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第150話:『バギーとバリアン世界の繋がり』








スネイク:「バカな!たった1枚のカードで、逆転されるだと!」

エリファス:「アストラル世界は必ず守って見せる!遊馬と、仲間たちと共に!エーテリック・レネヌテトでダイレクトアタック!!」
エーテリック・レネヌテトがスネイクにトドメを刺す。


スネイク:「シャアアアァァァァァアアアア!!!」
大きな叫び声を上げて、スネイクは吹き飛ばされた。


スネイク
LP2400→0


スネイクは後ろに高い奇岩に衝突した。


デュエルはエリファスの勝利で終わった。



鉄男:「よっしゃー!エリファスの勝ちだ!」

羽蛾:「冷や冷やさせてくれるぜ」

竜崎:「まったくや」

エリファスが勝ったことに大喜びする鉄男と、心配して損したかのような表情をする羽蛾と竜崎であった。


アストラル:『アストラル世界の守護神の名は伊達ではない。ランクアップし続けるニューオーダーズに勝てるデュエリストはそういない』

遊馬:「あぁ、エリファスになめてかかると痛い目に遭うぜ」
エリファスの実力をよく知る遊馬たちがそう言った。



白煙や砂ぼこりが立つ中からスネイクの姿が見えてくる。


スネイクの身体は少しずつ消えていた。


スネイク:「シャ、シャッシャ…。お見事と言っといてやるよ、アストラル世界の番人。だが、ドン・サウザンドの計画が狂うことはない!精々、人間界最後の瞬間を味わうんだな…。シャッシャッシャァ!シャッシャッシャァーーー!」
スネイクは最後の高笑いをして消えた。


エリファス:「スネイク、我々は必ず人間界とアストラル世界を救って見せる。この手で」
エリファスは右拳を握る。







第9OP『HEART・BEAT《MARIA》』







第150話:『バギーとバリアン世界の繋がり』








スネイクに勝利したエリファスが遊馬の元へ近づく。


遊馬:「悪いな、エリファス。あんな奴を相手にさせちまって」

エリファス:「気にすることはない。私も、人間界とアストラル世界を救いたいと思っているのだからな。それより、ゆっくり休めたか?」

遊馬:「ああ、おかげさまでな」
デュエルする前とは、明らかに表情が違う遊馬。

息切れもしていない。どうやら、体力は回復しているようだ。


アストラル:『遊馬、エリファス、喜んでいる暇はない』


葵:「シティ消滅までタイムリミットは3時間半を切っているわ」
ミッションウォッチの時刻を確認する葵。


鮫島:「他のみんなは大丈夫でしょうか?」

一馬:「通信は繋がらないのか?」


慎也:「さっきから他のみんなに呼びかけているが、応答は一切ない。おそらく、カイゼル・サウザンド全体に特別な結界か何かが張られているんだろう」
ということは、他のみんなと話す手段がないということになる。

こうなると、状況も把握できない。


遊馬:「まあ、みんな強いし、大丈夫だろうぜ」

双六:「そ、そうじゃな。皆強いし、簡単にやられるような奴は誰一人しておらん」

遊馬:「先に進もう。時間がないからな」



エリファスの勝利に喜ぶ暇もなく、遊馬たちは先へと急いだ。


目指すはドン・サウザンドがいると思われる最奥部だ。









その頃、ネオコーポレーションシティは、依然として住民の避難が行われていた。





仁志:「こちらのエリアにいた人達は、G地区に向かわせます。そこで、まとめて避難誘導を行う予定です」
避難誘導隊A班のリーダー仁志は、元帥の百々原とミッションウォッチの通信機能を通して会話していた。



百々原:『了解した。だが、やはり、避難状況は遅れているな』


仁志:「街の人達全員を避難させていますし、住民たちも動揺しています。こちらの指示に刃向う者もいるので…」
仁志は、避難状況がスムーズに進んでいない理由を話す。

言い訳にしか聞こえないかもしれないが、これ以上の言葉が浮かび上がらない。







フロンティア本部

元帥室



百々原:「とにかく、なるべく急いで避難を進めてくれ。タイムリミットは迫っているからな」


仁志:『了解です』
百々原と仁志の通信が切れた。



百々原は、窓の外から空に浮かぶカイゼル・サウザンドを見つめる。



百々原:『みんな、頼むぞ。この街を、そして世界を救ってくれ』
百々原が遊馬たちが、この事態を何とかしてくれることを祈る。









カイゼル・サウザンド内部





Ⅴルート



赤い空の下にある森林を彷徨う舞、ジュンコ、ももえ、雑賀、Ⅳ、Ⅲ、色葉は、Ⅴと城之内を先頭に歩いていた。


静かな森。聞こえるのは、風で靡く森の音だけだった。


城之内:「ったく薄気味悪いぜ。静かすぎてよ」

舞:「ずっと歩いているけど、向こうは襲ってくる気配は見せないわね」
舞が目をキョロキョロさせて、警戒しながら発言した。


雑賀:「えぇ、だが奴らは必ず近くにいるはずだ…」


色葉:「…!」
みんなと一緒に歩いていた色葉がいきなり、その場に止まった。


ももえ:「どうしたんですか?色葉さん」

ジュンコ:「置いて行かれるわよ」
色葉が止まったことに気付いたももえとジュンコが後ろを振り向く。


色葉:「ねえ、何か音しない?」
色葉が、みんなにそう言った。

Ⅲ:「音ですか?」

Ⅳ:「そんなの聞こえねえぞ。アンタの気のせいじゃねえのか」
みんなの、耳には何も聞こえていないようだ。


だが、確かに私には聞こえる。色葉は目を瞑った。


ギー、ギー。


機械のようなものが動いている音だ。


色葉:「ううん、気のせいじゃない。確かに、聞こえ…!」
色葉がみんなの方を振り向く。

だが、目線はすぐさま、みんなのいる場所から別の場所に向いた。


バルカンのような銃口が一本の樹木の影から出ていたのだ。


その銃口は、ジュンコとももえに向いていた。



色葉:「危ない!」
色葉がジュンコとももえに向かって走り出す。


同時に、樹木の影から出ていたバルカンから弾丸が連射された。


色葉はジュンコとももえに飛びつき、抱き寄せて、連射された弾丸をギリギリで躱す。



城之内:「攻撃か!」

雑賀:「遂に来たか!」
みんなが警戒態勢に入る。


ももえ:「色葉さん!大丈夫ですか!」
ももえが自分たちを助けてくれた色葉の安否を心配する。


色葉:「ええ、大丈夫よ。弾は当たっていないわ」
どうやら、相手の攻撃を受けていないようだ。



Ⅳ:「気を付けろ!敵はまだいるぞ!」
大鎌のデュエルギア”ギミックナイト・イーター”を手に持つⅣ。


みんなが動揺している中、Ⅴは冷静になっていた。


Ⅴ:『落ち着け。慌てたところで、状況が変わるわけじゃない』
Ⅴも”ディープ・スペース・クルーザー・ナイン”の刺突用の剣レイピア”スペース・レイピアザー”を手に持った。


風で靡く森。


だが、攻撃があったということは、それ以外の音があるはず。

Ⅴは落ちついた表情で、周りを見渡す。


瞬きもせずに周りを見ていると、ガサガサと妙な音がした。


Ⅴ:「そこか!」
スペース・レイピアザーを持ってガサガサっと音がした方へ走る。




Ⅴ:「はあ!」
スペース・レイピアザーを振り下ろした。


すると、スペース・レイピアザーをデュエルギアを使って受け止めた者がいた。


???:「他の連中と違って、お前だけは冷静に対処したな」


Ⅴ:「お前は確か、8人衆の1人…」

コルダ:「コルダだ」
自分の名前を名乗り、スペース・レイピアザーを弾き飛ばし、一度、Ⅴから距離を取る。




舞:「やっと来たわね」

Ⅳ:「だが、敵はたった一人だ。みんなで一気に行くぞ!」
Ⅳのやる気は全開だった。


だが―


Ⅴ:「待て!Ⅳ。ここは、エースのマークを持つ私が相手をする。手は出すな」

Ⅳ:「おいおい、街が崩壊するまで時間がねえんだぜ。そんなこと言っている場合じゃねえだろう」

Ⅴ:「わかっている。だが、遊馬も言っていた。バリアンはエースのマークを持つ者を狙ってくると。なら、こいつと戦うのは私の役目だ」


城之内:「クリス…」
Ⅴの決意に心を打たれたのか、つい名前を呟く城之内。


コルダ:「ドン・サウザンド様からは、エースのマークを持つ連中を真っ先に始末しろとの命令を受けている。なら、俺と戦うのはお前になるわけだが、そんなことはどうでもいい。まとめて相手をしてやってもいいんだぞ」
コルダは、その手に持つ大きなデュエルギアを肩に乗せて言った。

随分大きな武器だ。


斧タイプのデュエルギアなのだろうが、斧の先にはバルカン砲がついていた。


色葉:『さっき撃ってきたのはあれね』
色葉がコルダのデュエルギアを見て呟く。


コルダの武器は斧タイプだが、バルカン砲もついている二種混合の武器だ。



Ⅴ:「お前の相手は私1人で十分だ」
Ⅴは1歩ずつ前に出る。

コルダ:「後悔しても遅いぞ」

Ⅴ:「後悔するつもりはない」
Ⅴはスペース・レイピアザーを構える。


Ⅴ:「参る!」
Ⅴがすぐに走り、コルダに突きを入れる。


コルダ:「それだけでは、俺には勝てない」
コルダは、手に持つデュエルギアで、Ⅴの突きを受け止める。


Ⅴ:「アンスタン・ルミエール!」
スペース・レイピアザーの刃の先から光線が一瞬放たれ、コルダを襲った。

コルダは光線をギリギリで躱し、一度後ろへ下がる。


コルダ:「やってくれる。なら、こいつでどうだ」
斧の先についているバルカン砲を突き出してきた。


コルダ:「シュナイダー・カイマン!!」
バルカン砲から連続で弾丸を放つ。

これに当たれば一溜りもない。だが、連続で放たれた弾丸は集約され、鰐を象った弾丸となり、Ⅴに接近する。

鰐を象った弾丸は大きな口を開けていた。


Ⅴ:「オリオン・ジャマー!!」
光属性の波動をスペース・レイピアザーに流し込み、オリオン星座の幻影を出し、防御壁を生成した。


その防御が、コルダの攻撃を受け止めるが、パワーがケタ違いに強く、そのバリアは一瞬で破られた。


Ⅴ:「ぐわっ!」


Ⅲ:「兄さん!」

城之内:「クリス!」
吹き飛ばされたⅤを見て驚くⅢと城之内。


Ⅴは、吹き飛ばされた影響で仰向けに倒れたが、すぐに立ち上がった。


Ⅴ:「なんてパワーだ…」
右肩を押さえるⅤ。すぐに立ち上がったとはいえ、ダメージはそれなりに喰らったようだ。


コルダ:「ここは、カイゼル・サウザンドの内部。つまり、バリアン世界と同等の空間と言ってもおかしくない。バリアン世界の空間の中でなら、俺たちは本来の力を発揮できる。お前たち人間が、ここへ来てくれたおかげで、俺はいや、俺たちはバリアンは有利に戦えている。感謝するぞ」
ここがバリアン世界と同じ空間だというのは、周りの光景から見て察しが付く。


しかし、この空間にいるだけで、ここまでの差が出るとは、Ⅴも予想外だった。



雑賀:「俺たちは、まんまと奴らの有利なフィールドに入っちまったってことか」

舞:「卑怯者!正々堂々と勝負しなさい!」
舞がコルダに、大きな声で悪口を言った。


コルダ:「お前たちは、人間界を守るために、ここへ来たはずではないのか?なら戦う場所は関係ないはずだ」

舞:「何よ、その屁理屈!」
舞が大きな声で叫ぶ。


城之内:「落ち着けって、舞」
城之内が舞を大人しくさせようとする。



コルダ:「それに、奴らがゲートを開かなかったら、我々は、この計画を遂行することはなかった」

Ⅴ:「奴ら?」

コルダ:「お前たちもよく知っている連中だ。ダイシャラス王国第2王子バギー・グ・テイタラと、その仲間、狂言」
その名前を聞いて、みんなは過去の記憶を思い出した。


狂言は、我々にとっての初任務であるワックスポワロ島で激戦。それを指揮していたのが狂言だ。

そして、バギー・グ・テイタラ…、正確には元王子だ。

ダイシャラス王国で起こした反乱。あの時は手を焼かされた。


色葉:「嫌な名前を思い出しちゃったわね」

ももえ:「あの時は大変でした…」
過去の記憶を思い出し、口を開いた2人。


Ⅴ:「遊馬も言っていたが、貴様たちとバギーたちとは一体どういう関係なんだ?奴らは貴様らの復活に関わっていたらしいな」

コルダ:「正確には、バリアンと人間界を結ぶゲートの復活をだ」

Ⅲ:「ゲート?」

コルダ:「いいだろう。特別に教えてやる。どうせ、死んで行く連中だしな」

Ⅴ:「…」
Ⅴたちはコルダの話しを聞くことにした。






コルダ:「お前たちも知っての通り、我が主ドン・サウザンド様は、九十九遊馬そして、ナッシュいや神代凌牙によって倒された。その後、アストラルによってヌメロン・コードが発動され、バリアンだった連中は人間として復活を遂げ、バリアン世界は完全に消滅した」
それは、Ⅴたちも知っていることだ。


あの時、遊馬はアストラルとデュエルで対戦し、その対戦後、アストラルは世界の過去と未来全てが記されているヌメロン・コードを使って世界を書き換え、バリアンだった七星は人間として蘇り、戦いの中で死んだカイトも蘇生した。アストラルにいた遊馬の両親である一馬と未来も人間界へ戻ってきた。

コルダ:「だが、ドン・サウザンド様の魂は完全に消えることはなく、その一部は”マルピアス”へと移った」

Ⅴ:「マルピアス…」

Ⅲ:「マルピアスっていえば、確か遊馬が落石事故に遭った遺跡の名前…」

コルダ:「そう、その遺跡には大昔、人間界とバリアン世界を結ぶゲートが存在していた場所でもあった」
遊馬が前世紀に落石事故に遭った場所マルピアス。そこがまさかバリアンと繋がりがあるとは思いも寄らなかったⅤたち。


コルダ:「遊馬がバリアンの力を手に入れたのも、その場所だ。ドン・サウザンド様の魂の一部は、偶々そこに現れた遊馬に、バリアンの力を授け、その後、新たなバリアンが現れたことがきっかけで一時的にバリアン世界へ通じるゲートが開き、ドン・サウザンド様の魂は、少しだけ修復されたバリアン世界へと移ったのだ」


Ⅳ:「あの事故の裏に、そんなことが…」

城之内:「けど、あいつ、そんなこと俺たちは一言も話していないぞ」

Ⅲ:「彼なりに決心が付かなかったのでしょう。自分がバリアンの力を手にしなければ、こんなことが起きることはなかったと、自分を責めているのかもしれません」
遊馬の気持ちを理解し、そう語るⅢ。



コルダ:「そして、長い年月をかけ、ドン・サウザンド様は着実に元の姿を取り戻していき、その中で俺たちのように新たなバリアンも登場した」
ドン・サウザンドはバリアン世界に来てから、少しずつ復活を遂げていたのだ。

魂の一部から、元の姿を取り戻すまでにかかった時間は長かった。


その間に次元振動が発生し、人間世界は多元世紀へと時代を移した。



コルダ:「俺たちバリアンはドン・サウザンド様の下の元、バリアン世界を完全復活させるための計画を着々と進行し実行しようとしていた。だが、1つだけ到達できないことがあった」

Ⅴ:「さっき言っていたバリアン世界と人間界を結ぶゲートのことか…?」

コルダ:「そうだ。一度倒されたドン・サウザンド、そしてアストラルが発動したヌメロンコードの影響で、バリアン世界と人間界、しいていえばアストラル世界もだが、そちらの世界へ繋がるゲートは完全に遮断され、バリアン世界は完全に孤立した世界へとなっていた。別の世界へ行かなければ計画は遂行できない。あらゆる手段を使ってゲートを開こうともしたが、こちらから別の世界へ通じるゲートを開くことができなかった」
人間界へ行くために様々な方法でゲートを開こうとしたが、ゲートは開くことができなかった。

その原因は不明だそうだ。


コルダ:「我々の計画は、これしきのことで終わりを告げるのかと、みんなで覚悟した。だが、その時、我々の力を求めようとするバカな連中が我々に光を与えた」


ジュンコ:「それが…」

色葉:「狂言とバギーだったということね」
コルダが名前を出す前に何となく察しが付いた色葉たち。


コルダ:「そうだ。奴らは、新たな力を求めようと、我々の力に手をつけようとした。そのために、奴らは研究を重ね、バリアン世界へと通じるゲートを在処を調べた。そして、奴らは自力で見つけた。バリアン世界へ通じるゲートをな」


Ⅴ:「…」


コルダ:「しかし、そのゲートの分子出力は、全然安定しておらず、両世界が繋がっているものではなかった。だから、バギーたちは、研究成果を発揮し、そのゲートの出力を安定させ、無理矢理、両世界を結ばせたのだ。奴らにとってはバリアンの力を手に入れられる絶好のチャンスだっただろう。だが、それは、俺たちも同じ。そのゲートが両世界を結んだことで、我々の計画も進行することができた」
そのゲートが完全に開くことがなかったら、バリアンは、こちら側に来ることはなかった…。

Ⅴは、心の中でそう思った。

Ⅲ:「それが、バギーたちが犯した罪…」

コルダ:「奴らは、力を手に入れるために、俺たちに抵抗してきた。だが、ドン・サウザンド様の力の前には頭も上がらなかったがな」
ドン・サウザンドの力は、かつて遊馬や凌牙、小鳥から聞いていた。

圧倒的で絶対的な力。そんな力を持つドン・サウザンドに、バギーたちは手を出したのだ。

だが、奴のことを何も知らないまま近づけば、大怪我では済まない。

生きて帰ってくることもできないだろう…。



コルダ:「ドン・サウザンド様は、力を手に入れようとする奴らを始末しようとしたが、それではあまりにも惜しいと考えたドン・サウザンド様は、奴らに成果を上げたら、力を渡してやろうと騙し、その二人に人間界を観察させた。我々の計画に気付く人間共がいないかどうかをな。最も、九十九遊馬の存在には気付かず、ドン・サウザンド様にとっては期待外れのようだったがな」
一度ため息をついたコルダ。


狂言とバギーは、ドン・サウザンドにとっては全然使い物にならない存在だったようだ。







コルダ:「ワックスポワロ島での激戦の中、狂言は貴様らフロンティアに敗れ、牢獄(プリズン)によって、連行された。俺たちは、これ以上我々の情報が洩れてはならないと、今後のことを考え…」


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約2年ほど前




プリズン所有牢獄内



狂言:「ぎゃあああああああ!」

狂言、何者かに殺害され死亡…





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コルダ:「狂言を始末したのさ」



Ⅳ:「つまり、牢獄に侵入し、奴を殺害したのは、お前らだったのか…!」

Ⅴ:「誰も立ち入ることのできないプリズン所有の牢獄内での暗殺。それが、バリアンの仕業だったとはな」

Ⅲ:「ですが、納得のいく話です。バリアンだったら、バリアンズ・スフィア・キューブの力を使って空間を飛ぶことができます。プリズンに見つからず、暗殺することは可能でしょうから」
遊馬から聞いていた狂言の暗殺。それが、バリアンの手による者だったことを知ったⅣたち。



コルダ:「そして、バギーもダイシャラス王国での反乱の中、貴様らに敗れ、使えない者だと判断し、処刑を試みた。だが、ドン・サウザンド様は、まだ殺めるのは早いと奴に生きる時間を与えたのさ。まあ、ベイニチア半島で、ヴィータのペンダントを奪取する任務を与えたものの、その島に来ていたフロンティアの連中に敗れ、本当に使い物にならなくなったから、俺が始末したがな」

ベイニチア半島…。そう言えば、少し前に島が謎の結晶体に包まれる事件が発生し、それを解明するべく、フロンティアのSOA特務隊の数人が、その島に向かったと聞いている。



コルダ:「これが、あの二人が行ってきたことだ。奴らは、自分で自分の首を絞め、そして死んだ。バカな奴らだ」
死んだ2人を見下すコルダ。


Ⅴ:「確かに、バカな奴らだ。力に溺れ、バリアンに手を出し、それが引き金となって、バリアンの進行が始まってしまったのだから」
コルダの話しに納得してしまったかのように口を開くⅤ。


Ⅴ:「だが、だからと言って使えないものと判断し始末することには納得がいかない」


コルダ:「!」
Ⅴが目つきを変える。


Ⅴ:「奴らの肩を持つ気はないが、同じ人間として、奴らの仇を撃たせてもらうぞ、コルダ!」
Ⅴが持つスペース・レイピアザーが輝く。


Ⅴ:「セカンドステージ!」
スペース・レイピアザーの形状が変化し、セカンドステージを果たした。

そして、Ⅴの右手の甲に浮かび上がるNo.5のエースのマークが輝く。









凌牙ルート



先を急ぐ凌牙たち


凌牙の右手の甲にNo.3のエースのマークが浮かび上がり輝く。


凌牙:「!」

クロノス:「マークが光っているノーね…!」

慎也:「凌牙、これは…」


凌牙:「誰かが、戦っているんだ。バリアンと…!」
誰かとまではわからない。だが、エースのマークを持つ誰かが、戦いを始めたのことを感じ取る凌牙。







Ⅴルート



コルダ:「同じ人間として、か。その正義感が、自分を苦しめることになるぞ」


Ⅴ:「私は、街を世界を守るために、ここへ来た。戦いの場所が、貴様らにとって有利とはいえ、引くつもりはない!」
Ⅴがセカンドステージしたスペース・レイピアザーを構える。


コルダ:「いいだろう。苦しまぬように、あの世へ送ってやる」
コルダも斧にバルカン砲が内蔵されたデュエルギアを構える。


コルダ:「CX(カオスエクシーズ)炯眼の鋼鰐アクチュエータ・アリゲーター、ここからが本番だ」
コルダの前に機械の身体を持つ鰐が現れる。

コルダが使っているデュエルギア”アリゲイツ・バスター”。

そのデュエルギアに宿るモンスターが、この”炯眼の鋼鰐アクチュエータ・アリゲーター”なのだ。


Ⅴとコルダによる激戦は、ここから始まるのであった!!







第9ED『Prototype《石川智晶》』







次回予告

ナレーション:両者全力の力をぶつけ合うⅤとコルダ。

しかし、コルダはドン・サウザンドからもらい受けた力を使い、地形を利用した広範囲による攻撃で、Ⅴを苦しめていく。

追いつめられていくⅤだが、冷静に周りを分析し、その知性を見せるのであった!


Ⅴ:次回、遊戯王5DXAL「人間の知性 Ⅴの最強攻撃!」


Ⅴ:「人間を嘗めるな!」






遊戯王5DXAL豆知識コーナー!!


Ⅴ:「私が使用するデュエルギアは”ディープ・スペース・クルーザー・ナイン”の刺突用の剣レイピア、”スペース・レイピアザー”だ。光属性の武器だが、私が持つ光属性の波動を流し込めば、もっと強力な技を放つことができる」
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