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第107話:『準決勝!ガラクタ戦士VS竜の戦士』







『DuelBattle End! DuelBattle End!』
バトル終了のコールが鳴り響く。



両者の攻撃により、どちらのモンスターが倒れ、どちらのモンスターが立っているのかが確認できない。


しかし、そんな中、身体が虹色に輝くジャンク・ヴィクトリー-ライフストリームが上空に姿を現した。




MC:「第5回デュエルバトルカーニバル選手権準々決勝!勝ったのは、不動一星だあ!」
勝利した一星の名前を叫ぶMCであった。




会場に大きな 歓声が沸き起こる。



氷室:「よし、一星の勝ちだ!」

龍亜:「やったぜ、一星!」

ミゾグチ:「まさか、準々決勝まで勝ち上がるとは」

ミスティ:「これはひょっとしたら、行けるんじゃない?優勝」

ラリー:「ああ、あいつならひょっとしたらできるかもしれない!」
一星が優勝する可能性が見えてきた仲間たち。




一方、一星はクリブの元に駆け寄る。


一星:「おい!大丈夫か!しっかりしろ!」
一星がクリブに声をかける。

クリブは苦しそうに目を開ける。


クリブ:「く、黒い影が…俺を」

一星:「何を伝えたいんだ?教えてくれ!」

クリブ:「パ、パンドラの…」
クリブは気絶した。


一星:「おい!しっかりしろ!担架を急いでくれ!大至急だ!」
一星が近くに待機する医療担当に声をかける。


クリブもまたアリスター同様、意識不明の重体になってしまった。








第7OP『二つの未来《黒田倫弘》』






第107話:『準決勝!ガラクタ戦士VS竜の戦士』






意識不明の重体になってしまったクリブを医療担当たちが担架で運ぶ。


会場内がざわざわしてきた。



マーサ:「今日といい、この間といい、意識を失う人が多くないかしら?」

シュミット:「このデュエルバトルは、それだけ過激なものなのか?」
シュミットがラリーに聞くが、ラリーの顔もどこか雲行きが怪しかった。


ラリー:「決勝戦まで近づくと、それなりに過激なバトルになるよ。でも、過去の大会で、バトル終了後、選手が気絶することなんてなかったよ」

ナーヴ:「一星が予選最後に戦ったセーブルとのバトルの時から気になっていたが、この大会、何かおかしくないか?」

クロウ:「あぁ、なんつうか、大会の裏で何かが動いているというか」

カーリー:「裏で何かが動いている?一体、何が動いているの!?」

クロウ:「そんなこと俺に聞くな!」
興味津々にカーリーがクロウに問いかけるが、クロウ自身、自分でそう思っただけで、確信はなかった。


雑賀:「なんにせよ、2人目の被害者が出たんだ。運営側は何か対策を取るんじゃないのか?」
雑賀がそう言うと、いきなり会場内にアナウンスが入った。



オズボーン:『会場の皆さん、ノルマンディーカンパニー社長のオズボーン・セーブルです』
声の主はオズボーンであった。


雑賀は「噂をすれば」と一言口にする。


オズボーン:『今回の出来事について、会場にいる皆さま、テレビからバトルを見ている皆様、大会の関係者の皆さまには、不安にさせてしまい申し訳ございません。2人目の被害者が現れたことに、私も驚いています』
オズボーンが謝罪する。


その言葉を一星は会場の真ん中に立って聞いていた。

オズボーン:『本来、選手問わず皆様に楽しんでもらえる大会を開くおつもりでしたが、このような事態が起きて非常に残念だと思う所存でございます。1人目の被害者が現れたときから、私を含め、運営側で大会の中止を検討しました』
オズボーンがそう言うと、会場がざわざわしてきた。


オズボーン:『しかし、このために必死に特訓してきた選手の皆さん、そして、この大会を非常に楽しみにしていてくださった皆さんの期待を裏切りたくもありません。ですので、第5回デュエルバトルカーニバル選手権は引き続き、執り行います!二度と同じようなことが繰り返さないよう、会場内に救急隊員を更に配備。更に、運営チームよりバトル中の選手に監視をつけ、危ないと思ったときは即バトルを強制終了するようにしたいと思います。皆さま、何卒よろしくお願いします!』
マイクに向かってはきはきした声でしゃべるオズボーン。



会場内が盛り上がる。



クレイヴン:「フッ、そうこなくっちゃな。こっちもこの大会に色々準備してきたんだ。中止になってもらっては困る」
選手が入場する廊下に腕を組んで立つクレイヴンが言う。







マイクを起き、オズボーンが後ろを振り向く。


オズボーン:「どうだ?」
オズボーンの背後にはクラークが立っていた。


クラーク:「予想以上のエネルギーが溜まりました。後は、フィールドシステムから流れ込むエネルギーのみで十分かと…」

オズボーン:「そうか。3人の犠牲を出し、やっとエネルギーが溜まってきたか。これで、パンドラの箱の復活もそう遠くはないな」
オズボーンがニヤッと笑う。





雑賀:「結局、大会は継続するのか」

深影:「ま、この大会を楽しみにしている人は沢山いるから、仕方ないんでしょう」

アキ:「でも、2人の被害者が出たことには変わりはないわ。警察も動くんじゃないかしら」

ミスティ:「そうね」

シェリー:「それにさっきクロウが言っていたけど、もし大会の裏で何かが動いているのであれば、フロンティアも少しは調査に入るんじゃないかしら」
シェリーの感は正しかった。



既に、フロンティアでは、慎也を含む数名の人員が動いていた。


テレビを見ていた慎也と色葉。それにヨハンとオブライエン。


慎也:「2人目の犠牲者が出るとはな」

ヨハン:「デュエルバトルで、人が気絶するなんてあり得ねえだろう」

色葉:「そうね。慎也、ノルマンディーカンパニーの調査に入った方がいいじゃない?」

慎也:「ああ、元帥の命令で既にSOA隊2係リーダーがヨーロッパに向かっている」
SOA隊2係リーダーはジェリド・レビが隊長を務める隊だ。


オブライエン:「オズボーン・セーブルはどうするんだ?」

慎也:「何の証拠もない以上、捕えることはできない。もし、あの男が大会の裏で何かやろうとしているのであれば、必ず動くはずだ。今はそれを待つしかない」

大会の裏で何かが動いている。確証がないので、主催者であるオズボーンを今取り押さえることはできない。

だが、もし何かが動いているのであれば、奴はきっと動くはずだと慎也は思った。








一星とクリブのバトルが終了した後…





クレイヴン:「行け!ヨルムンガンド・マグライオン!!ライジング・イラプション!!」
地中から火柱を数本現れ、敵モンスターを飲み込みヒットポイントを無くした。



『DuelBattle End! DuelBattle End!』




MC:「ウィナー!クレイヴン・エレクトロ!!準決勝進出だあ!この男を止められるものは、やはりいないのか!」
前大会優勝者であるクレイヴン・エレクトロが勝利したことで、いつも以上に会場は盛り上がる。


やはり、優勝候補だけあって、ファンも多い。






その頃、一星はクレイヴンの勝利を画面越しから見ていた。

クレイヴンの勝利を確認し、部屋を出ようとする一星。

すると、入れ替わりで誰かが入ってきた。


長身で眼鏡をかけた男性だ。


一星は部屋を出て、その男は部屋の中に入った。


早美:「キミのバトルすごいね」

一星:「え?」

早美:「キミと戦えることを楽しみにしてるよ」
男はにやけた口でそう言った。


部屋の扉が閉まる。

一星:「あの男は確か、大会出場者の1人…」
一星は話しかけてきた男の顔を見て、そう呟く。







その頃、意識不明の重体で病院へ運び込まれたクリブはベットに横たわっていた。

酸素マスクをつけていた。

すると、クリブが寝ている部屋の扉が開いた。


入ってきたのは一人の女性だった。


由加:「当たりみたいね」
女性はクリブの身体を隅々まで調べる。


手首を触ったり、首元を見たり、閉じた目を開けて眼球を見たり、不自然な場所がないかを調べる。


由加:「特に変わった外傷はなし。本当に気絶しているだけみたいね。でも…」
女性はクリブが気絶したタイミングを画面越しから見ていた。

アリスターのときは、会場内にいたので、気絶したタイミングを生で見ていた。

由加:『気絶した2人の共通点は、あの見たことのないモンスターカード。それらのカードを使った2人だけに、不幸が起きている。それに、一星が最終予選で戦ったセーブル・シック。あの男が使っていたカードも、見たことがなかったわ。情報によれば、一星に敗北したセーブルは突如、一部の記憶を失っていたと聞いているし…、やはり兄さんの言う通り、この大会で何かが起きようとしているのかしら』
由加はその場で色々と悩んだ。



誰もが感付いている嫌な予感は、確証がないもである。

しかし、この予感は、いずれ被害をもたらすのであった……。







第5回デュエルバトルカーニバル選手権、準々決勝のバトルも、今行われているバトルで最後となった。



海の上に浮かぶ戦士。いや、鋼の鎧を身に纏う2本足の竜。


眩しい太陽で、鎧がキラッと光り、その立ち姿は凛々しかった。





『DuelBattle End! DuelBattle End!』



MC:「ついに、最後の準々決勝のバトルがけっちゃーく!勝者は、ドラゴン・ナイトを操る早美竜男だああ!」
会場に大きな歓声が沸く。


敗れた相手選手はデュエルバトルフィールドシステムに両手をつき、「完敗だ」と一言口にする。


早美はかけている眼鏡を取り、レンズをメガネ拭きで拭いて綺麗にする。

そして、その眼鏡を再びかけ直す。



MC:「これで準決勝へ進む4人の選手が決定した!」
巨大画面に一星を含む4人の顔写真が出てくる。



MC:「トーナメント方式により、準決勝は、この組み合わせでバトルするぞ!」
一星の相手は早美竜男だった。




アキや愛たちと一緒にいた一星は、対戦相手の顔を見て、「あのときの…」と呟く。


ついさっき、いきなり声をかけられて少し驚いたが、今のバトルを見ていて思った。

早美竜男は強い。


一星:『俺と同じ、今大会初出場のデュエリスト。しかし、あれだけサイズが大きいドラゴン・ナイトをバトルで扱うとは、かなりの手練れだ』
デュエルバトルでは、かなり人型のモンスターが多い。

しかし、早美竜男が使っているのは、2本立ちして剣と盾を持った竜の戦士。


戦士であることに変わりはないが、サイズはやはり違う。


一星:「あれが、俺の次の対戦相手…」
一星が呟いた。


愛:「気を引き締めなさいよ、一星!」
一星の背中を叩く双子の姉、愛が言う。


エマリー:「次のバトルに勝てば、決勝戦。優勝までもうすぐそこなんだから」

マーサ:「頑張りなよ!」
エマリーとマーサもエールを送る。


一星:「ゴールは近いんだ。今まで以上に気を引き締めていくだけだ」
一星はそう言うと、デュエルバトルフィールドシステムの前に立つ早美を見つめる。


一星の視線に気づいた早美も一星を見つめ、2人の間に見えない火花が散っていた。


早美:『面白いバトルを楽しみにしているよ、不動一星』
早美は、その場を後にする。





オズボーンの特別席がある部屋にいたクラーク。


今日のバトルが終わったことを確認し、秘密の扉から隠し部屋へと向かった。






隠し部屋には既にオズボーンがいた。


3つのカプセルの中にある3枚のカード。


よく見ると、3枚とも輝いているようにも見えた。



オズボーンは後ろから足音がした事に気付いた。

オズボーン:「終わったか?」


クラーク:「はい、準々決勝へコマを進めた4名の選手が決まりました」

オズボーン:「フッ、このバトルも大詰めを迎えてきたな。クラーク、バトルフィールドシステムから送られるエネルギーの吸収力を、今の5倍に上げろ」

クラーク:「そんなことしなくても、エネルギーは十分に溜まるはずですが…」

オズボーン:「ふん、ゴールが見えてきたなら、また新たなゴールを作ればいい。予想以上にエネルギーを溜めて、どれだけの力が解放できるのか、楽しみしようじゃないか」
オズボーンがニヤッと笑う。


クラーク:「わかりました。ですが、吸収力の上昇には時間がかかります。決勝戦の時は5倍になっているでしょうが、明日行われる準決勝までには3倍までが限界だと…」

オズボーン:「フッ、まあいい。できるならやってくれ」

クラーク:「かしこまりました」
クラークは、近くのパソコンを起動させて、システムの調整を行う。



オズボーン:『パンドラの箱復活はすぐそこまで来ている。前世紀に戻り、新たな社会を作るときが、もうすぐそこに…』
オズボーンがニヤッと笑う。








準々決勝が行われたとき日の夜。



早美はプールバーでカクテルを飲んでいた。


心を穏やかにしてくれる曲を聞き、近くに流れる人口滝の音を聞いて、静かに飲んでいていた。






???:「準決勝進出おめでとう」
一人の男性が声をかけてきた。


早美は声を聞いて、すぐに誰なのか分かった。

早美:「あなたは、いつも突然現れますね。ミスター名人」
早美が後ろを振り向き、声をかけた男性にそう言った。

声をかけてきたのは、デュエルバトルカーニバル選手権で2回連続優勝の成績を残し、殿堂入りしたチャンピオン・名人だった。


名人:「ミルクを一杯」
名人はミルクを1つ頼んだ。

早美:「飲まないんですか?」
カクテルを進めてくる早美。


名人:「仕事があってな。ゆっくりはしてられないんだ」
カクテルを飲まない理由を言った側から、バーテンダーが名人にミルクが入ったコップを持ってきてくれた。


名人:「デュエルバトルは楽しいか?」
そう言って、ミルクを飲む名人。

早美:「ええ、物凄く」
早美は笑みを浮かべながら、カクテルを飲んだ。


名人:「そうか」

早美:「あなたには、感謝しています。プロデュエリストリーグで、まったく活躍できなかった僕を、デュエルバトルに誘ってくれて」
早美は元プロデュエリストであった。

しかし、大会中まったく活躍できず、観客から大きな非難されたり、契約していた事務所からもよく解雇されていた。

そんな中、チャンピオン・名人と出会い、デュエルバトルを誘われてやり始めたのだ。


名人:「キミには、デュエルよりもデュエルバトルの方が素質があった。俺は、それを見極めただけだ」

早美:「聞こうと思っていたんですが、なぜ、僕にデュエルバトルの素質があると見極めたんですか?」

名人:「デュエルに負けても、君はずっと同じデッキで戦っていた。それだけ、そのデッキを大切にしているということだ。俺は、それに賭けたんだ。デュエルバトルで一番強い理由、それはモンスターとどれだけ強い絆で結ばれているかどうかだ。実際、君は準決勝まで勝ち上がった。それは、君とモンスターが強い絆で結ばれている証拠だ」

名人にそう言われ、早美はドラゴン・ナイトのカードが入ったデッキを手に取る。

早美:「こいつらは、俺が小さい頃からの友達ですから、特別な存在なんです」
デッキを見つめながら早美はそう言い、名人は「そうか」と呟いた。


名人:「だが、次の対戦相手は、今まで以上に手ごわいぞ」

早美:「わかっています。不動一星、大会中のバトルを見てわかります。彼も強い絆でモンスターと結ばれている。手加減をするつもりはありませんから」

名人:「フッ、一星をお手柔らかに頼むぞ」

早美:「ん?知り合いですか?」
一星のことをよく知っているような口ぶりだったので、早美はつい質問してしまった。

名人:「少しな」

早美:「不動一星とあなたの戦い方、どことなく似ていますよね。まさか、弟子とじゃないですよね?」
大会中の一星のバトルと、過去に名人とバトルした時のことを思い出しながら、早美は言った。

名人:「まさか、ただあいつもお前と同じ素質を持っているかもしれないことは認めている」

早美:「僕と同じ素質…」

名人はコップに入っているミルクを全て飲み干し、椅子から立ち上がる。

名人:「それじゃあ、俺は行く。明日のバトル悔いのないバトルにしろよ」
名人はそう言って、店を出た。


名人が店を出たことを確認した早美。


グラスに入っているカクテルを全て飲み干した。


そして、目を閉じる。










準決勝戦当日





MC:『さあ、準決勝の開始だ!』
MCの声が会場に響く。




既にデュエルバトルフィールドシステムの前に立つ早美。

目を閉じていた早美は、目を開けて、目の前に現れる一星を待つ。



MC:『準決勝1回戦目!バトルするのは、両者ともに、今大会初出場にして、ここまで勝ち残ってきたバトラーだ!ドラゴン・ナイトを駆使し、華麗なバトルを見せる早美竜男!そして、ジャンク・ヴィクトリーで、様々な戦いスタイルを見せる不動一星!!』
両者の名前を叫ぶMC。

丁度、一星が会場内に入ってきた。


今まで以上に真剣な目。

だが、その表情はバトルが楽しみでワクワクしているような表情であった。


一星はデュエルバトルフィールドシステムの前に立つ。


早美:「待っていたよ、不動一星。キミとのバトル楽しみにしてたよ」

一星:「フッ、俺も初めてあんたにそう言われて、バトルするのを楽しみしていた。一つ聞きたい。どうして、そこまで俺とのバトルを楽しみにする?」


早美:「キミのバトルの仕方は、僕にデュエルバトルを教えてくれた人によく似ているからね」

一星:「デュエルバトルを教えてくれた人?」

早美:「そ、このデュエルバトルカーニバル選手権で殿堂入りした人物、チャンピオン・名人にね」
早美の口から放たれた人物の名前。いや、名前ではなく、異名と言った方が正しいだろう。


一星:「チャンピオン・名人…。あんたも、世話になったのかあの人に」

早美:「その口振り、君もやっぱりチャンピオン・名人とは面識があるみたいだね」

一星:「少しだけさ。俺はあの人にもっと強くなれるためのヒントをもらっただけだ」
名人が自分にサイドオーバーのことを教えてくれた時のことを思い出す一星。


早美:「お互い、デュエルバトルで強くなれたのは名人のおかげということか。なら、あの人に教えられたもの同士、素晴らしいバトルをやろう。そして、どちらが強いかはっきりさせようじゃないか」
ターミナルペットを持って早美はそう言った。

一星:「望むところだ」
一星も手元にターミナルペットを持つ。






『field system standby』
デュエルバトルフィールドシステムが起動する。

『Terminal PET setup』
両者、ターミナルペットをデュエルバトルフィールドシステムにセットする。

『Review Terminal PET』
フィールドシステムが、ターミナルペットのセットを確認した。

『yuseiParticle Spread』
遊星粒子が散布され、フィールドを構築する。

『Stage ”Sky”』
今回の舞台は雲よりも高い、空だった。

『Monster Call!』
両者のモンスターがフィールド内に現れる。

一星のジャンク・ヴィクトリー。早美のドラゴン・ナイト。

空を飛ぶ両モンスターの間には火花が散っていた。



MC:『準決勝第1バトル!開始だ!!』


『DuelBattle START!!!』
バトルスタートのコールが鳴り響いたと同時に、会場に歓声が沸いた。


遂に準決勝バトルが開始する!




一星:「サポートカード!”ジャンク・ジェット・スラスター”!!」
ジャンク・ヴィクトリーの背中にジェット機についているノズルのようなものが装備され、ドラゴン・ナイトの周囲を高速移動する。


翻弄されるドラゴン・ナイト。

ジャンク・ヴィクトリーの動きを必死に追っていた。


早美:「やるね。大したスピードだ」
早美がジャンク・ヴィクトリーの動きに関心する。

ジャンク・ヴィクトリーがドラゴン・ナイトの懐に入る。


早美:「でも、所詮はガラクタの戦士。僕の竜の戦士には遠く及ばない!」
ドラゴン・ナイトが手に持つ剣を振り、ジャンク・ヴィクトリーの接近を封じた。


一星:「やはり、こんな単純な動きでは攻撃まで届かないか」

早美:「ぶつぶつ言っている暇はないんじゃない!」
早美がそう言うと、ドラゴン・ナイトが翼を羽ばたかせて、ジャンク・ヴィクトリーに接近する。


早美:「サポートカード!”サラマンダ・キャプティブ”!!」
ドラゴン・ナイトの身体の周りを炎が走る。

そして、その炎をジャンク・ヴィクトリーに向けて放ち、放った炎は形を変えて、檻のようになりジャンク・ヴィクトリーの動きを封じた。


一星:「動きを封じるサポートカード…!」

早美:「さあ、行け!ドラゴン・ナイト!!」
ドラゴン・ナイトの剣に炎が灯されていた。

炎が灯された剣で、炎の檻に拘束したジャンク・ヴィクトリーに攻撃する。



一星:「サポートカード!”ジャンク・ブロードアックス”!!」
ジャンクモンスター専用の斧を手に取るジャンク・ヴィクトリーが、ドラゴン・ナイトの剣を受け止めた。


早美:「ただ、受け止めただけじゃダメだよ!サラマンダ・リバインダ!!」
剣に灯されている炎が、いきなりジャンク・ヴィクトリーを包み込む。


一星:「ジャンク・ヴィクトリー!!」

早美:「まだまだ!」
調子が出てきた早美。さっきまで、ジャンク・ヴィクトリーを拘束していた炎までもが、ジャンク・ヴィクトリーを包み込む。


MC:「おおーっと!ドラゴン・ナイトをサポートして炎が一気にジャンク・ヴィクトリーを襲いにきた!この状況をどうする!?不動一星!」バトルの状況を見て実況するMC。





イェーガー:「変幻自在の炎ですか」

アキ:「炎を攻撃形態にしたり、相手の動きを封じたり、うまく操っているわ」

シェリー:「あの炎を何とかしないと、反撃はできないわね」


ラリー:「何とかしろ!一星!!」
一星にそう叫ぶラリー。



一星:「そんなこと、わかっています」
ラリーの声が届いていたのか、そう呟く一星。


ジャンク・ヴィクトリーはジャンク・ブロードアックスを両手で持ち、身体を回転させる。


すると、どうか。

炎は螺旋状の渦を巻き、そして最後はジャンク・ブロードアックスにそれらの炎が灯った。


早美:「炎を吸い込んだ…!いや操っているのか!」

一星:「ジャンク・ヴィクトリー!あいつの剣をへし折れ!」
炎が灯ったジャンク・ブロードアックスを大きく振り、ドラゴン・ナイトが持つ剣をへし折った。


MC:『なんと、ジャンク・ヴィクトリー!敵の炎を吸収、いやうまく操り自分の味方につけて、ドラゴン・ナイトの剣をへし折ったぞ!』
会場が盛り上がる。




早美:「やはり、君は僕を楽しませてくれる…!けどね、バトルはここからだよ!」



両者、一歩も譲らないバトルはまだ続く!


果たして、決勝戦へ進出するのはどちらなのか!!







第7ED『Last Moment《SPYAIR》』







次回予告

ナレーション:容赦譲らないバトルを繰り広げる一星と早美。

しかし、早美は今まで隠していた力を遂に発揮し、一星を窮地へと追い込む。

だが、早美の戦いに応えるかのように一星も、あの力を解放する!

同じ力を持つ者同士が、今ぶつかるとき、決勝進出への切符を手にするものが決まる!


一星:次回、遊戯王5DXAL「粒子を通して サイドオーバーVSサイドオーバー」


一星:「これが、最後の攻撃だ!早美!」




遊戯王5DXAL豆知識コーナー!!


一星:「デュエルモンスターズにはシンクロモンスターと呼ばれるエクストラデッキに入るモンスターが存在する。このシンクロモンスターは、チューナーというモンスター1体と、チューナー以外のモンスター1体以上を素材にすることで、フィールドにシンクロ召喚することができるんだ」
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