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第119話:『姉弟喧嘩突発!結衣VSツバキ』








海馬コーポレーション


社長室


パソコンの画面と向き合う海馬


画面に映っているのは、何かの設計図だった。


バイクのような図面。これは一体…。







第8OP『Mysterious《Naifu》』









第119話:『姉弟喧嘩突発!結衣VSツバキ』






ある日の夜



ネオコーポレーションシティで、突然火事が起きた。


出火場所は、とある公園にあるゴミ箱らしい。


消防車がサイレンを鳴らしながら現場に到着し、消火器が火を消した。




それから数時間後、別のところで再び火事が発生した。


次の現場は、とある建物の近くにある小屋から出火したらしい。



すぐに、消防車が向かい、大きな被害は出なかった。

小屋を管理している人に話しを聞くと、別に火をつけたような作業はしていないとのこと。

警察が確認したところ、中に誰かいた形跡はなかった。



実は、ここ最近、こう言った火事が、ネオコーポレーションシティで相次いでいた。


おそらく、誰かが意図的に火事を起こしているのかもしれないと警察は睨んでいる。


警察や消防士が集まり、現場の状況確認をしていた。


勿論、住民たちの野次馬もできていた。


その野次馬の中にいた、黒いスカートのスーツを着用した金髪の女性。

その目はチャーミングな目をしていた。



???:『マスターの命令で、久しぶりにネオコーポレーションシティを見に来たけど、なんか大変なことになっているみたいね』
女性は心の中で、そう呟いた後、その場を後にした。


女性は、夜道を1人で歩いて、何処へと消えた。








そして、翌日の夜





再び、街中で火事が発生。

出火場所は、とあるアパートにある木だ。


消防士たちが来た時には、木は炎に包まれていた。



現場に到着した警察官たち


警察官:「くそっ、これで20件目だぞ!」
パトカーから降りた警察官が文句を言った。


警察官:「おい、急いで火を消してくれ。住民の避難はできていると連絡を受けている」
警察官は近くの消防士そう言って、消防士たちは消防車から消火器を持ってきて、急いで火を消す。



警察官:「フロンティアの方は、まだ犯人が特定できていないのか」
警察官は、燃え盛る火を見ながらぶつぶつ文句を言った。






犯人:「フッ」
野次馬の中で、1人笑う怪しい男性。



男性は、不気味な笑みを浮かべながら、その場を後にする。




そして、人通りの少ない場所を通って、どこかへ向かっていた。


男性は右手にカードを持っていた。

カード名は”炎を操る者”。男性が持つ、そのカードは突然輝き出し、トーチのようなデュエルギアへと変わった。

そして、そのトーチの先端から火が吹き出した。


犯人:「次の現場だ」
犯人は、そう呟いて、その場で足を止めた。

その隣にあるのは、ゴミ捨て場だ。

明日はゴミが回収される日だけあって、沢山ゴミ袋が置いてあった。

犯人は沢山置かれているゴミに火をつけようとする。








???:「そこまでだ!」
いきなり聞こえた声に、犯人はビクッと驚き、声がした方を振り向いた。


ツバキ:「やっぱり、予想通り」
青年は、一歩ずつ前に近づく。


犯人はツバキから逃げようと後ろを振り向く。


しかし―。


結衣:「はい、逃がさないわよ」
結衣が後ろに現れ、犯人は完全に挟み撃ちとなった。


犯人:「くっ、なぜわかった…?」
自分の行動がなぜ読まれたのか、それを2人に追求した。


結衣:「あなた、もう少し隠れるってことしなさい。ここ最近発生している火事の現場の近くの監視カメラにあなたの顔がばっちし映っていたわよ」

ツバキ:「姉さん、犯人にアドバイスしてどうするの?」
結衣にツッコミを入れるツバキ。


結衣:「別にアドバイスをしたつもりはないわよ」

ツバキ:「してたでしょう。隠れることしなさいって」

結衣:「あれは、言葉の綾ってやつよ」

ツバキ:「あっそ、じゃあ、そう言うことにしておく」

結衣:「何よ、その嫌な感じは!」
なぜか2人の言い合いが始まる。


犯人:「くっ!」
犯人が隙を見て逃げた。

ツバキ:「あ、逃げた!」

結衣:「追うわよ!」
2人は犯人を追いかける。



犯人は2人から距離を取るために、小さい路地に入ったり、道を何度も曲がって走っていた。



そんな世話を妬ける犯人に逃げられてしまった結衣とツバキ。


ツバキ:「に、逃げられた…」
少し息を切らしながらツバキは言った。


結衣:「はぁはぁ、もう、ツバキの所為だよ!ツバキが、アドバイスがどおとか言うから!」

ツバキ:「僕の所為にしないでよ!もとはと言えば、姉さんから始まったことでしょ!」

結衣:「出たよ、ツバキの逆ギレ、はぁ」
ため息をつきながら、結衣はそう言った。

その言葉を聞いたツバキは、火がついてしまった。


ツバキ:「あのとき、姉さんが、アドバイスみたいなこと言ったから悪いんでしょ!」

結衣:「少しぐらい冗談言ったっていいじゃない!犯人を油断させる隙にもなるんだから。ツバキは、少し真面目過ぎるわよ」
両腕を組んで、目線を合わせずに結衣は言った。


ツバキ:「そんなことしないと、犯人捕まえられないの?ホント、姉さんはせこいよね」
姉をバカにするような口調でツバキは言った。


結衣:「ツバキ、もう一度言ってみなさい。お姉ちゃんでも怒るわよ」
ギロッとした目で結衣はツバキを睨みつける。


ツバキ:「そんな目をしても無駄だよ、僕には通用しないから」
ムスッとした顔でツバキは偉そうに言った。

カチーン

結衣の頭に怒りのマークが入った。


結衣:「いいわ!私が強いってとこ見せてあげるわ!私とデュエルよ!」

ツバキ:「なっ、どうして、ここで、そんなことしなくちゃいけないの!今、任務中だよ!犯人捕まえ―」

結衣:「あれー、もしかして負けるのが怖くて、デュエルできないの?」
ツバキを挑発する結衣。

腹が立ってきたツバキは…。

ツバキ:「わかったよ。そのデュエル受けて立つ!姉さんを叩いてあげるよ!」
結衣の挑発に乗ってしまったツバキ。


2人の目から火花が飛び散る。




両者がデュエルの準備をする。


ミッションウォッチから粒子化していたデュエルディスクを出し、左目にデュエルアイを取り付ける。



そして、デッキをデュエルディスクに装填する。


ツバキ:「謝るなら、今の内だよ」

結衣:「謝るわけないでしょ。私、悪いことしてないもの」

ツバキ:「あっそ、それじゃあ、行くよ、姉さん!」

結衣:「ええ、私が強いってところ見せてあげるわ!」



「「デュエル!!!」」

両者の掛け声でデュエルがスタートした。






両者
LP4000






結衣とツバキがデュエルを始めた頃、犯人は…。



犯人:「どうやら、撒いたようだな」
逃げてきた道を見て、そう呟いた犯人。


???:「撒いたって、何が?」

犯人:「え?」
犯人が後ろを振り向くと、そこには!







結衣VSツバキのデュエルが始まる。







1ターン
両者
LP4000



結衣:「私の先行、ドロー!」
結衣がカードをドローし、手札が6枚になる。


結衣:「私は”スフィンクス・タートル”を攻撃表示で召喚!」
結衣の場に、甲羅がスフィンクスの顔の形をした亀が現れる。


スフィンクス・タートル
LV3 攻撃力400


結衣:「スフィンクス・タートル効果発動!手札にあるレベル4以下の通常モンスター1体を守備表示で特殊召喚する!私は手札から”ホーリー・エルフ”を守備表示で特殊召喚する!」
結衣の場に水色の美しい肌に金髪の女神が現れる。


ホーリー・エルフ
LV4 守備力2000


結衣:「私はカードを1枚セットして、ターンエンドよ」
結衣のターンが終了した。





2ターン
両者
LP4000


ツバキ:「僕のターン、ドロー!」
ツバキがカードをドローし、手札が6枚になる。


ツバキ:「僕は”エルフの双剣士”を攻撃表示で召喚!」
緑色の鎧に青いマントを身につけ、2本の剣を持つ戦士が現れる。


エルフの双剣士
LV4 攻撃力1800



ツバキ:「先制攻撃はもらったよ、姉さん!エルフの双剣士でスフィンクス・タートルに攻撃!双・精・斬!!」
2本の剣を構えながら、スフィンクス・タートルに接近する。


結衣:「甘いわよ!ツバキ!リバースカード発動!”スフィンクスの誘い”!このカードは、自分フィールド上に存在するスフィンクスモンスターが攻撃対象になった時に発動できるトラップカード。攻撃対象となったモンスターと手札に存在するモンスター1体をリリースし、攻撃を無効にする!私は、場のスフィンクス・タートルと手札の”エルフの女剣士”を墓地に送り、攻撃を無効にする!」
場のスフィンクス・タートルと手札に存在していたモンスターカードを1枚ずつ墓地へ送り、結衣のフィールドにバリアが張られ、エルフの双剣士の攻撃を防いだ。

ツバキ:「やっぱり、トラップカードを伏せていたか。一応、読めてはいたよ」

結衣:「あら、そう。なら、スフィンクスの誘いのもう一つの効果知っているわよね?」


ツバキ:「スフィンクスの誘いの効果で手札から墓地へ捨てたモンスターと同じレベルのモンスター1体をデッキから特殊召喚する。そうでしょ?」

結衣:「正解」
結衣の質問にツバキが答え、嬉しさとツバキを小バカにする気持ちが混ざったような口調で、結衣は応えた。

結衣:「エルフの女戦士のレベルは4。私は、”ジェミナイ・エルフ”を特殊召喚するわ!!」
結衣の場に、露出度の高い薄着を着用した2人の女性が現れる。


ジェミナイ・エルフ
LV4 攻撃力1900


ツバキ:「攻撃力1900。エルフの双剣士の攻撃力を上回るモンスターを出してきたね。なら、カードを1枚セットし」
ツバキが手札からカードを1枚セットした。

ツバキ:「僕のターンは終了だ」
ツバキのターンが終了した。


結衣:「あら、もう終わり?もっと、手応えのある攻撃はしてこないの?」

ツバキ:「デュエルは始まったばかりだよ?姉さん。それとも、僕に負けるのが怖いから、早くデュエルを終わらせたいの?」
実の姉に暴言を吐いたツバキ。

カチーンと結衣の頭に怒りのマークが…。


結衣:「そ、そうね。デュエルは始まったばかりよね。でも、私があなたに負けるのが怖いっていうのは、おかしいんじゃない?だって、勝つのは私なんだから」

ツバキ:「え?そうなの?知らなかった」
とぼけたような感じでツバキは発言した。

それを聞いて、結衣は益々腹が立ってきた。


結衣:「かわいくない弟ね、まったく。いいわ」
結衣は右手の人差し指と中指をデッキの上に置く。







3ターン
両者
LP4000


結衣:「私の方が強いのを証明してあげるわ!」
ドローフェイズ。結衣はデッキから1枚ドローし、手札が3枚になる。


結衣:「ホーリー・エルフをリリースして、”マジシャンズ・ワルキューレ”をアドバンス召喚!」
ホーリー・エルフがフィールドから消え、新たなに女魔法使いが現れた。


マジシャンズ・ワルキューレ
LV6 攻撃力2000


結衣:「このカードがアドバンス召喚に成功したとき、デッキから魔法使い族モンスター1体を手札に加える。!」
結衣はデッキから1枚カードを選択し手札に加えた。

結衣:「バトルよ!マジシャンズ・ワルキューレでエルフの双剣士に攻撃!」
マジシャンズ・ワルキューレが、杖から魔力弾を放ち、エルフの双剣士を葬った。


ツバキ:「くっ!」



ツバキ
LP4000 → 3800




ツバキ:「この瞬間、エルフの双剣士の効果発動!戦闘で破壊されたとき、デッキから1枚ドローし、それが戦士族モンスターだった場合、特殊召喚する!」
ツバキはデッキから1枚ドローする。


ツバキ:「僕がドローしたカードは”ビッグ・シールド・ガードナー”、戦士族!よって、このカードを守備表示で特殊召喚!」
ツバキの場に、巨大な盾を持った戦士が現れる。


ビッグ・シールド・ガードナー
LV4 守備力2600


結衣:「ビッグ・シールド・ガードナー、ね…。レベル4で高守備力を持つモンスター。だけど、弱点はあるわ」

ツバキ:「まさか…」

結衣:「ジェミナイ・エルフでビッグ・シールド・ガードナーに攻撃!」
ジェミナイ・エルフが2人で力を合わせて生成した魔力を放って、ビッグ・シールド・ガードナーに攻撃するが、ビッグ・シールド・ガードナーの守備力2600に対し、ジェミナイ・エルフの攻撃力は1900.戦闘ダメージは結衣が受けることになる。


結衣
LP4000 → 3300


結衣:「ダメージは受けてしまったけど、これの効果が発動するわ」

ツバキ:「ビッグ・シールド・ガードナーは攻撃された場合、ダメージステップ終了時に攻撃表示になる」
しゃがんでいたビッグ・シールド・ガードナーが立ち上がる。


ビッグ・シールド・ガードナー
攻撃力100


結衣:「高守備力を持つビッグ・シールド・ガードナー。でも、その攻撃力はわずか100。これで、怖いものなしよ!この瞬間、マジシャンズ・ワルキューレの効果発動!バトルフェイズ中に、相手フィールド上に存在するモンスターの効果が発動したとき、手札から魔法使い族モンスター1体を特殊召喚する!」
ビッグ・シールド・ガードナーの効果が引き金で、マジシャンズ・ワルキューレの効果が発動する。


結衣:私はさっきマジシャンズ・ワルキューレの効果で手札に加えた魔法使い族を特殊召喚するわ!さあ、現れて!私のエースモンスター!”ノワール・マジシャン・ガール”!」
父・遊戯が持つブラック・マジシャン・ガールのようにコスプレをする赤い髪の女魔法使いがフィールドに舞い上がる。


ノワール・マジシャン・ガール
LV6 攻撃力2000


ノワール・マジシャン・ガール:『結衣、久しぶりに張り切っているわね』

結衣:「当然よ、弟に負けたくないもの」
首を少しだけ回し、結衣と目線を合わせて会話するノワール・マジシャン・ガール。

一応、付け加えておくと、ノワール・マジシャン・ガールは、ブラック・マジシャン・ガールの弟子にあたる。

結衣:「ノワール・マジシャン・ガールは私のフィールド上に存在する、ノワール・マジシャン・ガールを除く魔法使い族モンスター1体につき、攻撃力300ポイントアップするわ!」

結衣の場には、ノワール・マジシャン・ガール以外に、ジェミナイ・エルフとマジシャンズ・ワルキューレの2体の魔法使い族モンスターが存在する。よって600ポイント攻撃力がアップする。


ノワール・マジシャン・ガール
攻撃力2000 → 2600


結衣:「ノワール・マジシャン・ガール!強烈な一撃を放ちなさい!ノワール・バーニング!!」
ノワール・マジシャン・ガールが杖から魔力を放ち、ビッグ・シールド・ガードナーを粉砕した。


ツバキ:「うわああ!」


ツバキ
LP3800 → 1300


結衣:「どう?参った?」

ツバキ:「参るわけないでしょ!トラップカード発動!”黒衣の異次元トンネル”!自分が1000ポイント以上の戦闘ダメージを受けたときに発動可能!デッキから”シュバルツ・マジシャン”1体を特殊召喚する!!」
ツバキのフィールドに異次元へと続く黒いトンネルが現れ、中から黒い服に身を包んだ赤い眼の黒魔術師が現れる。


シュバルツ・マジシャン
LV6 攻撃力2400


シュバルツ・マジシャン:『どうやら、ピンチのようだな』

ツバキ:「少しね」
現れたシュバルツ・マジシャンもツバキと会話した。


結衣:「そっちもエースの登場ね。ターンエンドよ」
結衣のターンが終了した。






4ターン
結衣
LP3300
ツバキ
LP1300


ツバキ:「僕のターン、ドロー!」
ツバキがデッキからカードを引いた。


ツバキ:「マジックカード”黒魔術の精神支配”を発動!」

結衣:「黒魔術の精神支配…、自分フィールド上に魔法使い族が存在する場合のみ発動できるマジックカード」

ツバキ:「そして、その効果は相手の墓地に存在するモンスター1体を選択し、選択したモンスターを自分フィールド上に特殊召喚する。僕は結衣姉さんの”エルフの女剣士”を特殊召喚する!」
緑色の鎧を纏った長い金髪の女戦士がツバキの場に現れる。


エルフの女剣士
LV4 攻撃力1400


ツバキ:「この効果で特殊召喚したモンスターは、攻撃することができず、エンドフェイズに持ち主の墓地へ戻る」

結衣:「そう、だから、そのカードを使って特殊召喚したモンスターは、攻撃には使えない。だから、」

ツバキ:「姉さんの想像通りだよ。僕は儀式魔法”カオス混沌たる儀式”を発動!」
ツバキの場が、儀式の場と化す。

ツバキ:「フィールド上に存在するエルフの女剣士と手札の”ルイーズ”を儀式の生け贄とする!」
2体のモンスターが、渦に吸い込まれる。



ツバキ:「至高の騎士よ!その姿を地上へ指し示せ!!儀式召喚!降臨せよ!”カオス・ソルジャー-ツヴァイ”!」
青と緑色の鎧を身に纏い、青龍刀と盾を持った伝説の最強剣士の異名を持つ新たな剣士が現れる。


カオス・ソルジャー-ツヴァイ
LV8 攻撃力3000


結衣:「やるわね。まさか、ここで伝説の最強剣士の名を持つ戦士を出して来るなんて…。まあ、警戒はしてたけど…」
動揺しながら、結衣はそう言った。


ツバキ:「バトルフェイズ!シュバルツ・マジシャンでマジシャンズ・ワルキューレに攻撃!シュヴァルツ・ウィザード!!」
シュバルツ・マジシャンが高く飛び上がり、杖から魔力を放って、マジシャンズ・ワルキューレを葬った。


結衣:「くっ」


結衣
LP3300 → 2900


結衣:「私のフィールドから魔法使い族が減ったことで、ノワール・マジシャン・ガールの攻撃力がダウンするわ」


ノワール・マジシャン・ガール
攻撃力2600 → 2300






ツバキ:「続いて、カオス・ソルジャー-ツヴァイでジェミナイ・エルフに攻撃!カオス・スパーツィオ・ブレード!」
剣を振り、空間に入った亀裂から別空間へ移動。そして、ジェミナイ・エルフの頭上に出てきた亀裂からカオス・ソルジャー-ツヴァイが現れ、ジェミナイ・エルフを斬り裂く。


結衣:「あああ!」


結衣
LP2900 → 1800


フィールド上から魔法使い族が減ったことで、ノワール・マジシャン・ガールの攻撃力が更にダウンする。


ノワール・マジシャン・ガール
攻撃力2300 → 2000


ツバキ:「この瞬間、カオス・ソルジャー-ツヴァイの効果発動!戦闘でモンスターを破壊したとき、1ターンに1度、破壊したモンスターを相手フィールド上に特殊召喚し、特殊召喚したモンスターにもう一度攻撃する!」
カオス・ソルジャー-ツヴァイが剣を振り、空間に入った亀裂からジェミナイ・エルフが出てくる。


ジェミナイ・エルフ
攻撃力1900


結衣:「くっ、ほんと厄介よね。伝説の最強剣士って」
結衣も伝説の最強剣士がどれだけ強く、どれだけ厄介なのかは知っている。

だが、それでも簡単には対処できない。それが、難点だ。


ツバキ:「カオス・ソルジャー-ツヴァイ2回目のバトル!!ジェミナイ・エルフに攻撃!」
カオス・ソルジャー-ツヴァイは、剣から斬撃を放って、ジェミナイ・エルフを破壊した。


結衣:「きゃああ!」


結衣
LP1800 → 700


ツバキは手札に残った1枚のカードを見つめる。

そして、そのカードをセットした。


ツバキ:「カードを1枚セットして、ターンエンド」
ツバキのターンが終了した。



結衣:「さすがね、ツバキ。モンスター、マジック、トラップをうまく組み合わせて、逆転する。あなたらしい、戦術よ」


ツバキ:「それは姉さんにも言えることだよ。僕は姉さんを見て育ったんだから」

結衣:「言ってくれるわね。照れるじゃない」
さっきまで喧嘩していたのが嘘みたいに仲良く会話する2人。

ツバキ:「さあ、姉さんのターンだよ」

結衣:「そうだったわね」





5ターン
結衣
LP700
ツバキ
LP1300


結衣:「私のターン、ドロー!」
デッキからカードをドローする。

結衣:「私はマジックカード”七星の宝刀”を発動!手札の”フェンリル・マジシャン・ガール”を除外して、デッキから2枚ドローするわ」
手札にあったフェンリル・マジシャン・ガールを除外し、結衣はデッキから2枚ドローした。

この2枚のカードに勝利を託したのだ。

結衣:『キタ!』
引いたカードを見て、顔がにやけてしまった。


結衣:「私はマジックカード”竜破壊の残照”を発動!デッキからドラゴン族モンスター1体を墓地へ送ることで、手札から”バスター・ブレイダー”1体を特殊召喚するわ!私はデッキから”カース・オブ・ドラゴン”を墓地へ送り」
デッキからモンスターカードを墓地へ送った結衣。手札にあるカード1枚をフィールドに置いた。


結衣:「バスター・ブレイダーを特殊召喚!!」
竜破壊の異名を持つ戦士が現れる。


バスター・ブレイダー
LV7 攻撃力2600


結衣:「そして、バスター・ブレイダーをリリースし、”竜破壊の女戦士-バスター・ブレイダー”を特殊召喚!」
バスター・ブレイダーがフィールドから消え、
バスター・ブレイダーが身体に身につけている鎧を纏った女剣士が現れる。


竜破壊の女戦士-バスター・ブレイダー
LV7 攻撃力2600


剣のサイズは、バスター・ブレイダーが持つ剣よりやや小さいものを持っている。

結衣:「このカードは自分フィールド上に存在するバスター・ブレイダー1体をリリースすることで特殊召喚することができるわ。そして、この効果で特殊召喚に成功したとき、デッキから装備魔法1枚を手札に加えることができる!」
結衣はデッキから1枚装備魔法を手札に加えた。

結衣:「私が手札に加えるのは”竜破壊-雷のデュランダル”。そして、これを、竜破壊の女戦士-バスター・ブレイダーに装備するわ!」
刀身が電流を浴びた大剣が竜破壊の女戦士-バスター・ブレイダーの手に持たれる。

結衣:「”竜破壊-雷のデュランダル”を装備した竜破壊の女戦士-バスター・ブレイダーの攻撃力は1000ポイントアップ!」


竜破壊の女戦士-バスター・ブレイダー
攻撃力2600 → 3600


結衣:「そして、竜破壊の女戦士-バスター・ブレイダーがフィールド上に存在する限り、このカードを除くフィールド上に存在するモンスターは全てドラゴン族になる。更に、このカードは、フィールド上に存在するドラゴン族モンスター1体につき、500ポイント攻撃力がアップするわ!」

フィールド上にドラゴン族となってしまったモンスターは3体。よって1500ポイントアップする。


竜破壊の女戦士-バスター・ブレイダー
攻撃力3600 → 5100


ツバキ:「攻撃力5100…!」

結衣:「このまま攻撃するのもいいけど、念を入れておくわ。竜破壊-雷のデュランダルの効果発動。1ターンに1度、自分フィールド上に存在するモンスター1体につき、相手のマジック、トラップカード1枚を破壊する!」
竜破壊の女戦士-バスター・ブレイダーが持つ竜破壊-雷のデュランダルから電撃が走り、ツバキの伏せカードを破壊した。

結衣:「この効果を使用したターン、このカードを装備しているモンスター以外は攻撃することができない。でも、竜破壊の女戦士-バスター・ブレイダーの攻撃で十分倒せるわ」
自信満々に発言する結衣。

ツバキの顔は万事休すかというような顔をしていた。





結衣:「覚悟しなさい!竜破壊の女戦士-バスター・ブレイダーでカオス・ソルジャー-ツヴァイに攻撃!デュランダル・バスター・ブロウ!」
デュランダルを振り、電撃を浴びた斬撃を放つ。

結衣:「このデュエル、私の勝ちよ!」


ツバキ:「悪いけど、このデュエルに勝利者はいない!僕はさっき竜破壊-雷のデュランダルの効果で破壊されたリバースカード”前兆から起きる呪詛”の効果を墓地より発動!」
墓地からカード効果を発動したツバキ。

カードがフィールドに現れたことで、結衣が驚き「そのカードは…!」と呟いた。


ツバキ:「このカードが、相手のカード効果によってフィールド上から離れ墓地へ送られたターンのバトルフェイズ中、お互いのフィールド上に存在するモンスター1体ずつを選択し破壊し、プレイヤーは破壊されたモンスターの攻撃力分のダメージを受ける!僕が選ぶモンスターは、シュバルツ・マジシャンと姉さんのノワール・マジシャン・ガールの2体だ!」
2体の黒魔術師が互いに杖から魔力を放ち、ぶつかり合う。

そして―


シュヴァルツ・マジシャン:『うあぁぁっ!』

ツバキへのダメージ2400


ツバキ
LP1300 → 0


ノワール・マジシャン・ガール:『きゃあああ!』

結衣へのダメージ2000


結衣
LP700 → 0


お互いのライフが尽きた。


この勝負、引き分け。



結衣:「あーあ、やられちゃった。まさか、そのカードを伏せていたなんてね」

ツバキ:「ずっと姉さんを見てきたからね。逆転してくると思って伏せていたんだ」

結衣:「考えてみれば、ずっと一緒にいるから、お互い、次にどんな戦術を仕掛けてくるか予測できるものね」

ツバキ:「さっきはゴメン、姉さん」

結衣:「私の方こそ、ゴメンね」

ツバキ:「いや、先に仕掛けてきたのは僕だから、謝らなきゃいけないのは僕だよ」

結衣:「いや、私も言い過ぎたからさ」
言葉のキャッチボールが続く中で、お互いにおかしいことに気づき―。


結衣:「あははは、なんかおかしいわね、ホント」

ツバキ:「くすっ、そうだね」
結衣もツバキも悪いが止まらなかった。

すると、そのとき!

ゴーン!

2人の頭にげんこつが落ちた。

杏子:「あなたたち、任務をほったらかして、何笑ってるのかしら?」
両手を拳にする母が、そこにいた。

ツバキ:「お、お母さん…!」

結衣:『あちゃー、そういえば、ママも任務に参加していたんだ。デュエルに夢中ですっかり忘れてた』
頭を押さえながら、結衣は呟いた。


結衣:「そ、そういえば、放火魔事件の犯人は?早く捕まえないと!」
結衣は任務のことを思い出し、そう言った。


杏子:「それなら、心配ないわ。もう捕まったから」

ツバキ:「え?」

結衣:「捕まえたって、どうやって?」

杏子:「それが、私にもよくわからないのよね。連絡を受けて、あなたたちの方へ向かっている途中、その犯人が道で倒れていてね。すごくうなされていたわ」
ここへ来るまでのことを2人に話す杏子。

ツバキは「道に倒れていた?」と呟いた。

杏子:「ま、これで一件落着よ。さあ、帰って説教の続きよ」
ニヤッと怖い目で2人を睨んだ。


結衣、ツバキ:「「はい…」」
3人の親子の会話。それを一軒家の屋根の上にいるスーツを着用する1人の金髪女性が見ていた。

女性は、少し前のことを思い出す。

結衣たちが追っている放火魔事件の犯人。そいつを、道のど真ん中で気絶させたのは、実は、この女性だった。


女性:「ホント、面白い親子ね」
女性はくるっと一回転し、姿が変わった。


ブラック・マジシャン・ガール:『マスターに面白い話ができそうね』
露出度の高いコスプレ衣装のような魔法使いの服を着用した女性が空を飛んで、何処へと消えた。









海馬コーポレーション

社長室



海馬はパソコンの画面に映る設計図とにらめっこしていた。

瞬きもせずに、真剣な眼差しで…。


モクバ:「兄さま」
海馬と共に社長室にいるモクバが、海馬に話しかける。

海馬:「最終調整に入るぞ、モクバ。手伝ってくれ」


モクバ:「うん、わかった」
2人は、部屋を出てどこかへ向かった。



海馬コーポレーションの地下。そこに、海馬が作り上げた物はあった。

ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴンをモチーフにした、海馬専用のDホイールが…。






第8ED『あしあと《Clair(クレア)》』






次回予告

ナレーション:第5回デュエルバトルカーニバル選手権、あれから3か月が過ぎた。

遂に、あの大組織が行動を開始した。

その目的とは一体…。

新たな波乱が動き出していた。

物語は、1人の少年から始まる…。


キャッシー:次回、遊戯王5DXAL「大組織プラントの刺客現る!」

キャッシー:「男の子1人に、2人で襲いかかるなんて情けないわよ!」



遊戯王5DXAL豆知識コーナー!!

結衣:「私のエースモンスター”ノワール・マジシャン・ガール”は黒魔術師の1人で、あのブラック・マジシャン・ガールの弟子でもあるわ。自分フィールド上に存在するこのカードを除く魔法使い族モンスター1体につき、攻撃力300ポイントアップする効果を持っているわよ」
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