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第94話:『襲いかかる阿修羅の魔剣』







道を歩く一人の男。


その男はいきなり、その場に止まり、店のテレビを見た。



アナウンサー:『…ここ最近、相次いで起きていた殺傷事件、10人目の被害者が出てしまいました』
そう言うアナウンサー。


刺された人の名前がテレビに表示される。


更に、「重傷」という字も書かれていた。


アナウンサー:『この事件は、素手に3人の死亡者を出しており、警察も行方を追っていますが、犯人は依然見つからないままです』



テレビを見ていた男が、その場から立ち去った。









第6OP『ハートウェーブ《福圓美里》』








第94話:『襲いかかる阿修羅の魔剣』








デュエルバトルが開幕して3日目。



一星と共に出場しているラリーの1回戦目が行われていた。



相手は”ジェネティック・ワーウルフ”を使う選手だった。


相手はサポートカードを使いジェネティック・ワーウルフを強化し、ラリーのワンショット・ナイトに特攻する。


ラリー:「俺にそんなセオリーな攻撃は通用しないぜ!」
ラリーがそう言うと、ワンショット・ナイトが、こちらに接近するジェネティック・ワーウルフに向かって駆ける。


ラリー:「ダブルサポートカード!”ワンショット・ファイア”!”メタル化・魔法反射装甲”!」
ワンショット・ナイトの右手がバーナーのような筒状になり、そこから炎を吹き出す。

更に、メタル化・魔法反射装甲の力によって、身体中がメタル化した。



ラリー:「行くぜ!メタル・バーナー・ウェーブ!!」

右手のバーナーから吹き出す炎はまるで剣のように鋭い刃物のような姿になり、そのままジェネティック・ワーウルフを斬り裂いた。





『DuelBattle End! DuelBattle End!』




MC:「勝負ありー!勝者はラリー・ドーソン!!」
勝者の名前を読み上げるMC。


会場が盛り上がる。


ラリー:「よっしゃー!」
勝ち上がったラリーは喜んだ。




クロウ:「ラリーの奴、何とか勝ち上がったな」

アキ:「これで全員が1回ずつバトルしたことになるわね」


一星やラリーたちが出場している予選はリーグ戦。つまり、負けたところで、そこで終わりではない。

数回戦い、より多く勝利を手にした上位数人が、決勝トーナメントに勝ち上がれる。



MC:『選手の皆さん!そして、会場の皆さん!注目だ!明日からの対戦表が決まったぞ!』
MCが巨大な画面に指を指す。


みんな、巨大な画面に目線をやる。



大きな画面に対戦表が映った。


ラリー:「へえ、また、強そうな相手だな」
ラリーは自分の対戦相手の顔を見て呟いた。



一星:「俺の相手は…ん?」
一星は自分の対戦相手を見た。


対戦相手の名前はベンジャミ・アレン。サングラスをかけており、素顔が見えていなかった。







愛:「一星の次の相手、サングラスかけてるけど、何となく顔、厳つくない?」

パティ:「素顔隠して、何か嫌な感じ」
巨大な画面に映るベンジャミ・アレンの写真を見てぶつぶつ言い出す2人。






一星はきょろきょろ見渡す。



一星:『次の対戦相手の姿が見当たらないな』
ベンジャミを捜す一星だが、当本人は一星の近くにいなかった。






その頃、ベンジャミは会場の外で空を見ていた。



ベンジャミ:「はあ、俺、何やってんだろうな」
溜息をつけながら、そう語り出すヘンジャミ。



ベンジャミ:「飯でも食いに行くか」
ズボンのポケットに手を入れて歩くヘンジャミ。


その姿は、まるでやる気がない姿だった。













会場内のとある部屋




オズボーン:「大会は盛り上がっているみたいだな」

クラーク:「はい、明日から2周目に入ります」


オズボーン:「フロンティアから2名出場していたな。奴らはどうだ?」

クラーク:「両名とも1回戦目は勝ち抜いています」
そう言って、クラークは対戦時の動画が映るタブレットをオズボーンに渡す。


オズボーン:「不動一星の敵は、前大会の準優勝のシルクだったのか。よく勝てたものだ」

クラーク:「社長、えらくフロンティアから出場している2人を気になさるのですね」

オズボーン:「あの大組織の一つから出場している連中だ。以外とやる奴らだと思ってな」
椅子に座るオズボーンは足を組む。


クラーク:「例のカードはどうします?この2人に使わせてみますか?」

オズボーン:「そうだな」
クラークの問いに考えるオズボーン。


目を瞑ってまで考え、十数秒後に答えを出した。


オズボーン:「いや、やめておこう。フロンティアから来ている連中だ。会場に仲間たちが必ずいるはずだ。もし、2人に渡して何かあった時に回収されたら、こちらには打つ手がないからな」

クラーク:「なるほど、考えますね、社長」

オズボーン:「伊達に社長やってないからな。あはははは」
オズボーンは嬉しくなって高笑いする。




オズボーン:「だが、かと言って、そのまま何事もないのに大会を終わらせるのは勿体ないな。せめて、あのカードを持つ選手たちを奴らにぶつけるようにしよう。できるな?」

クラーク:「勿論です。少々お時間を頂ければ」

オズボーン:「クラーク、君はやっぱり頼もしいな」

クラーク:「勿体ないお言葉をありがとうございます。ところで社長、不動一星の次の対戦相手なんですが」

オズボーン:「ん?確か、ベンジャミとか言う男だったな。サングラスをかけた」

クラーク:「はい、本名ベンジャミ・アレン。今大会初出場となる選手なんですが」
クラークはベンジャミの経歴が表記されている資料をオズボーンに渡す。


オズボーン:「この男がどうかしたのか?」

クラーク:「経歴をご覧ください。かなり黒歴史をお持ちの男みたいで…」

オズボーン:「問題児ってやつだな。殺人、窃盗、拉致。いろんな犯罪を犯しているな。よくもまあ、こんな歴史を持っているのに、この大会に出ようと思ったな。気晴らしか?それとも金か?いずれにせよ、只者じゃないな」

クラーク:「社長言う通りです。今朝の新聞の記事です」
タブレットに今朝の新聞の記事を映す。



それは、最近よくニュースでも取り上げられている傷の内容だった。


数か月前からよく起きている連続殺傷事件の記事だった。


死亡者も3人ほど出ているという話しを聞いている。





オズボーン:「別の意味で、会場が盛り上がりそうだな」
少し前からテーブルに置かれているグラスを手に持ち、その中に入っているワインを飲む。












一星対ベンジャミの試合が行われる早朝



一星とラリーはフロンティアにあるデュエルバトルフィールドシステムで、特訓をしていた。



ラリー:「行け!ワンショット・ナイト!!」


一星:「ハイソリッド・ユニゾン・ランチャー!ファイア!」
ジャンク・ヴィクトリーが手に持っているハイソリッド・ユニゾン・ランチャーからビームを放つ。


ワンショット・ナイトは躱すも若干、ビームが身体に当たり体制を崩す。


ラリー:「やるね」

一星:「ラリーさんこそ」
目を合わせながら互いに褒める。






2人のバトルを見ている牛尾と雑賀、マーサとシュミット。


牛尾:「朝からよくやるよ、あの二人」

雑賀:「それだけ気合が入っているってことだ」

シュミット:「若いって素晴らしいものだ」
2人の若さが羨ましそうにシュミットは口にした。


マーサ:「ほーら、2人ともそこまでにして、ご飯の時間だよ」
マーサが手をパンパン叩きながら、2人の特訓を止める。


ラリー:「一星、ここまでにしてご飯にしようぜ」

一星:「そうですね」

ラリー:「今日の試合、負けんじゃねえぞ」

一星:「はい、ラリーさんこそ」

ラリー:「当然だろ!」
ニヒッと笑うラリー。











第5回デュエルバトルカーニバル選手権の会場





そして、時間になった。一星VSベンジャミの対戦が、今始まろうとする。



MC:「さあ!次の対戦は不動一星対ベンジャミ・アレンのバトルだ!!」
相変わらずマイクに向かって、大きな声でしゃべりながら、会場を盛り上げるMC。


デュエルバトルフィールドシステムを挟んで向かい合いながら立つ2人。


一星:『なんだ?この人?』
ベンジャミを見て一星は思った。

全然、やる気がないような姿をしていたからだ。





アキ:「何、あの人」

シェリー:「やる気の無さもろに出ているわね」

ミゾグチ:「あのような男が大会に出ているのですか」
シェリーの隣にいたミゾグチが口を開き、クロウが驚く。


クロウ:「のわっ!ミゾグチ!アンタ、いつから!?」

ミゾグチ:「最初からいました」

クロウ:「昨日までは来ていなかっただろう」

ミゾグチ:「慎也殿と哲平殿のお手伝いをしていたもので」

クロウ:「そ、そうか」
ミゾグチを答えに、そう答えるしかなかったクロウ。






ベンジャミを見るなり、一星は口を開いた。


一星:「ベンジャミとか言ったか?あんた、何のために大会に出たんだ?」

ベンジャミ:「あ?なんでそんなこと聞くんだ?」

一星:「アンタからはやる気が感じられない。ただそれだけだ」

ベンジャミ:「はあ、確かに俺は好き好んで大会に出たわけじゃねえ。こんなカードゲームなんざに興味はねえよ。大会に出たのは気まぐれであり、そして賞金がほしかったからでもある」

一星:「お金目当てってことか?」

ベンジャミ:「所詮、世界は金で動いているものだ。金さえあれば、何でもできる。どうだ?お前も、こんなカードゲームなんざやめて、金で遊ばねえか?」
ベンジャミが一星に問いかける。

勿論、一星の答えは…!

一星:「断る!俺は、理由があって、この大会に出ているんだ。デュエルバトルの楽しさを、その身で味わう楽しみを実感するって言うな」

ベンジャミ:「生ぬるいな。勝利を勝ち取るのは俺だ。お前の勝利はない」
ターミナルペットを手に持つベンジャミ。





『field system standby』
デュエルバトルフィールドシステムが起動する。

『Terminal PET setup』
両者、ターミナルペットをデュエルバトルフィールドシステムにセットする。

『Review Terminal PET』
ターミナルペットがセットされたことを確認。

『yuseiParticle Spread』
フィールド内に遊星粒子が散布され、フィールドが構築される。

『Stage ”Desert”』
フィールドは砂漠だった。

『Monster Call!』
両者のモンスターがフィールドに召喚される。


一星は、勿論ジャンク・ヴィクトリー。

そして、ベンジャミは6本の腕を持ちその手に剣を持つ”ガルマソード”だった。

『DuelBattle START!!!』



MC:『バトル開始だ!』
2体のモンスターが行動を開始する。






龍亜:「一星の相手、ベンジャミだっけ?前の試合、結果はどうなってんだ?」
隣にいる天兵に聞く龍亜。

天兵:「うん、勝ってるよ。圧勝みたい」
その言葉を言った瞬間、天兵の顔が少し暗くなる。


ボブ:「どうした?」
天兵の顔を覗いたボブが聞く。

天兵:「あの人の前のバトルの動画をさっき少し見たんだ」

龍可:「それで、どうだったの?」

天兵:「バトルってもんじゃないよ。だって、相手のモンスターをあんな惨い倒し方するなんて。あれじゃあまるで殺人だ」
動画を見たときの思いを、そのまま口にする天兵。

愛:「あの人、何かありそうね」
ベンジャミには何か裏がある。そう思った愛であった。




一星:「最初から飛ばしていく!”ハイソリッド・ユニゾン・ランチャー”!!」
一星が初手から強力なサポートカードを使用する。

ジャンク・ヴィクトリーはランチャー砲を手に持ち構える。


その場から動かないガルマソード。


一星:『受けて立つ気か…!』
ベンジャミの目を見て、そう思った一星。






ジャック:「敵は一星のジャンク・ヴィクトリーの攻撃に受けて立つ気のようだな」

鬼柳:「それだけ自信があるということか?」
ジャックたちも一星と同じ考えをしていた。





ハイソリッド・ユニゾン・ランチャーにエネルギーを溜めるジャンク・ヴィクトリー。


一星:「そっちがその気なら、それに答えるだけだ!行くぞ!ジャンク・ヴィクトリー!」
一星の声に応えたかのように目が光る。


一星:「最大出力!ハイソリッド・ユニゾン・ランチャー!!」
最大パワーのエネルギーを、ハイソリッド・ユニゾン・ランチャーが解き放った。


巨大なビームがガルマソードに襲いかかる。

ベンジャミ:「ふん、サポートカード”千年の盾”!」
ガルマソードが6本ある腕の内1本の手に持たれている剣を投げ捨て、巨大な盾を持ち前に構える。

ベンジャミも初手からルール上一枚しか入れられないモンスターカードのサポートカードを使用した。



ジャンク・ヴィクトリーの攻撃を千年の盾で受け止める。

攻撃の反動で少しだけ後ろに押されるが、足を踏ん張りビーム攻撃に耐え切った。



一星:「なっ!」
最大出力のハイソリッド・ユニゾン・ランチャーの攻撃に耐えたガルマソードを見て唖然とする一星。



タカ:「あの攻撃に耐えたぞ!?」

ブリッツ:「なんてパワーなんだ…!腕が6本あるおかげか?」

シェリー:「最大出力の攻撃を放って、ガルマソードのヒットポイントを大幅に削って、場の流れを手に入れるつもりだったようだけど、これじゃあ、逆に向こうに流れを奪われたわね」


愛:「一星…」
双子の弟である一星を心配する愛。



ベンジャミ:「次はこちらの番だ。さっさと蹴りつけてやる」
千年の盾を投げ捨てるガルマソード。先ほどその辺に捨てた剣を拾い、再び6刀流に戻った。


ガルマソードから感じる殺気。

その姿は”阿修羅”!

一星がガルマソードに少し怯える。チラッとベンジャミの方を見る。


一星:『本当に人を刺し殺すぐらいの殺気。この男、一体、何者なんだ…!?』
ベンジャミが一体何者なのか気になってしまった一星。







その頃、会場の外には数台のパトカーが到着した。






ベンジャミ:「構えろ!ガルマソード!」
6本の腕に持つ剣を構えるガルマソード。

そして、そのままジャンク・ヴィクトリーに向かって走ってきた。


ベンジャミ:「阿修羅!大車輪!!」
6本の剣を交差し、前転しながら突進してきた。


一星:「防御だ!ジャンク・ヴィクトリー!!」
ハイソリッド・ユニゾン・ランチャーを盾にするジャンク・ヴィクトリー。


ベンジャミ:「サポートカード!”火の粉”!」
前転するガルマソードの身体が炎によって燃え上がる。

ハイソリッド・ユニゾン・ランチャーと接触。一度は防御できたかと思ったが、火の粉により力が強化されているため、ハイソリッド・ユニゾン・ランチャーは、ガルマソードの突進により粉砕し、ジャンク・ヴィクトリーを襲う。


一星:「ジャンク・ヴィクトリー!」
ジャンク・ヴィクトリーは砂漠の砂におぼれる。





MC:『おおっと!ジャンク・ヴィクトリー!ガルマソードの攻撃を諸に喰らったあ!ヒットポイントが一気に下がったぞ!』
MCがジャンク・ヴィクトリーの不幸を、そのまま口にする。

一星:「立て!ジャンク・ヴィクトリー!」
砂におぼれたジャンク・ヴィクトリーが立ち上がった。


ベンジャミ:「そんなにやる気を出すなよ。早いとこ降参して、俺に勝利を譲れ」
めんどくさそうに語り出すベンジャミ。

一星:「誰が譲るものか。俺はまだ負けていない。勝利を手にしたければ、俺に勝ってから言え!」
その言葉を一星から聞いたベンジャミが怒りを覚える。



ベンジャミ:「俺は、そういう負けず嫌いな奴が特に嫌いなんだよ…!」

一星:「お前の好みなんか興味ない。行くぞ!」
ジャンク・ヴィクトリーが特攻する。

ベンジャミ:「ガルマソード!奴を切り殺せ!」
ガルマソードが6本の剣を前に突き出し、構える。





そして、ジャンク・ヴィクトリーに向かって突っ込むガルマソード。

ベンジャミ:「阿修羅から解き放たれる殺気を感じ取った敵は、二度と抜け出せない悪夢を永遠に見ることになる。殺せ、ガルマソード!」
6本の剣がジャンク・ヴィクトリーを襲う。


ジャンク・ヴィクトリーは大ダメージを喰らい、ヒットポイントが半分も削られる。


一星:「くっ!ヒットポイントが…!」


ベンジャミ:「これが力の差だ。所詮、お前ほどの力じゃ、決勝に上がる事なんて夢で終わるんだよ」
ベンジャミが一星をバカにする。



???:「そこまでだ!」
すると会場に誰かと声が響き渡る。



MC:「な、なんだ!?」
実況するMCが驚く。


よく見ると、会場に警官が沢山立ち並んでいた。


ベンジャミの後ろに一人の警官が立っていた。

いや、姿からして警官ではなく、警部だろう。



警部:「ベンジャミ・アレン!連続殺傷事件。その容疑者として貴様を逮捕する!」

ベンジャミ:「チッ」
舌打ちをするベンジャミ。

会場がざわざわし出した。


ミゾグチ:「連続殺傷事件って言えば…」

シェリー:「ここ最近、立て続けに起きていた事件ね。確か、死者が3人出ていたはず…」

クロウ:「あいつ、その事件の犯人だったのか!?」
ベンジャミの正体に驚くクロウたち。

龍亜:「何でそんな人が、大会に出ているんだ!」
事件を起こしている奴が、こんな大会に出ていること事態おかしいと感じた龍亜。



一星:「お前…!」

ベンジャミ:「世の中は金だ。金が全てだ。俺はどんな手を使っても金を手に入れる。ギャンブル、カジノ、賞金稼ぎ、あらゆる手を使って金を手にしてきた。そして、それは身近な人を手に掛けるのも例外じゃない。近くの人を殺し、そいつが持っている金を根こそぎ奪う。だが、俺が手に掛けた奴らは全員カラっきしだったんでな。うんざりしたよ」
ベンジャミの話しを聞いて機嫌を悪くする一星。

カラっきしと言っているのは、財布のことだろう。

ベンジャミ:「そこに偶然流れ込んだのが、この大会だったってわけだ。大会に出て優勝すれば、莫大な賞金が手に入るからな」
と笑うベンジャミ。


一星:「そこまでして、お前はそのお金をどう使うつもりだ?」

ベンジャミ:「そんなの決まっているだろ。遊ぶためだよ!」
その言葉を聞いて、歯を立てる一星。


会場のみんなも、ベンジャミのことを頭がイカれていると思う人が沢山いた。


警部:「お前の下らない話は署で聞いてやる。大人しく捕まって―」

一星:「待ってください」
警部の話しに割り込んで入ってきた一星。


一星:「今は、バトル中です。邪魔しないでください」

警部:「何…!わかっているのか!?こいつは!」

一星:「連続殺傷事件の犯人だということはわかっています。ですが、今は大会中。こいつも一人の選手として参加しています。だから、邪魔しないでください」
怖い目で口を開く一星。

一星:「それに、こいつの話しを聞いて怒っているのは、俺もそうです。こいつはお金のことだけを考えて、人間を簡単に殺める、こいつの生き方は俺も黙ってはいられない!」

ベンジャミ:「ほお、なら!」
ガルマソードが解き放たれる殺気。

ベンジャミ:「俺を倒してみろよ!ヒットポイントが残り少ない、そのくず鉄で!」


一星:「望むところだ!」
ジャンク・ヴィクトリーからもとてつもない気迫が放たれる。


ベンジャミ:「サポートカード!”破邪の大剣-バオウ”!”融合武器ムラサメブレード”!”神剣-フェニックスブレード”!」
3枚のサポートカードを同時に発動するベンジャミ。

ガルマソードが、2本の破邪の大剣と2本のムラサメブレード、2本のフェニックスブレードを手に持つ。


一星:「剣に剣で勝負だ!」

ジャンク・ヴィクトリーが大剣を手に持つ。


一星:「プレス・ダイバスター!!」
大剣プレス・ダイバスターを握り、構えるジャンク・ヴィクトリー。



MC:「突然のアクシデントが起きたが、これで2人の戦いに決着が着くぞ!」
MCがアクシデントのことを忘れさせるように会場を盛り上げる。



アキ:「一星…」
一星の勝利を祈るアキ。



一星:「最後の勝負だ!」

ベンジャミ:「俺の勝利に変わりはない!」
両者のモンスターが動き出す。


ベンジャミ:「壊滅・阿修羅!」


一星:「スクラップ・エスパーダ!!」
2体の攻撃がぶつかり合い、砂漠の砂が吹き荒れる。


ベンジャミ:「勝利への道を突き進むのは俺だ!」

一星:「違うな。お前が突き進むべき場所は…」

ガルマソードが持つ剣6本のヒビが入る。

一星:「独房の中だ!」
6本の剣が砕け散る。

ベンジャミ:「なっ!」

一星:「終わりだ!」
プレス・ダイバスターから巨大な三日月型の斬撃を飛ばし、ガルマソードに当たり、そのまま砂漠をかける。


しばらく飛ばされたガルマソードはフィールド内から消えた。

ヒットポイントが0になっている。


『DuelBattle End! DuelBattle End!』


MC:「けっちゃーく!勝者!不動一星!!」
MCの宣言により一星の勝利が会場中に響き渡る。


ベンジャミ:「くそがっ!こんな奴に、俺は…!」
悔しがるベンジャミ。

警部:「お前の負けだ、ベンジャミ。大人しくしろ」
警部と警官たちがベンジャミを逮捕しようとする。

ベンジャミ:「くそっ!」
ベンジャミがその場から逃げる。

しかし、一星が槍タイプのデュエルギアをベンジャミの走る先の目の前に投げ飛ばし、ベンジャミの足を止める。

一星:「大人しく罪を償え」
と一言話す一星。

一星の目を見てベンジャミは初めて一星に怯えた。

その間にベンジャミは警官たちに取り押さえられ、そのまま連行される。


MC:「色々なアクシデントがあったが、大会はこのまま継続だ!みんな盛り上がっていくぞ!」
MCが会場を沸かす。


大会予選は、まだまだこれからだ!





次回予告

ナレーション:予選を勝ち続ける一星。

一方でラリーの次なる対戦相手は、パワーを武器にするグウェンという男だった。

柔と剛、二つの戦いぶつかる中、ラリーの隠された秘策が解き放たれる。

ラリー:次回、遊戯王5DXAL「星屑の竜巻!スターダスト・タルナーダ」


ラリー:「これが勝利へ導く新技だ!」






遊戯王5DXAL豆知識コーナー!!


一星:「俺がデュエルバトルで使っている”ジャンク・ヴィクトリー”は、装備した武器により様々な戦闘スタイルを可能にしている。今現在では、ランチャー砲の”ハイソリッド・ユニゾン・ランチャー”と、大剣の”プレス・ダイバスター”だ。他にも出ていない力があるが、それは今後のお楽しみだ」
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