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第88話:『決闘王と赤龍戦神隊の行方』









ヴェーロイア

ここは、国家政府の拠点であり、世界の中心地に位置する場所である。



国家政府の最高権力者”五輪帥星”と呼ばれる5人の老人たち。


???:「血のデスリングはバリアンに持って行かれてしまったようだな」

???:「面倒なものを持って行ってくれたものだ」
長身で杖を持った老人と、杖を持った小太りの老人が怒りを堪えながら言った。


???:「まあ、あの”六道”よりはマシだろ」
刀を手入れする老人がそう言うと、眼鏡をかけ、銃を磨く老人が口を挟んだ。


???:「確かに。だが、バリアンにデスリングを奪われたこと事実に変わりはない。ドン・サウザンドがどこまで復活しているのかもわからない以上、こちらから手を打つことはできまい」
背がかなり小さくチョビ髭を生やした老人が椅子に座って話す。

???:「九十九遊馬も孤独の法が解け、今はフロンティア本部へと合流した。これから遊馬がどう出るか」
杖を持った小太りの老人も椅子に座って言う。


???:「あの男も、今は下手にバリアンに手を出すことはできまい。奴らから動いた時に、どう即座に対応するか、そこが勝負だ」
長身で杖を持った老人が言う。










第5OP『D-tecnoLife《UVERworld》』








第88話:『決闘王と赤龍戦神隊の行方』














フロンティア本部


とある大広場



ゴーシュ:「というわけで、みんなカンパーイ!!」
ビールが入ったグラスを片手に、みんながグラスをぶつけあい宴が始まった。



城之内:「ぷはぁ、やっぱりビールは最高だぜ!」
ビールを飲んだ影響で、鼻の下に白い髭ができた。


牛尾:「おい、クロウ!ついでくれ!」

クロウ:「はいはい、あんまり飲み過ぎんなよ」

牛尾:「まだ宴は始まったばかりだ!一杯飲むぞ!」
牛尾がゲラゲラ笑う。

クロウはため息をついた。


みんな大はしゃぎだ。


勿論、その中に遊馬もいた。


一馬:「初めて親子で飲むんだ。楽しむぞ!遊馬!」

遊馬:「あ、あぁ」

未来:「どうしたの?楽しくない?」
遊馬の反応を見てそう思った未来が遊馬に聞いた。


遊馬:「いや、そうじゃないねえよ。なんか実感が湧かなくってな。俺がここにいることに」

春:「あれから50年も経っているんじゃ。ワシらも同じことを感じている」

明里:「おばあちゃんの言う通りよ。それとも、もっと殴った方がいいかしら?」
ギラッと明里の光る眼が遊馬をにらみつける。


遊馬:「いえ、遠慮するぜ。姉ちゃん」
ついさっきまでぼこぼこにされるまで殴られたことを思い出すと、もう同じことに遭うのは二度と御免だった。


小鳥:「でも、これだけは言えるわよ」

遊馬:「?」

小鳥:「みんな、遊馬が戻って来てくれて、嬉しい」
ニコッと笑って言う小鳥。


凌牙、カイト、鉄男たちも嬉しそうに笑みを浮かべる。


遊馬:「そうか、みんな本当にありがとうな。俺を忘れないでくれて。でも、ずっと浮かれている場合じゃない。俺がここに戻ってきたのは、ここにいるみんなを鍛え上げることだからな」
遊馬が少しだけ真剣な顔で言う。


遊馬:「俺の中の目標は、1か月で今の3倍は強くなってもらおうからな。覚悟しておけ」
ニコッと笑う遊馬。

それは嬉しそうな笑みではなく、これから覚悟しておけよと言わんばかりの笑みだった。


Ⅳ:「望むところだ」

ベクター:「俺たちが、簡単に倒れるようなやわな人間じゃねえってことぐらい、お前もよく知っているだろ?」

鉄男:「そうだ。矢でも鉄砲でも持って来い!」
みんなやる気は十分にあるようだ。


遊馬:「覚悟は十分あるようだな。ともかく、これからよろしく頼むぜ!」
そう言ってビールを飲む遊馬であった。







その頃、フロンティア上層部の中で会議が始まっていた。




エツジン:「遊馬を本部に戻すとは、どういうおつもりですか!?」

ランセツ:「そのようなことは、我々の耳にも入れてから決定してほしいですね」
十天老士のエツジンとランセツが怒りを抑えて言う。


百々原:「あなた方の言う通りだ。今回の件については、私の方から謝る。申し訳なかった」
頭を下げる百々原。その姿を見て、十天老士や他の責任者たちは、これ以上元帥を責めなかった。


杉山:「あなたが決めたことです。これ以上、攻めるつもりはない。ですが、遊馬を戻したということは、それ相当の理由があるはず。あの国家政府も了承した理由をお聞かせ願おう」
腕を組んで杉山が聞いた。


百々原:「この混沌たる時代が続く多元世紀。50年以上が経ち、世界は本格的にすべてが動き出す時が来たのかもしれない。私は、そう思いダイシャラス王国の騒動が終わった後ずっと考えていた。それを止めるための力が必要だと」


宝井:「あなたは力のことについて反対していましたね。言葉ですべてを交わし全てを終わらせたいと。なぜ、今になって力を求めるのですか?」
疑問に思った宝井が質問する。


百々原:「所詮戦いには力が必要不可欠。それに気づいたのが遅かっただけだ。私がもっとしっかりしていれば、ワックスポワロで死んだ矢橋ライトも死ぬことはなかったのかもしれないな」
矢橋ライト。1年と半年前にワックスポワロの島で任務遂行中に死んだ部下だ。


あの九十九遊馬と仲が良かったことも知っている。

ライトが死んだことは、自分にも責任があると思い込んでいる百々原であった。



北支:「ワックスポワロの騒動、ダイシャラス王国の反乱、そしてセルビア、フレシャス財団によるデスリング争奪戦。確かにどれも、厳しい戦いではあったはず。その戦いに参加していた奴らが、ここまで生きているのは奇跡と言っても過言ではない」

ヴォッカ:「しかし、これから起きる戦いはもっと厳しい戦いになる。確実に力は必要だ」


ヤバ:「遊馬は四大神王者の1人。力をつけるための物にはなる」


百々原:「遊馬をモノ扱いするのはやめていただきたい」
ヤバに対し少し怒りを覚える百々原。


羽鳥:「元帥、所詮、世界勢力の者たちなど、人間として数えられていない。ただの化け物だ」

キョウ:「その通り。世界のバランスを保つための存在に過ぎない。奴らは世界に利用されているのですよ」

十天老士が言うことに怒りが増す百々原。歯を立てる。


メキボが口に加えている煙管を取り、口を開く。


メキボ:「とにかくだ。これ以上、遊馬についての話しをしても仕方があるまい。奴が、あの子犬どもをどこまで強くできるのか。楽しみにしようではないか」
そう言ってメキボは立ち上がり、この部屋を出る。

ヴォッカ:「そうだな。元帥、遊馬については、あなたに任せます。私は、どうもあの男が苦手ですので」
ヴォッカもそう言って部屋を出た。




他の十天老士も部屋を出る。



百々原:『なぜ、遊馬いや四大神王者に対して悪口が言える』
怒りを心の中に閉じ込めて言った。



百々原:「本日の会議はここまでだ。くれぐれも遊馬のことは外に内密するように!いいな?」
百々原の発言により打ち合わせは終幕した。


部屋にいた者たちが次々と部屋を出る。



「内密と言ってもいずれバレるぞ」
「その時はどうするつもりなんだ?」
「世界が混乱するはずだ」


そんなセリフがひそひそと聞こえる。



前世紀で伝説を残した遊馬が生きていることを全世界の人たちが知れば、確実に大騒ぎになる。

只事ではない。だが、それでも力をつけるためには仕方がないことなどだ。


百々原が軽くため息をついた。


百々原:「お前が元帥だったらどうする?武藤遊戯」
百々原はそう呟いた。





宴が会った日の夜。



時刻は21時を回っていた。


未来:「明里、これお願い」

明里:「はーい」
未来から洗い終わったお皿を受け取り綺麗に拭く。




愛:「よいっしょっと」
空の瓶を数本乗ったお盆を持ち上げる愛。

アキ:「愛、それ向こうにお願いね」

愛:「はーい」
ママの言う通りに向こうまで運ぶ愛。



宴をして楽しく過ごせたからと言って、周りを汚いままにするわけにはいかない。

十数人で宴の片づけをしていた。




その頃、慎也の元にお客が来ていた。


慎也:「俺に聞きたいこと?」

剣代:「はい、もしかしたら慎也さんだったら知っているのかもと思って」
慎也の元に来ていたのは、剣代、梨香、珠里、明日香、鮫島、ヨハンの6人だった。


剣代:「聞きたいのはこれのことです」
そう言って剣代は、慎也にレイドから奪い返した”大いなる力のE・HERO”のカードを数枚見せた。


剣代:「大いなる力のE・HERO。父、十代が使っていたカードだとレイドは言っていました」

慎也:「…」

鮫島:「なぜ、今になって十代君が使っていたカードが出てくるのだ?いや、それ以前に、ネオスを初め、赤龍戦神隊の精霊たちは十代くんとともに消滅したはずだと私は思っていた」


明日香:「何か知っているなら教えてほしいの。どんな小さなことでもいいから」
必死に要求する明日香を見て、慎也は応えるしかないと思ったのか口を開いた。


慎也:「分かりました。国家政府から持たされたことを教えましょう」
慎也は近くにあったベンチに座る。



慎也:「まず、鮫島さん。あなたがいう、赤龍戦神隊の消滅。それは誤りです」

鮫島:「!」

ヨハン:「ということはネオスたちはまだ、この世のどこかにいるということか?」

慎也:「赤龍戦神隊にいたすべての精霊たちとは言えませんが、少なくとも、この世に赤龍戦神隊の精霊たちが実在するのは確かです。国家政府も赤龍戦神隊はすべて消失したわけではなく、まだこの世に存在する者たちもいるんではないかという情報を掴んでいます」


梨香:「……」

珠里:「……」


慎也:「多元世紀になったことで、主を失い、野生としてこの世に住み着いているのか、それともどこかに封印されて眠っているのか、将又、レイドのように奪われているのか。それはわかりませんが、世界精霊大戦で地球を守った精霊たちが、この世にいるとなると、それを求めて動き出す人は五万といる。だから、国家政府はこれらの赤龍戦神隊の情報を公表しないんです」


剣代は”大いなる力のE・HERO”のカードを見る。


梨香:「パパが使っていたんなら、精霊たちと話しができるんじゃない?」


剣代:「レイドに操られた影響がまだ体に染みついているようだ。今はそっとしてやろう」
剣代はカードを仕舞った。


剣代:「俺はレイドと戦っているときに、大いなる力のE・HEROの声を聞いた。自分たちはマスターにより世界を守るべき存在。悪に染まるつもりはないと」


慎也:「そうか。マスターを失ってなお、地球を守る決意は変わらないということだな」
少し笑みを見せる慎也。


珠里:「でも、私、大いなる力のE・HEROなんて聞いたことないよ。ヒーロー・アイランドの博物館にも、そんなモンスターの名前はなかったし」
自分の疑問を口にする珠里に、慎也はフッと笑った。



慎也:「世界に公表されている赤龍戦神隊の精霊達はあれですべてではない。赤龍戦神隊の精霊でも、未確認の精霊たちが沢山いるという情報もある」


明日香:「あれだけすごい数なのに」

ヨハン:「赤龍戦神隊にはまだ精霊が存在するのか」

慎也:「あなたたちや、俺が思っている遊城十代と赤龍戦神隊は、すごい存在だ。赤龍戦神隊だけでも大組織が設立できる規模と言う話しもあるようだしな」

その話しを聞いた明日香達。



慎也:「大いなる力のE・HEROの存在で確証した。多元世紀始まって50年、赤龍戦神隊の精霊たちは存在していた。彼らは、この世のどこかで生き続け、再び世界を守るために戦っているのかもしれない」


驚愕する剣代達。


開いた口が塞がらない。


嬉しい思いも沢山あって、笑ってしまう。


十代と共に戦った精霊たちがいるのであれば、会いたい。剣代は、その気持ちでいっぱいだった。


剣代:「俺、会いたい。父さんの精霊たちに!」

慎也:「信じていれば、きっと会えるさ」
剣代の言葉に慎也は笑ってそう答えた。









遊馬の一室



遊馬:「ここに来るのも久しぶりだな」
孤独の法にかけられ、ここを出てから、一度も戻って来ていなかった部屋の中に入り、感動を感じる遊馬。


小鳥も一緒にいた。


小鳥:「ずっと留守にしていたせいで、ホコリが被っているわね」

遊馬:「こりゃあ、明日掃除だな」
溜息をつきながら、遊馬はそう言った。


小鳥:「私も手伝うわ。どうせ、暇だし」

遊馬:「お、そりゃあ助かるわ!」
遊馬が小鳥の方を振り向いた。


予想外にも二人の顔は近かった。


お互いの顔が赤くなる。


遊馬:「わ、わりい」

小鳥:「な、なんで謝るのよ」

遊馬:「いや、何となく…」

徐々に二人の顔が近づいて行く。


50年以上ぶりに、こんな近くに互いの顔を見てしまったのだ。

それは、恥ずかしくてもしたくなるものだ。


このまま近づけば、できる---。


だが、


トントン


扉のノックが聞こえ、ビクッと遊馬と小鳥は互いに顔を遠ざけた。



遊馬:「はい」
遊馬は返事をし、扉が開いた。


杏子:「少しいいかしら?」

小鳥:「杏子さん…!」
以外な客人に驚く小鳥。


杏子:「あら、小鳥ちゃん。もしかして、お邪魔だったかな?」
口に手を当てて、笑いながら申し訳なさそうに言う杏子に小鳥が慌てる。


小鳥:「いいいい、一体、何のことですか!?私たち、別にいかがわしいことなんて!」
つい本音がポロリ…。

杏子:「あら、図星だった?」


小鳥:「もう!杏子さん!」
恥かしい気持ちをいじわるしてくる杏子にぶつける。

しかし、遊馬だけは慌てることなく、杏子を見る。


遊馬:「小鳥、今日は休んで、明日掃除の手伝い頼むわ」

小鳥:「え?」

遊馬:「杏子さん、別の場所で話しましょう」
遊馬は部屋を出ようとする。

杏子:「私が来ることは予想していたみたいね」
そう言って杏子と共に部屋を出る遊馬。


1人部屋に取り残された小鳥。


小鳥:「もう!いいところだったのにって、私、何言っているの!もう!」
小鳥が部屋のベッドにダイブ。

その弾みで、周りに埃が舞った。


ゴホゴホと咳き込む小鳥。


小鳥:「ホントに掃除必要みたいね」
涙目でそう言った。





外のとある広場


そこに杏子と遊馬が来た。


遊馬:「ここなら二人きりで話せます」

杏子:「…」

遊馬:「遊戯さんのこと…ですよね?」

杏子:「やっぱり、わかってたんだ」

遊馬:「杏子さんが俺のところに来る理由はそれしかないですからね」
電柱に寄りかかる遊馬。

遊馬:「愛している人が気になる気持ちはわかります。あなたの質問に対し話せることはすべて話しますよ」

杏子:「遊戯の居場所とかも?」

遊馬:「それは流石に…」

杏子:「フフッ、そうでしょうね。もし、居場所を聞いたら、私真っ先にそこに行くから」
冗談のつもりなのか知らないが杏子は笑った。


その姿を見て、遊馬も笑う。





遊馬:「それで、遊戯さんについて何が聞きたいんですか?」
と遊馬は杏子に質問を投げた。


杏子:「その前に、四大神王者について教えてくれる?」

遊馬:「?」

杏子:「世界にとって、四大神王者って何なの?世界のバランスを保つ勢力、その中でも一番強いことは知ってるわ。四大神王者が”スフィア”だということも聞いた」
”スフィア”。多元世紀や世界各地、歴史に秘められた全ての謎の真実を知る者。それに値する人々は、数少ない。


杏子:「確かのは四大神王者が世界にとって重要な存在。四大神王者は、どこまで知っているの?世界について」
真剣な顔で遊馬の顔を見る杏子。


その顔を見て、遊馬を答えるしかないかというような感じでため息をついた。


遊馬:「そうですね。確かに俺たち四大神王者は、他の誰よりも世界について知っています。個人差はありますが、俺たちは世界にとって重要な存在であり、そして邪魔な存在でもある。多元世紀について、そして歴史について知り過ぎていますから。それ故に国家政府は俺たちに手が出せないでいるんです。俺たちは国家政府しか知らない情報を持っていますから」

四大神王者と国家政府は対立するときもあれば、一時的に嫌々で手を取り合うときもあると聞いたが、そのわけが何となくわかった気がする杏子は更に質問をぶつける。



杏子:「どうして、そんなに世界について詳しいの?」


遊馬:「俺が”特異点”だというのは聞いていますよね?」

杏子:「えぇ、慎也から聞いたわ」

特異点とは、次元振動を引き起こし、多元世紀を作り上げたと思われる人々ことを示す単語だ。


遊馬:「正直にいうと、四大神王者は全員が特異点なんです。つまり、この世界を作ってしまった重要人物だということ」
四大神王者全員が特異点だということ初耳だ。つまり、遊戯もそれに該当するということになる。


遊馬:「そして、国家政府しか知らない情報、そして神秘の石版、空白の200年など、世界が知りたがる様々な情報にこれだけ詳しいのは、No.2バーンがいるからなんです」
遊馬の口から出た名前。いや、名前というよりは、コードネームみたいなものだった。

四大神王者No.2バーン。聞いた話だと、No.2のバーンは4人の中では一番謎も多い人物らしい。
しかし、剣技、スナイピング、頭脳が相当高いらしく、世界で一番強い存在らしい。更に色々な秘密を隠し持っているという噂もある。


遊馬:「バーンは、俺や遊戯さん以上に、世界の秘密を知っています」

杏子:「四大神王者が、多元世紀や神秘の石版、空白の200年に詳しいのはバーンがいるからなの?」

遊馬:「そうなりますね。全てが伝えられているわけではないと思いますけどね。だから、国家政府はバーンをそれなりに警戒しているんです」

杏子:「それなりに?」
そこまで重要な情報を持っているのに、「それなりに」という言葉が付く理由がわからなかった杏子。

しかし、その理由を遊馬は直ぐに教えてくれた。

遊馬:「あの人は世界の重要機密や力を持ちながら、世界をどうこうするような人ではありませんから、信用もそれなりにされているんです。国家政府だけでなく、各組織の上層部にも」

杏子:「国家政府が隠したがっている情報ってそんなに大事なの?」

遊馬:「どうでしょうね。俺は国家政府の一員じゃないでわからないですよ。ですが、ある物を解読していけば、自ずとその秘密は明らかになるそうですよ」
ある物?。それは一体何なのか気になった杏子は遊馬に聞いた。

以外にも遊馬はすぐに教えてくれた。

遊馬:「神秘の石版ですよ」

杏子:「!」

遊馬:「神秘の石版には、歴史が詰まった情報があります。それを繋げていけば自ずとその答えは見えてきますよ。俺たち四大神王者も杏子さんたちと同じで神秘の石版を読めますから」

杏子:「やっぱり。遊戯たちも読めるのね」
何となくわかっていた。

世界にとって重要な人物たちですもの。あの文字ぐらい読めるわよね。


杏子:「もしかして遊戯は、世界を戻すために世界を回っているの?」

遊馬:「それもありますが、一番は杏子さんたちを巻き込みたくないんです」

杏子:「…」

遊馬:「遊戯さん言ってましたから。みんなを僕と同じ運命を辿らせたくないんだって。知りたくない情報を知ってしまえば、政府に危険視され、それを求めて狙う人達も多くなる。そんな危険ばかりを持っている自分が近くにいちゃいけないって」

杏子:『遊戯…』
自分の記憶になる遊戯の後ろ姿が思い浮かぶ。


遊馬:「それでも、あの人は再会を願っていました。遊戯さんだって杏子さんと会いたいって言ってましたから。今でも、愛しているって言ってたし」

杏子:「あら、以外にも大胆な発言するのね、遊戯も」
ちょっと顔を赤くして杏子が言う。


遊馬:「大丈夫ですよ、杏子さん。遊戯さんも再会を願っていました。どれぐらいかかるかわかりませんが、きっと会えますよ」

杏子:「そうね、きっと」
胸に手を当てて夜空を見る。



杏子:『遊戯、私待っているから。あなたのこと』
目を瞑り、杏子は遊戯と会えることを願った。


夜空に流れ星が流れた。








第5ED『言葉のいらない約束《sana》』







次回予告

ナレーション:今から6年ほど前、ミスターYと名乗る人物が世界に一つのゲームを広めた。

デュエルモンスターズのカードを使った新たなゲームは人気を集め、大流行した。

そして、多元世紀51年!第5回デュエルバトルカーニバル選手権が開催される!

一星:次回、遊戯王5DXAL「体感!デュエルバトル!!」

一星:「これが、デュエルバトル…」
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