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第126話:『兄との約束を胸に』







アドレー:「ぐ…ぐうわああああ!!」
いきなり叫び出すアドレー。


アドレーの中に眠るエネルギー物質が、アテ-ナーの池に眠るアラクネーの宝玉のエネルギー物質と共鳴しているのだ。

そして、宝玉がアドレーの身体からエネルギー物質を吸い取っているのだ。




アドレー:「うう…体に力が…はいら…」
立っていられるのが辛いアドレー。




キャッシー:「アドレー!」
キャットちゃんが、アドレーに近づこうとする。


ガリーナ:「悪いけど、ここは通させないわよ」
ヴォルストランサーを持って、キャットちゃんの前に立ち塞がるガリーナ。


キャッシー:「そこをどいて!アドレーが苦しんでいるじゃない!」

ガリーナ:「ドミナシオンを復活させるためよ!アドレーには、頑張ってもらわないと困るわ」
その言葉を聞いたキャットちゃんが歯を立てる。

まだ幼い子を、どうしてこんなことに巻き込むのよ…!

そんなことを胸に抱いていた。




木の上から戦いを見つめるレイド。



レイド:「少し高みの見物としゃれこみますか」
レイドはリボルバータイプのデュエルギアを収めた。


チラッとレイドの様子を見たガリーナ。


ガリーナ:『しばらく、あいつは手を出してこなさそうね』
これで、目の前の敵に集中できる。そう思ったガリーナであった。








第8OP『Mysterious《Naifu》』








第126話:『兄との約束を胸に』







キャットちゃんの前に立ち塞がるガリーナ。



そして、静香と龍可の前にも、ガリーナの部下たちが立ち塞がっていた。


静香の前にはラーヴル、龍可の前にはアントンが立っていた。





不気味な笑みをするアントンに見つめられる龍可。


龍可の手には、”エンシェント・フェアリー・ドラゴン”のクロスボウタイプデュエルギア”エターナル・クロスボウ”が握られている。

しかし、握られている手は震えていた。


戦うときは、いつも仲間たちがいた。何より、双子の兄である龍亜が、ずっと側にいた。



アントン:「フッ、手が震えているぞ?怖いのか?」
龍可の手が震えていることに気付いているアントンが、”プロミネンス・トレンチガン”を手に持ち、いつでも撃てるように準備をする。


龍可:「私は、あまり戦いは好きじゃないの。あなたと違って」

アントン:「戦いが好きじゃない。なら、お前は、何のために大組織であるフロンティアに入っている?あそこも、所詮は戦いを好む奴らが集まる傭兵集団じゃないか?」
アントンの言っていることは正しいことだ。

フロンティアも多くの戦いに参加している。


しかし、龍可たちが所属しているのは、その中の”SOA特務隊”。自己判断で単独行動が赦されているエージェント部隊であり、その目的のほとんどは、世界に起きている不可思議な事件や大きな事件を解決するために動いている。

自分たちから戦いを起こすようなことはしていない。


龍可:「私たちは、好んで戦いをやっているわけじゃないわ」

アントン:「?」
龍可が言っている言葉が理解できないアントン。







龍可は1年以上も前のことを思い出す。


そう、私がフロンティアに入って間もない時の話しだ。



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あれは、丁度、初めての任務、ワックスポワロでの事件が終わってすぐの話しだ。


龍亜:「いいのか、龍可?」

龍可:「え?」

龍亜:「この組織に入った以上、今までの生活を過ごすことは困難だって、慎也の兄ちゃんが言っていただろ。お前は、普通の生活を送りたいんじゃないのか?」
そんなことを言い出す龍亜。

そんなことを聞いて、龍可は龍亜の顔をじーっと見つめる。




龍可:「プ…、何を今更…」
龍可は軽く吹き出し、笑ってしまった。


龍亜:「いや、俺は真剣に…!」

龍可:「まあ、最初は迷ったわよ。慎也さんに、ここに入るか入らないか、選択肢をもらったときにね」
ベンチに座っていた龍可が立ち上がる。


龍可:「戦いは怖い。でも、慎也さん言っていたでしょ。SOA特務隊の目的は、世界の人たちのために戦う部隊だって。私、それを聞いて思ったの。もしかしたら、ここに入ったら、世界をもっと広く見れるんじゃないかってね」
空を見上げて、笑みを浮かべながらそう言った。



龍亜:「お前は、世界を見たいのか?」


龍可:「それだけじゃないわ。これはあくまで私の個人的な思いだけど、もしかしたら、あの人の手掛かりもあるんじゃないかなって思っているの」

龍亜:「遊星のことか」

龍亜と龍可にとって大切な仲間。正直、自分たちにとって義理兄とも言える存在である。

かつて、遊星をリーダーに”チーム・5D's”を結成し、ジャックやクロウ、アキ姉ちゃん、それにブルーノと一緒に、”WRGP”に参加。見事、優勝を勝ち取った。


しかし、前世紀の時、科学者である遊星は突然作動し暴走したモーメントの光に飲み込まれ、妻と生まれたばかりの双子の赤ちゃんたちを残して姿を消した。


龍可:「次元振動の影響で、世界は時代を変えた。だから、遊星のことについて何か分かるんじゃないかって思っているの」

龍亜:「お前は、アキ姉ちゃんのために、ずっと遊星の手掛かりについて調べていたからな」
龍亜は知っている。龍可が、遊星の手掛かりになるようなものがあるかを調べていたことに…。


龍可:「それよりも、私からも同じ質問をするわ。龍亜もいいの?プロデュエリストであるあなたが、いきなりリーグから消えたんじゃ、事務所も黙っていないんじゃない?」
龍亜はプロデュエリストだ。

いくつかのリーグにも参加しており、今までベスト8以内に入ったこともある。優勝の経験はまだないが…。



龍亜:「そこらへんは、マネージャーにお願いしたよ。フロンティアに入ったから、プロデュエリストの仕事は、減らしてくれって」

龍可:「え?」


龍亜:「ジャックもクロウも、他のみんなも、そうしたらしいぜ。だから、俺もそうした」

龍可:「あなたやジャックたちも、戦いを望んでいるの?」

龍亜:「そうじゃない。俺たちは慎也の兄ちゃんに言われた世界の人たちのために戦うと言う言葉に引かれたんだ。争いのない世界、もしかしたら、前の世界に戻せる方法があるかもしれない。そんなことを思いながら、俺たちは戦うんだ」
ずっとベンチに座っていた龍亜が立ち上がり、龍可の横に立つ。


龍亜:「お前が、フロンティアに入るって言うなら止めはしない。だが、龍可、約束してくれ。絶対に、死なないでくれ」
真剣な目で龍可を見つめる龍亜。

龍可:「フッ、ドラマみたいなこと言わないでよ。私、子供じゃないんだから」
そんなことを言って、龍可は思いっきり龍亜の背中を叩いた。

龍可:「大丈夫よ。私は、絶対に死んだりしないから」
龍可は、笑みを浮かべてそう言った。








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目を瞑っていた龍可は、目を開いて、目の前に立っているアントンを見る。


龍可:「私たちは、世界で苦しんでいる人達のために戦っているの。それがSOA特務隊の使命だから」
震えていた手が止まった。

エターナル・クロスボウを構える龍可。



アントン:「人間は所詮、自分が生きることしか考えられない。そんなことを思いながら戦う人間は、最後、死を遂げるんだよ!」
プロミネンス・トレンチガンから炎の弾丸を放つアントン。



龍可は弾に当たるまいと、すぐその場から動き、動きながらエターナル・クロスボウから矢を放つ。


その矢は、アントンの頬をかすめた。


アントン:『放たれた矢のスピードが速い…。あのクロスボウ、普通のデュエルギアじゃないのか?』
今まで、クロスボウタイプのデュエルギアを何度も見たことはあるが、龍可が持っているクロスボウから放たれた矢は、普段の速度よりも早いことに気付いたアントン。


アントン:「本当に手加減なしでいいようだな!」
プロミネンス・トレンチガンから連続で弾丸を放つ。


龍可は、エターナル・クロスボウに、波動を流し込む。

すると、エターナル・クロスボウが青く光る。


龍可:「アクア・セデーション!」
エターナル・クロスボウから放たれた青い矢は、空中で水の防壁を作り、プロミネンス・トレンチガンから放たれた弾丸を受け止める。


アントン:「水属性の波動を持っていたか」


龍可は、水属性の属性波動を、この数か月、使いこなせるように修行してきた。


龍可:「あなたの炎は、私が消すわ!」
エターナル・クロスボウを構えて龍可はそう言った。






その頃、静香はラーヴルと会話をしていた。


ラーヴル:「あんたの、その目、戦いを恐れているな」
静香の目を見たラーヴル。

静香もまた、1人で戦うのは初めてだ。


いつも、克也兄さんや本田さん、それに御伽さんたちがいた。

けど、今はいない。


静香:「あなたは、戦いが怖くないの?」


ラーヴル:「戦いに、恐怖を感じたら終わりだ。俺はそれを、プラントで学んだ。フロンティアにいる、あんたもそうじゃないのか?」

静香:「私は…」

静香の頭に過去の記憶が蘇った。


私がフロンティアに入ってすぐのことだ。







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1年以上も前の話し

私は、フロンティアの関係者に克也兄さんと共に本部に招待された。


そして、百々原元帥と慎也さんから、今起きている戦いの現実を聞かされることになった。


自分の知らないところで、こんなにも戦いが起きているなんて……。


あの時から、私の生き方が変わった。

けど、変わらずにいた可能性もあった。





城之内:「静香、お前はフロンティアに入るな」

静香:「兄さん」

城之内:「フロンティアに入れば、間違いなく戦いに巻き込まれる。お前が生きていける世界じゃない」
後ろに立つ静香に振り向き、城之内は真剣な目で静香を見つめる。


静香:「兄さんは…、兄さんはどうするの?」

城之内:「俺は、フロンティアに入る。本田たちとそう決めたんだ」

静香:「どうして?兄さんたちが入る理由なんてないでしょ?」
何故、兄はフロンティアに入ろうとしているのか。その理由がわからない静香は城之内のすぐ側まで近づいてきた。


城之内:「理由ならある」

静香:「え?」

城之内:「多元世紀を終わらせて、元の世界に戻すっていう目的がな」

静香:「多元世紀を終わらせる」

城之内:「ああ、そもそも次元振動なんて自然現象が発生していなければ、こんな世界になることなんてなかったんだ。童実野町も消えることなんてなかったんだ」
次元振動の影響で、城之内や静香が暮らしていた町、童実野町は消えた。

あの町には沢山の思い出があった。


数えきれないほどの思い出があった。だが、それを次元振動なんて言うものに失われた。


城之内:「元帥、それにあの慎也ってやつも言ってただろ。フロンティアは、戦いを止めるためにある組織だって。特にSOA特務隊は、フロンティアの中でもそれを成し遂げるためにあるエージェント部隊だって。本田も御伽も戻りたいんだ。あの町に…」
城之内たちは、思い出のある童実野町に帰りたいのだ。

その気持ちは静香にも伝わっていた。


静香:「それは私だってそうよ、兄さん。私も、あの町に帰りたい。杏子さんや舞さん、それに遊戯さん、みんなと楽しく過ごせた、あの町に」

城之内:「静香…」
静香の目には少しだけ涙が出ていた。


静香:「私も兄さんと同じ気持ちだよ。だから、私も戦う!」
涙を拭き、自分の気持ちを兄にぶつける。


城之内:「だが、ここに入れば、戦いを強要されるかもしれないんだぞ」
静香の肩を掴み、妹の目を見る城之内。


静香:「私だって、昔とは違う。もう大人だよ。ずっと兄さんの後ろに隠れているだけの女になりたくない。私も変わりたい」

城之内:「静香、お前…」

静香:「戦うのは、怖いわ。でも、兄さんやみんなを守れるぐらいだったら、私にだってできる。それが、私が目指す戦いよ」
覚悟を決めたその目。


その目を見た城之内は、妹を強く抱きしめた。

突然のことで驚く静香。でも、久しぶりに感じる兄のぬくもりだ。

城之内:「わかった。お前が、そう望むなら、俺は止めない」

静香:「兄さん…ありがとう」



このとき、私は覚悟を決めたのだ。戦う覚悟を…!





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私は、弱い…。

でも、あの時、もし兄さんの言う通りにフロンティアを抜けていたら、永遠に強くなれることなんてない…!





静香:「戦いは怖い。でも、助けを求めている人達がいれば、嫌でも手が出るものだって、兄さんや本田さんが言っていたわ」
”聖女ジャンヌ”の剣タイプデュエルギア”デュランダルク”を手に持つ静香がそう言った。


ラーヴル:「フッ、わけのわからないことをベラベラと!」
身体中に電流を浴びるラーヴル。

限界勢力の力により”エレキテルドラゴン”と体が一つになっているのだ。


静香:「克也兄さん、私、仲間のために戦うわ!」
両手でデュランダルクを持つ。


デュランダルクには刃がない。

ラーヴルも、一目見てそれに気づいた。

ラーヴル:「そんな剣で何ができる!一瞬で終わらせてやる!」
右手の手刀に電流が流し込まれる。


ラーヴル:「エレキテル・ハンドナイフ!」
電流が流し込まれている右手刀を静香に向ける。



静香は、属性波動をデュランダルクに込める。

静香が扱える属性波動は”光”。

つまり、光属性であるデュランダルクもとい、聖女ジャンヌの力をもっと上げることができるのだ。


静香:「セイクリッド・オーラ!」
デュランダルクを振り、自分の周りにバリアが張られる。


そのバリアに、電流が流れるラーヴルの手刀が降れる。

ラーヴル:「こんなもの、俺の技で吹き飛ばしてくれる」
眼鏡の真ん中を人差し指で上げて位置を調整する。

こんな時に、そんな仕草をするということは余裕だということだ。


だが、このバリアはただ自分の身を守るためのバリアではない。


静香の周りを覆うバリアが突然輝き出す。


ラーヴル:「!」


静香:「私は臆病だから、こんな技しか、今は持っていないの」
バリアに覆われる静香がそう言うと、そのバリアから突然、ラーヴルに向かって光線が放たれた。


ラーヴル:「うっ!」
ラーヴルは、その光線にヒットし、身体が吹くほど吹き飛ばされ地面に倒れた。


ラーヴル:「ただのバリアじゃなかったか…」
地面に倒れたラーヴルが、身体を起こしながら言い、静香はバリアを解いた。


ラーヴルは立ち上がる。


静香:「戦いをやめてください。私は、あの子を救いに来ただけです」
静香が、エネルギーを吸い取られ、苦しむアドレーを見る。

静香がアドレーの方へと歩き出す。


ラーヴル:「戦いを捨てられない、それが人間だ」
ラーヴルが言ったことを聞いた静香がその場に止まる。


静香:「それがあなたの本心?」

ラーヴル:「どういう意味だ?」

静香:「戦いは捨てられない。多くの人が同じことをいうわ。けど、人は、何かを捨てようと思えば、簡単に捨てられるはず。戦いというものも、その中の一つ。あなたも、本当は戦いをしたくないのではないんですか?」
静香が強く語り掛ける。


ラーヴル:「俺はプラントのメンバー。戦いの中で生きてきた男だ。今更、戦いを捨てることはできない。俺にとって、戦いは生きるための全てだからな!」
ラーヴルの身体に電流が沢山流れ込んでいた。


その姿を見て、少しビビってしまう静香。


ラーヴル:「エレキテルドラゴン!この俺に力を!あれを久しぶりにやるぞ!」
ラーヴルの身体に流れている電流が、空へと昇った。


そして、雲行きが怪しくなり、ゴロゴロと空から雷鳴の音が鳴り響いた。


ピカッ!

空が一瞬光り、雷がラーヴルに落ちて、再び空に青空が戻った。


落ちた雷はラーヴルが受け止める。


ラーヴル:「うおおおおおお!」
身体に力を溜めるラーヴル。


その姿を見ていたガリーナ。

ガリーナ:『あれをやるのね、ラーヴル』
ラーヴルの前にいる女性、静香に目線を向ける。

ガリーナ:『悪いけど、あれを使ってしまっては、私では止められることはできないわ。あなたは、ここまでよ』
ガリーナがフッと笑った。




ラーヴルの身体中に電流が激しく走り、近くにいるだけで感電死しそうなぐらい、地面にも電流が走っていた。


更に、ラーヴルの髪型がオールバックになっていく。


眼鏡を外し、鋭い目つきで、静香を見つめる。


ラーヴル:「エレキテル・ハルナス」
エレキテルドラゴンとの限界勢力時、極限まで力を上げた状態。それが、この姿だ。






静香:「…」
その姿に怯える静香。


ラーヴル:「行くぞ!」
ラーヴルが走って静香に接近する。

静香:「セイクリッド・オーラ!」
先ほどと同じ、周りにバリアを張る。


ラーヴル:「ライトニング・インペトゥス!!」
走っているラーヴルの速度が速くなる。


そして、電流を強く浴びている右拳を突き出し、静香を覆うバリアに接触する。



勿論、静香の周りに張られたバリアは先ほどと同じものであるため、接触すれば光の光線がバリアから放たれる。


だが、放たれる前に、バリアに亀裂が入った。


静香:「!」


ラーヴル:「俺に、同じ手は通用しない。このバリアも、もう終わりだ!」
ラーヴルは、その拳でバリアを破壊した。



静香:「きゃあ!」
バリアが破壊され、静香は吹き飛ばされた。



静香:「っ!」
地面に倒れる静香。頬にかすり傷ができた。


ラーヴル:「エレキテル・ハルナス状態の俺のスピードは、人間の目では追いつけない。そして、何より、人間は俺には近づけない。近づけば、俺から出ている電流の餌食になるからな」
自慢そうに話すラーヴル。もう自分が勝ったも同然だ。そんなことを思っていた。


静香:「引いてはくれないのね…」
静香はボソッと呟いて立ち上がる。



チラッと、アドレーの方を見る静香。


静香:『私が逃げたら、こちらの状況が不利になる。この人は私が止める』
デュランダルクの柄をしっかりに握る静香。


恐怖の気持ちを少しだけ抱え込みながら、ラーヴルとの戦闘を繰り広げる。








その頃、龍可もアントンとの激戦を繰り広げていた。




アントン:「プロミネンス・バレット!!」
銃口に溜めていた炎のオーラを纏った弾丸が放たれ、その弾丸は龍の姿となって龍可を襲おうとする。


水の属性波動をエターナル・クロスボウに与える龍可。


龍可:「アクア・セデーション!!」
青い矢を放ち、矢は空中で分散し水の防壁を作り、アントンの攻撃を受け止める。


アントン:「もう一発行くぞ!プロミネンス・バレット!!」
もう一発同じ弾丸を繰り出したアントン。


2発の竜の弾丸が、龍可が作った水の防壁を打ち破る。


龍可:「あああ!」
龍可は、その場にしりもちをついた。



アントン:「自慢の防御敗れたり。もうおしまいだ。大人しく観念したらどうだ」
アントンがプロミネンス・トレンチガンの銃口を龍可に向けながら近づいてくる。


アントン:「まだ弱いが、お前みたいな奴がプラントに来たら、きつい訓練に耐えたら確実に強くなるぞ。こっちに来ないか?」
アントンが龍可にプラントに入らないかと勧誘してきた。


龍可:「悪いけど、お断りするわ。フロンティアには、大切な友達や家族がいるから」
龍可の頭の中に、龍亜を初めとするアキや、ジャックたちの顔が思い浮かばれてきた。


龍可:「それに、戦いのために強くなろうとするプラントの人たち、私、好きじゃないわ!」
エターナル・クロスボウをアントンに向ける龍可。

一瞬、アントンが怯んでしまい、引き金を引き損ねてしまった。

龍可:「フェアリー・ライト・バイト!!」
エターナル・クロスボウから矢を放つ。


アントンはすぐに後ろに下がる。

しかし、放った矢は空中で光線へと変化し後ろに下がったアントンに接近する。矢の状態の時よりも飛ぶスピードが速い。


アントン:「チッ」
すぐに横に飛びつくアントン。


ギリギリで矢を交わした。



アントン:「プラントも嫌われたものだな。まいい、戦いを好まない奴らは所詮最後は死ぬんだ。お前もな」

龍可:「私は死なない。アドレーを救って、早く、龍亜たちの元へ帰るわ!」
死なないと言う約束。龍亜との約束は必ず守ると、誓った龍可。



そして、静香もまた生きて兄が待っている場所に帰ると心の中で誓った。





静香と龍可、2人の激戦は、続くのであった。







第8ED『あしあと《Clair(クレア)》』






次回予告

ナレーション:遂に、アテ-ナーの池からアラクネーの宝玉が浮上する。

ドミナシオン復活が刻一刻迫っている中、アドレーを救おうとするキャットちゃんと、それをさせまいとするガリーナ2人による一歩も譲らないデュエルが始まろうとしていた。

果たして、ドミナシオン復活を阻止することができるのか!?

キャッシー:次回、遊戯王5DXAL「虎猫の威嚇炸裂!」


キャッシー:「思いっきり楽しむニャ!」






遊戯王5DXAL豆知識コーナー!!


静香:「”聖女ジャンヌ”は、”慈悲深き修道女”と”堕天使マリー”を融合させることで召喚できるモンスターです。フランス王国の軍人でありカトリック教会における聖人でもある”ジャンヌ・ダルク”をモチーフにしたモンスターです」
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