第167話:『逆転を狙え!ゼアルセカンド』
ウェスカー:「レヴォリューション・デュランダル!奴の最期のモンスターを破壊しろ!」
レヴォリューション・デュランダルが、遊馬の場に残る幻影トークンを粉砕した。
ウェスカー:「そして、最後のバトル!黒騎士-ホーフブルク・ロンギヌスでダイレクトアタック!」
ホーフブルク・ロンギヌスが手に持つ2本のロンギヌスの槍で遊馬を突き刺す。
遊馬:「ぐわあああ!」
遊馬に大ダメージが襲う!
遊馬
LP3300→1000
一馬、明里:「「遊馬!!」」
遊馬は、アストラルとエリファスの側に倒れる。
アストラル:『遊馬!』
エリファス:『無事か!?』
遊馬:「あぁ、問題ねえよ」
遊馬はすぐに起き上がり、立ち上がる。
ウェスカー:「俺はこれでターンエンド」
ウェスカーのターンが終了した。
だが、ウェスカーのプレイは終わってはいなかった。
ウェスカー:「この瞬間、黒騎士-ホーフブルク・ロンギヌスの効果発動。自分ターンに黒騎士と名の付くエクシーズモンスターが効果によって使用したオーバーレイユニットの数だけ、このカードにオーバーレイユニットを置くことができる!」
遊馬:「何っ!」
ウェスカー:「このターンに使用したオーバーレイユニットは2つ。よって、黒騎士-ホーフブルク・ロンギヌスに2つのオーバーレイユニットが乗る」
ホーフブルク・ロンギヌスの周りにオーバーレイユニットが2つ浮かび上がる。
黒騎士-ホーフブルク・ロンギヌス
オーバーレイユニット:0→2
エリファス:『オーバーレイユニットを消費しても、あのモンスターがオーバーレイユニットを復活させてしまうのか…』
アストラル:『これは、予想以上に手ごわいぞ、遊馬』
アストラルが遊馬を見る。
遊馬も、冷や汗を垂らす。
第9OP『HEART・BEAT《MARIA》』
第167話:『逆転を狙え!ゼアルセカンド』
暗黒に染まりし、最強の戦士たち。その名も”黒騎士”。
エースモンスターであろう”黒騎士-レヴォリューション・デュランダル”の召喚により、遊馬は窮地に立たされていた。
遊馬
LP1000
ウェスカー
LP2200
トロン:「遊馬のライフを一気に1000ポイントまで下げるとは…」
アーサー:「黒騎士…、その名の通り、闇の騎士たちか」
双六:「油断ならぬ敵じゃな。ワシにもわかる。あのモンスターから放たれる殺気のような、オーラを…」
ウェスカーの操る黒騎士の殺気は、デュエルしていない者たちにも伝わっていた。
カーリー:「うぅ…、このままじゃ、遊馬が危ないんだから!」
オボミ:『ガンバレ、ユウマ!ガンバレ、ユウマ!』
お掃除ロボット・オボミがクルクル回りながら遊馬を応援する。
ウェスカー:「かつての騎士たちが使っていた剣。それを闇に染め、使用する騎士たち。それが、この黒騎士だ。光を斬り裂き、闇を超えるその力に、お前は勝てるか!九十九遊馬!」
ウェスカーが遊馬を挑発する。
遊馬は無言でターンを進める。
4ターン
遊馬
LP1000
ウェスカー
LP2200
遊馬:「俺のターン」
遊馬はデッキからカードをドローする。
遊馬の手札は、前の自分のターンで全て使い切ってしまっている。つまり今、手札にあるカードは、今引いたカードしかないということだ。
遊馬は引いたカードを確認し、特に悔しい顔や笑った顔をせず、ポーカーフェイスのまま、引いたカードを場に伏せた。
遊馬:「カードを1枚セット。ターンエンドだ」
遊馬は、引いたカードを場に伏せてターンを終了した。
羽蛾:「カードを場に伏せただけ!?」
竜崎:「無理もないやろ。あいつの手札は、前のターンで使い切っておるんや」
鉄男:「それじゃあ、伏せたカードはただのブラフ…!」
遊馬が敗北することを恐れてきた鉄男たち。
今は、あのカードを信じるしかない…と、仲間たちは思った。
ウェスカー:「どうやら、勝負付いたな。九十九遊馬。貴様を倒せば、ドン・サウザンド様も喜んでくれる」
ウェスカーが遊馬を指さしてそう言った。
5ターン
遊馬
LP1000
ウェスカー
LP2200
ウェスカー:「俺のターン!」
ウェスカーがデッキからカードをドローする。
ウェスカー:「このまま攻撃してトドメを刺すのもいいが、念には念を入れておこう。レヴォリューション・デュランダルの効果発動!オーバーレイユニットを一つ取り除くことで、このカードを除く、自分フィールド上に存在する黒騎士と名の付くモンスター1体につき、1枚相手のマジック、トラップゾーンのカードを破壊する!」
黒騎士-レヴォリューション・デュランダル
オーバーレイユニット:1→0
ウェスカーのフィールドには2体の黒騎士が存在する。よって、2枚まで遊馬のマジック。トラップカードを破壊できるということだ。
遊馬の場に伏せてあるカードは1枚。つまり、このカードが破壊されれば、遊馬の場にカードが無くなるということだ。
遊馬:「っ!」
特に何もせず、遊馬は破壊されたカードを見ていた。
フェイカー:「遊馬の場ががら空きに…!」
アーサー:「これでは、向こうのモンスターの総攻撃が来るぞ!」
遊馬を守るカードは場にはもう存在しない。
ウェスカー:「こいつで、ジ・エンドだ!遊馬!黒騎士-レヴォリューション・デュランダルでダイレクトアタック!!ディバイド・スラッシュ!!」
レヴォリューション・デュランダルの聖剣が遊馬に迫る。
明里:「遊馬!」
弟を心配する明里が、遊馬の名前を叫ぶ。
遊馬:「まだ勝負を決めさせるつもりはねえ!この瞬間、たった今、破壊されたトラップカード”ナンバーズ・ソッティーレ”の効果発動!」
遊馬の場にトラップカードが現れ、ウェスカーが動揺する。
遊馬:「墓地に存在するナンバーズを全て除外することで、このターンのバトルフェイズを強制終了させる!」
この効果で、墓地にあるヴォルカザウルスとシャドー・リッチを除外し、レヴォリューション・デュランダルの攻撃は強制的に止まった。
ウェスカー:「俺がリバースカードを破壊することを呼んでの防御策か…!」
悔しそうにウェスカーは言った。
遊馬:「更に、この効果で除外されたナンバーズのランク3つに付き、デッキから1枚ドローする。ヴォルカザウルスのランクは5、シャドー・リッチはランクは3。合計は8つ。よって、2枚ドロー!」
遊馬は手札を2枚補充する。
ウェスカー:「バトルを強制終了させるだけでなく、手札も補充するか。しぶとい奴だ。カードを1枚セットし、ターンエンド」
ウェスカーのターンが終了した。
ウェスカー:「そして、この瞬間、ホーフブルク・ロンギヌスの効果により、このターン使用したオーバーレイユニットをホーフブルク・ロンギヌスに置く」
このターン、黒騎士が使用したオーバーレイユニットは1つ。
よって、1つのオーバーレイユニットが、ホーフブルク・ロンギヌスに乗る。
黒騎士-ホーフブルク・ロンギヌス
オーバーレイユニット:2→3
6ターン
遊馬
LP1000
ウェスカー
LP2200
遊馬:「俺のターン!」
遊馬がカードをドローする。
遊馬:『このデュエルに勝つためには…』
遊馬は引いたカードと手札を確認し、プレイを続ける。
遊馬:「手札から”ホープ・クルーガー”を召喚!」
遊馬の場に、ホープと同じ姿をした小さい戦士が現れる。
ホープ・クルーガー
レベル4 攻撃力0
遊馬:「このカードは、希望皇ホープをエクシーズ召喚するとき、1体で2体分のオーバーレイユニットにすることができる!!」
遊馬が効果の説明をすると、フィールドの中央に次元の渦が現れる。
遊馬:「俺は2体分のホープ・クルーガーでオーバーレイ!2体分のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!」
次元の渦は爆発を起こし、遊馬のエースモンスターを呼び覚ます!
遊馬:「真の戦いは、ここより始まる!我が力の象徴!現れろ!”No.39希望皇ホープ”!!」
遊馬のエースモンスター、希望皇ホープが遂に現れる。
No.39希望皇ホープ
ランク4 攻撃力2500
ウェスカー:「来たか、希望皇ホープ。九十九遊馬のエースモンスター。だが、そいつの攻撃力では、レヴォリューション・デュランダルを倒すことはできない」
ウェスカーが言っていることは、遊馬も承知の上だった。
遊馬:「ホープ・クルーガーがオーバーレイユニットになったとき、デッキから1枚ドローする」
遊馬はデッキからカードを引いた。
遊馬:「行くぞ!俺は”RUM(ランク・アップ・マジック)-カオス・リミテッド”を発動!」
ウェスカー:「!」
アストラル:『そうか、あのホープを出すのだな』
遊馬のやろうとしていることを先読みするアストラルは腕を組んで遊馬を見つめる。
遊馬:「自分フィールド上に存在するエクシーズモンスター1体を選択し、選択したモンスターよりランクが1つ高いエクシーズモンスター1体を、選択したモンスターをオーバーレイユニットにして特殊召喚する。俺は希望皇ホープを選択し、オーバーレイネットワークを再構築!」
フィールド中央の頭上に次元の渦が現れ、ホープの魂は渦に吸い取られる。
遊馬:「カオス・エクシーズ・チェンジ!」
ホープが進化した姿で現れる。
遊馬:「出でよ、CNo(カオスナンバーズ).39!混沌を統べる赤き覇王。悠久の戒め解き放ち赫焉となりて闇を打ち払え!降臨せよ、”希望皇ホープレイV”!」
黒色と紅に染まったホープが遊馬の場に現れる。
CNo.39希望皇ホープレイV
ランク5 攻撃力2600
ウェスカー:「ホープレイV…!情報では、このホープは…!」
遊馬:「ホープレイVの効果発動!1ターンに1度、このカードのオーバーレイユニットを1つ取り除き、相手フィールド上のモンスター1体を選択して発動!選択したモンスターを破壊し、破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを相手ライフに与える!」
CNo.39希望皇ホープレイV
オーバーレイユニット:2→1
遊馬:「俺は黒騎士-レヴォリューション・デュランダルを選択し破壊する!ホープ剣・Vブレードシュート!!」
ホープレイVは手に持つ剣で、レヴォリューション・デュランダルを切り殺そうとする。
ウェスカー:「ならばトラップ発動!”ダーク・ハイド”!自分フィールド上に存在する闇属性モンスターが、相手のカード効果の対象になったとき発動!その闇属性モンスターをエンドフェイズまで除外する!黒騎士-レヴォリューション・デュランダルを除外!」
レヴォリューション・デュランダルが、フィールドから消えた。
ウェスカー:「選択したモンスターがいなくなれば、俺にダメージは与えられまい」
遊馬:「だが、ホープレイVは攻撃が残っている!希望皇ホープレイVで黒騎士-ホーフブルク・ロンギヌスに攻撃!ホープ剣・Vの字斬り!!」
ホープレイVはVを描くように、剣を振り、ホーフブルク・ロンギヌスを破壊した。
ウェスカー:「っ!」
ウェスカー
LP2200→1900
遊馬:「カードを1枚セット、ターンを終了する」
遊馬のターンが終了した。
このとき、ダーク・ハイドの効果が切れ、除外されていた黒騎士-レヴォリューション・デュランダルがフィールドに戻ってくる。
黒騎士-レヴォリューション・デュランダル
攻撃力2800
ウェスカー:「ここで、ホープレイVを出してくるとはな。まさか、バリアンの力を、この身に受けることになるとはな」
遊馬:「バリアンの力?」
ウェスカー:「とぼけないもらおうか。ホープレイVは、バリアンの力を秘めている存在…。故に、闇と光の力を持つホープ。その暗黒的なカラーリングが、その証拠だ」
ホープレイVの色は、濃紺を基調に真紅と銀色の配色が特徴的だ。確かに、バリアンの力を秘めているのは間違いないだろう。
遊馬:「確かに、こいつはかつてバリアンだったベクターから授かったカードによって生まれたホープだ。闇のホープと言ってもあながち嘘じゃねえ。けどな、こいつもホープという名を持つ希望の象徴だ。お前にとやかく言われる必要はねえよ」
ウェスカーの言葉に囚われず、遊馬はホープレイVという存在を、希望の象徴だと発言し、ウェスカーは、あざ笑う。
ウェスカー:「バリアンの力を持つ、そいつを希望の象徴と言うか。面白い!なら、その象徴を俺が壊してやる!」
ウェスカーのデッキの一番上のカードが光る。
まるで、運命に選ばれたカードが来たかのように…。
7ターン
遊馬
LP1000
ウェスカー
LP1900
ウェスカー:「俺のターン!!」
ウェスカーは、運命に選ばれたカードをドローした。
ウェスカー:「ランクアップマジックを使うのは貴様だけではないぞ、遊馬!」
遊馬:「!」
アストラル:『まさか、向こうも出すと言うのか…!』
ウェスカー:「その通りだ!”RUM(ランク・アップ・マジック)-バリアン・デュランダル・カオス”を発動!!」
ウェスカーの場にランクアップマジックが発動され、フィールド頭上に紋章が現れる。
ウェスカー:「自分フィールド上に存在するエクシーズモンスター1体を選択し、選択したモンスターのランクが1つ高い、カオスエクシーズモンスターを、選択したモンスターを素材にエクストラデッキから特殊召喚する!!」
紋章が異次元の渦に変化する。
ウェスカー:「俺は黒騎士-レヴォリューション・デュランダルを選択し、オーバーレイネットワークを再構築!カオスエクシーズ・チェンジ!!」
異次元の中にレヴォリューション・デュランダルが吸い込まれ、そして新たな闇のモンスターを呼び覚ます。
ウェスカー:「闇に潜める伝説の騎士よ。更なる闇を刀剣に宿し、真の姿となって、ここに降誕せよ!現れろ!”CX(カオスエクシーズ)-黒騎士バリアンズ・デュランダル・ヴァルキリー”!!」
真の黒騎士モンスターが、ウェスカーの場に降臨した。
CX(カオスエクシーズ)-黒騎士バリアンズ・デュランダル・ヴァルキリー
ランク7 攻撃力3000
エリファス:『カオスエクシーズの黒騎士モンスター…!これが奴の本当の切札…!』
バリアンズ・デュランダル・ヴァルキリーから放たれる殺気に、遊馬だけでなくデュエルを見る者たちも戦慄した。
ウェスカー:「更に、バリアン・デュランダル・カオスは、この効果でカオスエクシーズ化したモンスターのオーバーレイユニットになる!」
バリアンズ・デュランダル・ヴァルキリーのカオスオーバーレイユニットが1つ増える。
CX-黒騎士バリアンズ・デュランダル・ヴァルキリー
オーバーレイユニット:1→2
ウェスカー:「そして、手札からマジックカード”ブラック・ナイト・ポンド”を発動!自分フィールド上に存在するモンスターが黒騎士と名の付くエクシーズモンスター1体のみしか存在しないとき、そのモンスターを選択して発動!墓地に存在する黒騎士と名の付くモンスターを3体まで、選択したモンスターのオーバーレイユニットにすることができる!!」
ウェスカーの墓地に存在するモンスターカードの幻影がウェスカーの頭上に現れる。
ウェスカー:「俺が墓地から選択するのは黒騎士-ロンギヌス!黒騎士-ツヴァイヘンダー!黒騎士-エストック!」
3枚のモンスターカードの幻影が頭上に残り、そのカードが魂となって、バリアンズ・デュランダル・ヴァルキリーのオーバーレイユニットとなる。
CX-黒騎士バリアンズ・デュランダル・ヴァルキリー
オーバーレイユニット:2→5
鉄男:「一気に、オーバーレイユニットを3つ増やして、5つにしやがった…!」
トロン:「バリアンズ・デュランダル・ヴァルキリーの効果とは一体…!」
トロンがバリアンズ・デュランダル・ヴァルキリーを見ると、ウェスカーは今見せてやると言わんばかりに、効果を発動した。
ウェスカー:「黒騎士バリアンズ・デュランダル・ヴァルキリーの効果発動!オーバーレイユニットを1つ使い、墓地より黒騎士-ホーフブルク・ロンギヌスの効果を無効にして特殊召喚!」
オーバーレイユニットが墓地にいるモンスターへと変わる。
CX-黒騎士バリアンズ・デュランダル・ヴァルキリー
オーバーレイユニット:5→4
黒騎士-ホーフブルク・ロンギヌス
攻撃力2300
遊馬:「黒騎士を復活させる効果持ちか…!」
ウェスカー:「行くぞ!CX-黒騎士バリアンズ・デュランダル・ヴァルキリーでホープレイVに攻撃!」
手に持つ巨大な聖剣を振り下ろし、ホープレイVを跡形もなく消滅させた。
遊馬:「うわああああ!」
遊馬は、その衝撃で飛ばされる。
遊馬
LP1000→600
一馬:「遊馬!」
フェイカー:「遊馬の残りライフは600!次の攻撃を防げなければ、遊馬の終わりだ!」
ウェスカーの場には、復活したばかりのホーフブルク・ロンギヌスが存在する。
攻撃力は2300。遊馬のライフを0にするためには充分な攻撃力だ。
ウェスカー:「さあ、終焉の時だ!黒騎士-ホーフブルク・ロンギヌスで遊馬にダイレクトアタック!!」
ホーフブルク・ロンギヌスがロンギヌスの槍を持って遊馬にトドメを刺しに近づく。
明里:「遊馬!」
ウェスカー:「終わりだ……、!!」
自分の勝利で間違いない…と思った矢先、遊馬の場に希望皇ホープが突然現れた。
ウェスカー:「チッ、リバースカードか」
遊馬:「あぁ、トラップカード”エクシーズ・リボーン”を発動した。自分の墓地に存在するエクシーズモンスター1体を選択し、このカードを選択したモンスターのオーバーレイユニットにして特殊召喚する」
つまり、希望皇ホープは、オーバーレイユニットを1つ持っている状態で復活したということだ。
No.39希望皇ホープ
攻撃力2500
ウェスカー:「俺はカードを2枚セットし、ターンエンド」
ウェスカーのターンが終了した。
遊馬:「間一髪ってところだったな」
ウェスカー:「間一髪?苦しみが長引いただけだ。貴様が有利に立つことはもう永遠にない!」
遊馬:「言ってくれるな」
ウェスカー:「俺の黒騎士が、貴様を斬り裂く!次のターンでな!」
ウェスカーの場にいる黒騎士たちが、その手に持つ武器を構える。
遊馬:「なら、俺は次のターンで逆転を狙ってやる!」
遊馬は笑みを浮かべながら、そう言った。
遊馬:「俺のデュエルは、ここからが本番だぜ」
遊馬がそう言うと、アストラルが遊馬の隣に立つ。
ウェスカー:「?」
遊馬:「希望を持ち続ければ奇跡は必ず起きる!俺はそれを知っている!」
遊馬がアストラルを見つめる。
アストラル:『やるぞ、遊馬』
遊馬:「ああ!」
遊馬が粒子が入り混じった赤いオーラに、アストラルが青いオーラに包まれる。
遊馬:「俺は俺自身と!」
アストラル:『私で!』
「『オーバーレイ!!』」
2人の身体が宙に浮き、縦横無尽に飛び回る。
ウェスカー:「!!」
遊馬:「俺たちの魂でオーバーレイネットワークを構築!!」
2つの輝きがぶつかり合い、凄まじい輝きを周りに照らす。
アストラル:『真の絆で結ばれし二人の心が重なったとき、語り継ぐべき奇跡が現れる!!』
白い鎧のようなボディを身につけ、オレンジ色の長い髪をしたデュエリストが、その姿を現す!
遊馬、アストラル:「『エクシーズ・チェンジ!ゼアル!!』」
ゼアル第2形態。別名、ゼアル・セカンド!
ウェスカー:「それが、噂に聞く第2のゼアルか!」
遊馬とアストラルの魂が一つになった姿を見て、ウェスカーが、そして皆が驚いた。
そして、遊馬の右手が輝く。
8ターン
遊馬
LP600
ウェスカー
LP1900
アストラル:『この右手に宿る希望の光!この光が、逆転へと繋げるカードを導く!』
デッキの一番上のカードが、遊馬とアストラルに導かれたかのように輝く。
遊馬、アストラル:「『シャイニング・ドロー!!』」
導かれたカードをドローする遊馬は、引いたカードを見て笑みを浮かべる。
アストラル:『希望の光は、私たちに勝利の道を与えてくれた!』
遊馬:「俺は”RUM(ランク・アップ・マジック)-ヌメロン・フォース”を発動!」
遊馬は、このデュエル2枚目のランクアップマジックを発動した。
ウェスカー:「ヌメロン・フォース…そして、場にはホープ…、ということは…!」
遊馬:「ヌメロン・フォースは、自分フィールド上のエクシーズモンスター1体を選択して発動し、選択したモンスターと同じ種族でランクが1つ高いCNoと名のついたモンスター1体を、選択した自分のモンスターをオーバーレイユニットにし、エクシーズ召喚扱いとしてエクストラデッキから特殊召喚する!俺は、ランク4の希望皇ホープでオーバーレイネットワークを再構築!カオスエクシーズ・チェンジ!」
ホープは、ヌメロン・フォースの輝きと共に、空中で進化を遂げる。
遊馬:「現れろ、CNo.39!希望に輝く魂よ!森羅万象を網羅し、未来を導く力となれ!”希望皇ホープレイ・ヴィクトリー”!!」
ホープの足に、腕に、足に、胸に、そして顔に新たな剣を持ち、真の姿を見せた。
CNo.39 希望皇ホープレイ・ヴィクトリー
ランク5 攻撃力2800
鉄男:「よし!ホープレイ・ヴィクトリーのお出ましだ!」
ホープレイ・ヴィクトリーの登場に興奮する鉄男。
アストラル:『ヌメロン・フォースを発動したとき、この効果で特殊召喚したモンスター以外のフィールド上に表側表示で存在するカードの効果を全て無効になる』
ホープレイ・ヴィクトリーが、気迫が込められているオーラに纏われる。
ウェスカー:「っ!」
遊馬:「ホープレイ・ヴィクトリーでCX-黒騎士バリアンズ・デュランダル・ヴァルキリーに攻撃!この瞬間、ホープレイ・ヴィクトリーの効果発動!このカードが相手の表側表示モンスターに攻撃宣言した時、このカードのオーバーレイユニットを1つ取り除くことで、ターン終了時まで、その相手モンスターの効果は無効化され、このカードの攻撃力はその相手モンスターの攻撃力分アップする!ビクトリー・チャージ!!」
ホープレイ・ヴィクトリーは胸のコアに、オーバーレイユニットを一つ吸収し、4本の剣を構える。
CNo.39 希望皇ホープレイ・ヴィクトリー
オーバーレイユニット:3→2
攻撃力2800→5800
レベッカ:「攻撃力5800!ホープレイ・ヴィクトリーの攻撃が通れば、遊馬の勝ちよ!」
遊馬の勝利が見えてきたレベッカ。
遊馬:「黒騎士バリアンズ・デュランダル・ヴァルキリーをぶった切れ!」
ホープレイ・ヴィクトリーがVの字に4本の剣を振った。
遊馬:「『ホープ剣・ダブルビクトリースラッシュ!!!』」
斬撃が、バリアンズ・デュランダル・ヴァルキリーに迫る。
遊馬:「これで終わりだ!」
ウェスカー:「まだだ!CX-黒騎士バリアンズ・デュランダル・ヴァルキリーの効果発動!!」
遊馬:「何っ!?」
ウェスカー:「黒騎士バリアンズ・デュランダル・ヴァルキリーは、自分のライフが相手のライフより多いとき、こいつのカード効果を無効にすることはできない!」
バリアンズ・デュランダル・ヴァルキリーが黒いオーラを纏い、いつの間に、ヌメロン・フォースの効果無効のうりょくを跳ね返していた。
ウェスカー:「更に、オーバーレイユニットを一つ取り除くことで、破壊を無効にし、ダメージを半分にする!」
オーバーレイユニットを使用したバリアンズ・デュランダル・ヴァルキリーが、ホープレイ・ヴィクトリーの斬撃に耐える。
CX-黒騎士バリアンズ・デュランダル・ヴァルキリー
オーバーレイユニット:4→3
ウェスカー:「ぐっ!」
ウェスカー
LP1900→500
アストラル:『バリアンズ・デュランダル・ヴァルキリー…、効果無効対策も施されていたか…!』
遊馬と魂を一つにしているアストラルが、少し動揺して言った。
エリファス:『バリアン8人衆のリーダー…、やはり一筋縄ではいかないか…』
デュエルを見ているエリファスも呟いた。
遊馬:「決着は付かなかったか。なら、カードを1枚セットし、ターンエンドだ」
遊馬のターンが終了した。
同時に、ホープレイ・ヴィクトリーの攻撃力が元に戻る。
CNo.39 希望皇ホープレイ・ヴィクトリー
攻撃力5800→2800
ウェスカー:「流石に、今のは少し焦ったが、お前の勝利は、また遠のいたな」
遊馬:「ライフを500まで減らされた奴がいうことかよ。それに、お前に勝利が傾いているわけじゃねえだろ?」
ウェスカー:「どうだろうな。俺たちが、こんなことしている間に、ドン・サウザンド様の計画は、着々と進んでいる」
ウェスカーがそう言うと、遊馬の表情が変化する。
慌てているような、驚いているような、よくわからない真顔な表情だ。
ウェスカー:「いずれにせよ、お前たち人間に未来はもうない」
自分たちの勝利を確信するウェスカー。
その頃、他のメンバーたちもタイムリミットが迫っていることに焦っていた。
凌牙ルート
慎也:「深影さんが送ってきたポイントは、この先だ」
葵:「急ぎましょ!時間がないわ!」
凌牙:「璃緒…」
実の妹を心配する凌牙の心は動揺していた。
ゴーシュルート
急ぐゴーシュ達。
すると、目の前に1つの扉が目の前に見えてきた。
建物も何もないところに扉があるのは、誰が見ても不自然だ。
ブリッツ:「罠か?」
ゴーシュ:「罠だろうが、今はいくしかねえ!」
ヨハン:「こっちは、先に進むしかないからな!」
ゴーシュは、目の前に見えた不自然な扉を開けて、中へ入った。
そして、たどり着いた場所は、木々が立ち並ぶ山の中、そして近くには川が流れていた。
ゴーシュ:「また、よくわからねえところに来たな」
ゴーシュが、そう呟くと、すぐ近くに、再び扉が現れた。
また中へ入れと言っているのか…。だが、そう思った瞬間、扉が勝手に開き、扉の向こうから、知っている顔の人々が現れた。
アンナ:「ああ!」
ドロワ:「神月アンナ!」
ついさっき通信で連絡が取れたアンナ一行たちだった。
三沢:「翔!ヨハン!ジム!」
三沢が3人の顔を確認して名前を呼ぶ。
翔:「あ、三沢君。いたんだ」
それで、お約束の言葉を聞いた三沢は「いたよ!」と強く言う。
御伽:「よかった!とりあえず、仲間たちと合流出来て」
ラフェール:「あぁ、だが喜んでいる時間はない。急がなければ」
ゴーシュ:「それはわかってるんだが、ドン・サウザンドの居場所がわからねえんじゃ、行こうにも行けねえぞ」
ゴーシュが周りを見渡して言う。
ドルべ、Ⅴたちも、戦争で崩壊した街中をずっと走っていた。
カイトの方は、まだバリアン8人衆の1人、スペンサーと決着が着いていない。とりあえず、走る続け、奴を探し、ドン・サウザンドと璃緒とベクターの居場所を吐かせようと必死だった。
小鳥ルート
杏子:「タイムリミットまで、残り2時間ないわ!」
結衣:「早くしないと、私たちの世界が滅びちゃう!」
杏子や結衣の声を聞いて、小鳥も動揺していた。
ネオコーポレーションシティに向かっている吹雪たち、それから、フロンティア本部で待機している百々原や斎王たち、全員が戦慄していた。
ウェスカー:「遊馬!早く決着を付けよう!お前だけは、人間界とアストラル世界が滅びる前に消す!」
ウェスカーがデッキからカードをドローしようとし、デュエルを継続しようとする。
すると、遊馬が深いため息をついた。
遊馬:「黙って聞いてれば、好き放題なこと言ってくれるな。人間界に未来はない?その言葉を言うのは、まだ早いぜ」
遊馬が真剣な眼差しでウェスカーを見る。
ウェスカー:「?」
遊馬:「ドン・サウザンドは、ベクターと璃緒を幽閉している場所に向かってるんだったよな?」
ウェスカー:「それがどうした?」
遊馬:「なら、まだ勝負はわからねえよ」
ウェスカー:「何?」
アストラル:『我々が、何も考えずに、ここへ来ているとでも思ったのか?』
遊馬と魂を一つにしているアストラルが言う。
遊馬の、いやカイゼル・サウザンド内部にいるフロンティアメンバーたちのミッションウォッチに通信が入る。
カイゼル・サウザンド内部の電波障害は、まだかすかに残っている。みんなのミッションウォッチが同時に鳴り響くのは、はっきり言って異常に近い。
遊馬は、ミッションウォッチの通信をONにする。
遊馬:「随分、遅かったな」
ベクター:『誰かさんが、面倒な仕事を押し付けた所為だろ』
ほとんどの者が驚いた。なぜなら、声の主は裏切り者のベクターだったからだ。
バリアン世界の本拠地
ベクター:「こっちは、とりあえず、終わらせたぜ」
かすり傷を負っているベクター、そして璃緒。
その近くには、今回の事件の現況、ドン・サウザンドが倒れていた。
第10ED『さすらいびと《DASEIN》』
次回予告
ナレーション:ベクターと璃緒がドン・サウザンドを倒した…!
誰もが驚く中、8人衆のリーダーも、焦る表情を見せ、その場を離脱する!
しかし、戦いはこれで終わりではなかった…!
残されたミスター・ハートランドの逆鱗が、遊馬に向けられるが、ハートランドとの決着に、彼等が立ち上がる!
一馬:次回、遊戯王5DXAL「一馬&トロン&フェイカー 父親タッグ!」
一馬:「行け!遊馬!ここは、父ちゃんたちに任せろ!」