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第151話:『人間の知性 Ⅴの最強攻撃!』






Ⅴ:「セカンドステージ!」
スペース・レイピアザーの形状が変化し、セカンドステージを果たした。

そして、Ⅴの右手の甲に浮かび上がるNo.5のエースのマークが輝く。





コルダ:「同じ人間として、か。その正義感が、自分を苦しめることになるぞ」


Ⅴ:「私は、街を世界を守るために、ここへ来た。戦いの場所が、貴様らにとって有利とはいえ、引くつもりはない!」
Ⅴがセカンドステージしたスペース・レイピアザーを構える。


コルダ:「いいだろう。苦しまぬように、あの世へ送ってやる」
コルダも斧にバルカン砲が内蔵されたデュエルギアを構える。


コルダ:「CX(カオスエクシーズ)炯眼の鋼鰐アクチュエータ・アリゲーター、ここからが本番だ」
コルダの前に機械の身体を持つ鰐が現れる。

コルダが使っているデュエルギア”アリゲイツ・バスター”。

そのデュエルギアに宿るモンスターが、この”炯眼の鋼鰐アクチュエータ・アリゲーター”なのだ。


Ⅴとコルダによる激戦は、ここから始まるのであった!!








第9OP『HEART・BEAT《MARIA》』







第151話:『人間の知性 Ⅴの最強攻撃!』










遊馬ルート



遊馬のエースのマークも輝きを放っていた。


エースのマークマスターである遊馬は、誰が戦っているのかすぐに分かった。


遊馬:「どうやら、アンタの息子が戦いを始めたみたいだぜ」
遊馬がトロンを見て言った。

トロン:「Ⅴがバリアンと戦いを始めたのか…!」

遊馬:「あぁ、流石に状況まではわからねえが、エースのマークを通じて、戦いを始めたことだけはわかる」
息子たちと同じルートに行きたいと気持ちはあった。

だが、ミスター・ハートランドと決着をつけるために、私は遊馬について行くことにした。


一馬:「心配か?バイロン?」
一馬はトロンの本名を口にし、しれっと聞いた。

すると、トロンは少し笑った。

トロン:「私の息子は強い。心配など無用さ」
本当は心配だが、Ⅴが強さは父である自分も理解している。

簡単にくたばるような奴ではない。


そして、それは遊馬も理解していることだ。


遊馬:『奴らは強い。無茶だけはするなよ、Ⅴ』
遊馬はⅤの勝利を祈る。





その頃、Ⅴは、セカンドステージしたスペース・レイピアザーを持って構えていた。


対するコルダもアリゲイツ・バスターを構える。


お互い、物凄い集中力で、いつでも攻撃できる準備を整えていた。


舞:「すごいプレッシャーね」

城之内:「それだけ油断できねえってことだ」

Ⅳ:「それに奴はバリアンだ。さっきまでの戦いが本気だとは思えねえ」

Ⅲ:「えぇ、おそらく、まだ表には出していない力があるはずです」
Ⅲはコルダを凝視する。

バリアンの力の恐ろしさは、この身で経験したことがあるⅢにはわかるのだ。人間を超えた恐ろしい力が、奴らにはあるはずだということに…。



コルダ:「行くぞ!」
コルダがⅤに向かって接近する。

あんな巨大な武器を持っているのに、よくあんなに速く走れるなと心の中で思ったⅤ。


だが、コルダの足元をよく見ると…。


Ⅴ:『なるほど、風属性の波動を足元に集中させてスピードを上げているのか。これぐらいは、特訓を重ねていけばできる奴だと遊馬が言っていたな』
かつて、遊馬と修行したとき、拳や足元に属性波動を集中させて、攻撃の威力を上げたりとか行動速度を上げることは基本中の能力だと、遊馬から教わっていたⅤ。だが、Ⅴはまだデュエルギアへ波動を流し込みことしかできない。

Ⅴはセカンドステージしたスペース・レイピアザーを構える。

そして、光属性の波動をスペース・レイピアザーに集中させる。


その間にコルダはアリゲイツ・バスターをⅤに向けて振り下ろした。




城之内:「クリス!」

舞:「危ない!!」
このままでは当たってしまうと悟った城之内達が、Ⅴに危険を知らせる。






だが、Ⅴはコルダがデュエルギアを振り下ろしていることは既に気付いていた。


刀身が輝くセカンドステージしたスペース・レイピアザーを振った瞬間、星座のようなものがⅤの目の前に出てきた。


Ⅴ:「ペルセウス・ディフレクト!!」
スペース・レイピアザーを振った瞬間に出てきた星座、ペルセウス星座が立体化し、その手に持つ剣で、コルダのアリゲイツ・バスターを受け止めた。



その間に、Ⅴは攻撃体勢に入る。

No.5のエースのマークが輝き、スペース・レイピアザーに力を与える。


Ⅴ:「カシオペア・フェンシング!!」
エースのマークの力と、光属性の波動を同時に使用することで使える技で、刀身が点滅するように輝き、その状態で”W”を描くように5カ所を連続で突く。


コルダは最初の一刺しだけ身体をかすめた。

舌打ちをして、コルダは一旦下がり、周りの茂みに隠れる。




色葉:「隠れて隙を作るみたいね」
ここに来た時、コルダは身を潜めてジュンコたちに攻撃を仕掛けてきた。

そのことを思い出した色葉が、周りを警戒する。


雑賀:「みんな、警戒しろ。もしかしたら、俺たちを狙って撃ってくる可能性があるぞ」
雑賀に言われ、みんなが周りを見渡し警戒する。


ももえ:「もう!何で、こんな目に遭わなきゃいけないんですか!」

ジュンコ:「早く終わらせて帰りましょう」
自分たちの危険を紛らわせるためか、愚痴を溢すジュンコとももえ。

舞:「アンタたち、もうここまで来たからには、引き返せないわよ」
舞が周りを警戒しながら、そう言った。




すると、アリゲイツ・バスターのバルカン砲が発砲された音が流れ、茂みの中から弾がⅤに向かって飛んできた。


Ⅴは、その銃弾に当たらず躱した。


Ⅴ:「!」
だが、躱した瞬間、鰐を象った衝撃波いや、弾丸がⅤの背後に迫ってきた。

さっきコルダが放ったシュナイダー・カイマンという技だ。


しかし、先ほどとは明らかにスピードが違う弾丸だった。


Ⅴ:「くっ!」
Ⅴはセカンドステージしているスペース・レイピアザーで、迫ってくる攻撃を受け止めようとした。


スペース・レイピアザーに、攻撃が当たった瞬間、Ⅴの身体に強烈な衝撃波が襲いかかり、吹き飛ばされた。


Ⅴ:「ぐわああ!」



城之内:「クリス!」


Ⅳ:「アニキ!」
吹き飛ばされたⅤを見て、名前を叫ぶ城之内とⅣ。


吹き飛ばされたⅤは、起き上がろうとする。

その間に、隠れていたコルダが目の前に現れる。


コルダ:「セカンドステージ…」
コルダが手に持つデュエルギアは、さっきまでのアリゲイツ・バスターではなかった。

斧の刃の部分の形状が違う。

アリゲイツ・バスターもセカンドステージしてパワーアップしたのだ。


だから、同じ技でもパワーが違ったのか…。

Ⅴは、心の中でそう呟き、起き上がった。



Ⅴ:「デュエルギアが進化しただけだ。まだ対応策がある」
Ⅴは、スペース・レイピアザーを構える。


コルダ:「対応策か…。確かに、これぐらいなら、お前みたいな凡人でも対応できるかもな。だが、俺はドン・サウザンド様より力を受け取っている」

Ⅴ:「…」

コルダ:「見せてやろう。お前たち人間にはない力を。バリアンの本当の力を…」
コルダがとてつもない殺気が放たれた。


無論、Ⅴはその殺気を感じ取っていた。


Ⅴ:『なんだ…。この重い空気は…』

コルダの周辺から妙な空気が自分を襲う。


コルダ:「バギーを見て思ったことがある。人間には限界がある。人間とは哀れな生物だ。その限界の所為で、家畜の分類になりうるのだからな」

Ⅴ:「何が言いたい?」

コルダ:「人間は弱い…、そう言いたいのさ」
コルダの身体がどす黒いオーラに包まれる。


Ⅳ:「人間を家畜呼ばわりかよ」


城之内:「すげえ、腹立たしいぜ」
コルダの発言に怒りをぶつけるⅣと城之内。



コルダ:「バリアンに限界はない。ドン・サウザンド様の力で、その限界を…」
コルダがその場から消えた。



コルダ:「超えるのだからな」
Ⅴの目の前にコルダの顔が突然出てきた。


Ⅴ:『は、早い!』
Ⅴはすぐに防御態勢に入った。


コルダは既に振りかざしているセカンドステージ状態のアリゲイツ・バスターを振り下ろす。


デュエルギアでは受け止めることができないと判断したⅤは、右手の甲に宿るNo.5のエースのマークを輝かせ、バリアを張り巡らせる。


コルダ:「そんなもの」
しかし、コルダが振り下ろしたセカンドステージ状態のアリゲイツ・バスターは、そのバリアを粉砕した。


コルダ:「俺には通用しない」

Ⅴ:「ぐはっ!」
Ⅴは左肩に大ダメージを受けた。


アリゲイツ・バスターの刃がⅤの左肩にヒットし、血が流れる。


城之内:「ク、クリス!」

雑賀:「マズい!重傷だぞ!」
Ⅴのダメージを見て慌てる城之内たち。


コルダ:「フッ、こいつで終わりだ」
先ほどまでとは雰囲気が違うコルダは、セカンドステージしているアリゲイツ・バスターのバルカン砲をⅤに向け、連射する。


Ⅲ:「兄様!」
このままでは兄がやられてしまう。そう思ったⅢ。


だが、Ⅴは状況を分析し、最善策を打った。


Ⅴ:「スペース・ディフレクタ!!」
セカンドステージしているスペース・レイピアザーを地面に突き刺し、周りにバリアを展開する。


コルダ:「また、バリアか。だが、そのバリアは、さっき使ったバリアより強度はないようだな」

Ⅴが展開したバリアは、直ぐに崩れた。

今のバリアは、セカンドステージしているスペース・レイピアザーの基本技に位置している。

さっき光属性の波動を使用して使った”ペルセウス・ディフレクト”より、全然強度はない。



Ⅴは左肩を押さえる。

Ⅴ:『傷はそう深くはないか…』
重傷を負った左肩を見てⅤは呟いた。

Ⅴ:『だが、戦いを長引かせるわけにはいかないな』
力を解放したコルダを見つめるⅤ。


Ⅴ:『ドン・サウザンド…、やはり、バリアンに特別な力を与えていたか…。解放するだけで、ここまで力が上がるとはな…』
しゃがんでいたⅤは立ち上がった。




コルダ:「ドン・サウザンド様からもらった、この力を使った以上、お前のような人間が俺に勝つことはできない。終わりにしてやる。これが、終焉だ」
コルダがアリゲイツ・バスターに力を与える。


そして、アリゲイツ・バスターの刃が赤く輝き、その状態でコルダは身体を回転させる。


コルダ:「デス・ウォータフロート」
赤く染まった刃から黒い水が辺りにまき散らされた。




ジュンコ:「あの人、何やっているの?」

舞:「力を解放して頭までおかしくなったんじゃない?」
コルダの妙な行動が気になるジュンコたち。


色葉:「いや、これはおそらく、これから行うための布石…」
色葉はコルダの行動が、これからⅤを襲う技の布石だと予兆した。


勿論、それはコルダと戦っているⅤも同じことを考えていた。


Ⅴ:『何をするつもりだ…?』
更にコルダを警戒するⅤ。

しばらくしてコルダは身体の回転を止めた。


コルダ:「死の水辺へようこそ」

Ⅴ:「死の水辺だと…」


コルダ:「フッ、いいのか?そんな呆然と立っていたら…」

ビュー!

Ⅴの頬を一発の弾丸がかすめた。


コルダ:「死ぬぞ」

Ⅴは弾が飛んできた方を確認すると妙なところにバルカン砲が立っていた。

そのバルカン砲が、弾丸を連射する。


Ⅴは急いで、樹木の影に隠れる。


Ⅴ:「なんだ?いつの間に、あんなものが…!」
樹木に隠れているⅤが息切れをしながら呟く。


コルダ:「そこも、俺のテリトリーだ」
Ⅴが隠れている樹木の枝が揺れ、上を見る。


すると、水で象った鰐が上から降ってきたのだ。


Ⅴ:「くっ!」
スペース・レイピアザーで、水で象った鰐を斬り倒し、Ⅴは樹木の影から出てくる。


コルダ:「そこに出てきたら、ただの的だ」
樹木の影や、茂みから大量のバルカン砲が出てきて、Ⅴを取り囲む。



Ⅴ:「なっ!」
バルカン砲に囲まれたⅤは驚愕する。

これでは逃げる術がない。







雑賀:「一体、どうなっている!」

Ⅳ:「あいつ、さっき身体を回転させていたが、それと関係しているのか」
いろんな場所から攻撃が飛んでくる鍵が、さっきコルダが取っていた行動にあるんではないかと推測するⅣ。

その推測にコルダが回答した。

コルダ:「ご明察だ。俺はさっきの行動で、この辺りに種を撒いた。デス・ウォータフロート。俺の最強技だ」


Ⅴ:「死の水辺。さっき、お前が言っていた言葉だな」

コルダ:「アリゲイツ・バスターから出る黒い水を辺りにばら撒き、水が付着した場所から、バルカンや、さっきみたいな水の鰐が出現する」

Ⅴ:「水が付着した場所だと…!」
Ⅴは急いで周りを見る。


城之内達も周りを見る。


コルダはさっきかなり長く身体を回転させていた。


そのためか、かなりの水が周りに付着している。


Ⅴ:「くっ、つまり、この辺り全てがお前にとってテリトリー。隠れても無駄ということか」

コルダ:「そういうことだ。お前だけじゃない。後ろの連中も」
コルダが、自分たちの戦いを見ている城之内たちを見る。


城之内:「くそっ!きたねえ技を使いやがる!」

ももえ:「卑怯者ですわ!」



コルダ:「なんとでもいえ。お前たちの相手は、こいつを倒してからだ。ドン・サウザンド様からもらった力で俺の技も格段と進化している。こいつに、貴様はどこまで耐えれるだろうな!」
コルダが目を大きく開けると、Ⅴを取り囲むバルカン砲が一斉に連射された。


Ⅴ:「くっ!」
ⅤはNo.5のエースのマークを輝かせ、バリアを展開し、銃弾を跳ね返す。

跳ね返しながら、Ⅴは近くの樹木に向かって走る。


コルダ:「逃げても無駄だ!」

Ⅴの向かった先から、水で象った鰐が現れ襲ってきた。

Ⅴは、襲ってきた鰐を躱し、背後から倒す。

倒した鰐は、水となって消滅した。

しかし、油断はできなかった。周りにあるバルカン砲が、Ⅴに向けて再び連射を開始した。

Ⅴ:「攻撃が耐えることはないということか!」
Ⅴはエースのマークの力を使い、バリアを張って身を守る。

そして、近くの樹木の後ろに隠れる。


コルダ:「何度も同じことだ。隠れても無駄だ」
コルダがそう発言した瞬間、Ⅴが隠れている樹木の近くからバルカン砲が出現し、Ⅴに向かって弾丸が連射される。





雑賀:「これじゃあ、キリがねえぞ!」

城之内:「くそっ!こうなったら、俺も!」

舞:「待ちなさい!今、アンタが出てったところで状況が変わるわけじゃないでしょ」

城之内:「だが、このままじゃ、あいつが!」
早くクリスを助けないと手遅れになっちまう!そう思っている城之内は早くクリスを助けたい落ちでいっぱいだった。

Ⅴは、バルカン砲を躱し、次の樹木の影に隠れた。


しかし、そこもまたコルダのテリトリーであり、水で象った鰐が襲ってきた。

Ⅴはその鰐を躱し、鰐は勢いで樹木に被り付いた。


Ⅴ:『何か…』
Ⅴは走る続ける。

Ⅴ:『何か、落とし穴があるはずだ。どんな攻撃でも決して無敵じゃない。奴を倒すための落とし穴がどこかにあるはずだ』
Ⅴは、走りながら周りを見渡したり、コルダ本人を見つめたりする。


コルダ:「ハエが…。とっとと終わらせてやる!」
コルダから更なる殺気がⅤを襲う。


そして、バルカン砲や水の鰐が出現する速度が速くなり、Ⅴを更に苦しめる。



Ⅴ:「出てくるスピードが…、くっ、対応できない」
攻撃を躱し続けていた所為で、体力が消耗していくⅤ。

そして、水で象った鰐がⅤを襲いかかったとき、スペース・レイピアザーで受け止めたが、その時の衝撃で樹木の影から出てきてしまった。

つまり、コルダの目の前ということだ。


Ⅴ:「しまった…」
コルダの手にはセカンドステージ状態のアリゲイツ・バスターが握られている。


このままコルダの手によって殺されてしまうのか…。

そう思ったⅤは死ぬ覚悟をしていた。

コルダ:「終わりだな、行け!」
コルダが指示を出すかのような行動を見せ、バルカン砲が出てきた。


しかし、この行動にⅤは違和感を感じていた。

周りに出てきたバルカン砲がⅤに向かって連射される。

Ⅴは急いで躱し、樹木に隠れる。



Ⅴ:『何だ?奴はなぜ、手に持つデュエルギアで攻撃してこなかったんだ?今のタイミングなら、手に持っているデュエルギアで攻撃してきた方が早いし、俺を殺すことができたはずだ』
なぜ、アリゲイツ・バスターで直接攻撃してこなかったのか気になるⅤは、とりあえず樹木を利用して走り続けた。


コルダ:「次はそこか!」
Ⅴの近くの茂みからバルカン砲が出現し、Ⅴに向かって連射される。


Ⅴは、何とかその弾丸を躱した。そして、茂みを利用して別の樹木に隠れる。

茂みを利用したことで、奴から自分の姿は見えていないはず。つまり、どこの樹木に隠れているのかもわからないはずだ。

コルダ:「そこか」
コルダはⅤが隠れている樹木に目線を合わせる。

Ⅴ:『奴から俺の姿は見えなかったはずだ…』
Ⅴがそう思っている間に、水で象った2匹の鰐がⅤに襲いかかる。


Ⅴ:「はっ!」
セカンドステージしているスペース・レイピアザーで、水で象った鰐を倒す。

再び茂みを利用し、今度は人2人ほどが隠れられる岩の後ろに隠れた。

Ⅴはバレないように、コルダを見る。



コルダは周りを見ていた。

しかし、時々なぜか手に持つアリゲイツ・バスターを見つめていた。


Ⅴ:「?」
Ⅴはコルダではなくアリゲイツ・バスターを見つめる。


周りを見ては、またアリゲイツ・バスターを見たり、コルダの目線は方向転換を繰り返していた。


Ⅴは、再び茂みと樹木を利用し隠れながら移動を続ける。

なるべく音を立てずに、敵の動きを見ながら動いていた。


するとどうだろうか。さっきまでと違い、コルダは全然攻撃をして来なくなった。


さっきまでは、攻撃を回避することで頭がいっぱいだったため隠れて移動することを考えていなかった。

だが、隠れながら移動したら、結果はこれだ。



コルダ:「チッ、隠れて移動しているのか…」
舌打ちをしたコルダはアリゲイツ・バスターを見続け、身体をゆっくりと回す。



Ⅴ:『なるほど、そういうことか。確証はないが、私の考えが正しければ…』
Ⅴは樹木の影から姿を現し、コルダに向かって走る。

コルダ:「やっと出てきたな!」
コルダがⅤを捕え、茂みの中や樹木の影からバルカン砲が沢山出現した。


コルダ:「死ねえ!家畜が!」
バルカン砲が一斉に弾丸を連射する。


Ⅴ:「人間を嘗めるな!」
No.5のエースのマークが輝き、その輝きがⅤの身体を包み込む。


Ⅴ:「スペース・ディフレクタ・バースト!」
走りながらスペース・レイピアザーの刃の先を地面につけ、大地を走る斬撃を放つ。


コルダ:「人間の攻撃が、この状況に対処できるか!」
コルダがⅤが放った攻撃を見下す。


しかし、Ⅴが放った斬撃は途中で3つに分散し、それぞれが別の動きをする。


1つは、Ⅴに向かって連射された弾丸を全て弾き飛ばした。


そして、残り2つはコルダに向かう。

その内の1つは、コルダが手に持つセカンドステージ状態のアリゲイツ・バスターを弾き飛ばした。


コルダ:「何!?」
アリゲイツ・バスターが弾き飛ばされた瞬間、周り出現していたバルカン砲や水で象った鰐が消滅する。


そして、最後の斬撃はコルダ自身に直撃した。


コルダ:「ぐわああ!」
直撃した攻撃は、コルダを吹き飛ばした。



色葉:「攻撃が当たった!?」

ももえ:「やりましたわ!」
Ⅴの攻撃がヒットしたことに喜ぶももえ。


コルダ:「くそっ…」
コルダは立ち上がる。

Ⅴ:「やはり、デュエルギアそのものが探知機のようなものになっていたようだな。それを持っていないと、周りからの攻撃はできない。そして、デュエルギアが探知機の役割をしている間は、本体は攻撃できない」

コルダ:「気づいていたのか…」

Ⅴ:「冷静に考えただけだ。私が隠れながら移動を繰り返していたとき、お前の攻撃はピッタリと病んだ。そして、私が攻撃を躱すのに夢中でついお前の前に出てきたとき、お前はデュエルギアを使わずに、周りからバルカンを出現させて攻撃してきた。そこから答えを導き出しただけだ」

コルダ:「くそっ…」

Ⅴ:「人間の知性を嘗めるな。例え、弱くても頭を使えば、どんな状況でも対応できる」

コルダ:「ふざけるな!攻撃を見破ったところで状況が逆転したわけじゃない!」
コルダが走って、アリゲイツ・バスターが落ちている場所に向かい、その手に持つ。

さっきよりもとてつもない気迫が周りを襲う。


コルダ:「デス・ウォータフロート!こいつで、ここを血祭にしてやる!」

Ⅴ:「そうなる前に決着を付ける!」
Ⅴの右手の甲のエースのマークの輝きが更に激しく輝く。


頭上に星座のようなものが現れる。その星座は誰もが知っている有名な星座、アンドロメダ座。

アンドロメダ座は一瞬女性の姿になり、その後3本の光の剣となる。


セカンドステージ状態のスペース・レイピアザーを上に突き上げ、刃を中心に周りに展開される。

Ⅴ:「これが私の進化の証だ!」
スペース・レイピアザーと3本の剣が巨大な光の剣を生み出した。

コルダ:「何!?」

Ⅴ:「アンドロメダ・アマルテア・ブレードォ!」
巨大な光の剣を振り下げる。

アリゲイツ・バスターで受け止めるも、パワーの差が先ほどまでと断然に違い耐えきれず、コルダを斬り裂く。


コルダ:「ぐわあああああ!」
コルダの身体を包み込んでいた邪悪な力が抜けていく。

???:『またもや、敗北か…!』
コルダから抜けた力は消滅した。





知性…。それは人間強さの1つでもある。

それが、今、証明された。








第9ED『Prototype《石川智晶》』








次回予告

ナレーション:着々とバリアン8人衆を倒していくエースのマークを持つ者達。

その頃、カイトの前に8人衆の1人スペンサーが現れる。

決着の方法をデュエルに持ってくるスペンサーに、カイトは了承し激戦が開始する。

そして、スペンサーのエースモンスターが覚醒する!!


カイト:次回、遊戯王5DXAL「次元の狭間より出現!銀河眼の次元竜(ギャラクシーアイズ・ディマンシオン・ドラゴン)」

カイト:「これが、スペンサーが使うギャラクシーアイズ!!」




遊戯王5DXAL豆知識コーナー!!


Ⅴ:「私が持つNo.5のエースのマークには”知性”という言葉が込められている。知ったり,考えたり,判断したりする能力のことを一般的に言うが、これこそが人間の強さの一つでもある」
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