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第106話:『魔の剣に勝て!ライフ・ストリーム!』








クリブ:「安心してくれ、父さん。ノルマンディーカンパニーの、いやオズボーン・セーブルの秘密は、俺が暴く、絶対にだ」
第5回デュエルバトルカーニバル選手権の出場者の1人クリブ・パラサイトは、実の父親と電話していた。


クリブ:「それじゃあ、何か分かったら連絡する」
クリブは電話を切った。


クリブ:『親父の”パラサイトソフトウェア社”のライバル社ノルマンディーカンパニー。そこの社長が2代目オズボーン・セーブル。この男の秘密は絶対に俺が暴いて見せる』
拳を握るクリブ。

クリブ:『パラサイトソフトウェア社の経営のためにも、そして親父のためにも絶対に…』



パラサイトソフトウェア社

ノルマンディーカンパニー同様、ヨーロッパに本社を持つソフトウェア会社。


ノルマンディーカンパニー初代社長ノーマン・マグストのときは、共に企画を立てて様々な製品を作ってきた。

しかし、2代目社長オズボーン・セーブルになってからというもの、急遽契約が打ち切られ、いつの間にかライバル社へとなってしまった。

そのパラサイトソフトウェア社の社長の息子が、クリブ・パラサイト。

彼は、独自でノルマンディーカンパニーの情報を調べ上げ、オズボーンに秘密があることに目をつけて、父の承諾を得て、このデュエルバトルカーニバル選手権に出場し、ここまで辿り着くことができた。

大会中は、バトルに参加しながら、裏ではオズボーンの履歴などを調べていた。

しかし…。


クリブ:『頭脳派の社長、他の会社との接触を避けたあとの2年間、この大会の準備にずっと手を回していたようだが、そこまですることなのか。それに、平だった男がなぜ社長に…』
色々考えながら歩いていると、辺りが騒がしくなる。


救急隊員:「前、退いてください!急患通ります!」
台車を押す救急隊員たち。

台車の上には一人の男性が酸素マスクをつけて寝ていた。


クリブ:『あの男は、出場者のアリスター・イドロ。一体、何があったんだ?』
台車の上で倒れている男性の顔を見て、クリブは呟いた。


救急隊員たちは、会場の外に止めていた救急車に乗り込んだ。




一星:「すいません!自分も同行します!」
救急隊員たちを追って、同行を希望する一星を見て、クリブは、「こいつは大会に出場していた…」と呟く。


救急隊員:「わかりました。このまま、中央病院へ向かいます」

一星も救急車へ乗り込み、後ろの扉を閉め、救急車は中央病院へ向かって走らせた。


走り去った救急車を見るクリブ。


クリブ:『大会で何かが起きようとしているのか…?』
そう思ったクリブは、中央病院へと向かうのであった。








第7OP『二つの未来《黒田倫弘》』







第106話:『魔の剣に勝て!ライフ・ストリーム!』









アリスターが病院へ運ばれ、緊急処置が施された。


しかし、アリスターの意識が戻ることはなかった。




ベットに横たわるアリスター。


その近くに立つ一星。





数分前




先生:「力の限り、手は尽くしましたが、意識が戻ることはなかったです。脳などに異常は見られないですし、いずれ目は覚ますと思いますが、それがいつになるか…」


一星:「そうですか…」





数分前、一星は先生から、そういう話しを受けていた。


一星:『アリスター…、お前の身体に一体、何が起きたというんだ…』
ベットの上に眠るアリスターを見て呟く一星。




すると、部屋の扉がノックされ、部屋に人が入ってきた。


最初、一星は先生が入ってきたと思った。

だが、入ってきたのは…。


慎也:「よっ、大丈夫か?」

一星:「慎也さん…?」
フロンティアで沢山お世話になっている慎也だった。


なぜ、慎也さんがここにいるのか気になる一星。


だが、ことのあらすじを全て話した。

この人に言えば、色々と対応してくれるからだ。








慎也:「そうか、彼がサイファーの一員だったとはな」
アリスターの正体が大組織サイファーの一員だということを知った慎也。


一星:「サイファーは前から社長がオズボーンになってから目をつけていたそうです。アリスターはボスの命令で、この大会に出場し、会社の裏を暴こうとしていました」

慎也:「サイファーも、ノルマンディーカンパニーの裏の情報を持っていたか」

一星:「も、ってことは…」

慎也:「あぁ、フロンティアもノルマンディーカンパニーには目をつけていた。社長が変わってからな。だが、あまり動きがないから、百々原元帥は調査を打ち切ってしまったんだ。丁度、1年ぐらい前にな」
自分が所属するフロンティアもノルマンディーカンパニーを警戒していたことを知る一星。


一星:「サイファーが会社をマークするようになったのは1年前からとアリスターは言っていました」

慎也:「フロンティアとは入れ替わりになっていたか」


一星:「どうして、そこまで、あの会社を警戒するんですか?社長が変わり、他社との交流を避けているぐらいだというのに」
気になることを質問する一星。

慎也:「他社との交流がないことに問題があるんだ」

一星:「え?」

慎也:「ノルマンディーカンパニーは多くの分野で活躍する大手会社だ。下手したらデュエルモンスターズやゲームという分野に拘る海馬コーポレーションやインダストリアルイリュージョン社よりも大きな会社かもな。多くの分野で活躍するとなると、それは勿論、1社だけではどうにもならない。他社の力も借りることになる。だから、ノルマンディーカンパニーは多くの会社と連携していた。だが、初代社長が亡くなり、社長が変わると会社は一変。他社との連携が無くなることはおろか、トップの社員たちが外に出ることもほとんどなくなってしまった」

一星:「それは、この大会に力を入れるために情報をあまり漏らしたくなかったのでは?」

慎也:「俺たちも最初は、そう思った。だが、副社長のライナー・リッグが突如消息を絶ち、その考えをフロンティアの上層部は否定し、俺たちに調査の続行を命令したんだ。続行した結果、副社長の姿を見たものはいないが、会社そのものに動きがあるわけでもなかった」
副社長が姿を消した…。


そう言えば、アリスターも同じことを言っていた。

副社長が消え、会社のマークを続けていると…。


慎也:「1年前後でフロンティアは調査を中断し、任務からノルマンディーカンパニーのマークを外したんだ。だが、ノルマンディーカンパニー主催の大会で、こんなことがあったということは、フロンティア上層部も、再び調査の依頼をしてくるだろう」


一星:「慎也さん、俺はアリスターから変な殺気を感じました。まるで、何者かに囚われているような…」

慎也:「囚われている?」

一星:「それに、過去にも一度似たような殺気を感じたことがあるんです。デュエルバトルカーニバル選手権の最終予選セーブル・シックとのバトルの時。あの時も、同じです。奴は、何者かに囚われていた感じがしました」
最終予選のバトルを思い出す一星。


あの時、自分は左手を痛め、母親たちの手伝いの元、すぐに医務室に言ったが、ラリーさんの話によれば…。


慎也:「確か、バトル終了後、記憶を無くしていたと言っていたな」

一星:「えぇ、それに気になることはセーブルとアリスターが使っていたカード。バトル終了後、ターミナルペットから消えています」

一星の話しを聞いた慎也は顎に手を当てる。

慎也:「やはり、何かあるな。この大会の裏で何かが起きているとでもいうのか」

一星:「アリスターは、オズボーンが、この大会を利用して何かをしようとしていると考えていました」

慎也:「大会を利用して…」
慎也は少し前のことを思い出す。

慎也は少し前に、四大神王者No.3のスターリングと接触している。


殿堂入りチャンピオン・名人がスターリングなので、大会に来ていればいずれ会えると思い、みんなに内緒で大会に来ていた慎也。


慎也:『あの人も、何かを知っているのか』
難しい顔をする慎也。

その顔を見る一星。

一星:「慎也さん?」


慎也:「あ、ああ、このことに関しては、俺の方から上層部に伝えよう」

一星:「ですが…」

慎也:「次のバトルに勝てばベスト8だ。今は大会に集中しろ。何かあったら連絡する。いいな」
優しい笑みを浮かべながら慎也は一星に言った。


一星:「ありがとうございます。わかりました。後は、あなたにお願いします」
一星は礼をし、アリスターを見る。


一星:『お前が突き止めようとしていた真実、俺たちフロンティアが暴いて見せるからな』



しばらくして、2人は部屋を出た。


その扉の近くに立つ1人の男。

そう、クリブ・パラサイトである。

彼は、部屋の中にいた一星と慎也の話しを聞いていたのだ。


クリブ:『二つの大組織の関係者が大会に出場していたとはな。不動一星の方は、俺の次の対戦相手。勝つのは俺だぞ』
エレベーターに乗ろうとする一星を見るクリブ。


クリブ:『だが、大組織の連中がノルマンディーカンパニーの謎を突き止めるために動いていたとなると、やはりあの会社には、何かあるということだな。会場に戻って手掛かりを見つけるか』
クリブは大会が開かれている会場に向かった。





大会はまだ盛り上がっていた。



そんな中、クリブは関係者以外立ち入り禁止の中に入った。


警備員:「おい、君!そこは、関係者以外立ち入り禁止だぞ!」

クリブ:「警備って本当、邪魔だよな」
クリブは、その場から逃げる。


警備員:「おい!待て!エリアFに侵入者です!エリアFに侵入者です!」
クリブを捕えていた警備員が管理室に連絡し、管理室にいた警備員たち数人が外に出て、残ったメンバーで監視カメラを確認する。


監視カメラには堂々とクリブの姿が映っていた。


管理室警備員:「侵入者は、エリアFを逃走中。侵入者は、エリアFを逃走中です」
他の警備員たちに情報を伝え、クリブを追う警備員たちは廊下を走る。



侵入者が入ったことは、すぐにオズボーンの耳に入った。

オズボーン:「侵入者?」

クラーク:「はい、大会に出場しているクリブ・パラサイトです。彼の履歴を確認したところ、どうやらパラサイトソフトウェア社の社長の息子だそうです」

オズボーン:「どこかの野良犬と同じで、私を探りに来たのか?まあいい、利用できるなら利用するまでだ」
オズボーンは椅子から立ち上がる。





警備員から逃げるクリブ。

逃げた先に一人の警備員が出てきた。

警備員:「逃がさんぞ!」
警備員がクリブを止めようとするが、クリブは警備員の懐に入り、腹を殴り気絶させた。


安心する間もなく、警備員が追いかけてきた。


クリブは舌打ちをして再び走る。


内心逃げ切れないかもと思っていた。

しかし、目の前に見えた扉を開けて、クリブは中へ入った。


息切れをするクリブ。


部屋の中を見渡すが、カーテンも閉まっているし明かりもついていないので、あまりはっきりとは見えない。

カーテンを少しだけ開けて、窓の外を見る。



MC:『さあ、激しいバトルが続く、このバトル!勝つのはどっちだ!』
MCの実況が会場に響く。

窓の外に見えた光景は、今まさにデュエルバトルカーニバル選手権のバトルが行われている真っ最中の会場内だった。


そう、ここはいつもオズボーン社長がバトルを見ている特別な部屋だったのだ。


クリブ:「さて、ここからどうやって逃げ切るか考えないとな」
クリブはカーテンを閉めて呟いた。


???:「あなたが、そんなことを考える必要はありませんよ」
背後から聞こえた男性の声に動揺するクリブ。


クリブ:「誰だ!?」

クラーク:「あなたは、ここで私たち利用されるのですから」

クリブ:「何を言っている…?」

クラーク:「パラサイトソフトウェア社も我々の会社に目をつけていたとは驚きです」

クリブ:「お前、俺の正体を…!このぉ!」
暗い部屋の中、目の前にいるであろう男に殴りかかるクリブ。


だが、秘書クラークはその拳を躱し、逆にクリブの足を引っかけて床に転ばせた。

クリブ:「ぐっ」

クラーク:「新たな駒の誕生だ」
クラークは手に持つ1枚のカードの表面をクリブに向ける。

すると、突然カードが光出す。

クリブ:「なんだ!?」

クラーク:「さあ、”邪眼の魔剣ザビ・キラー”よ。その男を主と認め、闇の力を増幅せよ」
クラークが呪文のようなものを唱えると、クリブの周りに紫色のオーラが現れ、クリブを取り込む。

クリブ:「なんだ!?これ!や、やめろ!やめてくれ!うわああ!」
クリブはオーラに包み込まれ、そのまま床に倒れる。



オズボーン:「終わったか?」
突如、クリブの元に現れたオズボーン。

クラーク:「はい、たった今」
クラークがそう言うと、倒れていたクリブがそっと起き上がる。

オズボーン:「お前は今から悪魔の剣を手に入れた。その剣で私のために戦ってくれ」
オズボーンがそう言うと、クリブはその目をオズボーンに見せた。

一瞬赤く光った目。闇のオーラがまとわりついていた。


オズボーン:「警備員たちには、理由をつけて退避させろ」

クラーク:「かしこまりました」

オズボーン:『このまま利用させてもらおうぞ、不動一星。お前はダーク・ヘルケイター、魔界のデューザ・サイボーグに勝ってきた。次、戦う邪眼の魔剣ザビ・キラーには勝てるか、見せてもらおうか』
一星のことを思い出しながらオズボーンは心の中で呟いた。






2日後



MC:『さあ、皆さん!デュエルバトルカーニバル選手権の後半戦へと入ってきました!今日のバトルに勝てた者は準決勝へと進むことができます!そして、その準決勝進出をかけてバトルするのは、この2人!不動一星とクリブ・パラサイトだぁ!!』
2人の名前を大きく叫ぶ。


まずは一星が入場した。



龍可:「頑張って、一星!」


龍亜:「応援してるぞ!」
大きな声で一星を応援する龍亜。


だが、そんな声も今は一星の耳には入っていなかった。

2日前の出来事が気になっていたからだ。


謎のカードに取り込まれたアリスターは、今も意識不明の重体が続いている。

大会に集中しろと慎也さんに言われ、ノルマンディーカンパニーの秘密については慎也さんが調べてくれると言ってくれた。


一星:『お願いします、慎也さん。ノルマンディーカンパニーの秘密を解明してください』
そんなことを胸の中に仕舞い、一星はデュエルバトルフィールドシステムの前に立つ。


そして、クリブも会場内に入ってきた。


その目つきは、一星しか見ていなかった。

一星:「?」
クリブの目線に違和感を感じた一星。


クリブがデュエルバトルフィールドシステムの前に立った瞬間、とてつもない殺気が一星を襲った。


一星:『こ、この感じ…まさか、こいつも!』
クリブから放たれている殺気を身で感じ、動揺する一星。




MC:「さあ、決勝トーナメント!準々決勝!このバトルに勝って、準決勝へコマを進めるのはどっちなのか!それは、君たち二人のバトルの強さで決まる!熱いバトルを見せてくれえ!」
MCが大きな声で叫ぶと、会場は盛り上がった。





『field system standby』
デュエルバトルフィールドシステムが起動する。

『Terminal PET setup』
両者、ターミナルペットをデュエルバトルフィールドシステムにセットする。

『Review Terminal PET』
ターミナルペットのセットを確認したフィールドシステム。

『yuseiParticle Spread』
遊星粒子が散布され、フィールドを構築する。

『Stage ”Snow Mountain”』
今回のフィールドは雪山になった。

雪が降っており、見るだけで寒気が肌に感じてくる。

『Monster Call!』
両者のモンスターがフィールド内に現れる。

一星のジャンク・ヴィクトリー。

そして、クリブのモンスターは、今まで使用してきたモンスターから入れ替え、新たなモンスターを導入してきた。

鍔に赤い目がついた剣を2本持っており、肩や膝、肘、胸元にも無数の目がついている。

”邪眼の魔剣ザビ・キラー”。それがモンスターの名前だった。



天兵:「相手は、今まで使ってきたモンスターから入れ替えてきたみたいだね」
クリブのバトル履歴を見た天兵がザビ・キラーを見て言う。

エマリー:「なんか気味が悪いわね、あのモンスター」

パティ:「目がいっぱいついてて気持ち悪い」

龍亜:「どんなモンスターが来ようと一星は必ず勝つさ!」
一星の勝利を信じる龍亜。




一星:『あのモンスターから感じる、この感覚、やはり…』
ザビ・キラーを見て、一星は呟く。


『DuelBattle START!!!』
バトルスタートのコールが鳴った。



ザビ・キラーは2本の剣から斬撃をジャンク・ヴィクトリーに向かって放った。


一星:「サポートカード”シンクロ・バリアー”!」
ジャンク・ヴィクトリーの周りにバリアが張られ、ザビ・キラーの攻撃を防御した。

クリブ:「サポートカード”ブラッディ・ブレード”!」
クリブもサポートカードを使用し。、ザビ・キラーの手に血のように赤い刀身の剣が両手に握られた。

その剣を持ってジャンク・ヴィクトリーに接近する。


一星:「サポートカード”プレス・ダイバスター”、”ジャンク・シールド”!」
2枚のサポートカードを発動し、盾と大剣を手に持つジャンク・ヴィクトリーが、それらを使い、ザビ・キラーの2本の剣を受け止める。



一星:『やはり、このモンスターもダーク・ヘルケイターと魔界のデューザ・サイボーグと同じ…。なら、あのクリブと言う男は、このモンスターに操られている…!』

クリブ:「押せ!ザビ・キラー!!」

一星が色々考えていると、ザビ・キラーが力一杯にジャンク・ヴィクトリーを押す。

ジャンク・ヴィクトリーも踏ん張るが、見た目によらず力は物凄いものだった。


一星:「下がれ!ジャンク・ヴィクトリー!!」
一星の命令でジャンク・ヴィクトリーは一旦、後ろに下がる。





クリブ:「逃がしはしない。サポートカード”魔轟神レイヴン”!」
ザビ・キラーの横にモンスターが現れる。

しかもチューナーモンスターである魔轟神レイヴンであった。


一星:「チューナーモンスター…、まさか!」

クリブ:「絶望を見せろ!邪眼の魔剣ザビ・キラー!」
邪眼の魔剣ザビ・キラーに魔轟神レイヴンがチューニングされた。

クリブ:「悪魔を越えた存在。”邪眼の魔神王キラー・タイラント”!」
ボロボロの黒い羽に、紫色の長い髪。ザビ・キラー同様に肩や膝、肘、胸元にも目がついているが、その目つきは鋭い物であった。現れたモンスターは1本の大剣を持っていた。


ザビ・キラーが進化した姿、これが”邪眼の魔神王キラー・タイラント”である。



一星:「くっ、奴もシンクロモンスターを…!」
相手がチューナーを出してモンスターを進化させるのは予想外だった一星。




ラリー:「相手も、チューナーを出してモンスターを進化させてくるとはな」

鬼柳:「また君の悪いモンスターが現れたもんだ」

ジャック:「しかし、あのモンスターから放たれる殺気は普通ではない」

クロウ:「あぁ、強いて言えば、この間の”魔神デューザ・サタナキア”に似てるぜ」
この間、一星と戦ったアリスターが使用していた魔神デューザ・サタナキアのことを思い出すクロウ。


クロウ:「あのモンスターも相当、強い殺気を放っていた」

龍亜:「どんなモンスターが来ようが、一星だっていろんな形に進化できるジャンク・ヴィクトリーがいるんだ!絶対に勝てるさ!」
ずっと一星の勝利を信じる龍亜が言う。





クリブ:「消えろ!雑魚!」
キラー・タイラントの胸元の目からビームが放たれ、ジャンク・ヴィクトリーは急いで躱した。

キラー・タイラントが放った攻撃は、地面の雪を溶かし、大きな穴を空けた。


クリブ:「逃すかぁ!」
キラー・タイラントの猛攻撃が始まった。



一星:「ジャンク・ヴィクトリー!」
遊星粒子を通して、一星とジャンク・ヴィクトリーの意志が同調した。

サイドオーバーを発動し、キラー・タイラントの攻撃を全て躱そうという戦法だ。

キラー・タイラントから放たれた攻撃を躱し続けるジャンク・ヴィクトリー。

しかし、それは序盤のみで、次第にキラー・タイラントの攻撃が激しさを増し、ジャンク・ヴィクトリーに攻撃が当たる。


一星:「ぐわあああ!」
サイドオーバーにより、ジャンク・ヴィクトリーが受けているダメージは一星にも伝わってくる。


クリブ:「”イービルアイ・ブラスト”発動!」
サポートカードを発動したクリブ。

キラー・タイラントの身体中についている目が紫色に輝き、そこから一斉にビームを放った。

そのビームはジャンク・ヴィクトリーを襲う。

一星:「ぐわあああ!」
身体中に激痛が走る。


愛:「一星!」
一星を心配する愛がつい椅子から立ち上がって名前を叫んでしまった。



クリブ:「パンドラの箱、復活のために…邪魔者は消えろ!」
キラー・タイラントが身体中にエネルギーを溜める。

一星は沈黙していた。

一星:『闇に囚われた奴に負けるつもりはない。まだ行けるよなジャンク・ヴィクトリー!』
傷だらけの身体を引きずりながら、ジャンク・ヴィクトリーは高く飛び上がる。


一星:「”ライフ・ストリーム・チューナー”!」
4枚の羽根を持った黄色い身体の小さいドラゴンが現れる。

一星:「集いし勇気と力が、奇跡の光を生み出し、平和をもたらす!現れろ!」
ジャンク・ヴィクトリーとライフ・ストリーム・チューナーが一つになる。

一星:「”ジャンク・ヴィクトリー-ライフストリーム”」
ライフ・ストリーム・ドラゴンの力を受け継いだジャンク・ヴィクトリーが誕生した。



アキ:「あれは、もしかして…!」
アキが後ろにいる龍亜を見る。

龍亜:「ライフ・ストリーム・ドラゴンの力で勝てよ!一星!!」
自分が使うライフ・ストリーム・ドラゴンの力を受け継ぐジャンク・ヴィクトリーを見て、龍亜は少しだけ興奮して一星を応援する。



クリブ:「こけおどしが!」

一星:「こけおどしかどうかは、身体で感じろ!この力は、」
ジャンク・ヴィクトリー-ライフストリームの身体が虹色に輝く。

一星:「平和を手にする力だ!」

クリブ:「消えろぉぉ!」
身体中に溜めていたエネルギーを一気に放出し、放出したエネルギーは巨大な剣の形になり、キラー・タイラントはそれを纏い、ジャンク・ヴィクトリー-ライフストリームに向かって突っ込む。

対するジャンク・ヴィクトリー-ライフストリームも虹色に輝く身体からエネルギーが放出され、エネルギーは龍の姿になり、それを纏い、キラー・タイラントに突っ込む。

クリブ:「タイラント・グラディウゥース!!」

一星:「フリーデン・レインボー!!」
技名を叫び、両モンスターが衝突する。


両者の攻撃が衝突したことで、雪が積もり地面に地割れが入った。


『DuelBattle End! DuelBattle End!』
バトル終了のコールが鳴り響く。



両者の攻撃により、どちらのモンスターが倒れ、どちらのモンスターが立っているのかが確認できない。


しかし、そんな中、身体が虹色に輝くジャンク・ヴィクトリー-ライフストリームが上空に姿を現した。




MC:「第5回デュエルバトルカーニバル選手権準々決勝!勝ったのは、不動一星だあ!」
勝利した一星の名前を叫ぶMCであった。








第7ED『Last Moment《SPYAIR》』







次回予告

ナレーション:遂に、準決勝へと駒を進めた一星。

準決勝の相手は、”ドラゴン・ナイト”を使って、一星同様、準決勝まで勝ち進んだ男であった。

決勝へ進むのは果たしてどちらか…!

そして、ノルマンディーカンパニー社長オズボーンも新たな動きを見せていた…!


愛:次回、遊戯王5DXAL「準決勝!ガラクタ戦士VS竜の戦士」


愛:「気を引き締めなさいよ、一星!」
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