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第103話:『進化の果てに 勝利を手にするのは!』








「「スターダスト・タルナーダ!!!」」
両者が出した竜巻がぶつかり合い、雨が降っていたフィールドは天候を変えた。



雨はやみ、竜巻が衝突した上空は太陽の光が見え、地上を照らす。


深影:「なんて、攻撃なの!?」

ミスティ:「勝負は決まったの…!」

シェリー:「いえ…」

ミゾグチ:「判定は下されていない。ということは…」

どちらかが負けていれば、バトルエンドのコールが鳴るはず。だが、そのコールは、今だ聞こえない。

つまり、どちらもまだ…!


竜巻が消え、ジャンク・ヴィクトリーとワンショット・ナイトが現れた。

両者ともに体中に酷い傷を負っていた。


ラリー:「互角か。やっぱり、遊星の息子だぜ」

一星:「ラリーさんこそ、流石です。だが、バトルは…」


ラリー:「終わってねえ!」
ジャンク・ヴィクトリーとワンショット・ナイトが、額部分をぶつけあって、バトルを再開した。









第7OP『二つの未来《黒田倫弘》』








第103話:『進化の果てに 勝利を手にするのは!』







MC:『何と言うことだ!あんな激しい攻撃を衝突させたにも関わらず、ジャンク・ヴィクトリーもワンショット・ナイトも健在し、バトルを再開したぞ!!』
会場が盛り上がる。




アキ:「一星…」


愛:「片方は倒れると思ったけど、そうはならなかったわね」

エマリー:「ええ、むしろ、今の攻撃が、相手に対する宣戦布告にも見えたわね」

パティ:「2人とも、すごい…」
2人のバトルを見て、唖然とするパティだった。





ジャンク・ヴィクトリーとワンショット・ナイトは、武器を持たず拳でやり合っていた。


一星:『ラリーさん、こんなに楽しいバトル、俺は初めてです』
戦うジャンク・ヴィクトリーを見つめる一星。


一星:『ジャンク・ヴィクトリー、今だけは俺のわがままを聞いてくれ!』
心の中で呟く一星。楽しい表情だった。


その表情を見るラリー。


ラリー:『楽しいんだな、一星。俺も楽しいぜ。この大会で初めてだ。こんなに燃えるバトルをするのは!』
ラリーも嬉しそうな表情だった。



ラリー:「剣を取れ!ワンショット・ナイト!!」
地面に突き刺さる基本武装の大剣を手に取るワンショット・ナイト。


ラリー:「ワンショット・カッター!!!」
大剣から斬撃を放ち、ジャンク・ヴィクトリーに攻撃を仕掛ける。


一星:「飛べ!ジャンク・ヴィクトリー!!」
上高くジャンプするジャンク・ヴィクトリー。ワンショット・ナイトの攻撃を躱した。


一星:「そのまま、ワンショット・ナイトに攻撃だ!」
ジャンク・ヴィクトリーが拳を突き出し、ワンショット・ナイトの頬を殴った。

ワンショット・ナイトは、吹き飛ばされ、背後にあったビルにぶつかり、その衝撃でビルが倒壊する。



ラリー:「いい拳だぜ。こっちも反撃するぞ!」
ワンショット・ナイトが体勢を立て直し、手に持つ大剣をその場に突き刺した。



ラリー:「サポートカード!ワンショット・キャノン!」
2門のキャノン砲を持ったロボットがワンショット・ナイトの前に現れる。

ラリー:「更に、”ワンショット・ロングリボルバー”!!」
砲身が長い2丁のリボルバーを手に持ったワンショット・ナイト。


ラリー:「こいつから、逃げられるかな!」
ワンショット・ナイトは手に持つリボルバー2丁かた弾丸を発砲する。





一星:「よけろ!ジャンク・ヴィクトリー!!」
目の前から飛んでくる弾丸を躱すジャンク・ヴィクトリー。


だが、今の一瞬で、ワンショット・キャノンがジャンク・ヴィクトリーの背後に回っていた。


一星:「!!?」

ラリー:「ワンショット・ナイトだけに気を取られると、こうなるぜ!」

ワンショット・キャノンが2門のキャノン砲からビームを発射し、ジャンク・ヴィクトリーを襲う。


一星:「ジャンク・ヴィクトリー!?」
ジャンク・ヴィクトリーは、そのまま地面に倒れた。

しかし、すぐに立ち上がる。


一星:『ワンショット・ナイトの攻撃を躱せば、サポートカードのワンショット・キャノンが攻撃を仕掛けてくる。だとすれば…』
ワンショット・キャノンが攻撃を仕掛ける。

一星:「ジャンク・ジェット・スラスター!!」
スピード力を上げるサポートカードを使用し、ワンショット・キャノンの攻撃を躱す。

すると、ビルの陰に隠れていたワンショット・ナイトが姿を現し、2丁のリボルバーの砲口をジャンク・ヴィクトリーに向ける。


ラリー:「いただきだ!」
ワンショット・ナイトはリボルバーから弾丸を発砲した。


ジャンク・ヴィクトリーは、固い装甲をつけた腕で、その弾を受け止めた。


一星:「勿論、その逆もあるか」
ワンショット・キャノンの攻撃を躱した場合は、ワンショット・ナイトの攻撃が飛んでくる。当たり前のことだ。


四方から、ワンショット・ナイトが放った弾丸が飛んでくる。


下手に良ければ、隠れていたワンショット・キャノンが現れ、攻撃を仕掛けてくる。



ラリー:「現状、2対1のバトルだ!お前もサポートカードに入れているモンスターを出した方がいいんじゃねえか!一星!!」
ラリーが一星を挑発してくる。

攻撃は増すばかりだ。


MC:『ラリー・ドーソン、ワンショット・ナイトとワンショット・キャノンのチームワーク攻撃で、ジャンク・ヴィクトリーを圧倒しているぞ!さあ、不動一星、反撃することができるのか!』




ボマー:「息の合ったチームワークだ」

ミスティ:「伊達にデュエルバトルを続けているだけのことはあるわね」

シェリー:「さあ、一星は、どう出てくるかしら」
一星の行動を楽しみにするシェリー。

スライも一星のジャンク・ヴィクトリーを見つめる。




一星:「くっ」
街の建物をうまく利用して、隠れながら攻撃を仕掛けるワンショット・ナイトとワンショット・キャノンの攻撃に苦戦する一星。


一星:「なんとか、チャンスを作れば!」
一星も建物の陰に入る。


ラリー:「隠れたか。だが、すぐに見つけてやるぜ」
ワンショット・ナイトも、建物の陰に隠れてジャンク・ヴィクトリーの捜索をする。


そして、ワンショット・キャノンは上空からジャンク・ヴィクトリーの捜索を行った。



ラリー:「さあ、どこにいる」
フィールドをきょろきょろ見るラリー。


すると、その時一部の場所がキラッと一瞬光った。


ラリー:「そこだ!」
ワンショット・キャノンは、光った場所を攻撃した。


ラリー:「フッ」
打ち倒したことを確証したのか笑ったラリー。

だが…。

ラリー:「…何!?」
つい驚いてしまったラリー。

さっき一瞬光ったのは、ジャンク・ヴィクトリーの専用武器プレス・ダイバスターだった。


さっきの激しい衝突の末、ワンショット・ナイトの基本武装の大剣と同じで地面に突き刺さっていたのだ。


そして、別方向からビームが飛び、ワンショット・キャノンを破壊した。


ラリー:「ワンショット・キャノン!!」
ワンショット・キャノンが破壊されたことに驚くラリー。

そして、ラリーが油断している、一瞬をついてきた一星。

ジャンク・ヴィクトリーがいつの間にハイソリッド・ユニゾン・ランチャーを持ち、ワンショット・ナイトの頭上に現れていた。


一星:「もらいましたよ!ラリーさん!!」
ハイソリッド・ユニゾン・ランチャーのチャージは既に完了していた。

一星:「ハイソリッド・ユニゾン・ランチャー!シュー!」
ハイソリッド・ユニゾン・ランチャーから特大のビームをぶっ放し、ワンショット・ナイトを襲う。

当たりが大爆発を起こした。


MC:「なんと、不動一星!あの状況から巻き返したぞ!!勝負あったかー!!」
一星の勝利を少しだけ確信したMC。



だが、いまだにバトルエンドのコールは出ない。



一星:「……」



ラリー:「サポートカード”ワンショット・エヴォリューション”」
小さい声でそう呟いたラリー。


爆炎が舞う、その奥からとてつもない気迫が放たれた。


一星:「!?」
その気迫はデュエリストである一星にも伝わった。




ラリー:「まさか、こんなところで使うことになるとはな」
爆炎が徐々に消え、ワンショット・ナイトの姿が見えてくる。


いや、既にその姿はさっきまでのワンショット・ナイトと異なっていた。


一星:「こいつは…」


ラリー:「決勝まで隠すつもりだった、この姿で!」
進化したワンショット・ナイトが姿を現す。

ラリー:「”ワンショット・ハイランダー”!」
白と黄、青の3色の鎧を身に纏う機械戦士が現れた。



ラリー:「モンスターを進化させられるのは、お前だけじゃねえ。俺のワンショット・ナイトも真の姿を持っているのさ!」


一星:「隠し玉ということか…!」
まさか、ワンショット・ナイトが進化するとは思わなかった一星。動揺してしまう。


MC:「ワンショット・ナイト、まさかのエヴォリューション!バトルは、ここからが本番だああ!!」
「おおお!」と会場は凄い歓声だった。



タカ:「あの野郎、まさかワンショット・ナイトを進化させるとはな!」

ボブ:「本気の本気ということか」
突如現れたワンショット・ハイランダーに驚くタカとボブ。


イェーガー:「バトルはまだまだ続くのですね!!」
いきなり顔を出したイェーガーに周りのみんなが驚く。


天兵:「うわっ!!」

クロウ:「イェーガー!てめぇ、またいつからそこに!!」

イェーガー:「勿論、今です。仕事を終わらせてきたので、そちらのお二方と一緒に」
とイェーガーが手を差し伸べた方には…。



ナーヴ:「マーサ!?シュミット先生!?二人も来たのか?」


マーサ:「ええ、せっかくだし二人のバトルを見ようと思ってね」

シュミット:「それでどちらが勝っているんだい?」
バトルの状況が気になるシュミット。



ナーヴ:「さっきまでは、両者譲らないバトルをしていましたが、おそらく今…」
ナーヴは思っていたことを口にしようとしたが、最後まで口に出す前に、ラリーが動いた。




ラリー:「ワンショット・ハイランダー!ジャンク・ヴィクトリーを斬り倒せ!」
背中に背負う大剣を抜き、ジャンク・ヴィクトリーに接近する。


一星:「躱せ!ジャンク・ヴィクトリー!!」
接近してきたワンショット・ハイランダーが振り下ろす大剣を交わすジャンク・ヴィクトリー。


しかし、ワンショット・ナイトの時よりも、攻撃スピードが速いことに一星は気付いていた。


一星:「姿が変わって、攻撃スピードが速くなっている!?」


ラリー:「見た目だけが変わったと思うなよ!中身だって変わってるんだ!!」
ワンショット・ハイランダーは右手首についている中距離射撃の火器から弾を発射し、ジャンク・ヴィクトリーを襲う。



一星:「くっ!」


ラリー:「バトルロイヤルの時みたいにレッド・デーモンズ・チューナーを出して、進化したら、どうだ!」
挑発するような口調でラリーは一斉に言葉をぶつける。



一星:「あなたの挑発には乗らないですよ!ラリーさん!!」
ジャンク・ヴィクトリーが、ワンショット・ハイランダーに攻撃を仕掛ける。


一星:「行くぞ!ジャンク・ヴィクトリー!!」
遊星粒子を通して、ジャンク・ヴィクトリーと同調する一星。

サイドオーバー発動!


ワンショット・ハイランダーも、攻撃を仕掛けるために、ジャンク・ヴィクトリーの懐に回り込んだ。



ラリー:「もらった!!」
この間合いじゃ躱せない。

そう思ったラリー。ワンショット・ハイランダーはジャンク・ヴィクトリーにトドメを刺そうとする。


しかし、ジャンク・ヴィクトリーは、物凄い反応速度を見せ、その攻撃をかわした。


ラリー:「何!?」


一星:「今の俺とお前は一心同体だ!行くぞ!ジャンク・ヴィクトリー!!」
ジャンク・ヴィクトリーの手に武器はない。


体当たりでワンショット・ハイランダーに突進する。


ワンショット・ハイランダーは押し飛ばされ、ビルの壁に激突する。


ラリー:「何だ…?ジャンク・ヴィクトリーの動きがさっきと違う…?」
ジャンク・ヴィクトリーの動きに違和感を感じたラリー。







一星とラリーのバトルを映像から見ているチャンピオン・名人。



名人:「あいつから話しは聞いていたが、モノにしたようだな。サイドオーバーを」
名人は映像に映る一星を見て呟いた。





ラリー:「何が起きたか知らないけど、動きが変わったなら対応するまでだ!」
ワンショット・ハイランダーは右手首の火器から弾を放つ。


ジャンク・ヴィクトリーは、建物をうまく利用して、ワンショット・ハイランダーの攻撃を躱す。



2体が戦っている間、フィールドは再び、雲行きが怪しくなり、雨が降りそうな天候になった。



一星:「行くぞ!ジャンク・ヴィクトリー!!」
ジャンク・ヴィクトリーは、隙を見てワンショット・ハイランダーと距離を縮める。


ワンショット・ハイランダーは手に持つ大剣を振り、ジャンク・ヴィクトリーを倒そうとするが、サイドオーバーで一星と同調しているジャンク・ヴィクトリーの動きはさっきよりも早くなっている。

ワンショット・ハイランダーの攻撃は、簡単に躱され、背後に回れた。

しかし、ワンショット・ハイランダーは右手首の火器の砲口をすかさずジャンク・ヴィクトリーに向けて、弾を発砲した。


一星:「な!」

ラリー:「お前の動きがどれだけ変わろうと、俺はその動きについていく。俺は、お前にデュエルバトルを教えた、デュエルバトルバカだからな!」
ワンショット・ハイランダーは更に弾を発砲し、ジャンク・ヴィクトリーを襲う。



ジャンク・ヴィクトリーの周りに白煙が舞う。




空がピカッと光る。


天候が悪くなり、雷が発生したのだ。



ラリー:「俺の勝ちだ!一星!!」
勝利宣言をしたラリー。どう見ても、自分の勝ちだと言い張ったラリー。



しかし、一星の表情は変わることはない。


一星:「いえ、まだです。俺には、まだ2枚のサポートカードが残っています」
白煙の内側から風圧が襲いかかり、周りに舞っていた白煙が消えた。



ラリー:「進化…。だが、レッドデーモンズの姿じゃない…!!?」
目の前に現れたジャンク・ヴィクトリーは、バトルロイヤルの時とは違った姿をしていた。


一星:「サポートカード。チューナーモンスター”ブラックフェザー・チューナー”。集いし思いの翼が、旋風となって、空へと舞い上がる!その姿こそ、この”ジャンク・ヴィクトリー-ブラックフェザー”!」
黒い鎧を身に纏うブラックフェザードラゴンの力を受け継いだジャンク・ヴィクトリーが姿を現す。




クロウ:「レッドデーモンズドラゴンだけじゃなく、俺のブラックフェザードラゴンを模した姿にもなれるのか!!」
自分のエースモンスターとも言えるブラックフェザードラゴンの力を取り込んだジャンク・ヴィクトリーを見て驚くクロウ。


シェリー:「何となく予想はしていたけど」

龍可:「シグナーの龍の力を持つジャンク・ヴィクトリー。そして、シグナーのドラゴンは全部で6体」

スライ:「つまり、ジャンク・ヴィクトリーは…」

鬼柳:「6形態の姿になることができるということか」
レッドデーモンズ・ドラゴン、ブラックフェザー・ドラゴン、エンシェントフェアリー・ドラゴン、ライフストリーム・ドラゴン、ブラックローズ・ドラゴン、そしてスターダスト・ドラゴン。

これらシグナーのドラゴンの力を模した姿になれるなら全部で6形態になれると、みんなは予想した。



そして、2体が戦うフィールドに再び雨が降る。


ジャンク・ヴィクトリー-ブラックフェザーとワンショット・ハイランダーの身体に雨が流れる。


一星:「黒い疾風の力を手にした、お前の力、見せてやれ!!」


ラリー:「望むところ!サポートカード”ワンショット・フルランチャー”!!」
ランチャー砲を手に持つワンショット・ハイランダーが、砲口からビームを放った。


一星:「ドレイン・オーラ!!」
ジャンク・ヴィクトリー-ブラックフェザーの周りにオーラが纏われ、そのオーラがビームを吸収した。


ラリー:「ビームを吸収した!?」

一星:「ブラックフェザー・ドラゴンの力を持っているんだ!それに、こんなこともできる!!」
オーラの色が変化し、そのオーラからワンショット・ハイランダーがランチャー砲から放ったビームと同じものが飛び出てきた。


ワンショット・ハイランダーはギリギリで、それを躱す。


ラリー:「なるほど、だったら一斉攻撃だ!」
ワンショット・ハイランダーは、背中に背負っていた大剣をジャンク・ヴィクトリー-ブラックフェザー・に向けて投げ飛ばした。

大剣は、ジャンク・ヴィクトリー-ブラックフェザーの周りを囲うオーラと接触する。

流石に物理的なものは吸収できないようだ。

大剣は、そのオーラを破壊した。




ランチャー砲にエネルギーを溜めるワンショット・ハイランダー。

それを見た一星が「フッ」と笑った。その笑みは楽しそうな表情だった。


一星:「なら、俺もあなたの攻撃に応えます!!」
黒い数枚の翼がジャンク・ヴィクトリーの背後で広がる。



両手を挙げ、エネルギーを溜めて、大きなエネルギー体を生成する。


ラリー:「ガニアン・フルバースト!!」
ワンショット・フルランチャーから特大のビームを放った。


一星:「ブラック・フウァールウインド!!!」
両手で生成した大きなエネルギー体を飛ばし、そこから巨大なつむじ風を発生させて、ワンショット・ハイランダーが放った攻撃にぶつける。


2体の攻撃がぶつかり合った影響で、近くにある建物は崩壊する。


ラリー:「うおおおお!」


一星:「うおおおおお!」
どちらとも譲らない攻撃。


この攻撃に勝利するという気持ちが込められているのが、会場のみんなにもわかる。



譲らない攻撃が続く中だが、ジャンク・ヴィクトリー-ブラックフェザーの攻撃が押してきた。


ラリー:「っ!」


一星:「終わりです!ラリーさん!!」


ラリー:「まだだ!”ワンショット・ブースター”!!」
最後のサポートカードを使用したラリー。

ワンショット・ブースターがジャンク・ヴィクトリー-ブラックフェザーに特攻を仕掛けてきた。


一星:「!!」

ラリー:「最後の最後まで諦めない!そうだろ!一星!!」
ジャンク・ヴィクトリー-ブラックフェザーには、ワンショット・ブースターが特攻し、ワンショット・ハイランダーにはジャンク・ヴィクトリー-ブラックフェザーが放った攻撃が当たり、爆炎が周りを襲った。



MC:「なななんとー!相打ちだ!!両者ともに、最後の力を振り絞って相手に大ダメージを与えたぞ!果たして勝つのはどっちだ!!」
緊張感がある中MCは実況を続けた。



爆炎が晴れ、まずはワンショット・ハイランダーの姿が見えた。

身体中、傷だらけ、しかしそんな身体でも立っていた。

ラリーはジャンク・ヴィクトリー-ブラックフェザーの姿を確認する。

ラリー:「勝った……と思ったが、サポートカードを使うタイミングを間違えたな」
少しだけ笑いながら呟くラリー。


ジャンク・ヴィクトリー-ブラックフェザーの姿は見えなかった。いや、見えないのだ。


なぜなら、あるものがジャンク・ヴィクトリー-ブラックフェザーを守っていたからだ。

ラリー:「最後のサポートカードは”エトワール・ローズ・ドラゴン”だったか」
エトワール・ローズ・ドラゴンがジャンク・ヴィクトリー-ブラックフェザーを守っていたのだ。


そして、ワンショット・ハイランダーは雨の中、地面に倒れた。



『DuelBattle End! DuelBattle End!』


MC:「けっちゃーく!!勝者!不動いっせーい!!」
勝者の名前を叫ぶMC。会場に歓声が沸く。

ラリーは一星の元へ近寄る。


ラリー:「負けたよ、一星」

一星:「ラリーさん」

ラリー:「俺の分まで、頑張ってくれ」
握手を求めるラリーに一星は応えた。

一星:「はい、あなたの気持ち、確かに受け取りました」

MC:「2人の熱いバトルに、皆さん拍手をお願いします!」

会場に拍手が響く。

2人の戦いは、第5回デュエルバトルカーニバル選手権の歴史の一つに残るであろう。







バトルが終わり、ラリーは一人、会場の外で落ち込んでいた。


そこに、ナーヴとブリッツ、タカが来た。


ブリッツ:「ここにいたのかよ、お前」
ブリッツが声をかける。

ラリーは自分の顔を、みんなに見せず、後ろを振り向く。


タカ:「かっこよかったぜ、お前。いいバトル見せてもらったよ」
励ましの言葉を送るタカ。


ナーヴ:「デュエルバトルを教えたばっかしの一星に負けて悔しい気持ちはわかる。今回は負けちまったけど、また次頑張ればいいさ。そうだろう?」
ナーヴが問いかける。

ラリーは、涙目をナーヴたちに見せる。

目をこすり、涙を拭く。


ラリー:「そうだな…。これで終わったわけじゃない。またバトルして勝てばいいんだよな」
ラリーの顔を見て、安心したナーヴたち。


ブリッツ:「次からは一星の応援だな」

ラリー:「ああ、一星には俺の分まで頑張ってもらわないとな」
ラリーがそう言うと、会場内が「うおおおお」と騒がしくなる。


タカ:「ん?」

ナーヴ:「どうやら、今やっているバトルも終わりそうだな」
ナーヴはそう言い、4人は会場へ戻る。




『DuelBattle End! DuelBattle End!』
バトル終了のコールが鳴り響く。


会場にいるみんなは、呆然としていた。



ナーヴたちは、みんながいる場所に戻る。


ナーヴ:「バトルはどうなった?」
ナーヴが天兵に聞く。


天兵:「ま、負けたよ」

タカ:「え?」

ブリッツ:「負けた?」

天兵:「うん。第3回デュエルバトルカーニバル選手権優勝者トゥームス・レベリックが、負けたんだよ」
過去の大会の優勝者の敗北。

それが、会場内にいるみんなを呆然とさせていた理由だった。



一星:「相手は、今大会初出場アリスター・イドロ」
一星はトゥームス・レベリックの対戦していた相手の顔を見て呟いた。







第7ED『Last Moment《SPYAIR》』








次回予告

ナレーション:優勝候補トゥームス・レベリックの敗北。予想外の出来事に開いた口が閉じない観客たち。

そして、一星の前にトゥームス・レベリックに勝ったアリスター・イドロが現れる。

しかし、アリスターから語られることに一星は息を飲んでしまった。


一星:次回、遊戯王5DXAL「ノルマンディーカンパニーの陰」

一星:「それがノルマンディーカンパニーの闇…」





遊戯王5DXAL豆知識コーナー!!


ラリー:「ついに、俺のワンショット・ナイトは、ワンショット・ハイランダーへと進化したぜ。と言っても、バトルは負けちまったけどな。一星、俺の分まで頑張ってくれよな!」
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