスターの数だけ、墓地からモンスターを特殊召喚する!」
一馬は、この効果でローブ・オブ・エステート、ゴゴゴガードナー、ズババマスターの3体を除外した。


一馬:「墓地より戻ってこい!モンスターたち!」
一馬たちのフィールドに戻ってきたのは、ガガガパラディン、紋章獣エアレー、ゴゴゴゴーストの3体だった。


ガガガパラディン
攻撃力1800


紋章獣エアレー
攻撃力1000


ゴゴゴゴースト
攻撃力1900


一馬:「行け!フェイカー!」

フェイカー:「私はガガガパラディン、紋章獣エアレー、ゴゴゴゴースト、レベル4モンスター3体でオーバーレイ!3体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!」
フェイカーの新たなエクシーズモンスターが現れる。

フェイカー:「隠されしその姿よ、今地上に誕生し、激震せよ!現れろ!”ガーベージ・トリニティ・デッドエンド”!」
オーガに近いその姿は、どんな障害物をも粉々にするまさに怪物だった。


ガーベージ・トリニティ・デッドエンド
ランク4 攻撃力2900


ハートランド:「私の知らないガーベージモンスターだと…!だが、攻撃力はインフェクション・カオスの方がはるかに上だ!」

フェイカー:「ガーベージ・トリニティ・デッドエンドの効果発動!1ターンに1度、オーバーレイユニットを1つ取り除き、墓地に存在するガーベージと名の付く効果モンスター1体を攻撃表示で特殊召喚する!復活しろ!ガーベージ・オーガ!」
フェイカーは墓地より、ガーベージ・オーガを復活させた。


ガーベージ・トリニティ・デッドエンド
オーバーレイユニット:3→2


ガーベージ・オーガ
攻撃力800


フェイカー:「手札からマジックカード”ガーベージ・リサイクル”を発動!自分フィールド上に存在するガーベージモンスター1体をリリースすることで、自分フィールド上に存在するモンスター1体の攻撃力を、リリースしたモンスターの攻撃力分アップさせる!私はたった今復活したガーベージ・オーガをリリースし、攻撃力800をトリニティ・デッドエンドの攻撃力に加える!」
ガーベージ・オーガが、トリニティ・デッドエンドに力を与える。


ガーベージ・トリニティ・デッドエンド
攻撃力2900→3700


ハートランド:「攻撃力3700…!」

トロン:「これで奴のモンスターを葬れる!」

フェイカー:「ガーベージ・トリニティ・デッドエンドでCNo.1インフェクション・カオス・ベルゼブブに攻撃!デストロイ・コンポスト!!」
ガーベージ・トリニティ・デッドエンドが、厄介なカオスナンバーズを粉砕した。

ハートランド:「ぐわっ!」


ハートランド
LP2700→2600


ハートランド:「ハエの王が!」

フェイカー:「まだだ!手札をコストに―」
フェイカーは手札を全て墓地へ送って、伏せカードを発動した。

フェイカー:「リバースカード発動!”ガーベージ・メア”!このカードを発動したときに墓地へ捨てたカードの枚数だけ、相手フィールド上にガーベージ・メア・トークンを守備表示で特殊召喚する!」
フェイカーが墓地へ捨てたカードは2枚。よって2体のガーベージ・メア・トークンをハートランドの場に特殊召喚された。


ガーベージ・メア・トークン×2
レベル1 守備力300


ハートランド:「どういうつもりだ。私の場にモンスターなど置いて」

フェイカー:「ガーベージ・メア・トークンは破壊されたとき、トークンをこんとろコントロールするプレイヤーに600ポイントのダメージを与える。そして、ガーベージ・トリニティ・デッドエンドは、1ターンのバトルフェイズに3体のモンスターに攻撃することができる。更に、破壊したモンスターが守備表示だった場合、1000ポイントのダメージを与える!」

ハートランド:「何だと!!?」
ガーベージ・トリニティ・デッドエンドは後2回攻撃できる。そして、効果ダメージがハートランドを地獄へと誘う。


フェイカー:「行くぞ!ガーベージ・トリニティ・デッドエンドで、1体目のガーベージ・メア・トークンに攻撃!!」

ハートランド:「ま、待ってくれ!」
ハートランドが攻撃をやめさせようとするがフェイカーは気にせずモンスターに攻撃命令を下し、ガーベージ・トリニティ・デッドエンドが、トークンを破壊し、ハートランドに2つの効果ダメージが襲う。

ハートランド:「あああ!」


ハートランド
LP2600→2000→1000


フェイカー:「さらばだ、ハートランド。ガーベージ・トリニティ・デッドエンド!2体目のガーベージ・メア・トークンに攻撃!!」
フェイカーが再びガーベージ・トリニティ・デッドエンドに攻撃命令を下す。

ハートランド:「待ってください!ドクター・フェイカー様!」
負けるのが怖いのか、最後の最後でかつて従っていた者を様付けで呼ぶハートランドだったが、その直後にトークンは破壊され、ハートランドに効果ダメージが襲う。

ハートランド:「ぐわああああ!」


ハートランド
LP1000→400→0



血塗られし偉大なるバアルが破壊され、ミスター・ハートランド、敗北!!





第10ED『さすらいびと《DASEIN》』





次回予告

ナレーション:ハートランドが敗れ、バリアン側の中核も徐々に崩れ出してきた。

しかし、倒したはずの声が、カイゼル・サウザンド内に響き渡り、戦いの終わりはまだ見えない。

だが、敵だったはずの奴がベクターと璃緒の前に現れ、衝撃の決断を決める。

そして、戦いの終結を待ち望む者達は今…。


百々原:次回、遊戯王5DXAL「存在してはならない者達」


百々原:「彼らも頑張っているんだ!口を閉じててもらおう!」
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