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第169話:『血塗られし偉大なるバアルを撃破せよ!』








3ターン
両者
LP4000


ハートランド:「では、再び私のターンです!」
ハートランドがデッキからカードをドローする。



ハートランド:「インフェクション・ジェネラルの効果により、私は2体目のインフェクション・バグ・トークンを特殊召喚」
ハートランドの場に、2体目のインフェクション・バグ・トークンが現れた。


インフェクション・バグ・トークン
守備力300


ハートランド:「更にマジックカード”インフェクション・サモン”を発動。自分フィールド上にインフェクション・ジェネラルが存在するとき、デッキからインフェクションと名の付くモンスター1体を特殊召喚する。私が召喚するのは”インフェクション・フライ”!」
蚊のようなモンスターが、ハートランドの場に現れる。


インフェクション・フライ
レベル1 攻撃力100


ハートランド:「そして、更にマジックカード”インフェクション・ゲート”を発動!自分フィールド上に存在するインフェクション・バグ・トークン1体をリリースし、デッキからレベル1のインフェクションモンスター2体を特殊召喚する!私は、この効果で2体のインフェクション・フライを特殊召喚する!」
トークンが1体消え、インフェクション・フライが更に2体、ハートランドのフィールドを埋める。


インフェクション・フライ×2
レベル1 攻撃力100


ハートランド:「インフェクション・フライは1ターンに1度、自分フィールド上の全てのモンスターのレベルを倍にする!」
インフェクション・フライの効果を使用し、3体のインフェクション・フライのレベルが倍になる。

インフェクション・フライ×3
レベル1→2


一馬:「レベルを倍にする効果。それが3体ということは…」

フェイカー:「レベルアップが3回できるということか」

ハートランド:「その通ーり!インフェクション・フライは全部で3体。よって、この効果は3回使用できる!!」
インフェクション・フライのレベルが更に倍になり、レベル8になる。


インフェクション・フライ×3
レベル2→4→8



トロン:「レベル8のモンスターが3体…!」

フェイカー:「来るか…!」


ハートランド:「さあ、ハエの王の誕生です!!」
ハートランドの目が一瞬赤く光る。







第9OP『HEART・BEAT《MARIA》』








第169話:『血塗られし偉大なるバアルを撃破せよ!』







ハートランドのフィールドの準備は整った。


レベル8のモンスターが3体。あのモンスターが遂に姿を現そうとしていた。



ハートランド:「私はレベル8となったインフェクション・フライ3体でオーバーレイ!3体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!」
フィールド中央に現れた次元の渦に3体のモンスターが吸い込まれ、エクシーズモンスターが姿を現す。


ハートランド:「現れろ、No.1!ダークな羽音がファンタスティックに木霊するアメージングなハエの王!”インフェクション・バアル・ゼブル”!」
かつて、ドン・サウザンドが作り上げた偽りのナンバーズの1枚が、ハートランドの場に現れた。


No1インフェクション・バアル・ゼブル
ランク8 攻撃力3000


フェイカーたちに取って、このモンスターは初めて見るモンスターであった。

フェイカー:「こいつは…」

トロン:「Ⅴから聞いたことある。あれは、過去のバリアンとの戦いでベクターいや、ドン・サウザンドが生み出した偽りのナンバーズ!」

一馬:「そんなものがなぜ…」

ハートランド:「このカードは私専用のナンバーズなのですよ。だから、私から離れることはない。永遠に!」
ハートランドとインフェクション・バアル・ゼブルは一心同体。決して離れることはないと、ハートランドが強く言った。


ハートランド:「インフェクション・バアル・ゼブルの効果発動!このカードがエクシーズ召喚に成功したとき、相手のエクストラデッキからモンスター1体を墓地へ送る!!」
一馬、トロン、フェイカーの前に、エクストラデッキに存在するカードのビジョンが出てきた。


トロン:「そうはさせない!カウンタートラップ”メダリオン・ポイズン”!相手フィールド上に存在するモンスターの効果が発動したとき、自分フィールド上にメダリオンと名の付くモンスターが存在するとき、そのモンスターの効果をエンドフェイズまで無効にする!」
3人の前に出てきたエクストラデッキにあるカードのビジョンが消える。


ハートランド:「小癪なことを、まあいい。攻撃力は、こちらの方が上だ。インフェクション・バアル・ゼブルで紋章帝-ローブ・オブ・エステートに攻撃!!」
インフェクション・バアル・ゼブルが攻撃を仕掛け、ローブ・オブ・エステートを破壊する。


トロン:「くっ」


一馬&フェイカー&トロン
LP4000→3700


一馬:「大丈夫か?トロン」

トロン:「あぁ、だがモンスターを破壊されてしまった…」

ハートランド:「フッ、あなた方に、このインフェクション・バアル・ゼブルが倒せますか?」
ハートランドはカードを1枚セットし、ターンを終えた。


フェイカー:「攻撃力3000のナンバーズか。これは、骨が折れそうだ」
インフェクション・バアル・ゼブルに漂うどす黒いオーラを感じるフェイカーは冷や汗を少し流す。


一馬:「次は、俺が行こう」

フェイカー:「一馬…」

一馬:「お前は、ハートランドとのけじめをつけたいのだろ?なら、まずは、俺が火蓋を切ってあげるさ」
一馬は笑ってフェイカーに言った。

そして、その笑顔に釣られるかのように、トロンも笑った。







4ターン
一馬&フェイカー&トロン
LP3700
ハートランド
LP4000


一馬:「久しぶりのかっとビングだ!俺のターン!」
一馬がデッキからカードをドローする。

ハートランド:「さあ、来るがいい、九十九一馬!お前は、このハエの王にどう立ち向かう!」
挑発させているつもりなのだろうが、一馬はそれには乗らなかった。

一馬:「久しぶりのデュエルなんでね。ここは慎重にいかせてもらう」
一馬は手札を確認する。


一馬:『この手札なら、あいつを呼び出せるな』
手札の確認を終え、一馬の戦法が決まる。


一馬:「俺は”ゴゴゴゴーレム”を召喚」
一馬は息子が愛用するモンスターの1体を召喚した。


ゴゴゴゴーレム
レベル4 攻撃力1800


一馬:「そして、マジックカード”ゴゴゴの絆”を発動!自分のフィールド上にゴゴゴと名の付くモンスターが存在するとき、手札とデッキからそれぞれ、ゴゴゴと名の付くモンスターを効果を無効にして特殊召喚する!なお、この効果で特殊召喚されたモンスターはエンドフェイズ時に破壊される」
一馬はデッキから1枚カードをサーチした。

一馬:「俺は、この効果により手札より2体目の”ゴゴゴゴーレム”を、デッキより”ゴゴゴゴースト”を特殊召喚する!」
一馬は更に2体のゴゴゴモンスターを召喚した。


ゴゴゴゴーレム
攻撃力1800


ゴゴゴゴースト
レベル4 攻撃力1900


一馬:「俺はレベル4のゴゴゴゴーレム2体でオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!」
フィールド上に現れた異次元の渦に2体のモンスターの魂が吸い取られ、新たなモンスターが次元の奥より現れる。


一馬:「現れろ!絶対防御!”ゴゴゴガードナー”!」
巨大な盾を2枚持つ戦士が現れる。


ゴゴゴガードナー
ランク4 守備力2800


一馬:「更にマジックカード”レベルダウン・サモン”!自分フィールド上に存在するモンスター1体のレベルを一つ下げ、レベルを下げたモンスターと同じレベルのモンスターをデッキから特殊召喚する!ゴゴゴゴーストのレベルを4から3に下げ、デッキからレベル3の”ズババナイト”を特殊召喚!」
またまた、遊馬が愛用するモンスターの1体を召喚する一馬であった。


ゴゴゴゴースト
レベル4→3


スババナイト
レベル3 攻撃力1600


トロン:「次はレベル3のモンスターを2体揃えたか」

一馬:「更に行くぞ!レベル3となったゴゴゴゴーストとスババナイトでオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!」
フィールド中央に現れた次元の渦に飲み込まれたモンスターが新たなモンスターを呼び起こす。

一馬:「現れ、偉人!”ズババマスター”!」
マントを身に纏った戦士が現れる。


ズババマスター
ランク3 攻撃力2500



ハートランド:「連続でエクシーズモンスターを召喚するとは流石と言っておきましょう。ですが、1体は守備表示、そしてもう1体は攻撃力が、インフェクション・バアル・ゼブルの攻撃力に届いていない」
ハートランドがそう言うと、一馬は何か企んでいるかのように笑う。

一馬:「今のところな。ズババマスターの効果発動!オーバーレイユニットを一つ取り除き、自分のデッキから3枚カードを選択し、相手はその中からランダムでカードを選択する。選択したカードは、自分の手札に加える」
一馬はデッキから3枚カードをサーチし、表面を見せずに3枚のカードをハートランドに向けて突き出す。


ズババマスター
オーバーレイユニット:2→1


一馬:「さあ、選べ」

ハートランド:「小賢しい真似をする男だ。一番左だ」
ハートランドが選んだのは、自分から見て一番左のカードを選択した。

一馬:「なら、選んだカードは手札に加え、残りの2枚はデッキへ戻す。更に、この効果を発動したとき、ズババマスターの攻撃力はエンドフェイズまで1000ポイントアップする!」
ズババマスターの攻撃力がインフェクション・バアル・ゼブルを上回る。


スババマスター
攻撃力2500→3500


ハートランド:「!」


フェイカー:「よし、この攻撃力ならインフェクション・バアル・ゼブルを倒せる!」


一馬:「更にたった今、手札に加えたマジックカード”破天荒な猛吹雪”を発動!相手フィールド上に存在するモンスターの攻撃力をエンドフェイズまで半分にし、自分フィールド上に存在するモンスター1体の攻撃力をエンドフェイズ時まで800ポイントアップさせる!」
一馬とハートランドが操るモンスターの攻撃力が変化する。


No.1インフェクション・バアル・ゼブル
攻撃力3000→1500


ズババマスター
攻撃力3500→4300


トロン:「攻撃力4300!これなら、奴に大ダメージを与えられる!」


一馬:「覚悟しろ!ハートランド!ズババマスターでインフェクション・バアル・ゼブルに攻撃!!」
ズババマスターが攻撃を仕掛ける。


ハートランド:「甘いですよ!私には伏せカードがあることをお忘れですか?」

一馬:「っ!」

ハートランド:「トラップ発動!”インフェクション・バリア”!このターン、インフェクション・バアル・ゼブルは戦闘では破壊されない!」
ズババマスターの攻撃に、インフェクション・バアル・ゼブルは耐えた。


ハートランド:「更に、永続魔法インフェクション・ジェネラルの効果で、3体目のインフェクション・バグ・トークンを特殊召喚!」
バトルフェイズ中なので、1体だけトークンを召喚する効果が発動され、3体目のトークンが現れる。


インフェクション・バグ・トークン
守備力300


一馬:「破壊はできなかったが、ダメージは受けてもらう!」
一馬はハートランドを指さして言った。


ハートランド
LP4000→2700


ハートランド:「これほどのダメージ、私にとって焦る必要もない」


一馬:「余裕を言っていられるのもいつまでだろうな。俺はこれで、ターン終了だ」
一馬のターンが終了した。

同時に、攻撃力が変化していた2体のモンスターの攻撃力が元に戻る。

No.1インフェクション・バアル・ゼブル
攻撃力1500→3000


ズババマスター
攻撃力4300→2500





ハートランド:「インフェクション・バアル・ゼブルの攻撃力は元に戻った。あなた方は再び苦痛を味わうでしょう」
ハートランドの目が一瞬赤く光る。

フェイカー:『変わってしまったな、ハートランド。バリアンに落ち、お前は本当の自分を見つけたのかもしれない…。だが、それは謝った道だ』
かつて部下だったハートランドを見つめるフェイカー。


あの間に、ハートランドはデッキからカードを1枚ドローしていた。





5ターン
一馬&フェイカー&トロン
LP3700
ハートランド
LP2700



フェイカー:『ハートランド…、取り返しがつかなくなる前に、私がお前を倒す!』
フェイカーは、ハートランドを倒すことを心の中で呟いた。


ハートランド:「スタンバイフェイズ、インフェクション・ジェネラルの効果により、私の場に4体目のインフェクション・バグ・トークンを特殊召喚!」
4体目の蠅の姿をしたトークンが現れる。


インフェクション・バグ・トークン
守備力300


インフェクション・バグ・トークン…。デュエル開始から度々出てくる、このトークンに一馬たちは、違和感を感じていた。


一馬:『序盤から出てくる、あのトークン、一体何のために使うんだ?』

フェイカー:『攻撃力が高いわけじゃない。レベルも低いが…』

トロン:『ハートランド…、奴は一体、何を仕掛けてくる…』
ハートランドの動きがはっきり見えないトロンたちは、警戒心を強めていた。


そして、対するハートランドは手札とフィールドを見て、楽しそうにしていた。

ハートランド:『準備は整いました。後は、あのカードが私の手札に来てくれれば問題ありません』
あるカードを待つハートランド。まだ、そのカードは手札にないが、そのカードさえ手札に来てしまったら最後、ハートランドの真の切り札が召喚されることをフェイカーたちは予想もしていなかった。


ハートランド:「インフェクション・バアル・ゼブルの効果発動!オーバーレイユニットを1つ取り除き、相手フィールド上に存在するカード1枚を選択して破壊する!」
インフェクション・バアル・ゼブルのオーバーレイユニットが1つ消化される。


No1インフェクション・バアル・ゼブル
オーバーレイユニット:3→2

ハートランド:「私が破壊するのは、ズババマスター!このとき、破壊したカードがモンスターカードだった場合、そのモンスターの攻撃力分のダメージを相手ライフに与える」
インフェクション・バアル・ゼブルの呪いがスババマスターに襲いかかる。


一馬:「偉人を破壊させはしない!ゴゴゴガードナーの効果発動!オーバーレイユニットを1つ使い、相手のカード効果の発動を無効にする!」
ズババマスターの前に、ゴゴゴガードナーが立ち塞がり、巨大な2枚の盾を構え、インフェクション・バアル・ゼブルの呪いからズババマスターを守る。


ゴゴゴガードナー
オーバーレイユニット:2→1


ハートランド:「それで、守ったつもりか!ハエの王の地獄はこれからです!インフェクション・バアル・ゼブルでスババマスターに攻撃!」
インフェクション・バアル・ゼブルが、スババマスターに攻撃を仕掛け破壊する。


一馬&フェイカー&トロン
LP3700→3200


一馬:「くっ…、だが、この瞬間ズババマスターの効果発動。このカードが戦闘で破壊されたとき、このカードに乗っていたオーバーレイユニットの数だけ、デッキから1枚ドローする。

ズババマスターには、1つのオーバーレイユニットが乗っていた。

つまり、一馬はデッキからカードを1枚ドローする権利を得たのだ。


ハートランド:「カードを1枚セットし、私のターンは終了です」
ハートランドのターンが終了した。



ハートランド:「さあ、あなたのターンです。ドクター・フェイカー様!」
ハートランドは、かつての忠誠を誓っていたフェイカーを指さして言った。


フェイカー:「人間を裏切った貴様に様呼ばわりされるつもりはない。お前は、もう私の部下でも何でもないのだからな」

ハートランド:「確かに。ですが、あなたが昔やってきた罪は決して消えない。私と同じで」

フェイカー:「そうだ。私の罪は死ぬまで消えない。そんなこと百も承知だ」
フェイカーが犯した過去の罪。それは、ナンバーズを揃え、アストラル世界を滅ぼそうとしたこと。

表ではハートランドが動き、その裏でフェイカーが動いていた。


しかし、それは遊馬とアストラル、そして凌牙と息子のカイトによって阻止され、息子たちと和解することになった。


フェイカー:「だが、あの事件で私は、全てを見直した。罪を認め、自分の力の向き先を考え、息子たちと異次元について研究を初め、更にはハートランドシティの指導者になり、平和な街を築き上げてきた。息子たちのために、そして、街の人々のために!」

ハートランド:「つまり、私の後釜になっただけのことだ。私から言わせれば、あなたに、それは荷が重すぎだ」
フェイカーを侮辱するハートランドに、トロンと一馬が口を挟む。

トロン:「知ったような口を言わないでもらおうか。フェイカーがどれだけ頑張ってきたのか、お前には分かるまい」

フェイカー:「バイロン…」

一馬:「行け、フェイカー。お前の力を奴にぶつけろ」

フェイカー:「一馬」
2人の言葉が、フェイカーに力を与える。


フェイカー:「行くぞ、ハートランド!私の手で、お前を倒す!」
フェイカーのターンが開始される。







6ターン
一馬&フェイカー&トロン
LP3200
ハートランド
LP2700


フェイカー:「私のターン!」
このデュエルで初めて、フェイカーのターンが訪れた。


フェイカー:「”ガーベージ・オーガ”を通常召喚!」
ゴミ屑で作られたオーガが現れる。


ガーベージ・オーガ
レベル3 攻撃力800


フェイカー:「更にマジックカード”ガーベージ・ディスポジション”を発動!自分フィールド上のガーベージモンスター1体を破壊する!」
フェイカーの場にいるのは5秒ほど前に召喚したガーベージ・オーガのみ。

つまり、ガーベージ・オーガが破壊されるということだ。


ハートランド:『自分で自分のモンスターを破壊…。新たなモンスターを召喚するために布石か』
自分のモンスターを破壊したハートランドを不思議そうに見つめる。


フェイカー:「マジックカード”ガーベージ・ファイトバック”!自分の墓地に存在するガーベージモンスター1体を除外!」
これにより、たった今破壊されたガーベージ・オーガが除外された。

フェイカー:「これにより、デッキから同名のガーベージモンスターを3体まで特殊召喚する!”ガーベージ・ロード”を3体特殊召喚!」
錫杖を持つガーベージモンスターが3体フェイカーの場に現れる。


ガーベージ・ロード ×3
レベル5 攻撃力0



トロン:「レベル5が3体…」


一馬:「フェイカーも来るか…!」



フェイカー:「私はレベル5の3体のガーベージ・ロードでオーバーレイ!3体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!!」
フィールド中央に現れた異次元の渦に3体のモンスターの魂が吸い込まれる。

フェイカー:「賢者よ、今ここに!”ガーベージ・グレイベアード”!」


ガーベージ・グレイベアード
ランク5 攻撃力2600


フェイカー:「ガーベージ・グレイベアードのモンスター効果発動!ガーベージ・ディメンション!」
ガーベージ・グレイベアードは手に持つ本を開くと、インフェクション・バアル・ゼブルの足元に異次元に通じるようなワープゲートを召喚した。

フェイカー:「ガーベージ・グレイベアードはオーバーレイユニットを1つ取り除くことで、このターンバトルフェイズを行わない代わりに、相手モンスター1体を除外する!勿論、除外するのは、No1インフェクション・バアル・ゼブル!」
異次元の中に、インフェクション・バアル・ゼブルが吸い込まれそうになる。


ガーベージ・グレイベアード
オーバーレイユニット:3→2


インフェクション・バアル・ゼブルさえフィールドから消えれば、厄介なモンスターはいなくなり、フェイカーたちに勝利の道ができる。

しかし、やはりことはそううまくいくものではない。


ハートランド:「させませんよ!トラップ発動!”インフェクション・アヴォドゥンス”!インフェクション・バアル・ゼブルを除外!」
なんとハートランドは自らインフェクション・バアル・ゼブルを除外し、ガーベージ・グレイベアードの除外効果を回避した。


ハートランド:「このカードは、相手がカード効果を発動したとき、インフェクション・バアル・ゼブルをエンドフェイズまで除外することで、相手のライフを1000ポイント削る!」
インフェクション・バアル・ゼブルの悪の呪いが、フェイカーたち3人を襲う。


フェイカー:「くっ!」


一馬&フェイカー&トロン
LP3200→2200


これによりガーベージ・グレイベアードの効果は不発に終わった。


トロン:「自分が発動したカード効果で除外を回避し、更にはこちらにダメージを与えてくるとはな」

一馬:「しかも、ガーベージ・グレイベアードは効果を発動したことで、このターン攻撃できない。ダメージもうまく回避するとは」


フェイカー:「くっ、カードを1枚セットし、ターンエンドだ」
フェイカーは悔しそうに、このターンを終了した。


ハートランド:「この瞬間、インフェクション・アヴォドゥンスの効果で除外されていたインフェクション・バアル・ゼブルがフィールドに戻ってきます!」
ハートランドの場に、再びあのモンスターが現れる。


No.1インフェクション・バアル・ゼブル
攻撃力3000




7ターン
一馬&フェイカー&トロン
LP2200
ハートランド
LP2700


ハートランド:「私のターン!」
ハートランドがデッキからカードをドローする。

本来はスタンバイフェイズなので、インフェクション・ジェネラルの効果でトークンを召喚するところだが、ハートランドの場は既に5体存在しているため、トークンを召喚する場所はない。

しかし、ハートランドは引いたカードを見て、不気味な笑みを浮かべる。





ハートランド:「ついに…」
ハートランドはボソッと呟いた。

ハートランド:「遂に来ましたよ!ドン・サウザンド様から頂いた新たな力!」

フェイカー:「ハートランド…」

ハートランド:「ドクター・フェイカー!百年に一度現れると言われるほどの天才科学者でも、この力に抗うことはできない!」
引いたカードを前に突き出すハートランド。そのカードは闇のオーラに纏われており、そのカードから漂う威圧をフェイカーたちは感じていた。

ハートランド:「あなた方を地獄へと叩き落として上げましょう!私は、”RUM(ランクアップマジック)-ベルゼブブ・バリアンズ・エヴォリューション”を発動!」
ハートランドが発動した見たことのないランクアップマジックが魔法陣をインフェクション・バアル・ゼブルの足元に展開される。

トロン:「ランクアップマジック…!?」

一馬:「インフェクション・バアル・ゼブルをランクアップさせるつもりか!」
ハートランドがやろうとすることがすぐに分かった一馬たちは動揺する。

ハートランド:「その通り!このカードは自分フィールド上に存在するエクシーズモンスター1体を選択し、選択したモンスター以外の自分の場に存在するモンスターを全て破壊!」
4体のインフェクション・バグ・トークンが全てフィールドから消えた。

ハートランド:「そして、破壊されたモンスターの数だけ、デッキからモンスターを選択し、選択したモンスターを素材にインフェクション・バアル・ゼブルをカオスエクシーズチェンジすることができる!」
ハートランドの場にいたトークンは4体。よって、4体のモンスターを選択し、インフェクション・バアル・ゼブルのカオスエクシーズチェンジの素材になるのだ。

ハートランド:「私は、この4体のモンスターとNo.1インフェクション・バアル・ゼブルでオーバーレイ!!」
4体のモンスターカードを突き出し見せる。

そして、計5体のモンスターが、闇の渦へと飲み込まれる。


ハートランド:「5体のモンスターでオーバーレイネットワークを再構築!カオス・エクシーズ・チェンジ!!」
闇の渦から新たなモンスターが姿を現す。

ハートランド:「現れろ!CNo.1!!血塗られし偉大なるバアルよ。染められた黒き羽を羽ばたかせ、人間共を暗黒へと落とせ!現れろ!”インフェクション・カオス・ベルゼブブ”!!」
ハートランドの場に、インフェクション・バアル・ゼブルがカオスエクシーズチェンジした姿が現れる。


CNo.1インフェクション・カオス・ベルゼブブ
ランク9 攻撃力3600


フェイカー:「攻撃力3600のカオスナンバーズモンスターだと…!」

一馬:「しかもオーバーレイユニットが5つとはな…」
新たなモンスターの登場に動揺を隠し切れない一馬たち。


ハートランド:「ふふふふ…」
ハートランドの不気味な笑い声。

その笑い声は、この場の空気を戦慄させていた。

ハートランド:「これが、ドン・サウザンド様の力…!そして、これこそが!」
ハートランドの身体が輝く。

身体の形状を変化させ、ハエの怪物へとなり、フェイカーたちを驚かせる。

ハートランド:「私の、真の姿!」
かつて、遊馬達に見せたときと同じ姿を、今度はフェイカーたちに見せたハートランドは、とてつもない殺気を放つ。


トロン:「あれが、奴の本当の姿か…!」

フェイカー:「そこまで落ちるとはな!ハートランド!」

ハートランド:「なんとでも言うがいい!これこそが、私の本当の姿!本当の力!真の姿!」
両手を挙げて、自分の姿を自慢するハートランドであった。


ハートランド:「バトルだ!インフェクション・カオス・ベルゼブブでガーベージ・グレイベアードに攻撃!ファンタスティック・バアル!」
インフェクション・カオス・ベルゼブブの周りに、無数の蠅は現れ、ガーベージ・グレイベアードに襲いかかってきた。

一馬:「ゴゴゴガードナーの効果発動!オーバーレイユニットを1つ取り除くことで、モンスターの攻撃も無効にする!」
さっきはカード効果を無効にするために立ち上がったが、今回は攻撃を無効にするために立ち上がった。


ゴゴゴガードナー
オーバーレイユニット:1→0


2枚の盾を構えるゴゴゴガードナーは、インフェクション・カオス・ベルゼブブの攻撃に耐え切った。


ハートランド:「インフェクション・カオス・ベルゼブブの効果発動!相手がエクシーズモンスターのオーバーレイユニットを使用し、カード効果を発動したとき、そのオーバーレイユニットをインフェクション・カオス・ベルゼブブに乗せることができる!」
ゴゴゴガードナーが吸い込んだオーバーレイユニットが、インフェクション・カオス・ベルゼブブに吸い込まれてしまった。


CNo.1インフェクション・カオス・ベルゼブブ
オーバーレイユニット:5→6


ハートランド:「更に効果発動!オーバーレイユニットを1つ取り除くことで、インフェクション・カオス・ベルゼブブはもう一度攻撃を可能にする!」


CNo.1インフェクション・カオス・ベルゼブブ
オーバーレイユニット:6→5


一馬:「何!?」

トロン:「チッ、複数回攻撃ができるのか…!」


ハートランド:「お前のファンタスティックを見せつけてやれ!インフェクション・カオス・ベルゼブブでガーベージ・グレイベアードに攻撃!ファンタスティック・バアル!!」
さっきと同じ攻撃が放たれ、フェイカーのモンスターを破壊した。


フェイカー:「ぐっ」


一馬&フェイカー&トロン
LP2200→1200


フェイカー:「この瞬間、リバースカード発動!速攻魔法”ガーベージ・サーチ”!ガーベージと名の付くモンスターが破壊されたとき、デッキからガーベージモンスター1体を特殊召喚する!私はデッキより”ガーベージ・ナイト”を特殊召喚する!」
フェイカーは新たなモンスターをデッキから召喚した。


ガーベージ・ナイト
レベル1 守備力0


ハートランド:「ガードを固めるつもりか?そんなことは、この真の蠅の王に無意味!インフェクション・カオス・ベルゼブブの効果発動!自分のターン中に相手がモンスターを特殊召喚した時、そのモンスターの表示形式を変更する!」
ガーベージ・ナイトの表示形式が自動的に攻撃表示へと変わった。


ガーベージ・ナイト
守備力0→攻撃力100


ハートランド:「ちなみにですが、この効果で表示形式が変更されたモンスターは、自分フィールド上に、インフェクション・カオス・ベルゼブブが存在する限り、表示形式を変更することができない」

フェイカー:「っ!」

ハートランド:「見ましたか!これこそが闇の王、バアルの力だ!私はこれで、ターンエンドだ」
ハートランドのターンが終了した。


絶体絶命のピンチと言っても過言ではない、この状況。次はトロンのターンだ。



8ターン
一馬&フェイカー&トロン
LP1200
ハートランド
LP2700


トロン:「僕のターン!」
トロンがデッキからカードをドローする。


トロン:『今の状況では、あのカオスナンバーズを倒すことはできない。機会を待つしかないか…!』
トロンは、フェイカーが召喚したガーベージ・ナイトを見つめる。

トロン:「フェイカー、モンスターを借りるよ!」
一馬とフェイカーとトロンのフィールドは、3人で一つのフィールドとなっているので、トロンがフェイカーのモンスターを自由に使うことはできるのだ。

トロン:「ガーベージ・ナイトの効果発動!このカードを除外し、墓地からエクシーズモンスター1体を守備表示で特殊召喚する!」
ガーベージ・ナイトがフィールドから消え、トロンの墓地が輝く。

トロン:「この効果で、僕は墓地より、紋章帝(メダリオン・カイザー)-ローブ・オブ・エステートを復活させる!」
トロンの場に数ターン前に破壊されたローブ・オブ・エステートが場に戻ってきた。


紋章帝(メダリオン・カイザー)-ローブ・オブ・エステート
守備力1300


トロン:「カードを2枚セットし、ターンエンド」
トロンのターンが終了した。

ハートランド:「もうターンエンドですか。つまらないですね。もっとハート・バーニングしてはいかがですか?フッ、そんな余裕はないか」
身体が蠅の怪物化したハートランドの目が光る。


9ターン
一馬&フェイカー&トロン
LP1200
ハートランド
LP2700


ハートランド:「私のターン!」
ハートランドがデッキからカードをドローする。

ハートランド:「インフェクション・ジェネラルの効果により、私は場にインフェクション・バグ・トークンを召喚!」
ハートランドの場に、トークンが現れる。


インフェクション・バグ・トークン
守備力300


ハートランド:「インフェクション・カオス・ベルゼブブの効果発動!自分フィールド上に存在するトークン1体をリリースすることで、相手フィールド上に存在するモンスター1体を破壊する!更に破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを相手ライフに与える!」
インフェクション・カオス・ベルゼブブに闇のオーラが纏われる。


一馬:「トークンは、そいつを呼び寄せるためだけでなく、そいつの効果を利用するためでもあったということか…!」

ハートランド:「今更気付いても遅い!」
インフェクション・バグ・トークンがフィールドから消える。

ハートランド:「苦痛を味わうがいい!人間共!私は、インフェクション・カオス・ベルゼブブの効果で、ローブ・オブ・エステートを選択!」
ローブ・オブ・エステートを指さすハートランド。インフェクション・カオス・ベルゼブブが、ローブ・オブ・エステートに襲いかかる。


トロン:「トラップ発動!”グレート・メダリオン”!自分フィールド上に存在するメダリオンと名の付くモンスターがカード効果の対象に選択されたときに発動!効果の発動を無効にし、デッキからトラップカードを1枚場に伏せる!」
インフェクション・カオス・ベルゼブブが動きを止め、更にトロンがデッキから1枚カードを選択し、リバースセットする。


ハートランド:「この効果を発動したターン、インフェクション・カオス・ベルゼブブは攻撃することができない。トドメをし損ねたか」

一馬:「残念だったな」

ハートランド:「まあいいでしょう。私の有利に変わりはないのだからな。カードを2枚セットし、ターンエンド」
ハートランドのターンが終了した。
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