第114話:『絆から生まれた奇跡!集結・デュエルバトラーたち!!』
大会会場を大きな結界が覆っている。
それを見つめる眼鏡をかけた謎の男性。
しかし、その男性は気付いてしまった。
???:「パンドラの箱が大きくなっている…」
そうパンドラの箱が徐々に大きくなっているのだ。
???:「思った以上にマズイことになっていますね」
男性が落ち着いた表情でそう言った。
すると、どこからか子供たちの悲鳴が聞こえた。
聞こえた方を見ると、結界の近くに子供がいた。
このままでは大きくなっていくパンドラの箱に飲み込まれてしまう。
男性は数枚のカードを手に取る。
???:「いでよ。堕天使たち!」
手に持つカードが輝き、男性の前に5体のモンスターが現れる。
現れたのは、”堕天使ディザイア”、”堕天使イシュタム”、”堕天使ルシフェル”、”堕天使アスモディウス”、”堕天使アムドゥシアス”の5体だ。
堕天使たちは、それぞれ黒い光の光線を結界に向けて放ち、徐々に大きくなっていく結界の進行を遅くした。
その間に、男性は子供たちの元へ来る。
???:「君たち、急いでここから離れるんだ。できるだけ遠くにね」
子供たちは男性の言葉に頷き、急いでこの場から離れる。
???:「さて、どれぐらい耐え切ることができる」
男性は眼鏡を人差し指で上げて言った。
第7OP『二つの未来《黒田倫弘》』
第114話:『絆から生まれた奇跡!集結・デュエルバトラーたち!!』
パンドラの箱が発生してから既に、20分が経過
結界が大きくなっていることに気づいていたのは、フロンティアのメンバーも同じだった。
色葉:「近くの住民を急いで避難させて!!」
色葉がみんなと一緒に協力して近くの人々を避難させていた。
鮫島:「さあ、急いで逃げるんだ!」
トメ:「できるだけ遠くにいくんだよ!」
鮫島やトメさんたちも自分たちが年寄りだということを忘れて走りながら、人々を助けていた。
慎也:「なんとか結界の拡大を押さえるんだ!」
慎也はブリザード・クルスナイトの刀身が氷でできた剣タイプのデュエルギア”ブリザードエクスカリバー”から斬撃を放ちながら言う。
剣山:「ティラノ・エンブレル!!」
大剣タイプのティラノ・ダイケンの刀身から巨大な光の刃が出力され、その状態で結界に刃を当てた。
亮:「エヴォリューション・スパイラル!!」
サイバードラゴンのリボルバータイプのデュエルギア”リボルバーマグナムEB”から螺旋状に飛ぶ弾丸を放ち、結界に何度もぶつける。
万丈目:「アームド・ツァーン!!」
アームド・ドラガンLV7のクロータイプデュエルギア”アームド・ツァーン”を片腕につけ、腕を大きく振り、斬撃を放つ。
斬撃は空中で分離し、結界に当たる。
少し拡大が遅くなっているようにも見えるが、もしかしたら自分たちの気の所為かもしれない。
葵:「これだけ、攻撃しても破壊できないなんて…。それに拡大の進行も遅くなっていない!」
慎也:「今は、これしか方法がないんだ!できる限り、攻撃を続けろ!!」
慎也の命令で、みんなが攻撃を続ける。
剣代:「はあ!」
光燐之太刀から斬撃を放ち、結界に当てる。
しかし、当たった斬撃はすぐに消えた。
剣代:『くっ、世界精霊大戦で、父さんの精霊たちはこんなものと戦っていたのか…!とても人間でどうにかできるものじゃない』
心の中でそう呟く剣代。
父の精霊たちが、あの戦争の中、これだけ強力な結界と戦っていたことを知った剣代であった。
その頃、パンドラの箱内部でウングリュックと戦うフロンティアのメンバーたち。
アキ:「ローズ・ケーヴ!!」
ローズ・ジャベリンの先を地面に思いっきりぶつけ、ウングリュックの足場を薔薇の花びらに変え、そこにいたウングリュックたちが次々と薔薇の穴に飲み込まれる。
風間:「エンパイラ・ディス・ソード!!」
カオス・キングブレードを使用して、連続で鋭い突きを放ち、ウングリュックを次々と突き刺して倒す。
鬼柳:「ストロング・ゼロ!!」
インフェルニティ・デス・ドラゴンのコルト・パイソンの形をしたデュエルギア”インフェルニティ・パイソン”から黒い光の弾丸を放ち、敵の身体を次々と貫通させて倒す。
しかし、倒しても倒しても、結界から新たにウングリュックが現れ、数が全然減らなかった。
雑賀:「くそっ…」
マシンナーズWA2000のスコープを通して、結界から新たなウングリュックが出てきたところを見た雑賀が歯を噛みしめる。
カーリー:「うそっ!またでてきたよ!」
イェーガー:「これじゃあ、キリがありません!」
倒しても倒しても、次々と出てくる敵にどうすることもできなかったフロンティアのメンバーたち。
氷室:「こうなったら、中にいる社長本人を止めるしかない!」
矢薙:「それじゃあ、ここはどうするんじゃ、氷室ちゃん!あの数を相手に一人でも欠けたらマズイんじゃ」
確かに爺さんの言う通りだと思った氷室。
また新たにウングリュックが次から次へと現れる。
ジャック:「くっ、このままでは!」
今のままではまずいと思ったジャック。
すると―!
???:「スクラップ・バレット!!」
灰色のビームが次から次へと敵を倒す。
なんだ!?とジャックは後ろを振り向いた。
ナーヴ:「みんな、無事か!」
ジャック:「ナーヴ!」
クロウ:「それに、タカとブリッツも!お前らどこに行ってたんだよ!」
現れた3人に怒った口調でクロウは言った。
タカ:「わりい、色々あって」
ブリッツ:「話は、この人に聞いてくれ」
そう言って、ブリッツはライナーに親指を指して言った。
ミゾグチ:「その人は?」
ナーヴ:「ノルマンディーカンパニーの副社長だ。オズボーンの計画を止めようとしたが、本人にばれてしまって、捕えられていたところを助けたんだ」
ライナー:「すまない、私がもっと早く対処していれば、こういうことには」
ナーヴ:「あなたの所為じゃない。それよりも今は、ここを死守することが先決だ」
ナーヴはジャックたちの横に立つ。
クロウ:「敵は無限に現れやがる。あのイカれた社長を止めないと、話しにならねえぞ!」
クロウは、今の状況を簡単に説明し、みんなが思っていることを口にする。
ナーヴ:「心配するな。そっちのことならあいつらが何とかしてくれるさ」
ナーヴは少し笑顔で言った。
アキ:「あいつら?はっ」
アキは周りを見渡す。
人々を守るのに頭がいっぱいで気付かなかった。
愛:「もしかして…!」
愛も槍タイプのデュエルギアを構えて、ナーヴの顔を見た。
ナーヴ:『そっちのことは頼んだぞ』
ナーヴは心の中で呟いた。
会場内
デュエルバトルフィールドシステムにモンスターを召喚した一星とクレイヴン。
一星:「クレイヴン、奴はどんなことをしてくるかわからない。気を引き締めていくぞ!」
クレイヴン:「そんなこと、お前に言われなくてもわかっている。心配するな」
一星:「まさか、こんなことになるとはな」
クレイヴン:「まったくだ」
非常事態だというのにも関わらず、緊張感のない2人だった。
ジャンク・ヴィクトリーとヨルムンガンド・マグライオンの前に黒いオーラが見えてきた。
そこからオズボーンの顔が出てきた。
オズボーン:『何をしても無駄さ。パンドラの箱を止めることはできない』
一星:「そんなこと、やってみなければわからない!お前を倒して、みんなを救って見せる!!」
オズボーン:『なら倒してみろ!限界を超え、闇を支配する、この私をな!』
オズボーンの周りを纏う黒いオーラが輝きを放った。
眩しい光は、一星達の目を瞑らせてしまう。
輝きが収まり、一星とクレイヴンは目を開くと信じられない光景を目の当たりにしてしまう。
広い宇宙に浮かぶ巨大な物体。それは、まるで要塞だった。
クレイヴン:「こ、こいつは…」
いきなり現れた巨大要塞を見て驚愕してしまうクレイヴン。
オズボーン:『さあ、倒して見せろ。この私を!』
巨大要塞から聞こえるオズボーンの声。
一星:「オズボーンは、あの中か…!」
一星がそう確信し、ジャンク・ヴィクトリーが巨大要塞に向かって突撃する。
それを追うヨルムンガンド・マグライオン。
クレイヴン:「ん?」
クレイヴンは巨大要塞から何かが出てきていることに気づいた。
それは一星も同じだった。
無数に出てきたその正体は、黒いロボットだった。
一星:「敵か!」
クレイヴン:「なんて数だよ!」
ざっと500機はいるだろうか。無数に出てきたロボットを見て驚くクレイヴン。
一星:「”ハイソリッド・ユニゾン・ランチャー”!」
一星がサポートカードを使用し、ジャンク・ヴィクトリーはランチャー砲を手に持ちビームを放って近づく敵を撃破していく。
クレイヴン:「”マグニオン・ランサー”!」
ヨルムンガンド・マグライオンが2本の炎の槍を手にし、敵を1体ずつ撃破していく。
2体のモンスターの攻撃に合わせて、敵も一星に攻撃を開始した。
ジャンク・ヴィクトリーとヨルムンガンド・マグライオンは無数の攻撃を躱しつつ反撃する。
ジャンク・ヴィクトリー:『ハイソリッド・ユニゾン・ランチャー!フルパワー!!』
エネルギーを溜め、一気にハイソリッド・ユニゾン・ランチャーからビームを放ち敵を一掃する。
クレイヴン:「畳みかけろ!ヨルムンガンド・マグライオン!!」
ヨルムンガンド・マグライオンは両手に持つ2本の槍を振り回し×の形をした炎の斬撃を放って、敵を次々と倒していく。
しかし、敵は次から次へと巨大要塞の中から現れ、一向に数が減らなかった。
オズボーン:『無駄だ!どれだけ倒そうが、私の兵士たちは無限に増え続ける!』
巨大要塞からいきなり聞こえたオズボーンの声。高笑いが宇宙全体に広がる。
敵ロボットの攻撃がジャンク・ヴィクトリーの背中に直撃した。
ジャンク・ヴィクトリー:『ぐおっ!』
一星:「ジャンク・ヴィクトリー!」
ジャンク・ヴィクトリーの被弾を目の当たりにした一星。
だが、ジャンク・ヴィクトリーは急いで体勢を立て直し、背後にいた敵を倒す。
クレイヴン:「くそっ!数が減らねえ!」
一星:「このままでは!」
こちらの状況が圧倒的に不利だ。このままでは敗北してしまうと思い込む一星達。
すると、突然、別方向から粒子の魔力が飛んできて敵を次々と倒す。
ジャンク・ヴィクトリー:『これは!』
いきなり出来事に驚くジャンク・ヴィクトリー。
クレイヴン:「なんだ!?新手か!」
一星:「いや、あれは!」
一星は攻撃が飛んできた方を見て、敵ではないと判断した。
攻撃が飛んできた方向にいたのは、黒いドレスに身を包み杖を持ったモンスター”カオス・ゴッデス-混沌の女神-”だった。
シルク:「ごめん一星君。遅くなって」
一星:「シルクさん!」
予選第1バトルで、一星と楽しいバトルを観客に見せたシルク・ガーフィールドだった。
シルク:「ここからは僕たちも手を貸すよ!」
シルクがそう言うと、カオス・ゴッデス-混沌の女神-は白い魔力を杖から放ち、敵を倒す。
クレイヴン:「僕たち?」
シルクは確かにそう言った。僕たちと…。
つまり、援軍はシルクだけではないということだ。
別方向から4つ同時に攻撃が放たれ、敵を倒す。
近づいてくるモンスターは”ヴァイロン・オメガ”、”インヴェルズ・ギラファ”、”ジェムナイト・ジルコニア”、”ダイガスタ・エメラル”の4体だった。
チムニ:「敵を片付けるよ。いいわね?」
カルマ、ヘルダイト、ノービル:「「「了解だ!」」」
決勝バトルロイヤルで一星と共に激戦を繰り広げたチムニ、カルマ、ヘルダイト、ノービルの4人も駆け付けてくれたのだ。
グウェン:「おらおら!そこをどけ!どかないと、俺のブラッド・ヴォルスがお前らを真っ二つにするぞ!」
ラリーに敗北したクウェンも、援軍の中にいた。
続々と援軍が来て、戦況はこちらが有利になってきた。
一星:「みんな、どうして…」
大会に出場していた選手たちが、どうしてここにと目を疑う一星。
ラリー:「みんな、手伝いに来たんだよ」
ワンショット・ナイトを操るラリー、そしてその隣には…。
早美:「あの男に好き放題されたくないのは僕たちも同じだからね」
準決勝で一星とバトルした、ドラゴン・ナイトを操る早美だった。
一星:「ラリーさんに、早美竜男…」
ラリー:「行くぞ、一星。結界から無数の敵が現れて、外にいるみんなも、このままでは体力の限界だ」
早美:「キミは、急いで要塞の中に行って、オズボーンを倒すんだ。援護は僕たちでやる」
一星:「…わかった」
目を瞑って一星は言った。
一星:「みんなで、あいつを止める!」
クレイヴン:「了解だ」
ジャンク・ヴィクトリー、ヨルムンガンド・マグライオン、ワンショット・ナイト、ドラゴン・ナイトの4体が巨大要塞に向かって突撃する。
それをさせまいと敵が、ジャンク・ヴィクトリーたちに攻撃を仕掛けてくる。
ラリー:「サポートカード”スターダスト・スプレンディッド”!ジャンク・ヴィクトリーには指一本触れさせない!」
白銀のオーラを身に纏ったワンショット・ナイトが、大剣を持ちながら身体を回転させ、竜巻を起こす。
ラリー:「スターダスト・タルナァァダ!!」
白銀の竜巻が、周りに近づく敵を一掃する。
早美:「ドラゴン・ナイト、敵を近づけさせるな!」
早美の指示でドラゴン・ナイトが手に持つ剣で敵を次々と斬っていく。
ジャンク・ヴィクトリーとヨルムンガンド・マグライオンは、目の前に見えてきた巨大要塞の入り口に向かって一直線に飛ぶ。
シルクのカオス・ゴッデス-混沌の女神-が、杖から魔力を連続で放ち、目の前の敵を倒していくが、敵2体がその攻撃を躱し、ジャンク・ヴィクトリー達の方へ向かう。
シルク:「そっちに2体、向かったよ!」
敵2体に抜けられてしまい、そのことを一星達に伝える。
一星:「くっ」
ジャンク・ヴィクトリーが方向転換し、攻撃を仕掛けようとした、そのときだ!
???:「黒・豹・疾・風・斬!!」
ジャンク・ヴィクトリーに近づく2体の敵ロボットが何者かの剣によって、縦真っ二つに両断された。
一星:「あれは…」
一星が敵ロボットを倒したモンスターを確認した。
一星:「パンサー・ウォリアー…!」
その正体は豹の顔をした剣と盾を持った獣の戦士パンサー・ウォリアーだった。
アリスター:「不動一星」
一星:「ア、アリスター…!お前、目を覚ましたのか…!」
オズボーンの策略により闇のカードを渡され、一星にバトルで敗れた後、意識不明の重体になっていたアリスターが、一星の前に顔を出す。
アリスター:「結界が張られる直前、会場に入ることができたんだ。話しは、そこそこ知っている。お前は早く、要塞の内部へ入れ!」
一星:「アリスター…」
アリスター:「ここまでたどり着けたんだ…。必ず、奴を止めろ!」
アリスターがそう言うと、パンサー・ウォリアーは盾を捨て、剣を両手で持ち斬撃を放って敵を倒す。
クレイヴン:「行くぞ!一星」
一星:「わかっている!」
ジャンク・ヴィクトリーとヨルムンガンド・マグライオンは再び要塞の入り口に向かって突き進む。
敵の邪魔が何度か入った所為で敵ロボットに先回りされ、入り口を死守する。
一星:「そこをどけー!」
ハイソリッド・ユニゾン・ランチャーからビーム砲を放ち、入り口の前にいた敵数体を倒す。
クレイヴン:「ビート・ジエンド!」
ヨルムンガンド・マグライオンの獅子の兜の目が光り、ライオンの幻影を出し、その幻影が敵をかみ砕く。
ジャンク・ヴィクトリーが要塞内部へ潜入した。
続いてヨルムンガンド・マグライオンが潜入すると思いきや、ヨルムンガンド・マグライオンは入り口の前に立ちこちらに近づく敵を倒す。
一星:「クレイヴン…!」
クレイヴン:「ここは、俺が防ぐ!お前は早く、要塞の中心部へ行け!そこにオズボーンはいるはずだ!」
一星:「わかった。済まない!」
ジャンク・ヴィクトリーは急いで要塞の中心部へ向かって飛ぶ。
ラリー:「ワンショット・カッター!」
ワンショット・ナイトが基本武器の大剣で敵を斬り倒す。
アリスター:「黒・豹・疾・風・斬-辻斬り!」
高速移動するパンサー・ウォリアーが緑色のマントが靡かせながら敵を一瞬で斬る。
要塞の入り口に向かう敵ロボット軍団。
クレイヴン:「ここを通りたければ、俺を倒してから言ってもらおうか!最もお前たちに俺をいや、俺たちを倒すことはできないと思うがな!」
ヨルムンガンド・マグライオンが身体中に炎を灯し、拳を突き付け、炎で構成された巨大な蛇を敵に向かって放った。
クレイヴン:「クリムゾン・デス・ダイナマイトォォ!!」
炎で構成された敵が次々と燃え尽きる。
要塞内部へ入ったジャンク・ヴィクトリー。
内部に取り付けられているビーム兵器がジャンク・ヴィクトリーを捕え、光線を放つ。
ジャンク・ヴィクトリーは、次々と光線を躱し、ハイソリッド・ユニゾン・ランチャーからビームを放ったり、既で殴り壊し、スピードを緩めることなく前へ突き進む。
オズボーン:『絆の力と言う奴か…?まさか、ここまで来るとはな』
オズボーンの声が要塞内部に広がる。
一星:「みんなが俺を、ここまで導いてくれた。みんなの期待を裏切らないためにも、俺はお前を必ず止める!」
オズボーン:『果たして、それができるかな』
1本道を突き進み、広場に出るジャンク・ヴィクトリー。
しかし、その目の前にはまた数えきれないほどの敵ロボット軍団が待ち伏せしていた。
一星:「内部にも、こんなに敵が…!」
オズボーン:『さあ行け!兵士たちよ!!』
オズボーンの指示で敵ロボットが一斉にジャンク・ヴィクトリーに攻撃を仕掛けてきた。
オズボーン:『もう少しだ!もう少しで、パンドラの箱は、その力を覚醒し、私を過去へと導いてくれる!その時、タイムパラドックスは発生し、この世界はノルマンディーカンパニーが頂点にいや、私が頂点に立つのだ!わはははははは!』
要塞の内部と外に、オズボーンの高笑いは響く。
ジャンク・ヴィクトリーに襲いかかる攻撃。
サイドオーバーが発動している今、ジャンク・ヴィクトリーのダメージは一星にも伝わっていた。
一星:「くそっ…、あともう少しと言うところで!」
身体に伝わるダメージに耐えながら、一星は呟いた。
???:「光を掴み、纏え!アーマード・ウォリアー!!」
一星:「!?」
名人:「コンシャスネス・ヴィクトリー!!」
体に光を纏い、前方に螺旋の渦を出して、ジャンク・ヴィクトリーに攻撃する敵軍団に向かって突撃する1体のモンスター。
その正体は殿堂入りチャンピオン・名人が操るアーマード・ウォリアーだった。
一星:「アーマード・ウォリアー!!」
ジャンク・ヴィクトリーの隣に来たモンスターを見て驚く一星。
スターリング:「一星!」
一星「め、名人!?どうして!」
スターリング:「道は俺たちが切り開く!」
一星:「え?」
スターリング:「”ジャンク・ダスト・キャノン”!」
アーマード・ウォリアーの背中に、2砲門のキャノンが装備された。
スターリング:「ここに来て、敵がこれだけいるということは…」
2砲門のキャノン砲にエネルギーがチャージされる。
スターリング:「オズボーンは、この先にいるということだ!」
キャノン砲からビームを放ち、目の前にいる敵を次々と消し去りながら、その奥の壁に巨大な穴を開けた。
その直後に、アーマード・ウォリアーの背後から敵ロボットが接近してきた。
スターリング:「一星、急いでオズボーンを止めろ!お前なら必ずできるはずだ!」
一星:「!」
あの名人でさえ、俺を信じてくれているのか…と思った一星。
ジャンク・ヴィクトリー:『行くぞ!一星!オズボーンと決着をつけに!』
ジャンク・ヴィクトリーが一星に語り掛ける。
一星:「ああ!」
ジャンク・ヴィクトリーがアーマード・ウォリアーが先ほどの攻撃で開けてくれた穴から奥へ進む。
こちらに近づく敵ロボットの攻撃は休むことなくアーマード・ウォリアーを襲う。
名人とアーマード・ウォリアーも遊星粒子を通して意志を同調させているため、アーマード・ウォリアーが受けるダメージは名人にも伝わっていた。
スターリング:「くっ」
名人は強い痛みが身体を襲ってきたため、額から汗を垂らす。
その汗が、名人の左頬のマーカーの模様を変える。
どうやら、マーカーの一部はメイクによって描かれていたようだ。
スターリング:「お前もそろそろ本気を出したいよな」
フッと笑う名人。
アーマード・ウォリアーの鎧がパージされ、白銀の鎧を纏った戦士が姿を現す。
スターリング:「お前の枷を外す!集いし光を拳に宿せ!”スターダスト・ウォリアー”!」
黄色い眼を光らせ、翼から粒子を放出する戦士が、接近する敵を次々と倒す。
ジャンク・ヴィクトリーは、オズボーンがいる要塞の中心部に向かって一直線に飛ぶ。
しばらくすると、広場に出た。
広場の中心には、黒い光が放たれていた。
オズボーン:『くっ、ここまで来るとは!』
その黒い光の中からオズボーンの顔が出てきて、鋭い目つきでジャンク・ヴィクトリーを見る。
一星:「見つけたぞ!オズボーン!」
やっと発見することができたオズボーン。
ジャンク・ヴィクトリーは黒い光に向かって接近する。
オズボーン:『なぜだ!なぜ、そこまで私の邪魔をする!』
そう言いながら、黒い光から膨大な粒子が放たれ、ジャンク・ヴィクトリーを近づけまいとする。
ジャンク・ヴィクトリー:『何という力だ…!近づけない…!』
ジャンク・ヴィクトリーが放たれる粒子に耐え切る。
ジャンク・ヴィクトリーがどれだけ辛いのか、それはサイドオーバーでジャンク・ヴィクトリーと同調している一星にもわかる。
一星:「確かに強い…。だが、所詮は人間1人の力だ。俺達2人の力が負けるはずがない!行くぞ!ジャンク・ヴィクトリー!」
ジャンク・ヴィクトリー:『おう!』
ジャンク・ヴィクトリーが目を光らせて答える。
一星:「”スターダスト・チューナー”!」
白銀の身体と翼を持った小さいドラゴンが現れ、ジャンク・ヴィクトリーと一つになる。
一星:「”ジャンク・ヴィクトリー-スターダスト”!!」
スターダスト・ドラゴンの力を受け継いだジャンク・ヴィクトリーが姿を現し、背中に生えた白銀の翼を広げる。
オズボーン:『無に落ちろ!下等種族---!』
黒い光から顔を出していたオズボーンは怒りが頂点に達し、上半身まで出して怒りを一星とジャンク・ヴィクトリーにぶつける。
ジャンク・ヴィクトリー-スターダストの身体が銀色に輝き、翼を大きく広げて突撃する。
ジャンク・ヴィクトリー:『うおおおおお!』
一星:「スターダストォ・バァァァァスゥ!!!」
ジャンク・ヴィクトリー-スターダストは猛スピードで黒い光に向かって突撃する。
この攻撃には、一星とジャンク・ヴィクトリーそして、ここまで俺を導いてくれたみんなの気持ちが込められている。
ジャンク・ヴィクトリー-スターダストは突撃で黒い光を貫いた。
黒い光は爆発。
そして、デュエルバトルフィールドシステムの起動が止まっていく。
第7ED『Last Moment《SPYAIR》』
次回予告
ナレーション:一星とジャンク・ヴィクトリーの絆の力に敗れたオズボーン。
それでも、己の執念を貫き通し、一星にデュエルを挑む。
それに立ち向かう一星。このデュエルが真の決着へとなる。
そして、そのデュエルを見ていた名人は、何を思うのか…。
スターリング:次回、遊戯王5DXAL「執念を砕け 一星VSオズボーン」
スターリング:「決着はついたようだな…」
遊戯王5DXAL豆知識コーナー!!
一星:「俺のエースモンスター”エトワール・ローズ・ドラゴン”は、星と薔薇を名前に刻む華麗なドラゴンだ。その効果は次回明かされるから、みんな楽しみにしててくれ」