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第113話:『パンドラの箱復活!災いをもたらすウングリュック』








決勝戦が終わる直前。


地下室でクラークと戦うラリーたち。



ナーヴ:「こいつをくらえ!」
クラークに向けてスクラップ・ガンブレードは弾丸をぶっ放す。


クラークは、鞭タイプのデュエルギアを振り回し、弾丸を弾く飛ばす。


クラーク:「無駄ですよ」
クラークは鞭をナーヴに向けて飛ばす。

ナーヴに鞭が当たる直前、ラリーがワンショット・ダガーを構えてナーヴの前に立ち、鞭がダガーに絡みつく。

それを引っ張るラリー。



ラリー:「今だ!ナーヴ!」

ナーヴ:「ああ!」
ナーヴが前に出る。


クラーク:「やりますね」
クラークが鞭を引っ張ろうとするが、ラリーが逃すかよと言わんばかりに、鞭を手で掴み、腰を低くして、足腰に力を入れる。

クラークは取り返そうと強く引っ張ろうとするが、その間に…。


ナーヴ:「動くな」
クラークの首元にナーヴが持つスクラップ・ガンブレードの刃が向けられた。


クラーク:「はいはい、私の負けのようですね」
鞭から手を離し、両手をが上げる。



ブリッツ:「副社長、装置はどうだ?止められそうなのか?」
ブリッツはライナーに強く追及する。

ライナー:「あともう少しだ。あともう少しで」
ライナーがエンターキーをポチっと押した。


すると、画面上にゲージが現れ、それがMAXになると、ピロっと妙な音を鳴らし、周りの装置が稼働を停止した。



ライナー:「と、止まった…」

タカ:「やった…。装置は止まったぞ!ラリー、ナーヴ!」
タカに装置が止まったことを教えるタカ。


ラリー:「は~、よかった。これで一安心だ」
ラリーはデュエルギアを収め、ナーヴの元に近寄る。


ナーヴ:「あんたんとこの社長の計画も、これで終わりだ。フロンティアに連絡して、あんたと社長を拘束してもらう」

ラリー:「そのあとは、会社に家宅捜査が入るぜ。もう逃げれないからな」
ラリーがそう言う。


クラーク:「バカな人達だ…」
クラークはボソッと呟いた。


ナーヴ:「何…?」

クラーク:「この装置は、昨日の時点で十分なエネルギーを吸収している。吸収力を上げた理由は、更に大きな災いをもたらすために、社長が私に要求したまでのこと。つまり、パンドラの箱を復活させるためのエネルギーにあるということだ!」
最後の言葉を強調するクラーク。


止まっていたはずの装置が起動を再開する。


ライナー:「何…!?」


ブリッツ:「装置は止まったはずじゃ!」


クラーク:「もう止められない。オズボーン社長の計画は!」
クラークはラリーとナーヴを押し倒し、カプセルの元に立つ。


さっきの手順で装置を止めようとするライナー。

だが、さっきまで使えていたはずのキーボードのキーを叩いてもキーが反応することはなかった。


ライナー:「くそっ、キーボードが無効化されている。止められない!」
テーブルをバンと叩き悔しがるライナー。


クラーク:「ふん!」
両手でカプセルのガラスを割っていくクラーク。

3つのカプセルを破壊し、中にある3枚のカードを取り出す。


クラーク:「社長の計画のために、私はパンドラの箱復活の生け贄となる時が来た。さあ、開けてはならぬ箱を開けるときが来た!」
3枚のカードが黒い光に包まれる。









第7OP『二つの未来《黒田倫弘》』








第113話:『パンドラの箱復活!災いをもたらすウングリュック』






3枚のカードが黒く光り、黒と灰色が入り混じった粒子が、噴き出すように周りから出ていた。






その頃、会場内でも同じ現象が起きていた。



真っ暗な会場の中で、床から光と黒と灰色が入り混じった粒子が出てきていた。



ハラルド:「これは…!?」

カーリー:「え!何々!?何が起きているの!」
突然の出来事に動揺するハラルドたち。

会場内は大騒ぎになっていた。










3枚のカードを手にするクラーク。


クラーク:「ダーク・ヘルケイター、魔界のデューザ・サイボーグ、そして邪眼の魔剣ザビ・キラー。時は来た。あなたたちが吸収したエナジーを解き放て!そして、パンドラの箱を復活させるのだ!」
クラークの周りから風圧が発生し、ラリーたちを襲う。

同時に、3枚のカードを包む黒い光は、クラークをも飲み込んだ。


ラリー:「クラーク!何をするつもりだ!」
いきなりの出来事にラリーが立ち上がり、クラークに追求する。


クラーク:「私はこれからパンドラの箱を復活させるために、わが身を捧げる。あなたたちとは、ここでお別れだ」

ブリッツ:「あいつ死ぬ気か!」


ナーヴ:「計画を遂行するために命を落とすつもりか!!」


クラーク:「社長の計画のためなら、私はこの身を捧げることなど容易い!社長はタイムパラドックスを起こし、必ずや、この世界を変えるでしょう!ノルマンディーカンパニーに、いや…」
クラークの目が黒く光る。

クラーク:「オズボーン・セーブルに栄光あれーー!!」
クラークは大きく社長の名を叫び、黒い光と共に消えた。


そして、光の柱が天井を突き抜け、天に光が差し上った。


会場がある真上の空は、雷鳴を鳴らし、結界のようなものが徐々に会場を覆った。


それを外から見ていたメガネをかけた一人の男性。


???:「あの時の、傷痕から再び災いが起きるときが来てしまったか…」
両手をポケットに入れ、その光景を見ていた。






その頃、先ほどまでネオコーポレーションシティ国際空港にいた由加が、会場に到着し、その光景を見ていた。


由加:「な、なによ…、これ!」
会場が完全に結界に包まれてしまった。


由加:「兄さん!!聞こえる?兄さん!返事をして!」
ミッションウォッチの通信機能を使って、呼びかける由加だが、応答はなかった。






会場内



オズボーン:「ふははははははは!遂に、パンドラの箱が復活したぞ!!」
ホログラムに映る会場の外からの映像を見てパンドラの箱が復活したことを確認したオズボーン。

笑いが止まらない。


スターリング:「貴様!」
チャンピオン・名人、いや四大神王者No.3スターリングは手に持つカードを光らせ、槍タイプのデュエルギアを手に持つ。

スターリング:「シューティング・ショット!」
槍のデュエルギアをライフルを持つように構え、槍の先にある銃口から粒子のビームを放った。


そのビームをオズボーンは簡単に躱し、背後にあるガラスにビームが当たり、パリンと割れた。


ガラスが割れた音に動揺する会場内。



オズボーン:「さあ、ビジネスのお時間だ」
オズボーンは割れたガラスから会場内に足を踏みいれる。

宙にビジョンでできた階段が現れ、それを使って、オズボーンは会場の中心に来た。






その頃、非常事態によるフロンティアのメンバーたちが、デュエルバトルカーニバル選手権が行われていた会場に到着した。




慎也:「何だ!?これは!」
会場を包む謎の結界を見て驚愕する慎也。



ヨハン:「結界なのか…」
目の前にあるものを見て、そう呟いたヨハン。

色葉:「私、これ知ってるわ」

葵:「え?」
この結界を見たことあると呟いた色葉に、葵たちが呆気に取られた。


葵が少しずつ前に出る。


あの時の記憶が蘇ってしまった。


当時、警察官だった私は、これと同じものを国会議事堂で見た。



葵:「世界精霊大戦…。あの時よ。あの時、国会議事堂を覆った結界…」


亮:「パンドラの箱か!」
世界精霊大戦の歴史に記述されていたことを思い出す亮。


三沢:「パンドラの箱と言えば、世界精霊大戦時、日本の国会議事堂とアメリカのホワイトハウスを覆った謎の結界。そして、その二つの結界の影響で、地球そのものも赤い結界に囲まれてしまったというあれか」


翔:「確か、あのときはアニキのモンスターたちが破壊したって…」

色葉:「ええ。あの時、ホワイトハウスと国会議事堂の結界を破壊したことで、地球を覆っていた結界も消えたわ。でも、あのとき現れた結界は謎が多かったのよ。何のために現れたか、どうやって現れたのか。多くの謎が残っていたわ。でも、それが、今、ここに…」
改めて結界を見る色葉。

間違いない。パンドラの箱だ。

あの時と同じ結界だ。







慎也:「中との通信は取れましたか?」

明日香:「いえ、アキに連絡を取ってるけど、返事なしよ」

剣代:「俺の方もダメだ」
自分たちのミッションウォッチを使用して、中にいるはずのアキや一星達に連絡を入れるが、応答はなかった。



慎也:「くっ…」


エド:「通信はダメだが、中の映像は見れるみたいだ!」
ミッションウォッチから、会場内にあるカメラの映像を見るエド。

それはテレビ中継中の映像だった。


そこに映るのはオズボーンだった。








オズボーンは会場の中心に来ていた。


ビジョンで作った壇の上にいるため、周りの人達からは宙に浮いているように見えていた。




オズボーン:「会場にいる皆さま、お騒がせして申し訳ありません。これより、最後のフィナーレを始めようと思います」
両手を水平に大きく広げてオズボーンは言った。



オズボーン:「第5回デュエルバトルカーニバル選手権は楽しんでいただけたでしょうか?熱いバトルを繰り広げ、どのバトルも盛り上がったことでしょう。ですが、私にとって、そんなことはどうでもよいのです」
オズボーンが目を閉じて言った。



一星:「あいつ…」
遂に本性を出したなと思った一星。




オズボーン:「そもそも私がこの大会を開いたのは、先代社長が考案した大会を引き継ぎ盛り上げるためではございません。パンドラの箱を復活させ、タイムパラドックスを引き起こし、世界を変える為です」
オズボーンがそう言うと会場内にいるみんなが動揺する。




鬼柳:「あいつ、何を言っているんだ」

イェーガー:「おっしゃっている意味が理解できませんが…」
オズボーンが言っていることを理解できない鬼柳たち。


オズボーンの話しは続いた。


オズボーン:「私にはある一つの夢があります。それは、ノルマンディーカンパニーを大々的に大きな会社にすること。世界の頂点に立たせることです。ですが、現実は難しいと知った私は、その夢を諦めかけました。ですが、あるとき、とある本を見つけたのです。それはあの忌まわしい大戦争、世界精霊大戦に関する本でした」
オズボーンが語ったことを、カメラ越しから見ていた明日香。



彼女はあの戦争の場にいた一人だ。


そして、世界精霊大戦という言葉を聞くと、あいつの顔を思い出してしまう。

戦争で活躍し散った十代のことを…。




オズボーン:「その本には、パンドラの箱について記述がされていました。パンドラの箱の結界には、次元を超えて過去に飛ぶことができ、タイムパラドックスを起こすことで、未来を自由に可変できる力があると書かれていました。そう、現実は変えれるのですよ、皆さん。私は、この力を使い、現実を変えて見せます!国家政府が消え、ノルマンディーカンパニーが世界の頂点に立つ世界を作って見せます!」
オズボーンがガッツポーズしながら言った。


オズボーン:「選手の皆さんには本当に感謝しています。パンドラの箱を復活させるためには膨大なエナジーが必要でした。ですから、デュエルバトルフィールドシステムを利用して、エナジーを吸収していたのです。激しいバトルが繰り広げられれば、エナジーの吸収量も多くなり、パンドラの箱復活に近づいていきましたよ」



クレイヴン:「俺たちは、あんたの手の上で踊らされていたというのか!」
クレイヴンが大きな声えオズボーンに追求する。


オズボーン:「その通りです。私は、この大会を、パンドラの箱復活に利用していたのです!」

クレイヴン:「くっ」


オズボーン:「このデュエルバトルを考案したミスターYには感謝しかないですよ。こんな最高のゲームを作ってくれるなんて流石ミスターY…いえ、その正体は四大神王者No.1にして初代キング・オブ・デュエリスト武藤遊戯!」
世界を揺るがすセリフがオズボーンの口から語られた。


武藤遊戯。そう、デュエルバトルを開発したのは武藤遊戯なのだ。





海馬コーポレーション



社長室にいた海馬


その映像を見て驚いた。

海馬:「何…!遊戯がデュエルバトルを考案した張本人だと!」
驚きを隠せない海馬であった。







インダストリアルイリュージョン社



ペガサス:「まさか、ミスターYの正体が、ミスター遊戯だったとは…!」
ペガサスも、驚愕の真実に驚きを隠せなかった。









会場内




愛:「まさか、遊戯さんが考案したゲームだったなんて…」

シェリー:「それよりもマズいんじゃない?」


天兵:「え?」


ミスティ:「世界の人たちにとって、武藤遊戯は死んでいることになっているわ。生きていることが知れ渡った以上、世界は大騒ぎになるはずよ」
ミスティの言う通りだ。

フロンティアのメンバーである自分たちは武藤遊戯が生きていることを知っていたが、世界は知らない。

大騒ぎになること間違いなしだ。




オズボーン:「パンドラの箱は復活した。これより計画を遂行する!」
オズボーンが両手を挙げてそう言うと、黒い光に包まれてしまった。



そして、外では物凄い音で鳴り響く雷鳴が落ちていた。


その音は、会場内にも聞こえていた。




マーサ:「これやばくないかい?」


シュミット:「そ、そうですね…」
嫌な予感がしたマーサ達。

こんなことが起きたのだ。


勿論、会場内は…。



観客:「逃げろーーー!」

当たり前だが大パニックになる。



会場にいる観客たちが一斉に外に出ようとする。



牛尾:「おいおい、大変なことになってきたぞ!」

風間:「急いで、観客たちを避難させるぞ!」
フロンティアのメンバーは協力し、観客の避難を進めた。


パティ:「私たちも手伝うわ」


龍可:「うん、お願い」
パティ、ボブ、スライはフロンティアのメンバーではないが、龍可たちと一緒に協力して観客の避難を手伝った。




ボブ:「みんな、急いで外に出るんだ!」


パティ:「走れない人は、言ってください!手伝います!」


スライ:「早く、外に出ろ!」
大きな声を出して、観客を誘導する。







観客の人たちが急いで逃げていたその頃、一星は他の人達とは違い、逃げずにいた。



一星:「それが、お前の計画か。オズボーン…!」
光に包まれたオズボーンに呼びかける一星。


だが、返答はない。



クレイヴン:「おい、逃げないのか?」
クレイヴンは一星に問いかける。


一星:「俺は、アリスターからノルマンディーカンパニーには何か裏があると聞いて、ずっとオズボーンを警戒していた。だが、警戒していたにも関わらず、この結果を生み出してしまった。俺には責任がある」
一星がカードを持って前に出る。


そのカードは”エトワール・ローズ・ドラゴン”だった。


一星:「エトワール・ランツェ!」
カードが輝き、片鎌槍のデュエルギアを握る一星。


これが、一星のデュエルギア。エトワール・ローズ・ドラゴンから生み出された槍タイプのデュエルギア”エトワール・ランツェ”だ。

星のように輝き、薔薇のように咲く。その思いが込められた槍だ。


一星:「うおお!」
一星は叫びながら飛び上がる。


一星:「スターサウザンド・エッジ!!」
刃を目標に向て、連続で突いた。

しかし、オズボーンを包む黒い光は無傷だった。


一星:「ランサー!」
一星は突くのをやめ、エトワール・ランツェを後ろに振りかざす。


すると、槍の刃が青い光でできた大鎌の形になる。


一星:「ローズ・ダスト!」
槍を大きく振り、刃から薔薇の花びらが出現する。

その後、薔薇の花びらは斬撃へと形を変えて、オズボーンを包む黒い光へと直撃した。



だが、黒い光は、その斬撃を一星に向けて跳ね返した。

一星:「ぐ…ぐわっ!」
跳ね返った攻撃をエトワール・ランツェで受け止めるが、力負けしてしまい、後ろへ飛ばされた。




オズボーン:「無駄なことを」
黒い光の中からオズボーンの顔が現れた。


クレイヴン:「オズボーン…!」


オズボーン:「パンドラの箱を止めることは既に不可能。この箱に飲み込まれたものたちは、タイムパラドックスの発動と共に消えるだろう」

一星:「何…!?」

オズボーン:「計画のために犠牲になってもらおう。この中にいる者たちにはな!」
オズボーンが目を大きく開けて笑いながらそう言った。

そして、デュエルバトルフィールドシステムがいきなり起動し、遊星粒子が散布され光を纏ったオズボーンを取り込んだ。


デュエルバトルフィールドシステムが遊星粒子を散布してフィールドを構築。

構築したフィールドは宇宙だった。


その中に現れた光に包まれたオズボーン。

ゲラゲラとずっと笑っていた。


一星は歯を立てる。





ジャンク・ヴィクトリー:『一星』

一星:『ジャンク・ヴィクトリー…!』
一星の頭の中にジャンク・ヴィクトリーの声が響いた。

ジャンク・ヴィクトリー:『私を、あそこに呼び出してくれ』
ジャンク・ヴィクトリーがデュエルバトルフィールドシステムに自分を呼び出すように要求してきた。

ジャンク・ヴィクトリー:『おそらく、あの男は今、デュエルバトルフィールドシステムの中にいるモンスターと同類の存在だ。もし、あそこで奴を倒せば、悲劇は収まるかもしれない』

一星:『だが、お前はバトルのダメージが…』

ジャンク・ヴィクトリー:『所詮、私はモンスターだ。すぐに体は回復する!』
ジャンク・ヴィクトリーの強い意志を感じた一星。


首を縦に振り、「わかった」と言った。

ターミナルペットを手に取り、それをデュエルバトルフィールドシステムにセットする。


すると、もう一人がデュエルバトルフィールドシステムにターミナルペットをセットした。

一星:「クレイヴン…!」
セットしたのはクレイヴンだった。


クレイヴン:「楽しいバトルをしてくれた礼だ。俺も戦ってやる」
真剣な目でクレイヴンはそう言った。

一星:「わかった」
クレイヴンの意志を受け入れた一星は、彼と共に戦うことに決めた。




『Monster Call!』

一星のジャンク・ヴィクトリーと、クレイヴンのヨルムンガンド・マグライオンが宇宙フィールドに召喚された。


『DuelBattle START!!!』
フィールドシステムがバトル開始の合図をした。

一星:「行くぞ!ジャンク・ヴィクトリー!」

クレイヴン:「最後まで付き合ってくれ!ヨルムンガンド・マグライオン!」
2体のモンスターが、目標に向かって動き出した。






その頃、会場の外に出た観客のみんな。


だが、時すでに遅し、結界が会場を覆っていたため、そこから外に出ることは不可能だった。



クロウ:「くそっ!遅かったか!!」
悔しがるクロウ。


観客みんなに不安な気持ちが過る。

子供たちは泣いてしまった。


牛尾:「これからどうすればいいんだよ!」

深影:「それを考えるのが私たちの仕事でしょ!」
だらしない牛尾を見て深影が、大きな声で言う。



愛:「みんな見て!何か出てくるよ!!」

パンドラの箱の結界から何かが出てきた。

しかも1体だけじゃない。何体も何体も。無数に出てきた。


黒い肌から血が沢山出ており、所々にボロボロの包帯を巻いている。

ゾンビのような歩き方で、こちらにゆっくりと近づく。






オズボーン:『パンドラの箱が生み出した災いをもたらすゾンビモンスター軍団ウングリュックどもよ!結界から出ようとする者たちを捕えよ!』
いきなり現れたゾンビモンスター”ウングリュック”共の頭の中にオズボーンの声が鳴り響く。

そして、ゆっくりと歩いていたウングリュック共はいきなり走り出し、みんながいる場所に近づいてきた。


スライ:「来た…!」


シェリー:「あれ、絶対敵よね!」

アキ:「どう見てもそうにしか見えないわ!」
2人はカードを手に取る。



シェリー:「聖剣-シュヴァリエ!」
”フルール・ド・シュヴァリエ”のカードが輝き、シェリーの手に聖剣が握られた。

聖騎士が持つ聖剣。シェリーの手に持たれたのは、それと同じものだった。

シェリーの剣タイプデュエルギア”聖剣-シュヴァリエ”だ。


アキ:「ローザ・ジャベリン!」
”ブラック・ローズ・ドラゴン”のカードが輝き、アキの手にロッドタイプのデュエルギアが握られる。

いや、ただの棒にも見えるが、この武器は棒の中が紐で繋がっており、3つに分割することができる。

つまり、通常はロッドタイプだが、3つに分割すれば三節棍タイプにもなる。

これがアキのブラック・ローズ・ドラゴンのデュエルギア”ローザ・ジャベリン”だ。



シェリー:「はあ!」
聖剣-シュヴァリエを振り、近づいてくるウングリュックを倒す。


アキ:「たあ!はあ!」
最初はロッドタイプの状態でウングリュックを打撃し、背後から近づくウングリュックを即座に三節棍タイプにして反撃する。


愛:「ママ…」
初めて見たかもしれない。

ママのこんな姿を見るのは…。

アキ:「ここには沢山の人々がいるわ。絶対に守らないと…」
アキは小さい声で言った。


アキ:「私たちがやらないで誰が、みんなを守るの!」
その言葉を聞いたフロンティアのメンバーたちに火が付いた。


クロウ:「そうだな。俺たちが止めないとな!」
ブラックフェザー・ブーメランを手に取ってクロウは言った。

クロウ:「ノーブル・トゥルボー!」
黒いオーラを纏ったブラックフェザー・ブーメランを投げ飛ばしたクロウ。

次の瞬間、投げ飛ばしたブラックフェザー・ブーメランの刃の周りに小さい竜巻が3つ現れ、その状態で敵を次々と斬り裂いて行く。



ジャック:「アブソリュート・ダイナマイト!!」
レッド・デーモンズ・バスターを振り、大地を走る赤い斬撃が敵を斬っていく。


フロンティアのメンバーたちが、次々と敵を倒していく。




みんなはパンドラの箱から出ることができるのか!?


そして、オズボーンを倒すことができるのか…!?






第7ED『Last Moment《SPYAIR》』




次回予告

ナレーション:パンドラの箱が内部にいる人々を襲う中、外にいる人々にも危機が迫っていた。

その頃、オズボーンを止めるべく、バトルフィールドシステムにモンスターを召喚した一星達。

オズボーンが真の姿で現れた、その時、絆の力が奇跡を起こした!

果たしてオズボーンを止めることができるのか!!


一星:次回、遊戯王5DXAL「絆から生まれた奇跡!集結・デュエルバトラーたち!!」

一星:「みんなで、あいつを止める!」






遊戯王5DXAL豆知識コーナー!!



アキ:「私のデュエルギアはブラック・ローズ・ドラゴンの”ローザ・ジャベリン”よ。普段はロッドタイプだけど、ロッドの中は紐で繋がっていて3つに分割することで三節棍タイプにもなるわよ」
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