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第141話:『優しい光の中から…』








ミスティ:「自分を責めないでください、博士。あなたは愛娘のために行動しただけです。間違いではありません」

ロヴィニ博士:「だが、私の所為で、島の人々が…」

鬼柳:「確かに、アンタの行いが、この事態を引き起こしてしまった。なら、正直に訳を話して島の人々に謝るしかない。訳を聞いて、俺たちみたいに理解してくれる人もいれば、その逆もいるだろう。そして罪を償えばいい」
鬼柳はそう言って、立ち上がった。



その頃、島を覆っていた結晶体の増殖が止まった。


クレート:「止まった…のか?」
いきなり、増殖が止まったことに戸惑うクレートたち。






そして、鬼柳たちが戦っていた仮想世界も崩れていく。




全て終わったのだ…。これで何もかも…。


鬼柳やミスティ、ここにいる全員がこれで丸く収まると思っていた。

だが…。


ピカッ

ヴィータのペンダントが一瞬光る。


これで、全て終わりではなかった。








第8OP『Mysterious《Naifu》』







第141話:『優しい光の中から…』








島を包んでいた結晶体の増殖が停止したことに気付いた、ある者たち。


結晶に包まれている家の屋根の上に立っていた。


ピアーズ:「なんだ?増殖が止まったな」

コルダ:「戦いは終わったようだな」
ヴィータのペンダントを狙って、この島に潜入していたバリアン8人衆のピアーズとコルダが島の様子を見てそう言った。



ピアーズ:「それより、よかったのか?あのバギーを消して」

コルダ:「あいつは、もう使い物にならなくなっていたからな。生きていてもしょうがない」
コルダが冷たい目でそう言った。


ピアーズ:「うおっ、こわっ。相変わらず、厳しいな」
コルダの目を見てふざけたような感じで怯えるピアーズ。


ピアーズ:「それで、これからどうする?ヴィータのペンダントを奪いに行くか?」

コルダ:「それは俺一人でやる」

ピアーズ:「あ?」

コルダ:「わざわざ二人で行く理由もないだろう。お前は先にバリアン世界に向かえ。そろそろドン・サウザンド様の作戦が開始される」


ピアーズ:「その作戦には、ヴィータのペンダントが必要だろうが。お前ひとりで大丈夫なのか?」

コルダ:「フッ、俺のことを心配してくれるのか?」
少し笑って、コルダはそう聞いた。


ピアーズ:「誰が、おめえの心配なんかするか!」

コルダ:「安心しろ。取る物は必ず取る。それだけだ」
コルダは真剣な目でそう言った。

ピアーズ:「チッ、わかったよ。なら先に戻って、ドン・サウザンド様に伝えておくぜ」
ピアーズは六面三角形のキューブ状の石ころサイズの物を掌に乗せる。


ピアーズ:「ふん!」
六面三角形のキューブ状を握り占めると、目の前にどこかへ通じるゲートのようなものが現れる。


ピアーズ:「じゃあな」
ピアーズは、そのゲートを潜り抜ける。

ピアーズが潜り抜けたゲートは、その場から消えた。


ピアーズが行ったことを確認したコルダは、その場を後にして、何処へと向かった。






ロヴィニ博士豪邸内


仮想世界が広がっていた家の中だが、次々と崩れていき、最初にここへ来た時と同じ、結晶体に包まれた壁が現れる。




鬼柳たちが立つ草原も消えて行く。






吹雪:「元の風景に戻っていく…」
足元は緑色の草原が広がっていたが、それが消えたことに少し驚く吹雪。


そして、自分たちの目の前にあった結晶体に罅が入り、崩れる。



恵美:「結晶が崩れたわ…」

カルメ:「はっ」
カルメは目の前にいる人物を見て驚く。

後ろを振り向いているので、顔は見えない。だが、あの後ろ姿はよく見る姿だった。

カルメは咄嗟に走る。





ロヴィニ博士は落ち込んでいた。



だが、側にいたミスティが、カルメが走ってくることに気付いた。


ミスティ:「博士、娘さんですよ」
ミスティが博士にそう伝えると、博士は娘が走ってくる方向を見た。


ロヴィニ博士:「カルメ…」
ロヴィニ博士はボソッと呟く。




カルメ:「パパ!」
カルメがロヴィニ博士に抱き付く。


カルメ:「やっと、やっと戻って来てくれた…。いつものパパに」
涙を流しながらそう言うカルメ。


ロヴィニ博士:「カルメ」
ロヴィニ博士は娘の名前を口にして、強く抱きしめる。


ロヴィニ博士:「すまなかった、カルメ。母さんを合わせられなかった」
涙を少し流して博士は言った。

カルメ:「ううん、いいの。私の側にはパパがいるから!」
実の父親の首に腕を回して強く抱きしめる。



2人の光景を見て満足したのか、鬼柳とミスティは笑みを浮かべる。


そして、2人とも髪を止めていたヘアゴムを取る。


エマリー:「パパ!ママ!」
エマリーが父母の元へ走ってきた。


他にも未来や吹雪たちも来た。


吹雪:「2人ともケガは?」

鬼柳:「いや、対した傷じゃない。大丈夫だ」
吹雪の問いに即座に答える鬼柳。


恵美:「博士を救うことに成功したみたいだね。よくやったわ」
と恵美は2人を褒める。


未来が、感動の再会を果たしているロヴィニ博士とカルメに近づく。

未来:「博士」

ロヴィニ博士:「キミは確か…」
博士は記憶を辿り、ある時の山の中で会った女性だと気付く。

ロヴィニ博士:「あのときの…!」

未来:「はい。博士が無事でよかったです」

ロヴィニ博士:「本当に済まないと思っている。私の行動で、このようなことを起こしてしまって」

未来:「いえ、博士が元に戻ってなによりです。それに、ペンダントが作っていた世界が崩れたということは、外の結晶体の増殖も活動を停止し…!」
未来が窓から外の様子を見た。

外にある結晶体の様子がおかしいことに未来が気付き、窓に近づいて外を見る。


鬼柳:「どうした?」

未来:「動いている…」

亜美:「え?」

未来:「動いているんです。結晶が…!」
未来がそう言って、鬼柳とミスティが慌てて外を見る。

未来の言う通り、結晶体の増殖が継続している。さっきまでとは増殖のスピードははるかに遅いが、確かに動いているのだ。


エマリー:「…!パパ!ママ!」
エマリーがいきなり大きな声で叫び、鬼柳が「どうした?」と聞いた。


エマリーは指を指した。みんなは指を指した方を見る。

チェーンが切れたヴィータのペンダントが輝いている。

ペンダントが単体で力を解放しているのだ。


吹雪:「ペンダントから出ている輝きはなんだ…!」

鬼柳:「くっ!」
鬼柳はセカンドステージしたインフェルニティ・パイソンから弾丸をペンダントに向けて放つ。


すると、ペンダントは宙に浮かび、インフェルニティ・パイソンの弾丸は床にヒットした。


ロヴィニ博士:「ヴィータのペンダントが…!」
ずっとヴィータのペンダントに操られていた博士も、今起きている事態に驚く。



ヴィータのペンダントは、今まで見せていないどす黒い輝きを放った。

すると、外の結晶体が再び増殖を開始した。


それだけじゃない。家の中に広がる結晶体も増殖を初め、ましてや氷柱のように結晶体が形を変えて、ミスティや鬼柳たちを襲う。


鬼柳:「なんだ!いきなり!」

ロヴィニ博士:「カルメ!」
娘を守るために、ロヴィニ博士はカルメを抱きしめる。


吹雪:「くっ」
レッドアイズ・ガレオンから赤い弾丸を放ち、襲ってくる結晶体を破壊する。



ロヴィニ博士:「これはまさか、ペンダントの暴走…!」
カルメを抱きしめながらそう呟く。


亜美:「暴走?」

ロヴィニ博士:「あぁ、ヴィータのペンダントも所詮は物に過ぎない。宿主を失ったことで、ペンダントが暴走を開始したのだ」

エマリー:「それじゃあ、博士をペンダントの呪縛から助けたのが仇になったってこと!?」

鬼柳:「飛んだ茶番だな、おい」
鬼柳は2丁のデュエルギアで、結晶体を破壊する。


ミスティ:「ぐっ!」
ナーガラージャ・ナイフで襲ってくる結晶の氷柱を打ち壊すミスティ。


ミスティ:「博士!何かペンダントの力を押さえる方法はないんですか?」
慌ててミスティは聞いた。

ロヴィニ博士:「私とて、このような事態は想定していない。止める方法などわかるはずもない!」

未来:「考えてください。このままでは全滅です!」
クラーク・ウッドワンドを持つ未来がそう言う。



ロヴィニ博士はカルメを抱えながら考える。






その頃、ヴィータのペンダントを奪取しよ宇と動いていたコルダも再び増殖を開始した結晶に苦戦していた。


コルダ:「さっきまではただ増殖していただけのものが、いきなり攻撃してくるとはな」
コルダは氷柱のように突き刺して来る結晶を躱しながらそう呟く。





避難所付近


クレート:「さっきまでとは明らかに何かが違う!急いで住民を避難させるんだ!今までとは何かが違う!」
クレートはそう言って、みんなに指示を出す。




島中に広がる結晶は、針鼠のように無数の針を尖らせる。

それはまるで、島に誰も入らせないようにも見えた。






その頃、ロヴィニ博士は、この事態を防ぐ方法を考えていた。


未来:「鎌鼬の盾!!」
未来がクラーク・ウッドワンドに風属性の波動を流し込み、目の前に人間の上半身サイズの本を出した。

そして、その本から鎌鼬が現れ、鎌鼬は尻尾を振り回し、氷柱のように尖る結晶を止める。


恵美はレフィキュル・コルタールを投げ飛ばして、結晶を次々と破壊する。



吹雪:「博士!何か思いつきましたか!」

亜美:「これ以上は止められないよ!」
結晶を破壊しながら慌ててそう聞く吹雪たち。


ロヴィニ博士は頭を抱えていた。

ロヴィニ博士:「ダメだ…!何も思いつかない!」
両手を床につけて博士は言った。


鬼柳:「くそっ、ここでお陀仏になるのかよ…!俺たちは!」
諦めたような口調で鬼柳は言った。


ミスティ:「ここまで来たのよ!諦めて、どうするの!」

エマリー:「けど、もう止められっこないよ!」
エマリーが余所見をしていると、結晶が襲ってきた。


レイバー:「余所見をするな!」
レイバーはエマリーを押しのけた。

エマリーは床に倒れて、結晶に襲われずに済んだが…!


レイバー:「ぐはっ!」
レイバーの右肩に氷柱のように尖る結晶が突き刺さる。


鬼柳:「レイバー!」


レイバー:「こんなことで!」
レイバーは左手に持つトルネード・アロンダイトで肩に突き刺さった結晶を打ち砕いた。


レイバー:「くっ」
レイバーは床にトルネード・アロンダイトを突き刺し、左手で右肩を押さえる。

エマリー:「ご、ごめんなさい。私の所為で!」
申し訳なさそうにエマリーはしゃがみ込んでレイバーに謝った。


レイバー:「俺のことは言い。自分のことを心配しろ!」
レイバーは痛みに耐えながら、そう言った。



カルメ:「パパ!本当に、止める方法ないの!」
カルメも慌ててパパに聞く。


ロヴィニ博士は右手を顔に当てて、何か止める方法がないかを考える。


ロヴィニ博士:「こうなったら、ヴィータのペンダントを砕くしかない。一か八かの賭けだが…」
ロヴィニ博士は宙に浮くヴィータのペンダントを見てそう言った。


ミスティ:「いいんですね?ペンダントを砕けば、あなたの使命は果たされなくなります」

ロヴィニ博士:「あぁ、ペンダントがなくても、妻は…ヴィラは、ここで生き続けている」
自分の心臓部分を触りながらロヴィニ博士は言った。

博士の意志は本気のようだ。


ミスティ:「京介!」

鬼柳:「わかっている!」
セカンドステージしたインフェルニティ・パイソンの銃口をペンダントに向ける。


鬼柳:「これで本当の最後だ。デス・ストライクショッ―」
鬼柳がインフェルニティ・パイソンから攻撃を放とうとしたとき、足元から氷柱のように尖る結晶が鬼柳の持つインフェルニティ・パイソンを弾き飛ばす。


鬼柳:「し、しまった!」
銃を弾き飛ばされ後ろに下がる鬼柳。



吹雪:「っ!」
吹雪も持っていたレッドアイズ・ガレオン-ダークネスを氷柱のように尖る結晶に弾き飛ばされてしまう。


未来:「ダメ…、増殖が止まらない…!」

ミスティ:「…ここまでなの…」
宙に浮かぶペンダントを見つめてミスティは言った。


ここにいる皆が死ぬ覚悟を決めていた。

恵美は亜美を、ミスティはエマリーを抱きしめる。


恐怖のあまり目を瞑ってしまう。



周りに広がる結晶体が、みんなに襲いかかる!!

だが、そのときだった。

さっきまでどす黒い光を放っていたヴィータのペンダントから、眩しい綺麗な光が照らされる。


同時に、結晶体の動きが停止する。


エマリー:「え?なになに…!」

ロヴィニ博士:「一体何が…」

カルメ:「パパ」
カルメが指を指す。

ロヴィニ博士はカルメと共に立ち上がった。

カルメが指を指した先にあるのはヴィータのペンダントだった。





???:「あなた…、カルメ…」
女性の声…。


みんなにも聞こえた。今、女性の声が聞こえた。


???:「大丈夫…。もう大丈夫だから…」
ヴィータのペンダントから照らされる光の中から女性の幻影が現れる。


ロヴィニ博士:「お、お前は…」

カルメ:「ママ…」
2人が目を点にする。

幻でも見えているのか。今、自分たちの前にいるのは間違いなく、今一番会いたいと思っている人だった。


ヴィラ:「カルメ、大きくなったわね…」
優しい表情をヴィラは夫と娘に見せた。



ミスティ:「あれがヴィラさん…」
ミスティも目の前にいる女性の幻影に驚く。

そして、光は徐々に輝きを増す。



すると、今までのことが嘘みたいに結晶体が次々と消えていった。


家の中だけじゃない。島中全体に広がる結晶が消えて行っているのだ。


しかも、この現状が初めて起きたときに決勝に飲み込まれた人々も次々と元に戻っていた。






コルダ:「そろそろ、最後の仕事だな」
コルダは屋根の上に立ってそう言った。






その頃、クレートたちも結晶が消えて行くのを見て驚いていた。


クレート:「結晶が消えて行く…」
さっきまで恐ろしいことが起きていたが夢みたいだ。



避難所にいた人々は大喜びする。


「助かった!俺たちは助かったんだ!」
「やった!!」
「これで逃げなくて済む!」

そんな言葉が、クレートの後ろにいた住民たちの中から聞こえた。







その頃、光に包まれたカルメとロヴィニ博士は、ヴィラと楽しく話していた。


短い時間でいい…。今だけの楽しい時間…。


ロヴィニ博士とカルメの話し聞いてヴィラは面白そうに笑った。


カルメ:「それでね、ママ。私、ママに伝えたいことがあるの」

ヴィラ:「あら、なにかしら?」

カルメ:「私の将来の夢」

ヴィラ:「夢?」

カルメ:「うん!私の夢はね!ママみたいに美人な女になること!それが私の夢」
カルメは笑顔でそう言った。

ヴィラ:「フフ、そう。いい夢ね。努力すれば必ず叶うわよ。ママも応援してるから」
ヴィラがそう言うと、カルメは強く頷いた。



ロヴィニ博士:「ヴィラ、最後に会えて嬉しかった。そろそろ、お別れだよな?」
ロヴィニ博士がそう言うと、ヴィラは軽く頷いた。

カルメ:「…」
カルメは残念そうな顔をする。


ヴィラ:「ママとして接する時間は少なかったかもしれないけど、楽しかったわ。それから、ごめんなさい」
ヴィラがカルメの頭を撫でる。


カルメ:「ううん、大丈夫。私もママと話せて嬉しかった。向こう行っても私のこと見てて」

ヴィラ:「勿論見てるわ。あなたのことをずっと…」
ヴィラの声が遠のいていく。


ヴィラ:「あなた。最後に言わせて。”愛してる”」
ヴィラはロヴィニ博士にそう言った。

ロヴィニ博士:「私もだ。ずっとお前を愛してる」
最愛の妻に、この言葉を届けられたことが嬉しかったのか涙を流すロヴィニ博士。



部屋中を照らす輝きが弱まっていく。



その光の中からロヴィニ博士とカルメが出てきた。


未来:「奥さんとは話せましたか?」

ロヴィニ博士:「あぁ、短い時間だったが楽しかったよ。な、カルメ?」

カルメ:「うん!」
嬉しそうに頷くカルメ。


そして、光は消えた。



ミスティ:「やっぱり、家族っていいものね…」
鬼柳の胸に近づいてミスティは言った。


鬼柳:「そうだな」
ミスティの肩を掴み鬼柳が言った。




???:「博士!!」
誰かが、部屋の中へ入ってきた。


クレート:「博士!」

ロヴィニ博士:「おお、クレート」
入ってきたのはクレートだった。

避難所から一人で走ってきたのだ。


クレート:「無事でよかったです、博士」

ロヴィニ博士:「心配かけてすまなかった」

クレート:「いえ、博士が無事で何よりです。それに結晶に包まれた人達も元に戻りました」
クレートがそう言うと、レイバーが前に出る。


レイバー:「それは本当か!」
レイバーがそう聞くとクレートは頷いた。

クレート:「外に行ってみるといいよ」
クレートがそう言ったので、レイバーは急いで外に出る。





外に出たレイバーは右肩に負ったケガなどを忘れて走る。



しばらく走ると、レイバーは目を丸くした。


目の前から結晶体に飲み込まれた家族が走ってきていたのだ。


レイバーは嬉し涙を流しながら家族の元へ走った。






ロヴィニ博士の豪邸


カルメの部屋



ロヴィニ博士:「私には今回の事件を起こしてしまった責任がある。それを島の人々に公表するつもりだ」


クレート:「博士…」

ロヴィニ博士:「島の人々が全員戻ってきたとは言え、皆を危険な目に遭わせてしまったのは事実。私を許さない人々もいるだろう。だが、黙っていては、私の心が痛い」
ロヴィニ博士がそう言うと、ミスティが頷いて口を開く。

ミスティ:「その方がいいと思います。正直に言えば、博士の気持ちも晴れるでしょう」

未来:「博士を許さない人もいると思いますが、それに負けないでください。この島には博士を必要とする人達もいますから」

ロヴィニ博士:「ありがとう」
礼を言うロヴィニ博士。



エマリー:「そう言えば、ヴィータのペンダントは何処にあるの?」
エマリーの言葉を聞いて、ようやくペンダントの存在に気付いたミスティたち。

周りを見渡す。


カルメ:「あ、あそこ」
カルメが指を指した方にヴィータのペンダントが落ちていた。



鬼柳はそれを拾おうとペンダントが落ちている方へ近づく。


とその時、窓から何者かが入ってきた。


???:「悪いが、それは俺がもらう」
窓から入ってきたものは、一瞬で落ちているヴィータのペンダントを手に取った。


鬼柳:「!何者だ!」
鬼柳はインフェルニティ・パイソンを構えて聞いた。


コルダ:「このペンダントは、我々バリアンが必要としているものだ。お前たちに渡すわけにはいかない」
バリアン8人衆の1人コルダがペンダントを手にそう言った。



吹雪:「お前は!」

未来:「ダイシャラス王国で、遊馬の前に現れたバリアンの1人!」

亜美:「どうして、こんなところに!」
コルダが目の前にいることに驚く鬼柳たち。


コルダはヴィータのペンダントを見つめる。


コルダ:「これで3つの鍵が揃った」

ミスティ:「3つの鍵?」

鬼柳:「何のことだ?」
コルダの発言に疑問を抱くミスティたち。


コルダ:「お前たちが知る必要はない。だが、これだけは教えてやる」
コルダは六面三角形のキューブ状の物を掌に乗せる。


コルダ:「近い内、ネオコーポレーションシティで多元世紀始まって以来の大きな災いが起きる」


未来:「新たな災い?」

コルダ:「その災いは、人間界を滅ぼすだろう。ドン・サウザンド様は、既に動いているのだからな」
コルダが言ったことに、みんなが唖然とする。


恵美:「人間界を滅ぼすですって…」

吹雪:「一体、何を言っているだい」


コルダ:「人間共、お前たちが楽しい日々を送れるのは、もうそう長くない。精々その時が来る日を待つんだな」
コルダが持つ六面三角形のキューブ状の物が輝き、目の前にゲートのようなものが現れる。


鬼柳:「待て!逃がすか!」
鬼柳はインフェルニティ・パイソンから弾丸を放った。

だが、既にコルダはゲートの中を潜っており、弾丸がヒットしようとする直前でゲートは消えた。


カルメ:「パパ」
カルメは怖れて、ロヴィニ博士にしがみつく。




ミスティ:「一体、何が起きようとしているの…」
ミスティはそう呟く。







多元世紀始まって以来の大きな災い。

ネオコーポレーションシティで、その災いは起きようとしている…。


新たな戦いが幕を開ける…!!









第8ED『あしあと《Clair(クレア)》』







次回予告

ナレーション:新たな災い…。

バリアン8人衆の1人が言った言葉は一体、何を示しているのか!

そして、その災いを予兆したかのように、ネオコーポレーションシティに現れた遊馬の前に、あいつが現れる!

遊馬とアストラルは、あの力を使い、対抗するのであった!

その頃、遊馬と同じくして、災いに気付いている者がいた…。その男もまた、元はバリアン側のもの。

一体、何が起きようとしているのか!


凌牙:次回、遊戯王5DXAL「ドン・サウザンド動く!」


凌牙:「何だ…、この感じは…」







遊戯王5DXAL豆知識コーナー!!


鬼柳:「俺が使用する新たなデュエルギア”インフェルニティ・ウェッソン”は、”インフェルニティ・デス・ガンマン”のスミス&ウェッソンM66をモデルにしたデュエルギアだ。インフェルニティ・パイソンと共に敵を打ち倒す」
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