第86話:『援軍到着!この場を収める者たち!』
ツバキ:「最後の仕上げだよ!永続魔法”マジックアーツ・ワーミー”の効果発動!墓地からマジックカードが手札に加わったとき、自分フィールド上に存在するモンスター1体を選択し、選択したモンスターの攻撃力分のダメージを相手に与える!!選択するモンスターは勿論、エクストリームコスモス・ジョーカー・0!!」
エクストリームコスモス・ジョーカー・0が構える。
そして、孫に接近する。
孫:「うわああああ」
怯えるかのように叫ぶ孫。
血のデスリングの闇:『もっと血を…!血をよこせ!』
ツバキ:「お前にあげる血は、この世にないよ!安らかに眠れ!」
エクストリームコスモス・ジョーカー・0が剣を振り下げ、孫と血のデスリングの闇を斬り裂く。
孫
LP300 → 0
血のデスリングの闇:『おのれえぇ、人間如きに敗れる我ではぁぁぁ!!』
闇が消え、風圧が周りを一気に襲った。
結衣:「きゃあ!」
風圧に驚く結衣を後ろから支える杏子。
勿論、他のみんなも今の風圧に驚いた。
孫が地面に倒れる。
それをじーっと見るツバキ。その目は「僕の勝ちだよ」と言い張るような目だった。
第5OP『D-tecnoLife《UVERworld》』
第86話:『援軍到着!この場を収める者たち!』
地面に倒れる孫を見るツバキ。
ツバキを応援していた仲間たちも、孫の姿を見る。
ドルべ:「今のはなんだ!?」
闇川:「物凄い音がしたぞ!」
そこに、ベクター、ドルべ、ミザエル、雑賀、氷室、トロン、等々力、闇川、六十郎の9人組が到着した。
今来た者たちも、みんなが見る視線の方に目をやる。
ミザエル:「あれは…!」
等々力:「トドのつもり…」
獏良:「う、うん」
城之内:「ツバキが勝ったんだ!!」
フレシャス財団のボス孫を倒したことを認識したみんな。
杏子:「ツバキ!」
杏子がツバキの元へ走り、ギューっと抱きしめる。
ツバキ:「お、お母さん…苦しい…」
自分の顔に母の胸が押し当てられ、頬を赤くするツバキ。
ジム:「That's great!よくやった!」
本田:「まさか、ツバキが倒すとはな。流石、遊戯の息子だぜ」
ジムたちもツバキを褒めた。
そこに…。
双六:「おーい、みんな」
双六を初め、司令のヤバをと共にいた双六、アーサー、鮫島、影丸、トメさん、深影、カーリー、矢薙、マーサ、シュミット、春、羽蛾、竜崎が到着した。
勿論、ヤバもいる。
アーサー:「レベッカ…!」
敵に連れ去られた孫の安否を確認し、ホッとした。
レベッカ:「おじいちゃん!」
アーサー:「怪我はなさそうだな」
レベッカ:「うん、大丈夫よ」
自分を心配してくれている祖父に、自分が大丈夫だということをアピールする。
鮫島:「どうやら、終わったみたいですね」
周りの空気を感じ、そう思った鮫島。
すると、ヤバが前に出てきた。
ヤバ:「喜ぶのはいいが、血のデスリングは、どこにある?」
ここにいる、みんなにデスリングの場所を聞く。
小鳥が周りを見渡すと、地面にキラッと光る小さいものが落ちていた。
血のデスリングだ。
小鳥:「あそこよ」
小鳥が血のデスリングを拾いに行こうとする。
しかし、突然、血のデスリングが落ちている場所の空が輝き出した。
その輝きは、血のデスリングが落ちている場所に落ち、風圧が周りを襲う。
小鳥:「きゃあ!」
小鳥が吹き飛ばされる。
アンナ:「小鳥!」
吹き飛ばされる小鳥を見て、名前を叫ぶアンナ。
しかし、別方向から動く影が小鳥をキャッチした。
遊馬:「大丈夫か?小鳥」
小鳥:「遊馬…!」
小鳥をキャッチした遊馬が、いきなり襲った光の側から下がった。
ヤバ:「九十九遊馬…!また、貴様は!」
遊馬:「今は、そんなこと言っている場合じゃねえだろ!この感じ、招いてねえ客人が来たみたいだぜ」
徐々に光が薄れ、中から人影が出てきた。
ウェスカー:「これがデスリンスの一つ血のデスリングか」
地面に落ちていた血のデスリングを拾う人影。
それは、見覚えのある人物だった。
遊馬:「ウェスカー!お前がどうしてここに!」
ダイシャラス王国に現れたバリアンのリーダー、ウェスカーが、みんなの前に現れたのだ。
ウェスカー:「久しぶりだな。エースのマークマスター九十九遊馬」
遊馬をそう呼ぶ、ウェスカー。
小鳥:「エースのマークマスター…?」
遊馬に抱きかかえられている小鳥がその言葉を聞いて遊馬を見る。
ウェスカー:「No1のマークを持つもの。そして、そのマークを一番操れる存在。それがエースのマークマスターだ」
遊馬:「ウェスカー!デスリングをどうするつもりだ!」
ウェスカー:「この呪われたリングは、我々バリアンが探していたものだ」
血のデスリングを見せて、自分の目的を話したウェスカー。
その言葉に、カイトが「何…!」と驚いた。
璃緒:「そのリングは危険なもの。それをわかっていて取るつもり?」
璃緒がウェスカーに問う。
ウェスカーは璃緒を睨みつける。
その目線にゾッとする璃緒。
そんな璃緒を守るように凌牙が前に立つ。
ウェスカー:「我が主、ドン・サウザンド様は、この力を欲している」
遊馬:「何…!?」
遊馬が驚くと、背後にアストラルが現れる。
アストラル:『ドン・サウザンドがなぜ、デスリングの力を求める…?』
ウェスカー:「その答えはいずれわかる。わかった時には、もう手遅れかもしれないがな」
ウェスカーの身体が宙にゆっくりと浮かんだ。
遊馬:「ウェスカー!」
No.39 希望皇ホープの銃剣可変型デュエルギア”ナディエージダ”を銃モードで手に持ち、銃口をウェスカーに向ける。
ウェスカー:「遊馬、エースのマークマスターだとしても、お前は我々と同類の存在だ。決着の日を楽しみにしているぞ」
ウェスカーの身体が段々消えて行く。
遊馬:「逃がすか!」
ナディエージダから弾丸を発砲した。
弾丸はウェスカーの胸あたりに直撃するも、一足遅く、ウェスカーの身体は霧のように消えた。
血のデスリングと共に…。
遊馬:「チッ」
舌打ちをする遊馬。
明里:「消えた」
ウェスカーが消えたことに驚くみんな。
アストラル:『遊馬』
遊馬:「アストラル、このことをアストラル世界にいるエリファスに伝えてくれ。遊戯さんには俺が伝える」
アストラル:『わかった』
アストラルはそう言い残し、その場から消えた。
悔しそうな顔をする遊馬。
遊馬に抱えられている小鳥は、その顔を間近で見ていた。
小鳥:「遊馬…」
遊馬の顔を見て、名前を呼ぶことしかできなかった。
ヤバ:「なんてことだ!血のデスリングを奪われてしまったではないか!任務は失敗だ!」
ヤバが頭を抱えて言う。
春:「お前さん、落ち着いたらどうじゃ」
春がヤバの姿を見て呆れる。
ヤバも70を越える高齢者。
71歳とは思えないほど、見っともない姿だった。
ヤバ:「うるさい!貴様に何がわかる!遊馬!」
ヤバは遊馬の名前を呼んだ。
遊馬はその間に小鳥を立たせていた。
ヤバ:「貴様は、バリアンを追っているのだろ!だったら、すぐに奴を追って、血のデスリングを奪ってこい!今すぐにだ!」
指を指してそう怒鳴るヤバ。
遊馬:「手掛かりなしで追えってか?それは無理な話だぜ」
口を尖らせて嫌そうに言う遊馬に腹が立つヤバ。
ヤバ:「貴様、誰に向かって、口を聞いている!元はと言えば、貴様は孤独の法を受けている身の男だ!ここにいる時点でおかしいんだぞ」
遊馬:「そっちの任務と俺の目的が偶々被った。それだけだろ」
ヤバ:「あくまで、俺の言うことを無視するか?いいだろう。お前がその気なら、こちらも正しい対応をしてや―」
ヤバが話している途中に、背後から爆発音が聞こえた。
カーリー:「何々!?」
ギラグ:「一体、どうしたんだ!?」
爆発音に驚く、みんな。
爆発音がした方から見知った顔の人たちが出てきた。
万丈目:「くそっ!まだ、戦うか、こいつら!」
ラフェール、アメルダ、シェリー、万丈目、鉄男、徳之助の6人組だった。
翔:「万丈目くん!」
クロウ:「一体、どうしたんだ!?」
クロウが誰でもいいから今来た人たちに聞く。
シェリー:「セルビアとフレシャス財団よ」
ラフェール:「向こうはまだやる気のようだ!」
そうこうしている内にセルビアとフレシャス財団の敵が現れた。
フレシャス財団の隊員一人が地面に倒れる孫に気付いた。
フレシャス財団隊員A:「あれは、ボス!貴様ら、よくもボスを、許さん!」
自分たちのボスがやられたことに激怒する男たち。
トロン:「お前たちのボスは落ちた!大人しく降伏しろ!」
トロンがそう呼びかけるが、誰もその言葉に応じなかった。
すると、別方向から爆発音が!
ツバキ:「今度はなに!」
ツバキが見た方向には、マリク、イシズ、エド、三沢の4人がいた。
イシズ:「ダメ、こちらも敵でいっぱい…」
マリク:「こちらの言葉に耳を傾ける気はないみたいだ…!」
レイ:「きゃあ!」
マルタン:「レイちゃん!」
風圧で吹き飛ばされたレイをマルタンが助けた。
亮、吹雪、恵美、亜美、クロノス、ナポレオン、レイ、マルタンも到着したが、敵も一緒だった。
吹雪:「流石にやばいね、これ」
クロノス:「ママミーヤ、一気に攻めてきたノーね!」
自分たちが連れて来てしまった敵と、既にここにいる敵の数を見て唖然とするクロノス達。
ハラルド:「絶体絶命か」
ハラルド、龍亜、龍可、天兵たちも到着した。
ドラガン:「ハラルド、そっちもダメか?」
ハラルド:「あぁ、残念だが。隠密剣士部隊の方も頑張っているが、敵も更に本気を出してきたようだ」
ベクター:「本気を出すのがおせえな。ボスを倒す前に本気を出せって!」
ミザエル:「今は、そんな冗談を言っている場合ではないぞ!囲まれた!」
よく見れば、四方をいつの間にかセルビアとフレシャス財団の大群に囲まれてしまった。
数は、ざっと200~250人ぐらいだろう。
ヤバ:「遊馬!何とかしろ!この数だったら、お前ひとりの力で何とかできるだろ!」
遊馬の胸蔵を掴んで、この場を何とかしろと迫るヤバ。
遊馬:「だったら、この腕を離せって!落ち着きのない人だな」
ヤバ:「なんだと!?」
哲平:「司令!早くしてください!」
哲平がそう言うと、ヤバは遊馬の胸蔵から手を離した。
遊馬:「はぁ、世話の焼ける人だよ、ホント」
ヤバの行動に呆れる遊馬がため息をついた。
遊馬:『って、あまりゆっくりもしてられないか』
遊馬が身体中にデュエルエナジーを溜める。
遊馬:「ボスが倒れたって言うのに好き放題してくれる奴らだ。とっとと終わらせる」
遊馬の目つきが変わった。まるで、獣を狩りに行くような目だ。
大勢の敵が一斉に、攻めてきた。
ツバキ:「来た…!」
遊馬:「みんな下がれ!一気に、蹴散らす!」
遊馬の拳にエースのマークが浮かび上がる。
しかし、次の瞬間、遊馬達から見て後ろ側にいた敵が吹き飛んだ。
杏子:「えっ!何!」
一馬:「遊馬、お前がやったのか!?」
遊馬:「いや、俺じゃねえよ」
今の攻撃が遊馬のものではないとすると、別の誰かがやったということになる。
???:「みんな、遅れてごめん!」
突如聞こえた聞き慣れた男性の声。
ツバキ:「あ、あなたたちは!」
ツバキたちの前に現れた人達。それは…!
御伽:「みんな、怪我はない!」
リシド:「我々も手伝います!」
ジャック:「フッ、このジャック・アトラスに倒されたい奴は誰だ!」
そう、初めてゼツラと接触し、重症の怪我を覆ってしまった御伽、リシド、ヴァロン、ジャック、牛尾、ミゾグチ、ブレイブ、ロビンたちだった。
ツバキ:「御伽さん!」
元気な御伽の姿を見てツバキが笑顔を見せた。
クロウ:「ジャック!?お前!」
カーリー:「ケガは大丈夫なの!」
カーリーの言う通りだ。
みんな、ゼツラの攻撃で重症の怪我を覆ってしまった。
この短時間で治るはずがない。
ジャック:「お前たちが戦っているのに、黙っていられるか!」
ブレイブ:「ジャックの言う通りだ」
デュエルギアを持って、元気な顔を見せるジャックとブレイブ。
ドラガン:「あいつら…」
鬼柳:「フッ、カッコつけやがって」
調子のいいジャックたちを見て笑いが止まらない鬼柳たち。
牛尾:「まあ、まだ痛みはあるんだけどな」
ヴァロン:「痛み止めのおかげで立てているみたいなものだ」
ヴァロンの言葉に、風也とミゾグチが頷いた。
遊馬:「ん?風也、仮面はどうした?」
風也:「この任務はロビンとしてではなく、風也として戦いたくてね。仮面は必要ないよ」
遊馬がここにいることが当たり前のように普通にしゃべる風也。
すると、上空から何かが回る音がし、みんなが上を見る。
一台のヘリコプターが飛んでいた。
ドアがすでに開いており、そこに一人の男性が立っていた。
ペガサス:「どうやら、間に会ったようですね」
それは、社用でインダストリアルイリュージョン社に戻っていたペガサスだった。
海馬:「ペガサス…!」
モクバ:「何で、あいつがここにいるんだ!」
ペガサスがいることに気が動転してしまうモクバ。
セルビア隊員:「敵が増えたところで数はまだこちらが上だ!」
セルビアの隊員数名が近くにいたツバキに襲いかかってきた。
ツバキは、シュヴァルツ・ロッドを片手に構える。
しかし、二つの人影が襲いかかってきた敵たちを倒してしまった。
ジェリド:「お前は休んでいろ」
モンド:「ここは俺たちの仕事だ」
ツバキの前に立ったのは、御伽達と共にゼツラに倒されてしまったSOA隊2係リーダーのジェリドと5係リーダーのモンドだった。
ツバキ:「あ、あなたたちまで来たんですか?」
ジェリド:「今回の現況を倒したみたいだな」
ツバキ:「え、えぇ、まあ」
ジェリド:「一応、褒めてやる。だが、戦士としてはまだまだ未熟だな。帰ったら、みっちり鍛えてやる」
ツバキ:「え?あの」
ツバキが言葉をかけようとしたが、ジェリドとモンドは目の前にいる敵に攻撃を仕掛けに行ってしまった。
???:「あの二人も、お前の言葉で冷めたのさ」
ツバキの背後から聞こえた声。ツバキは、後ろを振り向いた。
ツバキ:「し、慎也さん…!」
別任務で、今回の任務不参加だった慎也がそこにはいた。
少し離れた場所から慎也がいることに気付いた哲平。
???:「まったく情けない格好ね」
隣から聞こえた女性の声。
哲平:「来ていたのか」
哲平の目線には葵と色葉がいた。
2人も、別任務で、今任務から外れていたのだった。
色葉:「全く腕を折るなんて」
葵:「ダサいわよ」
女性二人の言葉の矢が胸に刺さった。
哲平:「わ、悪かったな」
小さい声で呟く哲平。
慎也:「葵、色葉、2人は徳山たち隠密剣士部隊の方に行け!ここは俺たちで何とかする!」
葵:「了解よ」
葵と色葉が、この場を去った。
慎也:「さあ、最後の仕上げだ!行くぞ!」
慎也の威勢で、みんながやる気を出す。
この場を収めるため、みんなが立ち上がったのだ!
十数分後…
激しい戦いの末、セルビアとフレシャス財団の敵をすべて倒し、葵、色葉、徳山をはじめとする隠密剣士部隊も、司令のヤバがいる場所に合流した。
哲平:「はあ、終わったな」
徳山:「お前ら、セルビアとフレシャス財団の犬どもを連れていけ。フロンティア本部に護送する」
徳山の指示で、隠密剣士部隊のみんなが、この場から敵を連れていった。
敵として、この場にいるのは孫だけだった。
ツバキは倒れている孫の側に近づく。
杏子が呼び止めるが、ツバキはそれを無視した。
孫:「うう…」
既に意識は戻っていた。
目線は、目の前にいるツバキに向いていた。
ツバキ:「あなたの野望もこれまでだ。フレシャス財団もセルビアも落ちた。血のデスリングもない。大人しく罪を認めて人生をやり直すんだ」
そう孫に忠告するツバキ。
その言葉を聞いた孫はフッと笑い「お前は、優しすぎる」と呟く。
孫:「お前のような優しすぎる奴が沢山いるから戦争は終結しないのだ。この多元世紀は、戦争が絶えることのない混沌の世界のままだ。永遠にな…」
倒れたまま口を開く孫に、ツバキはしゃがみ込み、こう言った。
ツバキ:「例え、多元世紀でなくても、戦争はあるよ。前世紀の時代でも同じだったでしょ」
孫:「……」
ツバキ:「人間は戦い続ける生き物だよ。まあ、僕も争いのない平穏な世界を望んでいるけどね」
少し笑みを浮かべてツバキはそう言った。
孫:「そんな…世界を、皆は望んでいる。俺は、血のデスリングを…使ってそれを叶えようとしたが無意味だったようだ…。お前が言う平穏な世界が来ることを祈っている…。そのとき、俺はもういないかもしれないがな…」
ツバキ:「え?」
孫:「迎えが来たみたいだ」
孫がフッと笑って言う。諦めたかのような言い方だった。
遊馬:「下がれ!ツバキ!!」
背後から聞こえた遊馬の叫び声。
すると、突如目の前に、異空間の入り口のようなものが現れ、その中から出てきた拘束具が孫の首に填められた。
孫:「っ…」
鬼柳:「おいおい、まさか…」
慎也:「お出ましか」
哲平:「牢獄(プリズン)…」
顔を包帯で包んでおり、黒のマントで身体を覆っている8人の集団。中央裁判室の下につく謎の番人”牢獄(プリズン)”が、みんなの前に現れた。
プリズン:「ご苦労だった、フロンティアの諸君。あとは、我々が護送する」
ツバキ:「ちょっと待って!その人は怪我もしている!無理やり連れていくのは!」
プリズン:「犯罪を行った男に優しさなど無用だ」
包帯の隙間から見える邪悪な目つきがツバキを見つめる。
その目つきに足が震える。
結衣:「ツ、ツバキ…」
ツバキの様子がおかしいことに気付いた結衣。
ツバキ:『改めて見ると、この人たちは放たれる殺気は普通じゃない。とても僕じゃ…』
足を一歩だけ引きたい。
だが、震える足がそれをさせてくれない。不思議な感じだった。自分の足なのに、自分で動かせないのだから。
逃げたいという気持ちもあった。
遊馬:「その男のことはそっちに任せる。俺たちも任務はあくまで血のデスリングの回収だったからな」
ツバキの前に遊馬が現れ、プリズンと話す。
プリズン:「久しいな、九十九遊馬。また、貴様と会えると思っていなかったぞ」
遊馬:「嘘つけ。世界をどこからでも観察し、異空間移動を自在に操れるくせに」
プリズン:「四大神王者。我々と同じ世界を知る者」
遊馬:「あの人ほどじゃないさ」
プリズン:「いずれ、貴様らも我々と運命を共にするときが来るだろう。お前たちもまた人間として生きてはいけない存在…」
そう言って、異空間の入り口に消えて行くプリズン。
共に孫も異空間の入り口に引きずり込まれる。
ツバキ:「孫!」
孫:「命あったら、お前が求める平穏な世界…楽しみにしているぞ」
孫はそう言い残し、異空間の入り口の中に消えた。
ツバキ:「孫!」
異空間の入り口に近づこうとするツバキを遊馬が止める。
遊馬:「もう終わりだ。プリズンは逆らえねえ」
遊馬がそう言いツバキは何も言わなかった。
異空間の入り口が、その場から消えた。
第5ED『言葉のいらない約束《sana》』
次回予告
ナレーション:セルビアそしてフレシャス財団との勝負が着いた。
一方で、フロンティア元帥・百々原から遊馬に送られた本部帰還命令。
その言葉の言う通りに、遊馬はフロンティア本部へと帰還した。
百々原と遊馬の間に語られるこれからとは、一体…。
遊馬:次回、遊戯王5DXAL「本部帰還命令 百々原と遊馬」
遊馬:「それが、俺がやるべきことですか?」
遊戯王5DXAL豆知識コーナー!!
遊馬:「中央裁判室の下につく謎の番人”牢獄(プリズン)”。異空間を自在に操ることで遠方でもどこにでも現れる。だが奴らの正体は、中央裁判室や国家政府でも明らかになっていない。世界の謎の一つに数えられている」