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第166話:『迫りし黒騎士!!』








シュヴァルツシールドを中心にオーラのようなものが張り巡らされていた。

そのオーラの中に入ったことで、蚊忍者は動きを止めたのだ。

モスキート音の超音波もピタッと止まった。


ミザエル:「おい、それ以上は他言無用だ…」
ミザエルは立ち上がる。






巨大な青色のメカハンドが現れ、そのハンドは電気を帯びて、蝉丸の身体を殴り飛ばした。

蝉丸は瞬時に、防御に入ったがそれでも大きく吹き飛ばされ、しかも頭の角がポキッと折れた。




アリトが右手の拳を突き付けた瞬間、いくつもの衝撃波が、クラゲ先輩の背中から出ているクラゲの足に全て直撃させ、反撃した。



アリト:「おい、クラゲ野郎。もう一度、遊馬を侮辱してみろ」
完全にキレている…。アリトの表情は誰にで、そう見える顔だった。


ギラグ:「遊馬がどうして、あんなに強いのか。それは、バリアンに落ちるためでもなければ、化け物になるためでもない。世界を守るための力だと、俺たちは知っている」
ギラグの右腕が炎に包まれる。



ギラグ:「ジャーマ・ディレクト!」
右拳を突き出し、炎のパンチを繰り出す。

そのパンチは巨大で、炎の塊と言っても過言ではない。

ギラグが放った炎の巨大なパンチは、蝉丸を飲み込んだ。

蝉丸:「ぐわあああ!」
蝉丸は奇声をあげ、吹き飛ばされる。

そして、ギラグが放った攻撃は、結界にヒットし、その結界を粉々にしてしまうほどの破壊力抜群の攻撃だった。



アリト:「バーニング・ヴェーア・パァァンチ!!」
炎の右拳パンチを一度繰り出しただけで、炎のパンチ十数発分を一気に放つ。


襲いかかるクラゲの足が焼き焦げにされ、そしてクラゲ先輩を襲う。


クラゲ先輩:「ぬわああああああ!」
クラゲ先輩も蝉丸と同様で、大きく吹き飛ばされる。






ミザエル:「オスクリタ・トリニティスラッシュ!!」
剣を振り、闇の3つの斬撃を飛ばす。


蚊忍者:「ぐっ…がああああああ!」
一度は脇差で受け止めるものの、3つの斬撃はそれをものともせず、蚊忍者の身体へ大ダメージを与える。




闇デュエル界の四悪人
蝉丸、クラゲ先輩、蚊忍者の戦闘不能!






第9OP『HEART・BEAT《MARIA》』







第166話:『迫りし黒騎士!!』








戦闘不能のなった蝉丸とクラゲ先輩は身体を大ダメージを受けて倒れていた。


梨香:「やったわ!2人が勝った!」

レミ:「一時はどうなるかと思って冷や冷やしたけど」

キャッシー:「遊馬を愚弄したバツよ」
ギラグとアリトの勝利に喜ぶ一行。


戦いを終えたギラグとアリトは、デュエルギアを収める。



ドルべ:「2人とも無事か?」
ドルべが2人に近づく。

勝ったとはいえ、巨大な腕で殴られたり、鞭のように数本の足でダメージを受けた2人の身体もボロボロのはずだ。


アリト:「心配無用だぜ、ドルべ。俺たちはこの通りピンピンだ!」

ギラグ:「あぁ、思ったほどダメージはあまりない」
2人とも笑ってそう言った。


Ⅴ:「しかし、これでは璃緒とベクターの居場所は聞き出せないな」
蝉丸とクラゲ先輩は話せないほどにダメージを受けて倒れている。

Ⅴの言葉にギラグとアリトが「あ」と一言呟く。


Ⅳ:「まあいいさ。こいつらはバリアン8人衆の一員じゃねえ。あいつらの居場所なんか知らねえだろ」

Ⅲ:「ですが、もし知っていたら…!」

Ⅴ:「もうやってしまったことだ。ともかく先を急ごう。時間は限られている」
Ⅴの言う通り、宣言時間は徐々に近づいている。


あれほど無様な姿で倒れている奴を起こす時間もない。

一行は、急いで先へ進む。



しかし、彼等は気付いていない。

倒したはずの蝉丸とクラゲ先輩…。この2人に漂う邪悪な力は、まだ消えてなどいない…。





その頃、蚊忍者を倒したミザエルの方は…




オービタル:『修復、完了』
蚊忍者が出していたモスキート音の超音波の所為で機能を停止していたオービタル7が再稼働した。


ハルト:「オービタル!兄さん!オービタルが元に戻ったよ!」
オービタル7が再稼働したことに喜ぶハルト。


オービタル:『オイラ、一体ドウシタノでアリマスカ?敵はドウナッタノでアリマスカ?』
オービタルは、今の状況が理解できずにいた。


カイト:「お前が倒れている間に、ミザエルが敵を倒したんだ」
カイトはさりげなくそう言った。


オービタル:『ソウデアリマスカ!それでオイラも再起動シタノでアリマスネ!』
オービタル7の再起動に問題ないことを確認したカイトはミザエルの方へ向かう。


ミザエルは、倒れている蚊忍者のすぐそばにいた。


カイトはミザエルの横に立つ。


カイト:「戦う前に、こいつが言っていたこと」
2人が蚊忍者が戦う前に、自分たちに教えたことを思い出す。




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蚊忍者:「そんなこと僕が知らないって蚊?まあ、バリアン世界の本拠地でゆっくりしているか、ドン・サウザンド様に何かされているかもしれないって蚊ぁ」



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ミザエル:「バリアン本拠地。おそらく奴が言っていた場所は、我々がかつてバリアン七皇として生きていたときに使用していた拠点のことだろう」

カイト:「なら、ベクターと璃緒はそこに」

ミザエル:「奴の言葉を信じるというなら、そこにいるだろうな。しかし、私は既にバリアンの力を持たない者。その場所に行くためのゲートなど開く術はない」
そうだ。もうミザエルはバリアンではない。そこへ行くための手段は、今のところないのだ。



エド:「立ち止まっていても仕方がない」
カイトたちの後ろに、エドや亮たちが立っていた。

亮:「この先へ進めば、ドン・サウザンドは、俺たちの前へ立ち塞がるはずだ」

クロウ:「そうすれば、その本拠地へ行くための術が何とかなるかもしれねえだろ?」

矢薙:「うむ。ここで考えても仕方がないじゃろ」
皆の言う通りだ。

ここで考えても仕方がない。


この先に進めば、ドン・サウザンドはきっと俺たちの前に現れるはずだ。その時に、璃緒とベクターの情報を、そして本拠地にいるのなら、そこへ行く術を何とかすればいい。


氷室:「早く行くぞ。時間がない」
一行は、とりあえず先へ進んだ。





そして、蚊忍者もまた蝉丸とクラゲ先輩同様、邪悪な力が消えているわけではないことに、ミザエルたちは気付いていなかった。






その頃、アンナたちは、別行動をとっているゴーシュ達と連絡することに成功した。



ゴーシュ:「そうか、8人衆の1人を倒したんだな」


アンナ:『ああ!余裕だったぜ!』
通信の向こう側で喜んでいるアンナ。




一方で、アンナと一緒に行動している者たちは、アンナを見て、「余裕だったの!?」そんな言葉を胸で呟いた。



アンナ:「そっちも、8人衆の1人を倒したんだろ?」



ゴーシュ:「当たり前だ!俺だって余裕に倒したぞ!」
ゴーシュがそう言うと、ドロワが鼻で笑った。

ドロワ:「一度は、敵の幻術に掛かり、味方を襲ってきたがな」
その言葉に、ゴーシュは「うっ」と言葉を詰まらせる。


ゴーシュ:「まあ、細かいことはさておきだ。神代璃緒とベクターについての情報は何か掴んだか?」



アンナ:「いや、これと言って情報はなしだ」


ゴーシュ:「そうか」
ゴーシュたちも璃緒とベクターについての情報は手に入れていない。

このままでは探すのは困難。他の仲間たちが、何かを掴んでいることに賭けるしかないか…。ゴーシュはそう呟く。








その頃、木々が沢山立ち並ぶ森の中…、いや森ではなく山の中を歩く遊馬達。



エリファス:『遊馬、ドン・サウザンドが宣言したタイムリミットまで、2時間ないぞ』

遊馬:「わかってる。だから、こうやって急いでいるんじゃねえか」
タイムリミットが迫っている…!遊馬達は走って、とりあえず先へ進んでいた。


双六とアーサーに関しては、年寄りのため鉄男とボマーが背負って運んでいた。



双六:「すまないな」

ボマー:「気にしないでください。体力には自信がありますから」
ボマーは笑ってそう言った。


アーサー:「私たち、来るべきではなかったかな」

鉄男:「世界を救うためには、人数が多い方がいいです。例え戦えなくても、見守ってくれる人が側にいるだけで、それは戦う人達の力にてなってくれます」
アーサーを背負う鉄男がそう言った。






すると、そのとき、遊馬とアストラル、エリファスが、何かに気付いた。


こちらに向けられた殺気…。


しかも1人じゃない。遊馬は、この殺気が誰のものなのかすぐに分かった。


そして、攻撃は突然襲ってきた。


遊馬:「みんな!止まれ!」
遊馬の言葉に、みんながその場に止まる。


黒い斬撃が、数発こちらに接近する。



遊馬は、ある男から授かったホープ・カードホルダーから”CNo.39希望皇ホープレイ”のカードを取り出し、銃剣可変式のデュエルギア”エスペランサ”を短剣モードにして、手に持った。

更に、エスペランサはセカンドステージへと進み、長剣タイプへと姿を変える。


遊馬は右手に闇の属性波動を流し込み、それをエスペランサへと伝達させ、エスペランサの刃が黒いオーラに纏われる。


遊馬:「伝龍技-飛竜(ワイバーン)・乱舞!」
遊馬が身に付けた伝龍技の1つ。

一振りするだけ、黒い斬撃を無数に飛ばす技だ。


遊馬が飛ばした斬撃は、全てこちらに迫る斬撃とぶつかり合い、その衝撃により空中で何度も爆発音が鳴り響く。


遊馬:「部下を置いて、ずっと出て来ないかと思ったぜ、ウェスカー」
遊馬の目線の先には、宙に浮くウェスカーと、そしてもう一人ミスター・ハートランドがいた。


羽蛾:「あいつ、映像に映っていた!」


一馬:「ハートランド…」

フェイカー:「遂に、出てきたな…」

トロン:「…」
一馬、フェイカー、トロンは細く怖い目線を、ハートランドに送る。


ハートランド:「お三方も、そんな怖い顔せずに、私はただの傍観者ですから」
ハートランドが3人の目線に気付き、そう言った。


カーリー:「何が傍観者よ!バリアンに引っ付く人間の敵!」
カーリーが、ハートランドを侮辱する。

ハートランド:「そこの女…、私を怒らせるなよ」
ハートランドから伝わる殺気に、カーリーは片方の足を一歩後ろに下げた。


羅夢:『なんて殺気だ…。この男、バリアン8人衆に引きを取らないほどの力を持っているのか…』
ハートランドの殺気を肌に感じる羅夢はそう呟いた。


ウェスカー:「ハートランド、お前はしばらく手を出すな」

ハートランド:「承知しております」
ウェスカーは地上に降りた。


ウェスカー:「もう少し、遊びたかったが、その余裕も無くなってきた」

遊馬:「?」

ウェスカー:「どうやら、俺はお前たち人間という存在を侮り過ぎたようだ」
ウェスカーの言葉を聞いた遊馬とアストラルは、何となく察しが付いたのか顔を合わせ、頷く。


遊馬:「その口振り、俺の仲間は、お前の仲間を倒しているようだな」


ウェスカー:「俺と、スペンサー以外、8人衆は全滅だ」
ウェスカーは偽りではなく本当のことを遊馬に教えた。


鮫島:「どうやら、他のみんなは無事のようだな」

レベッカ:「よかった」
みんなが無事に勝ち進んでいることを知り、レベッカたちは安心した。



遊馬:「神代璃緒とベクターは、どこにいる?」
裏切り者のベクターと連れ去られた璃緒のことを聞き出す遊馬。

ウェスカーは、軽くため息をつき、こう言った。

ウェスカー:「今は、バリアン世界の本拠地に幽閉している。今頃、ドン・サウザンド様が迎えに行っているはずだ」

ウェスカーの言葉を聞いて、遊馬は目を閉じた。

アストラル:『2人とも無事だといいが…』
アストラルは小さい声で呟いた。

遊馬:「今は信じるだけだ」
遊馬もまた小さい声で呟いた。



ウェスカー:「こちらも焦ってきた。九十九遊馬、ここでお前と決着を付ける!」
ウェスカーはDパッドを左腕に装着した。


遊馬:「俺とデュエルする気か?」

ウェスカー:「お前が、カイゼル・サウザンドに潜入した人間共の頭だということはわかっている。お前を倒せば、仲間共の威勢も失われ、戦う気力がなくなるからな」


エリファス:『遊馬を潰し、一気に反撃に出るつもりか』
エリファスは、ウェスカーの考えを理解した。



遊馬:「嘗められたものだぜ。俺の仲間は、そんなに弱い人間じゃねえ。俺を倒したところで、ドン・サウザンドを倒しに行くことに変わりはねえぞ!」
Dパッドを手に持って、遊馬はそう言った。



ウェスカー:「戦いの中で、頭を倒すことは基本だ。少なからず、お前を倒せば、そちらの戦力の3割は消えると俺は見ている。ここで、お前を倒し、ドン・サウザンド様の計画を遂行させ、人間世界とアストラル世界を滅ぼし、真のバリアン世界を気付く!」
ウェスカーからとてつもない殺気が放たれ、遊馬以外の者たちは、その殺気に怯える。



羅夢:「ハートランド以上の殺気…」

竜崎:「なんちゅー、やる気や!バリアンは本当に人間を越えた存在か!」
殺気に怯える竜崎が、弱音めいた事を吐く。


遊馬:「俺はドン・サウザンドの考えが理解できねえ!」
遊馬はDパッドと左腕に装着し、Dゲイザーを取り付ける。


遊馬:「俺たちは前へ突き進む!そして、戦いを終わらせる!」
遊馬からとてつもない気迫が放たれる。



ウェスカー:「行くぞ!」

遊馬:「来い!!」



「「デュエル!!!」」
遊馬とウェスカーのデュエルが始まった!!






両者
LP4000


1ターン


ウェスカー:「先行は俺からもらう!俺のターン、ドロー!!」
ウェスカーは引いたカードと手札にあるカードを確認する。


ウェスカー:「俺は”黒騎士-ロンギヌス”を攻撃表示で召喚!」
黒の鎧を身に纏い、キリストの生死を確認するためにわき腹をさしたとされる伝説の槍ロンギヌスを手に持つ戦士が現れる。


黒騎士-ロンギヌス
レベル4 攻撃力1800




アストラル:『黒騎士、見たことのないモンスターだ』

遊馬:「油断は禁物だな」
ウェスカーが出したロンギヌスを見て、一瞬戦慄しそうになった。

レベル4モンスターにも関わらず物凄い殺気を放っているからだ。


ウェスカー:「黒騎士-ロンギヌスの効果発動。このカードが召喚に成功したとき、デッキから同名モンスター1体を選択し、特殊召喚する」
ウェスカーはデッキからカードをサーチして、同名モンスターを場に出す。


黒騎士-ロンギヌス
レベル4 攻撃力1800


遊馬:「レベル4モンスターが2体…。いきなり来るか…!」
同じレベルのモンスターが場に揃ったとき、その後やることはかなり限定される。

そして、ウェスカーはプレイを進めるが、それは遊馬の予想通りだった。


ウェスカー:「俺はレベル4の黒騎士-ロンギヌス2体でオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!」
フィールド中央に現れた渦に、2体の魂が吸い込まれ、更に爆発を起こした。

ウェスカー:「切り裂け!”黒騎士-ホーフブルク・ロンギヌス”!!」
ロンギヌスが進化した姿とも言えるだろう。赤いラインの入った黒い鎧に、2本のロンギヌスの槍を手に持つエクシーズモンスターが現れた。


黒騎士-ホーフブルク・ロンギヌス
ランク4 攻撃力2300




鉄男:「いきなり、攻撃力2300のエクシーズモンスターかよ…!」

双六:「これは、次のターンから苦戦が強いられるな」
ウェスカーのエクシーズモンスターからは、自分自身に寄せ付けないようとする殺気が放たれていた。


ウェスカー:「カードを1枚セットし、ターンエンド」
ウェスカーのターンが終了した。

ウェスカー:「さあ、来い!遊馬!」
ウェスカーは自信満々に言い放ち、遊馬を挑発する。






2ターン
両者
LP4000


遊馬:「俺のターン!」
遊馬がデッキからカードをドローする。

遊馬:「俺はマジックカード”フォーシング”を発動!手札を1枚墓地へ送ることで、手札からレベル4以下の魔法使い族モンスター1体を特殊召喚する!俺は手札から”ガンバランサー”を墓地へ送り」
遊馬は手札に存在していたモンスター1体を墓地へ送る。

遊馬:「”ガガガマジシャン”を特殊召喚!」
遊馬の場に長い鎖を首に巻いたり、手に持つ魔法使い族が現れる。


ガガガマジシャン
レベル4 攻撃力1500


遊馬:「更にマジックカード”死者蘇生”を発動!たった今墓地へ捨てたガンバランサーを復活させる!」
フォーシングの効果で墓地へ捨てた両手にランサーを持つガンバランサーを復活させる。


ガンバランサー
レベル5 守備力2000


アストラル:『ガンバランサーの効果発動!召喚に成功したとき、手札から同名モンスター1体を特殊召喚することができる!』

遊馬:「俺のセリフ取るなよ…!俺は、2体目のガンバランサーを特殊召喚!」
アストラルにセリフを取られ、少しむくれる遊馬だが、そのままプレイを続ける。


ガンバランサー
レベル5 守備力2000


遊馬:「行くぞ!レベル5のガンバランサー2体でオーバーレイ!2体分のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!」
フィールド中央に再び異次元の渦が現れ、2体のモンスターの魂を吸い、新たなモンスターを呼び覚ます。


遊馬:「現れろ!No.61!!轟熱の破壊獣を、今ここに!”ヴォルカザウルス”!!」
ゴーレムのように固い身体を持つ炎の恐竜が、遊馬の場に現れる。


No.61ヴォルカザウルス
ランク5 攻撃力2500


ウェスカー:「貴様も先手からエクシーズモンスターを召喚するとはな」
ウェスカーがそう呟くと、遊馬はニヤッと軽く笑った。

遊馬:「俺のターンは、これからが本番だぜ。俺はモンスターを通常召喚!来い!”アチャチャアーチャー”!」
矢が先端に炎が灯った槍を持つ戦士が現れる。


アチャチャアーチャー
レベル3 攻撃力1200


遊馬:「アチャチャアーチャーが召喚に成功したとき、相手に500ポイントのダメージを与える!」
アチャチャアーチャーは、アチャチャ!!と叫びながら、矢を放ちウェスカーの身体を貫通させてダメージを与える。


ウェスカー
LP4000→3500


ウェスカー:「この程度のダメージなど、ダメージとは言えないな」

遊馬:「だろうな。だが、俺のターンは、これで終わりじゃないぜ」
遊馬はプレイを、そのまま続ける。

遊馬:「ガガガマジシャンの効果発動!1ターンに1度、1から8までの任意のレベルを宣言し、ガガガマジシャンはエンドフェイズまで宣言したレベルにすることができる!俺はレベル3を宣言!」
ガガガマジシャンのレベルが変化する。


ガガガマジシャン
レベル4→3




トロン:「これで、レベル3のモンスターが2体…」

フェイカー:「連続エクシーズ召喚か…!」
フェイカーの予想通り。遊馬は2体目のエクシーズモンスターを召喚するつもりなのだ。



遊馬:「行くぞ!レベル3のアチャチャアーチャーとガガガマジシャンでオーバーレイ!2体分のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!!」
再びフィールド中央に異次元の渦が現れ、2体のモンスターの魂が吸い取られ、新たなモンスターを呼び覚ます!


遊馬:「目覚めよ!幻影を操る死霊の王!”No.48 シャドー・リッチ”!」
全身濃い赤い色のマントに身を隠した骸骨、手には魂を刈り取るための物なのか大鎌を持つモンスターが現れる。


No.48シャドー・リッチ
ランク3 攻撃力1800




ボマー:「エクシーズモンスターを2体連続で召喚するとは…」


明里:「遊馬の奴、最初から本気全開ね!」
我が弟のデュエルを見て、姉である明里はそう呟いた。




遊馬:「ヴォルカザウルスの効果発動!オーバーレイユニットを一つ取り除き、相手モンスター1体を破壊し、破壊したモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手ライフに与える!」


No.61 ヴォルカザウルス
オーバーレイユニット2→1


遊馬:「俺はホーフブルク・ロンギヌスを選択し、破壊する!マグマックス!!」
ヴォルカザウルスは炎を発射し、ホーフブルク・ロンギヌスを撃破した。


ホーフブルク・ロンギヌスの攻撃力は2300。よって2300のダメージをウェスカーが襲う。

ウェスカー:「ぐっ」


ウェスカー
LP3500→1200


遊馬:「この効果を使用したターン、ヴォルカザウルスは相手プレイヤーに直接攻撃できない。だが、シャドー・リッチの攻撃が残っている!」
遊馬の場にいるもう1体のエクシーズモンスターが攻撃準備に取りかかる。




レベッカ:「これで、シャドー・リッチの攻撃が通れば、遊馬の1ターンキルで勝利するわ!」


鉄男:「いけー!遊馬!」
鉄男が全力で友を応援する。



遊馬:「トドメだ!シャドー・リッチでダイレクトアタック!!」
シャドー・リッチが持つ大鎌が、ウェスカーに迫る。


この攻撃が通れば、遊馬の圧勝だ。

しかし、事はそううまく進まない。それは遊馬も感付いていた。


ウェスカー:「トラップ発動!!モーメント・ブラック・リボーン!相手が攻撃を宣言したとき、墓地より黒騎士と名の付くモンスター1体を特殊召喚する!」
ウェスカーのモンスターゾーン1カ所に小さい光の柱が立ち、中からさっき破壊したホーフブルク・ロンギヌスが現れる。


黒騎士-ホーフブルク・ロンギヌス
攻撃力2300


ウェスカー:「更に、復活したモンスターの攻撃力が2000以上の場合、ライフを1000回復する!」
ホーフブルク・ロンギヌスの攻撃力は2300.よって、ウェスカーのライフが1000回復する。


ウェスカー
LP1200→2200


遊馬:「まあ、そう簡単に勝たせてくれるわけないよな。俺はこれでターンエンド:
シャドー・リッチの攻撃力では、ホーフブルク・ロンギヌスを破壊できない。遊馬は、2体のエクシーズモンスターを場に残してターンを終了した。








3ターン
遊馬
LP4000
ウェスカー
LP2200


ウェスカー:「俺のターン、ドロー!」
ウェスカーがデッキからカードをドローする。


ウェスカー:「黒騎士-ホーフブルク・ロンギヌスの効果発動!このカードにオーバーレイユニットが存在しないとき、手札に存在する黒騎士と名の付くモンスター1体を特殊召喚する!」
黒騎士-ホーフブルク・ロンギヌスはさっき破壊され、墓地へ行ってから復活しているためオーバーレイユニットが消滅している。つまり、このカードを発動するための条件に該当しているということだ。


ウェスカー:「来い!”黒騎士-ツヴァイヘンダー”!」
新たな黒い鎧を身に纏う戦士が巨大な両手剣を握って現れる。


黒騎士-ツヴァイヘンダー
レベル6 攻撃力2200




エリファス:『上級モンスターの黒騎士か…』

アストラル:『攻撃力2200は厄介だな…』
遊馬の背後にいる2人が、ウェスカーが出したモンスターを見て呟く。


ウェスカー:「黒騎士-ツヴァイヘンダーが黒騎士と名の付くカードの効果によって特殊召喚に成功したとき、このターンの通常召喚を行えなくする代わりに、手札からレベル6以下の黒騎士と名の付くモンスター1体を特殊召喚する。俺はレベル6の”黒騎士-エストック”を特殊召喚!」
14世紀から17世紀頃に広くヨーロッパで使われた刀剣エストックを握る黒騎士が現れる。


黒騎士-エストック
レベル6 攻撃力1000


ウェスカー:「黒騎士-エストックは、黒騎士と名の付くエクシーズモンスターを召喚するとき、1体で2体分の素材にすることができる」

遊馬:「!」

ウェスカー:「お前に、黒騎士の聖剣を見せてやろう。レベル6の黒騎士-ツヴァイヘンダーと2体分の黒騎士-エストックでオーバーレイ!3体分のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!!」
2体いや、3体分のモンスターの魂が、フィールド中央に現れた異次元の渦に飲み込まれ、新たな黒騎士を呼び覚ます!


ウェスカー:「不滅の剣に選ばれし黒騎士よ。今こそ、時空を超え、その姿を我に見せよ!”黒騎士-レヴォリューション・デュランダル”!!」
聖剣デュランダルを手に握る最強の戦士が現れる。


黒騎士-レヴォリューション・デュランダル
ランク6 攻撃力2800


遊馬:「攻撃力2800…!」

アストラル:『こいつが、あの男のエースモンスターか…』
今まで出てきた黒騎士の中でも、一番迫力のあるモンスターに、遊馬達は動揺する。

遊馬:「ここに来て、飛んでもねえモンスターを出してくるとはな。なら、シャドー・リッチの効果発動!相手ターンに一度、オーバーレイユニットを一つ取り除くことで、自分フィールド上に”幻影トークン”一体を特殊召喚する!」
シャドー・リッチのオーバーレイユニットが、幻影トークンへと姿を変えた。


No.48 シャドー・リッチ
オーバーレイユニット:2→1


幻影トークン
レベル1 守備力500


遊馬:「幻影トークンはフィールド上に存在するとき、相手は、こいつを攻撃対象にすることができない。そして、シャドー・リッチの攻撃力は幻影トークン一体につき、500ポイントアップする!」
シャドー・リッチの攻撃力がアップする。


No.48 シャドー・リッチ
攻撃力1800→2300


しかし、アップしたところで、その攻撃力は、レヴォリューション・デュランダルに届いていない。


ウェスカー:「バトルだ!レヴォリューション・デュランダルでヴォルカザウルスに攻撃!ディバイド・スラッシュ!!」
レヴォリューション・デュランダルが持つ聖剣がくろいお黒いオーラに包まれ、ヴォルカザウルスを斬り倒す。


遊馬:「うっ!」


遊馬
LP4000→3700


ウェスカー:「黒騎士-レヴォリューション・デュランダルの効果発動!エクシーズモンスターを戦闘で破壊したとき、オーバーレイユニットを一つ使うことで、もう一度攻撃することができる!」

遊馬:「っ!」

エリファス:『複数回攻撃を持つモンスターか!』

レヴォリューション・デュランダルは、再び攻撃態勢に入る。


黒騎士-レヴォリューション・デュランダル
オーバーレイユニット3→2


ウェスカー:「2回目のバトル!黒騎士-レヴォリューション・デュランダルでシャドー・リッチに攻撃!ディバイド・スラッシュ-セカンド!」
その手に持つ聖剣デュランダルで、再び遊馬のモンスターを粉砕した。


遊馬:「ぐっ!」
遊馬は攻撃の衝撃で、少しだけ後ろに押される。


遊馬
LP3700→3300


ウェスカー:「黒騎士-レヴォリューション・デュランダルの効果により、オーバーレイユニットを一つ取り除くことでもう一度攻撃!」



黒騎士-レヴォリューション・デュランダル
オーバーレイユニット:2→1


ウェスカー:「レヴォリューション・デュランダル!奴の最期のモンスターを破壊しろ!」
レヴォリューション・デュランダルが、遊馬の場に残る幻影トークンを粉砕した。


ウェスカー:「そして、最後のバトル!黒騎士-ホーフブルク・ロンギヌスでダイレクトアタック!」
ホーフブルク・ロンギヌスが手に持つ2本のロンギヌスの槍で遊馬を突き刺す。


遊馬:「ぐわあああ!」
遊馬に大ダメージが襲う!


遊馬
LP3300→1000



一馬、明里:「「遊馬!!」」




遊馬、絶体絶命!!





第10ED『さすらいびと《DASEIN》』






次回予告

ナレーション:襲いかかる黒騎士の斬撃に耐え抜く遊馬。

ウェスカーは、ランクアップマジックを使い、真のエースモンスターを召喚し、遊馬を死に追いやろうとする。

だが、遊馬も負けてはいられなかった。

ゼアルの力を使い、運命のドローに全てを託して、勝利へと導く!

そして、あの男から、衝撃の連絡が仲間たちに伝えられる!


遊馬:次回、遊戯王5DXAL「逆転を狙え!ゼアルセカンド」


遊馬:「俺のデュエルは、ここからが本番だぜ」






遊戯王5DXAL豆知識コーナー!!



遊馬:「伝龍技(デンリュウギ)とは、俺が身に付けた技の流派で、剣技から銃技まで様々存在するぞ。技の名前には、伝説の竜の名前から取られているぜ」
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