第148話:『凌牙の努力!戦い後の決意!』
凌牙:「パッラ・スクアーロ!」
鮫を象る水の塊が、ピアーズに向かって猛スピードで飛ばされた。
凌牙の攻撃が、ピアーズに直撃する。
ピアーズ:「ぐわあああ!」
ピアーズは大きく吹き飛ばされ、赤い海へと落ちた。
凌牙が勝ったと思っていたが、突然ピアーズが落ちた水面から大きな水しぶきが上がった。
戦いはまだ終わりではないということだ。
大きな水しぶきの中から現れたのは、雷でできた大きな鳥だった。
その鳥は、翼を大きく広げてビリビリと電撃を飛び散らすのであった。
第9OP『HEART・BEAT《MARIA》』
第148話:『凌牙の努力!戦い後の決意!』
赤い海から現れた雷で象られた大きな鳥。
そして、水面からピアーズが出てきた。
ピアーズは水面に立つ。しかも、キュムロニンバス・バハムートの形がさっきまでとは違う。
凌牙:「セカンドステージか…」
凌牙はボソッと呟く。
ピアーズはキュムロニンバス・バハムートをセカンドステージさせていたのだ。
ピアーズ:「こいつをセカンドステージさせたのは久しぶりだ。やっぱり、元バリアンだった男の力は伊達じゃねえってことだな。いや、エースのマークの力か」
ピアーズは少しイラついているのか、ギロッとした目で凌牙を見る。
ピアーズ:「フッ、ま、そんなことはどうでもいい。俺を、ここまで本気にさせたんだ。前言撤回だ。お前を仲間に入れねえ。だから―」
ピアーズから殺気のようなものが少し放たれていた。
そして、赤い海が波を立てる。
ピアーズ:「全力で殺してやるよ!お前を!」
その笑みは明らかに今までのものではなかった。
ピアーズの身体から感じる殺気は、自分が過去に感じたことのあるものだった。
凌牙:『これは…』
凌牙は細い目でピアーズを見る。
すると、ピアーズの身体がどす黒いオーラに包まれた。
そして、ピアーズの身体を中心に電流が流れ、赤い海に電撃が走る。
海に落ちれば、感電死すること間違いなしぐらいだ。
本田:「なんだ?あいつ。いきなり、雰囲気が変わったぞ」
万丈目:「っ…、まるで、邪悪な力に支配されている感じだ…」
万丈目もピアーズから感じる闇の力を警戒する。
すると、万丈目の見えないところに、あの3体が精霊体となって現れる。
おジャマ・イエロー:『ん?ねえ、あんちゃんたち、あの人の後ろに何か見えない?』
おジャマ・ブラック:『言われてみれば、何かいるな。はっきりとは見えないが…』
おジャマ・グリーン:『万丈目の旦那は、あれが見えていないのか?』
万丈目が持つ3体の精霊、おジャマ3兄弟のイエロー、グリーン、ブラックが、ピアーズから感じるオーラに何かを感じ、表に出てきたのだ。
???:『さあ、敵を倒すのだ、ピアーズ。お前には我がついている…』
誰にも聞こえないその声は、ピアーズに力を与える。
ピアーズの目は一瞬輝き、身体中からいきなり電気が放電し、凌牙を襲う。
凌牙:「くっ!」
凌牙はバハムート・エッジサイトで、放電を斬り裂くが、連続で自分を襲ってくる所為で、何度も斬り裂くことができず、躱した。
ピアーズ:「バリアンの真の力に屈しろ!神代凌牙!ハハハハハ!」
ピアーズは海の上を走り、凌牙に接近する。
慎也:「凌牙!奴が近づいているぞ!」
慎也が凌牙に、ピアーズが接近していることを伝える。
凌牙は、その目でピアーズを捕え、いつでも攻撃を受ける準備をする。
ピアーズ:「ラミエル・ムーブ!!」
セカンドステージしたキュムロニンバス・バハムートから放電し、ピアーズの身体を纏う。
すると、次の瞬間、ピアーズが、その場から消えた。
凌牙:「!」
何が起きたかわからない凌牙。
目の前を見ても、ピアーズの姿は見当たらない。
葵:「上よ!凌牙!」
葵の声を聞いた凌牙はすぐに上を向いた。
そこにはセカンドステージしたキュムロニンバス・バハムートの刃をこちらに向けるピアーズが、自分に向かって落ちてきていた。
ピアーズ:「上、取ったぞ!お前の頭蓋骨を砕いてやる!!」
セカンドステージしたキュムロニンバス・バハムートの刃に電流が流れ込み、切れ味が格段と上がる。
凌牙:「なめんじゃねえっ!」
凌牙はブラックランサーをピアーズに突き付ける。
お互いの刃がぶつかり合うが、雷の力で強化されたキュムロニンバス・バハムートは、凌牙が思ったよりも強度が増していた。
なぜなら、ブラックランサーが刃の先から粉々に砕かれたからだ。
凌牙:「っ!」
凌牙はすぐに後ろに下がる。
セカンドステージしたキュムロニンバス・バハムートは凌牙が立っていた地面に突き刺さる。
ピアーズ:「よく対応したな。だが、そのデュエルギアは、しばらく使えねえだろ」
ピアーズは地面に突き刺さるキュムロニンバス・バハムートを抜いた。
そして、凌牙が持つブラックランサーは完全に砕かれた。修復にも時間がかかるだろう。
凌牙はブラックランサーを手元から消し、バハムート・エッジサイトを構える。
ピアーズ:「どんなことをしても、俺を止めることはできねえよ!」
ピアーズが走って凌牙に近づく。
凌牙はバハムート・エッジサイトに闇属性の波動を送り込む。
凌牙:「シャドー・シャーク!」
バハムート・エッジサイトを片手で回し、紫色の鮫の残像を呼び出した。
ピアーズの周りを残像が周り、視線がそちらに向く。
これは、視線を誘導させる技であり、攻撃ではない。つまり―。
凌牙:「そこだ!」
凌牙がバハムート・エッジサイトを振りかざし、ピアーズを斬り裂こうとする。
ピアーズ:「っ!」
ピアーズは行動するのが遅れたため、斬られるのを覚悟した。
だが―。
凌牙:「!」
ピアーズから放たれているどす黒いオーラが、人の上半身のような形を作り、凌牙のバハムート・エッジサイトを受け止め、ピアーズを守った。
ペガサス:「なんですか!あれは!?」
そのオーラを見て驚くペガサス。
ピアーズも、何が起きたかわからず少し驚いていた。
凌牙:「っ、ドン・サウザンド…」
凌牙はピアーズが守ったオーラの形にドン・サウザンドを重ねた。
ドン・サウザンドの力によって、ピアーズの力がパワーアップしているのであれば、このオーラはドン・サウザンドそのものと考えてもいいだろう。
それに、元バリアンだったから感じるのだ。このオーラにドン・サウザンドの気配を感じることに。
ピアーズ:「やはり、ドン・サウザンド様は素晴らしい力を俺にくれたようだな!この力さえあれば、俺は無敵だぁぁ!」
闇のオーラが凌牙を襲おうとする。
次は凌牙がピンチだ。
だが、凌牙の右手の甲のエースのマークが輝き、バリアのようなものを展開し、凌牙の身を守ってくれた。
凌牙は、その隙に後ろへ下がった。
葵:「今の危なかったわね」
慎也:「あぁ、エースのマークが凌牙を守ってなかったら、やられていたかもしれないな」
2人の戦いを見届ける慎也たち。
どちらも攻撃と防御を繰り返している。
ピアーズ:「まだだ。俺の力は、まだこんなものじゃねえ!うおおおおお!」
ピアーズから更に闇のオーラが放たれる。
ジャック:「更に殺気が鋭くなっているぞ!」
風間:「あいつの身体に何が起きているんだ!」
ピアーズに何が起きているのか理解できていない風間。
しかし、凌牙にはわかっている。裏でピアーズに力を貸しているドン・サウザンドが、奴の身体を蝕んでいるのだ。
凌牙:『ドン・サウザンド、奴は自分の目的を果たすためなら、どんな手でも使ってくる。例え、下部が壊れてもな。ピアーズに制御できないほどの力を与えて、邪魔者を排除していくって算段か…!』
ピアーズの様子を見てそう呟く凌牙。
凌牙:「それ以上、力を引き出すんじゃねえ!お前の身体はドン・サウザンドの力で壊れるぞ!」
ピアーズ:「俺は、そんなやわじゃねえ!それに、ドン・サウザンド様は俺の素晴らしい力を分け与えてくれた。それは、バリアン世界を復活させるため!」
凌牙:「そのバリアン世界を復活させる目的のために、奴はお前を人形のようにしか扱っていねえんだぞ!」
ピアーズ:「!」
凌牙から放たれた言葉。それは、ピアーズにとって聞きたくない言葉でもある…。
凌牙:「俺たちもそうだった。結局、自分の目的で俺たち元バリアンは奴に利用されていたんだ」
ピアーズ:「…」
凌牙:「お前だけじゃない。他の連中も、おそらくドン・サウザンドに利用されているだけだ」
ピアーズ:「ドン・サウザンド様が、俺を…」
凌牙:「気づけ、ピアーズ。お前の真の敵は俺たちじゃねえ。ドン・サウザンドだ」
凌牙の言葉を聞いたピアーズ。動揺してしまうが、歯を立てる。
ピアーズ:「そんなはずはねえ!俺は、俺は、バリアン世界を復活させるために戦っているんだ!ドン・サウザンド様が、俺を騙しているはずはねえぇぇー!」
ピアーズは大きな声で叫び、闇の力を膨大に引き出す。
凌牙:「ピアーズ!!」
凌牙はピアーズの名を呼ぶが、ピアーズは、その力に従っているのか怖い目で凌牙を見る。
右京:「今まで以上に、鋭い目つき…」
オブライエン:「これも、あの謎の力の所為なのか…」
みんなも感じているピアーズの膨大な力に…。
俺の言葉を聞いては聞いてはくれないか…。
そう思った凌牙。すると、エースのマークが今まで以上にない輝きを放つ。
その輝きに驚く凌牙。
3か月ほど前、修行中の中、エースのマークには、それぞれ言葉が込められていることを遊馬から教わった。
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凌牙:「言葉?」
遊馬:「ああ、ナンバー2からナンバー8には、それぞれ言葉の意味が込められている。その中で、シャーク、お前が持つNo.3には”努力”って言葉が込められている」
凌牙:「努力?」
遊馬:「何事にも最後まで諦めず、物事を達成する。それが、No.3に込められている言葉だ」
そう言って、遊馬は凌牙の右の手の甲を指さす。
凌牙:「俺には向いてねえ言葉だな」
遊馬:「そういうなよ。いずれ、そう言う時が来るさ。努力しなきゃいけないときがな」
遊馬は少し笑ってそう言った。
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凌牙:「今がその時だよな、遊馬」
凌牙は真剣な目でピアーズを見る。
凌牙:「お前をドン・サウザンドの力から解放する!お前を倒すのは、その後だ」
凌牙は再びバハムート・エッジサイトを構える。
ピアーズ:「行くぞ!凌牙!!」
ピアーズの身体から放電し、その状態で走ってきた。
凌牙もピアーズに向かって走る。
そして、両者のデュエルギアがぶつかり合う。
ピアーズ:「水のデュエルギアで、俺の雷の力に勝てるかよ!」
ピアーズの身体から電流が放出され、凌牙に襲いかかる。
凌牙は一旦、ピアーズから距離を取り、バハムート・エッジサイトを円を描くように片手で回す。
凌牙:「ドラゴン・オンダス!」
回しているバハムート・エッジサイトから、水波を生成し、そこから龍の頭が現れ、ピアーズの電撃とぶつかり合う。
両者の攻撃はかき消された。
ピアーズ:「ラミエル・サンダー!」
右手に持つセカンドステージしているキュムロニンバス・バハムートを挙げ、空がピカピカと光出す。
同時に、ゴゴゴォォと、雷が怒っている音が耳に響き、そして、周りに連続で雷が落ちてきた。
これを受けてしまったらまる焦げになってしまう。
凌牙はそう思い、雷に当たらないように躱し続ける。
ピアーズ:「そう、逃げ続けたら―」
ピアーズが雷が落ちている領域のど真ん中を突っ切る。
そして、その先にいる凌牙に刃を向ける。
ピアーズ:「俺が刺し殺すまでだ!」
セカンドステージしているキュムロニンバス・バハムートの刃が凌牙に接近する。
右京:「神代君!危ない!」
凌牙:「エースのマーク!」
凌牙が右手の甲を見せ、エースのマークが凌牙を囲うようにバリアを展開し、身を守る。
セカンドステージしているキュムロニンバス・バハムートの刃がバリアに突き刺さる。
ピアーズ:「こんなバリア、直ぐにかき消してくれる!」
ピアーズはデュエルギアに力を込める。
すると、刃の先端がエースのマークのバリアを突き抜けた。
凌牙:「っ!」
ピアーズ:「もらった!トルデォン・スパーク!」
バリアを突き抜いた刃から電流が放たれ、凌牙を襲う。
凌牙:「ぐわあああ!」
凌牙はその衝撃で吹き飛ばされた。同時に展開していたバリアも消える。
慎也:「凌牙!」
葵:「敵の電流を諸に喰らったわ。かなりのダメージよ!」
凌牙は地面に倒れる。
凌牙:「くっ…」
ピアーズ:「終わりだ!凌牙!」
ピアーズが高くジャンプし、セカンドステージしているキュムロニンバス・バハムートの刃を凌牙に向ける。
凌牙:「まだだ!バハムート・エッジサイト!」
凌牙がバハムート・エッジサイトを掲げると、青い輝きに包まれ形を変える。
そう、バハムート・エッジサイトもセカンドステージをしたのだ。
2枚の刃が形状を変えたバハムート・エッジサイトを回し、水波を生成する。
凌牙:「ストロング・ドラゴン・オンダス!!」
バハムート・エッジサイトがセカンドステージしていることで技も進化。
先ほど繰り出したドラゴン・オンダスの技で出た水の龍が、形状を変えて水波から現れ、ピアーズを襲う。
ピアーズ:「ぐはっ!」
ピアーズは、水の龍に飲み込まれ、その後吹き飛ばされる。
凌牙は、その間に態勢を立て直した。
ピアーズは、地面に落ち倒れる。
???:『さあ、立て。ピアーズ、お前はバリアン世界復活のために戦い続けるのだ』
頭の中に響く、あの方の声。ピアーズの身体に纏わりつく闇のオーラが更にピアーズを飲み込む。
ピアーズが起き上がり、鋭い目つきで凌牙を見る。だが、その目はもはやピアーズの目ではなかった。
凌牙:「ピアーズ、お前…!」
真っ赤な目。完全に力に支配されているのだ。
ピアーズは立ち上がり、キュムロニンバス・バハムート、そして体から電流を一気に放電させる。
すると、ピアーズの背後に、先ほど海に落ちたピアーズが出てくる直前に現れた雷で象られた大きな鳥が現れる。
ジャック:「奴め、次の攻撃でケリをつけるつもりだ」
右京:「神代君!」
遂に、戦いも大詰め。
凌牙もまた、次の攻撃に全てを込める。
No.3のエースのマークが、セカンドステージしているバハムート・エッジサイトに力を貸す。
凌牙:「ピアーズ、俺もこの攻撃に全てをかける!来い!ナーガ!」
セカンドステージしているバハムート・エッジサイトを振り回し、凌牙の背後に水でできた巨大な大蛇ナーガが現れる。
ピアーズ:「ボルテック・フリカムイ!!」
ピアーズの背後にいる雷で象られた巨大な鳥が翼を広げて飛び、凌牙に向かって突っ込む。
凌牙:「ナーガ・オブ・アンシュトレングング!!」
水の巨大な大蛇ナーガが口を大きく開けて、そこから青い光線を放つ。
青い光線と、雷の鳥がぶつかり、凄まじい爆風が発生し、赤い海が波を立てる。
戦いを見届けている仲間たちも、その爆風に耐える。
慎也に関しては恋人である葵を守っていた。
ピアーズ:「俺は、バリアン世界の復活ために!」
凌牙:「そのために、ドン・サウザンドの力に頼っていることがおかしいってなぜ気付かない!」
ピアーズ:「!」
凌牙:「バリアン世界を復活させたいなら、自分の力で成し遂げろ!それが、元バリアンだった奴から送る最後の言葉だ!」
これはいわゆる先輩から後輩へと送る最後の言葉という奴だ。
凌牙が放つ攻撃は、ピアーズの攻撃を打ち消し、青い光線は、そのままピアーズに直撃する。
ピアーズ:「ぐわおおおおおっ!」
???:『バ、バカなぁぁ!』
ピアーズに纏わりついていた闇のオーラが消え去る。
カイゼル・サウザンド最奥部
そこにドン・サウザンドはいた。
ドン・サウザンド:「ピアーズがやられたか…」
ピアーズに託した力が消えたことに気付き、下部が1人やられたことに、ドン・サウザンドはため息のようなものをついた。
ドン・サウザンド:「まあいい、使えなくなった人形に用はない。使えなくなったら、また新しいものを作ればいいのだからな」
本人がいないとはいえ、下部を用無しのように言うドン・サウザンド。
自分の目的のためなら、何だってする。それがドン・サウザンドである。
凌牙の攻撃を喰らい、地面に倒れるピアーズ。
ゆっくりと目を開けると、バハムート・エッジサイトの刃を自分の首に近づけている凌牙が目に映る。
自分が少し気絶している間に、凌牙は真横に立っていたのだ。
凌牙:「ピアーズ、これで仕舞いだ」
凌牙は、ピアーズにそう言った。
ピアーズ:「フッ、俺の負けか。ドン・サウザンド様の力が感じられない。あの方は、俺を見捨てたようだ」
凌牙:「…」
ピアーズ:「敗者には消えるのが運命(さだめ)。後は、お前の好きにしろ」
ピアーズは目を閉じる。
死ぬ覚悟をしたということだ。
こいつの覚悟を受け入れる凌牙。
しかし、凌牙はピアーズの首からバハムート・エッジサイトの刃を遠ざけ、デュエルギアを収める。
凌牙:「俺たちは先を急いでいる。お前の相手をしている暇はねえ」
凌牙は倒れているピアーズに背を向けた。
ピアーズ:「な、なぜ、トドメを刺さねえ…!情けなんて無用だ!」
自分を斬らない凌牙に怒りをぶつけるピアーズ。
凌牙:「お前のバリアン世界を復活の思いは本当のようだな」
ピアーズ:「!」
凌牙:「ドン・サウザンドの考えは間違っている。人間界、アストラル世界を滅ぼさなくても、バリアン世界は復活できるはずだ。後のことはお前に任せる」
凌牙はそう言い残し、みんなが立っている場所へ向かう。
本田:「いいのか?トドメを刺さなくて?」
慎也:「凌牙にも、凌牙なりの考えがあるのさ」
本田と慎也はそう言った。
凌牙:「とっとと急ごう。ここで時間をくっている暇はない」
ペガサス:「確かにそうデース。タイムリミットは迫っています」
先を急ぐにも、赤い海に囲まれたこの場所には、ここへ来た扉以外何もない。
海を渡るにもボートのようなものもない。
そんなことを考えていると、みんなの目の前に突然扉が現れた。
オブライエン:「どうやら、あの扉から奥へ行けるみたいだな」
葵:「急ぎましょう。みんな」
みんなは目の前に現れた扉の前に立つ。
凌牙が扉を開けて、奥へと走って行く。
倒れているピアーズ。
凌牙:『バリアン世界を復活させたいなら、自分の力で成し遂げろ!それが、元バリアンだった奴から送る最後の言葉だ!』
最後の攻撃がぶつかり合ったときに凌牙が言っていた言葉を思い返すピアーズ。
ピアーズ:『ドン・サウザンド様が、俺を見捨てた。俺は、これからどうすれば…』
目を瞑るピアーズ。
彼は、これから一体どうするのか…!
第9ED『Prototype《石川智晶》』
次回予告
ナレーション:バリアン8人衆の1人ピアーズに勝利した凌牙。
その頃、遊馬の目の前に、バリアン8人衆のリーダー、ウェスカーが現れる。
遊馬と戦おうとするが、遊馬はバリアンの力を引き出した後遺症で体力を消耗していた。
そんな中、アストラル世界の守護神が立つ!
エリファス:次回、遊戯王5DXAL「守護神エリファス!レクイエム・ルクソール・フォース!」
エリファス:「私の奇跡のドローを見せてやろう!」
遊戯王5DXAL豆知識コーナー!!
凌牙:「エースのマークには、それぞれ言葉の思いが込められている。俺が持つNo.3には”努力”の意味が込められており、何事にも最後まで諦めず、物事を達成する、そんな思いが秘められているが、俺には向いていない言葉だな」