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第85話:『ツバキVS孫 勝利へ導く一撃必中!』







孫:「血界の原種エッグの効果によって、前のターンに受けたダメージ分、俺はライフを回復する!だが、血のデスリングの力によって、その回復は倍になる!!」
前のターンに受けたダメージは3500。つまり、その倍7000ポイントが孫のライフに加算される。



LP1900→8900



ツバキ:『これじゃあ、キリがない。何とか攻略法を見つけないと…!』
攻撃しても、次のターン、受けたダメージの倍の数値が回復する。これでは、相手のライフポイントが増えていくだけだ。

1ターンでライフを0にする攻撃ができなければ、勝利はない。


ツバキはそう考えていた。




剣代:「ツバキ!」
そこに、剣代を初め、明日香、ジュンコ、ももえ、梨香、珠里、レミが到着した。

ツバキも剣代の名をボソッと呼んだ。



梨香:「もうデュエルが始まっている…!」



レミ:「どっちが勝ってるの?」
デュエルの状況を確認するレミたち。




ツバキ
LP4000



LP8900



珠里:「ライフ8900…!」

ジュンコ:「一体、どうなったら、そんなライフになるのよ…!?」
孫のライフポイントの数値に驚く珠里達。


すると、そこに斎王と美寿知が近づいてきた。


美寿知:「血のデスリングの力よ」


斎王:「奴が身につけている血のデスリングの力、そして、それによって生み出された血界と言う名のモンスターたち。二つの力が、ツバキを圧倒しているのだ」
2人の言葉を聞いた剣代が、ツバキを見つめる。


ツバキの表情は苦しんでいた。


剣代:『お前が、こんなんで諦めるはずがないよな…?ツバキ!』
ツバキを信じる剣代だった。

剣代はツバキの言葉に一度救われている。

ツバキに勝ってほしい。今、願っているのはそれだけだった。









第5OP『D-tecnoLife《UVERworld》』








第85話:『ツバキVS孫 勝利へ導く一撃必中!』







ツバキと孫が戦っている場所へと向かいたい、マリク、イシズ、エド、三沢たち。


だが、目の前にいるフレシャス財団とセルビアの隊員たちの所為でそちらに行くことが叶わないでいた。


マリク:「くっ、早くツバキたちの元へ向かいたいが…!」

イシズ:「これでは、ツバキの元へ行くのは困難ね」


三沢:「かといって、俺たちが強引に行こうとしたら、後を追って、逆にツバキたちの邪魔になる」


エド:「ここは、彼を信じて、僕たちはできるだけ敵を倒すことだけを考えた方がよさそうだな」
エドがそう言うと、マリク、イシズ、三沢が頷く。





その頃、ラフェール、アメルダ、シェリー、万丈目、鉄男、徳之助たちも、敵と交戦していた。


鉄男:「しつこい奴らだ…!」

シェリー:「だが、デュエルの邪魔だけはさせない」

ラフェール:「ツバキを信じ、我々は、なるべく敵を叩く!」
ラフェールたちがデュエルギアを構えて言う。







そして、ツバキVS孫のデュエルは5ターン目、孫のターンを迎えていた。




孫は引いたカードを見る。

孫:「もうこいつが来るとはな」
カードを前に突き出す孫。

孫:「見せてやる。封印されし血界の魔獣を!」
いきなり気味悪い霧がフィールドを覆った。



静香:「兄さん…」

城之内:「何だ…!この霧は…!」
デュエルを見ているみんなも動揺する。




孫:「このカードは、自分の墓地に「血界」モンスターが3体存在する場合、特殊召喚できる!血祭りをあげろ!”血界の封印魔獣ブラッド・インフィニティ”」
孫の場に所々鎖に縛られた魔獣が現れた。


血界の封印魔獣ブラッド・インフィニティ
LV7 攻撃力3000


ツバキ:「攻撃力3000.いきなり、切札か」

孫:「事前に教えてやる!血界の封印魔獣ブラッド・インフィニティが攻撃するとき、相手はこのカードを対象にトラップカードを発動できない!」


ツバキ:「防御を封じるってことか」

孫:「そういうことだ!血界の封印魔獣ブラッド・インフィニティでクィーンズ・パラディンに攻撃!ブラッド・レイン!!」
眼から赤いビームを発射し、クィーンズ・パラディンが持つ盾を貫通し破壊した・


ツバキ:「くっ」


ツバキ
LP4000→3000


ツバキ:「クィーンズ・パラディンの効果発動。戦闘で破壊されたとき、デッキから1枚ドローする」
ツバキがデッキから1枚ドローする。


孫:「カード1枚セットし、ターンを終了する」
孫のターンが終了した。

ターンエンド






6ターン
ツバキ
LP3000

LP8900


ツバキ:「僕のターン!」
デッキからカードをドローし、そのカードを確認する。

ツバキ:『やれることを今はやるしかない!』
引いたカード一度手札に加えたツバキ。


ツバキ:「僕はキングス・ナイトをリリースし、”キングス・パラディン”を特殊召喚する!!」
キングス・ナイトがパワーアップ。大剣と普通サイズの剣を持った騎士が現れた。


キングス・パラディン
LV6 攻撃力2200


ツバキ:「キングス・パラディンの効果により、自分の場にジャックス・ナイトが存在するとき、ジャックス・ナイトをリリースることでデッキまたは手札から”ジャックス・パラディン”を特殊召喚することができる!」
ジャックス・ナイトがパワーアップ。両腕に盾をつけ、両手に大剣を持った騎士、ジャックス・パラディンが現れる。


ジャックス・パラディン
LV6 攻撃力2400


ツバキ:「ジャックス・パラディンの効果発動!このカードが特殊召喚に成功したとき、墓地より戦士族モンスター1体を自分の場に特殊召喚できる!」
ジャックス・パラディンの効果で、ツバキの場にクィーンズ・パラディンが復活した。


クィーンズ・パラディン
攻撃力2000


パワーアップした絵札の三剣士が場に揃った。


孫:「ほお、だがどれも、ブラッド・インフィニティには敵わない」

ツバキ:「トラップ発動!”コール・アタック”!自分の場に、ジャックス、クィーンズ、キングスモンスターが3体存在するとき、その3体の攻撃力は相手フィールド上に存在する最も攻撃力が高いモンスターと同じ攻撃力になる!」
その言葉を聞いた孫は少し驚いた。

今、俺の場にいるのは血界の封印魔獣ブラッド・インフィニティのみしかいない。その攻撃力は3000。


キングス・パラディン
攻撃力2200 → 3000


クィーンズ・パラディン
攻撃力2000 → 3000


ジャックス・パラディン
攻撃力2400 → 3000


3体の騎士の攻撃力が上がる。

そして、ツバキは自分の手札を見る。


ツバキ:『僕の手札には、速攻魔法”レイズ・セメタリー”がある。このカードは、絵札の三剣士が同じ攻撃力を持つモンスターに攻撃したとき、一度だけ戦闘での破壊を無効にするカード。これをクィーンズ・パラディンに使えば、ブラッド・インフィニティを破壊し、クィーンズ・パラディンの墓地のカードを除外する効果を発動し、血界の原種エッグを再び除外すれば、次のターン、ライフ回復効果は発動しない。他2体のダイレクトアタックで大ダメージも与えられる!』
ツバキは勝負に出る。


ツバキ:「クィーンズ・パラディンで血界の封印魔獣ブラッド・インフィニティに攻撃!!」
クィーンズ・パラディンが攻撃体勢に入る。


斎王:「相打ち狙いか…!」

剣代:「いや、ツバキにはもう一つ策があるようだ」
ツバキの顔を見てそう思った剣代。


ツバキの次の手が動く。

ツバキ:「僕は、この瞬間、手札から速攻魔法―」
手札からカードを発動しようとした、そのとき!



孫:「リバースカード発動!トラップカード”ブラッド・グレイヴヤード”!」
孫がリバースカードを発動し、ツバキの手が止まる。


孫:「血界モンスターが攻撃対象になったとき、その攻撃を無効にし、お互いに手札を全て墓地へ送る!」
クィーンズ・パラディンの攻撃が止まり、両者とも手札を墓地へ送る。

孫:「その後、デッキから3枚ドローする。さあ、引け。3枚のカードを」
ツバキも孫もデッキから3枚ドローする。

ツバキ:「くっ、こうなったら、せめてブラッド・インフィニティだけでも破壊する!キングス・パラディンの攻撃!フルハウス・キング・スラッシュ!」

キングス・パラディンとブラッド・インフィニティが相打ちしフィールドから消える。

さあ、これで孫の場はがら空き。ジャックス・パラディンのダイレクトアタックが決まれば3000ダメージを与えられる。
だが、それは次の孫のターンで倍のライフを回復させてしまうということになる。

ツバキ:「カードを1枚セットし、ターンエンド」
ツバキは攻撃せず、カードを1枚伏せてターンを終えた。


クィーンズ・パラディン
攻撃力3000 → 2000


ジャックス・パラディン
攻撃力3000 → 2400


2体のモンスターの攻撃力が戻る。





オブライエン:「孫の墓地に血界の原種エッグが存在する限り、下手にダメージを与えられない」

ハルト:「今は、チャンスを持つしか方法は…」

みんなが色々言っているうちに、孫がターンを進める。






7ターン
ツバキ
LP3000

LP8900


孫:「俺のターン!ドロー!」
孫がカードをドローする。


孫:「墓地に存在する血界の封印魔獣ブラッド・インフィニティの効果発動!血界の原種エッグが墓地に存在するとき、自分のスタンバイフェイズ時に、自分の場に特殊召喚する!」


ツバキ:「何…!?」
前のターンに破壊したブラッド・インフィニティが孫の場に復活する。


血界の封印魔獣ブラッド・インフィニティ
攻撃力3000



海馬:「復活効果を持っていたか…」
腕を組んでボソッと口を開く海馬。



孫:「自分の場にブラッド・インフィニティが存在するとき、こいつは手札から特殊召喚できる。来い!”血界の魔龍ブラッド・ドラゴン”!!」
血に染まった赤い龍が現れる。


血界の魔龍ブラッド・ドラゴン
LV5 攻撃力2100


孫:「血界の封印魔獣ブラッド・インフィニティでジャックス・パラディンに攻撃!ブラッド・レイン!!」
封印魔獣ブラッド・インフィニティがジャックス・パラディンを粉砕する。

ツバキ:「くっ」


ツバキ
LP3000 → 2400


孫:「次だ。血界の魔龍ブラッド・ドラゴンでクィーンズ・パラディンに攻撃!」
ブラッド・ドラゴンが口から真っ赤な破壊光線を放ち、クィーンズ・パラディンを粉砕した・


ツバキ:「ぐわっ!」
ツバキが吹き飛ばされた。


ツバキ
LP2400 → 2300



杏子:「ツバキ!!」
その直後に、母、杏子の叫ぶ声が聞こえた。

結衣、獏良、杏子、藤原、ヨハンが来たのだ。

ツバキに近づこうとする杏子を明日香が止める。

明日香:「杏子さん、危険です!」

杏子:「でも、ツバキが…!」
倒れているツバキを心配する杏子。


そんな中、孫はデュエルを続ける。


孫:「血界の魔龍ブラッド・ドラゴンの効果発動。このカードが相手モンスターを破壊したとき、自分は1000ポイントのライフを回復する」



LP8900 → 9900


孫:「ターンエンド」
孫のターンが終了した。





孫:「お前では、俺の血界モンスターには敵わない。思い知ったか?」
孫が血界モンスターの力を自慢げに話す。

ツバキ:「うん、恐れ入ったよ。血界モンスターは強い。でもね、それはあくまで血のデスリングの力、お前の力じゃない」
ツバキは立ち上がる。


孫:「ここまで追いつめて、まだそんな口を言うか」
ツバキの態度に腹が立つ孫。


ツバキは立ち上がり、母を見る。

ツバキ:「僕は大丈夫だよ、母さん。そこで見てて」
ツバキは杏子に笑ってそう言った。



杏子:「ツバキ…」


ツバキ:『カッコ悪いところは見せられないね。次のターンで勝利の道を作る!!』
ツバキは前のターンに伏せたカードを見てそう呟いた。







その頃、セルビア屋上に遊馬が到着した。



遊馬:「さてと」
遊馬が手元に”No.39 希望皇ホープ”の銃剣可変型デュエルギアの”ナディエージダ”を出す。

更に、もう一枚カードを取り出す。


遊馬:「ナンバーズインプット!”No.13ケインズ・デビル”!」
遊馬が出したもう一枚のカードはNo.13ケインズ・デビルだった。


そのカードの力がナディエージダに加わり、ナディエージダはライフルのようなデュエルギアに変わった。


遊馬:「ナディエージダ-サーティンスナイパー。後は、こいつで狙い撃ちするだけだ」
遊馬はそう言って、屋上から下を見下ろした。


いい風が吹き、遊馬の髪が靡く。








そして、デュエルの方は…。






8ターン
ツバキ
LP2300

LP9900


ツバキ:「僕のターン!」
ツバキがカードをドローする。


ツバキ:「リバースカード発動!速攻魔法”ジョーカー・コスモス”!」
フィールドに銀河のような渦が現れる。

ツバキ:「自分の墓地にジャックス・パラディン、クィーンズ・パラディン、キングス・パラディンが1体ずつ存在するとき、それらを除外することでエクストラデッキから”エクストリームコスモス・ジョーカー・0(ゼロ)”を特殊召喚する!!」
3体の騎士が集結した新たな戦士が推参する。


黒い鎧に白髪の騎士が大剣を持って、銀河の中より現れた。


エクストリームコスモス・ジョーカー・0
LV10 攻撃力3200


ツバキ:「エクストリームコスモス・ジョーカー・0の効果発動!自分のライフが相手より少ない場合、次の中から効果を一つ選択し発動する。一つ目は、このカードの攻撃力を倍にする効果。二つ目は、相手の墓地に存在するカードを自分の手札に加える効果。そして、最後は、相手フィールド上に存在するカードを全て破壊する効果!」
3つある効果を全て説明するツバキ。




結衣:「この中で今、優先的にやらなきゃいけないのは…」

明日香:「孫の墓地にある…」

哲平:「あのカードを取り除くこと」
ツバキの考えがすぐに分かった仲間たち。だが、その判断は正しいと、みんな判断した。




ツバキ:「僕は二つ目を選択!お前の墓地に存在する血界の原種エッグのカードを、僕の手札に加える!!」
ツバキの手札に血界の原種エッグが手札に加わった。



一馬:「よし、これでライフ回復効果は発動できない」


Ⅴ:「一気に、勝負を仕掛けることができる!」




ツバキ:「エクストリームコスモス・ジョーカー・0で、ますは血界の封印魔獣ブラッド・インフィニティに攻撃!!コスモ・レクイエム!!」
頭上に銀河の渦を出し、エクストリームコスモス・ジョーカー・0は、その中を潜って身体中に未知のエネルギーを纏った。

その状態で、ブラッド・インフィニティに接近する。



孫:「なめるな!血界の魔龍ブラッド・ドラゴンの効果発動!自分の場に存在する血界モンスターが攻撃対象になったとき攻撃対象を、このカードに変更する!」
ブラッド・インフィニティの前にブラッド・ドラゴンが前に出て、エクストリームコスモス・ジョーカー・0の攻撃を受ける。




LP9900 → 7800


孫:「血界の魔龍ブラッド・ドラゴンが戦闘で破壊されたとき、戦闘によるダメージは倍になる」



LP7800 → 6700






城之内:「ざまあねえな。自分の力でダメージを喰らうなんて!」


獏良:「ツバキ君!その調子で、あいつを叩くんだ!」
ツバキを応援する2人。



ツバキ:「お前の、コンボは落ちた。後は、ひたすら攻撃あるのみ!」

孫:「バカめ。勝った気になっているのも今の内だ」

ツバキ:「何…!」


孫:「ブラッド・ドラゴンもう一つの効果発動!このカードが墓地へ送られたとき、手札からカードを1枚選択し、墓地へ送る」
3枚ある手札から1枚を右手に取り出す。

孫:「送るカードは、2枚目の血界の原種エッグ!」

ツバキ:「!!」



モクバ:「もう一枚持っていたのか!!」


ヨハン:「くっ、このターンのダメージが…!」

予想外のことが起きたことで、みんなが落ち込む。

次のターン、奴のライフは回復する。しかも、このターン与えたダメージ数値の倍だ。


ツバキ:「カードを1枚セットし、ターンエンド」
ツバキのターンが終了した。





一馬:「くっ、まさか、こんなことになるとは」
一馬がそう言っていると…。



明里:「お父さん!」
明里とチャーリーが到着した。



ジム:「ヨハン!」
更に、ジム、本田の2人も到着した。




ドラガン:「勝負はどうなっているんだ…!」
更に更に、ドラガン、アキ、愛、一星、クロウの5人も到着した。



カイト:「見ての通りだ」

璃緒:「一度、逆転したと思ったけど」

凌牙:「ライフに4000ポイント以上の差。血界モンスターと血のデスリングの力。絶体絶命だ」


愛:「そんな…」
不利な状況を聞いた愛が口を開いた。


確かに、ツバキの顔は苦しんでいた。



城之内:「そもそも、デュエル中にデスリングの力を操れる事態がおかしいんだよ!てめえ、卑怯だぞ!」
孫を指さして叫ぶ城之内。孫は聞く耳を持たなかった。



孫:「次のターンで終わらせてやる」

ツバキ:「っ!」
悔しがるツバキ。


孫:「と言いたいところだが、ただ終わらせるだけではつまらん。お前に、血の呪いを見せてやろう」
不可解のこと言う孫。

ツバキは何を言っているのか分からなかった。

だが、その意味は、すぐに理解できた。


ツバキ:「!!」
さっきのターン、孫の墓地から奪い取り手札に加えた血界の原種エッグが赤く光り、その不気味な光がツバキを包む。


ツバキ:「なんだ!これは!!」
光に包まれたツバキの身体に、血が流れ込むような模様が身体中に浮かび上がる。



結衣:「ツバキ!!?」

アキ:「何なの!あれ!!?」
周りのみんながツバキの姿を見て驚く。




孫:「俺の墓地からカードを奪い取ったのが、仇になった。血界モンスターには、血のデスリングの呪いがついている。今、その呪いがお前の身体を飲みこもうとしているのだ!」
ツバキは苦しみながら孫の話しを聞き、手札にある血界の原種エッグのカードを見る。



哲平:「じゃあ、ツバキが奪った血界の原種エッグについている呪いがツバキを取り込もうとしているのか…!」

ジム:「奪い取ったカードを手放すんだ!」

明里:「急いで!」


皆にそう言われるが、ツバキ自身も分かっていた。身体が絞めつけられているような状態。その状態で、血界の原種エッグのカードに手を伸ばそうとする。


孫:「無駄だ。血の呪いは、お前ほどの力で逆らうことはできない」


血の呪いが更にツバキを取り込む。


ツバキ:「ぐっ!」
顔に浮かぶ血の流れるような模様が、更に増えツバキの身体の自由を奪う。


剣代:「ツバキ!しっかりするんだ!」

珠里:「でも、このままじゃ!」

杏子:「ツバキ!」

みんなが心配する中、ツバキは高笑いする。



孫:「さあ、ラストターンだ。このデュエルに勝ち、お前とここにいる奴ら全員の血を奪い、俺は力を手にする!!」







9ターン
ツバキ
LP2300

LP6700


孫:「俺のターン!」
カードを思いっきりドローする孫。


孫:「この瞬間、墓地にいる血界の原種エッグの効果発動!!」
墓地にいるモンスターの効果発動の宣言をする孫。



海馬:「前のターン、奴が受けたダメージは3200」


斎王:「つまり、6400のライフが、この場で回復する!」

美寿知:「そうなったら、あの人のライフは10000越え。状況が圧倒的に不利です!」



孫:「俺こそが最強!いや、神だ!」
孫は指にはめていた血のデスリングを外し、それを右手に持って挙げる。


孫:「血のデスリングによる超再生能力。血界モンスターの力。俺は本当の不死身を手にしたのだ!」
孫の声に応えるかのように、血のデスリングの輝きが増す。



ツバキ:「うわああぁぁ!」
血のデスリングの光に共鳴するかのように、ツバキを襲う呪いがツバキを包み込む。



孫:「さあ、俺にその血の呪いを!!」
血のデスリングから出ている不気味な霧が孫の口の中に入る。

孫:「苦しむがいい!武藤ツバキ!お前の負けだ!」


ツバキ:「うわあああ!」
頭を押さえるツバキ。


杏子:「ツバキィィ!」
涙を流しながら息子の名を叫ぶ。




バキューン!!



遠くから聞こえた不審な音。


その音と共に、孫が持っている血のデスリングが弾き飛ばされた。


孫:「な、何!?」
弾き飛ばされたリングは地面に落ちる。


ツバキにまとわりついていた呪いが消えた。



ゴーシュ:「な、なんだ!?」

レミ:「今、発砲音が聞こえたような」
レミの言う通りだ。銃が打たれたような音が消えこた。





哲平はミッションウォッチの探知機能で辺りを見る。


すると、とある場所でセンサーが反応した。


哲平:「基地の屋上だ!」
哲平がセルビアの基地の屋上を見る。




みんなが屋上を見る。


目を細めないと見えない距離のため、ほとんどの人がミッションウォッチの拡大機能を使って、その場所を見た。



屋上には、スナイパーライフルのようなものを持った遊馬が、そこにいた。



カイト:「あれは…!」

一馬:「遊馬!!」
そこに実の息子がいることに驚く一馬。



そこに…!



未来:「一馬!」
妻の未来や連れ去られたメンバー、小鳥たちが来た。



一馬:「未来!」

明里:「お母さん!よかった、無事だったのね!」
母の無事を確認した明里が笑顔で未来に近づいた。



ドロワ:「今の音は何だ!」
小鳥たちと共に来たドロワが、聞こえた不審な音に追求する。



ゴーシュ:「遊馬だ。あそこにいる遊馬が撃ったんだ」

小鳥:「あんなところから!」
基地の屋上から、この場所までは意外と距離があった。





孫:「おのれぇ!」
孫は、血のデスリングを拾おうとする。





スコープから孫の姿を除く遊馬。


遊馬:「させねえよ」
そう言って、遊馬はナディエージダ-サーティンスナイパーから弾丸を発砲し、地面に落ちている血のデスリングを弾き飛ばし、孫の手に渡さないようにする。







孫:「くそっ!」
再び拾おうとするが、またもや弾き飛ばされ、思うように取れなかった。



遊馬:「一撃必中ってか」
遊馬はニヤッと笑う。




ツバキ:「はぁはぁ」

遊馬:『大丈夫か?ツバキ』
ミッションウォッチから遊馬の声がした。


ツバキ:「遊馬…」

遊馬:『血のデスリングは、孫から手放された。これで、血のデスリングの力は相殺されたはずだ。一気に勝負をつけろ!』


ツバキ:「うん、わかった!」
遊馬に期待に応えるかのように、ツバキは真剣な眼差しで孫を見た。




哲平:「遊馬の奴、黄色い弾丸と言われているだけのことはあるな」


チャーリー:「あいつの腕前は、昔からあんな感じなのか?」

哲平:「ああ、あいつの狙撃テクニックは、四大神王者の1人バーンに鍛えられているからな。だから、黄色い弾丸と言う異名はあいつに相応しいのさ」
四大神王者のバーン。No2にあたる人物だ。





ツバキ:「血のデスリングがなければ、お前もただの人間!正々堂々とデュエルの続きだ!」
デュエルディスクを構えるツバキ。



孫:「おのれえ、武藤ツバキ、九十九遊馬!こうなったら、俺の全てのエナジーをリングに込めるだけだ!うわああああ!」
孫の身体が輝く。

孫の背後に、不気味な顔のような影が浮かび上がった。


血のデスリングの闇:『血を寄こせ。全ては、そこから始まるのだ』





遊馬:「チッ、やっぱりな。リングは手放したが、リングの中にいた闇は孫の精神を喰っていたようだぜ」
遊馬は立ち上がり、この場を後にする。





リングの闇が、孫と一つになる。


真っ赤な目が輝く。



孫:「いくぞ。血界の原種エッグの効果でライフを回復!」
前のターンに受けた3200のダメージを回復した。

デスリングを手放しているため、もう倍の数値を回復することはないが、せっかく前のターンに与えたダメージが振り出しに戻った。





LP6700 → 9900




孫:「我の切札を見せよ!血界の封印魔獣ブラッド・インフィニティをリリース!」
ブラッド・インフィニティが場から消える。


孫:「現れろ!血界の皇帝よ!”血界魔王獣ブラッド・カイザー”を特殊召喚!!」
血界モンスター最強の魔王が姿を現す。


血界魔王獣ブラッド・カイザー
LV10 攻撃力4000


ツバキ:「これが奴の切札か!」

孫:「血界魔王獣ブラッド・カイザーの効果発動!1ターンに1度、相手フィールド上に存在するカード1枚をエンドフェイズまで除外する!エクストリームコスモス・ジョーカー・0を除外!」
ツバキのエクストリームコスモス・ジョーカー・0が異次元に引きずり込まれた。

孫:「更に除外したカードがモンスターカードだった場合、そのモンスターの攻撃力の半分のダメージを相手ライフに与える!!

3200の半分1600のダメージがツバキを襲った。


ツバキ:「くっ!」

ツバキ
LP2300 → 700


ダメージに耐えるツバキ。ここで倒れるわけにはいかない。






孫:「最後だ!血界魔王獣ブラッド・カイザーでダイレクトアタック!!ヘルバーン・ノヴァァ!!」
ブラッド・カイザーがツバキに攻撃を仕掛ける。


ツバキに巨大な光線が迫る。


杏子:「ツバキ!」

ツバキ:「負けるわけにはいかない!トラップ発動!”ソウル・シールド”!ライフを半分払って、相手モンスター1体の攻撃を無効に、バトルフェイズを終了する!!」


ツバキ
LP700 → 350


ブラッド・カイザーの攻撃がかき消された。


孫:「小癪な!だが、我の血界魔王獣ブラッド・カイザーは最強だ!ブラッド・カイザーには、相手モンスターを戦闘で破壊したとき、次の自分のスタンバイフェイズ時に、お互いに2000ポイントのダメージを受ける効果を持っている!お前が次のターン、守備モンスターを出して守りを固めたところで、ブラッド・カイザーの力がお前を襲う!ターンエンド!」
孫のターンが終了した。

エンドフェイズと共に、除外されていたエクストリームコスモス・ジョーカー・0がフィールドに戻ってくる。


エクストリームコスモス・ジョーカー・0
攻撃力3200



孫:「さあ、ラストターンだ!」
孫の背後に黒い影が現れ、巨大な顔のような影がツバキを睨みつける。


血のデスリングの闇:『お前に勝ち目はない。さあ、引け。最後のカードを!』
ツバキを挑発する闇。


ツバキ:「人を操って、人間を襲おうとするなんて、デスリングの闇って情けないんだね」
大きなため息をついたツバキ。


血のデスリングの闇:『何…!』


ツバキ:「解放してあげるよ。僕が、この世界から、お前を!」
ツバキがデッキの上に指を置く。



ギラグ:「勝負はどうなっている!」
万丈目、ギラグ、鬼柳、ミスティ、エマリー、ボマー、ナーヴ、ブリッツが到着した。

エマリー:「もう決着つきそうなの?」

一星:「あぁ、ツバキは、このターンで決めるつもりだ」
ツバキの眼差しを見て、そう思った一星。







10ターン
ツバキ
LP350

LP9900


ツバキ:「僕のターン!ドロー!!」
ツバキがデッキからドローする。


ツバキ:「マジックカード”天使の神輿”を発動!手札1枚を墓地に捨て、デッキから3枚ドローする!捨てるカードは血界の原種エッグ!!」
孫から奪い取ったカードを墓地に捨て、デッキから更に3枚ドローした。

ツバキ:「待たせたね!君の出番だ!マジックカード”黒魔導師のマント”を発動!デッキから魔法使い族モンスター1体を攻撃力を0にして特殊召喚する!現れろ!”シュヴァルツ・マジシャン”!!」
ツバキのエースモンスター。黒魔術師シュヴァルツ・マジシャンが姿を現した。


シュヴァルツ・マジシャン
LV6 攻撃力2400 → 0


結衣:「来た!ツバキのエースモンスター!」
エースモンスターが現れたことで、結衣は小さくガッツポーズをする。



ツバキ:「永続魔法”希望の目印”!更に、永続魔法”マジックアーツ・ワーミー”!を発動!」
2枚の永続魔法を発動したツバキ。

ツバキ:「シュヴァルツ・マジシャンで血界魔王獣ブラッド・カイザーに攻撃!シュヴァルツ・ウィザード!!」
杖から魔力を放ち、攻撃を仕掛ける。しかし!


孫:「血迷ったか!攻撃力はブラッド・カイザーの方が上!ダメージはお前に跳ね返り、ライフはゼロになるぞ!」
放った魔力は、ブラッド・カイザーに当たるも攻撃力負けし、シュヴァルツ・マジシャンが破壊された。

孫:「俺の勝ちだ!」


ツバキ:「まだだよ!速攻魔法”コンジュレイション・ブリーズ”を発動!自分のターンのバトルフェイズ中に魔法使い族モンスターが戦闘で破壊されたときのみ、発動できる!そのバトルによる戦闘ダメージを無効にし、破壊された魔法使い族モンスターを復活させる!!」
ツバキの場にシュヴァルツ・マジシャンが現れ、杖でブラッドカイザーの反撃を打ち消した。


シュヴァルツ・マジシャン
攻撃力2400


ツバキ:「この瞬間、永続魔法”希望の目印”の効果発動!バトルフェイズ中に発動したマジックカードを1枚を選択し、手札に加えることができる!そのリスクとして、この効果を使用したターン、自分の場にいるモンスターは相手モンスターに攻撃しなければならない!」
さっき発動したコンジュレイション・ブリーズのカードを手札に加える。

ツバキ:「更に、永続魔法”マジックアーツ・ワーミー”の効果発動!墓地からマジックカードが手札に加わったとき、自分フィールド上に存在するモンスター1体を選択して発動する。選択したモンスターの攻撃力分のダメージを相手に与える!」

孫:「何!」

ツバキ:「選択するモンスターはエクストリームコスモス・ジョーカー・0!その攻撃力は3200!!」
エクストリームコスモス・ジョーカー・0が手に持つ大剣から斬撃を放ち、孫を襲う。


孫:「ぐわっ!」



LP9900 → 6700


孫:「くそっ!我に、3000ポイント以上のダメージを与えるとは!」

ツバキ:「まだだ!さっきも言ったけど、希望の目印の効果で、僕のモンスターは、相手モンスターに攻撃しなければいけない。特殊召喚されたシュヴァルツ・マジシャンも例外じゃないよ!」
シュヴァルツ・マジシャンが攻撃体勢に入る。



そして、ほとんどの方が気付いていた。


鬼柳:「シュヴァルツ・マジシャンは自滅行為で、ブラッドカイザーに攻撃を仕掛け、そのダメージがツバキを襲う」

ミスティ:「けど、手札にあるコンジュレイション・ブリーズの効果使って、ダメージを無効にして、シュヴァルツ・マジシャンを特殊召喚」

ボマー:「更に、2枚の永続魔法の効果で発動した速攻魔法を手札に戻し、相手に効果ダメージ。希望の目印のリスクで、場にいるモンスターは必ず、相手に攻撃を仕掛けなければいけない」


舞:「でも、これって…」

レベッカ:「まさか…!」



血のデスリングの闇:『無限ループ!!』

ツバキのコンボは無限ループを再現していた。それに気づくみんな。




ツバキ:「僕を本気にさせたのが運の尽きだったね!」


孫:「小僧が調子に乗るな!」


ツバキ:「シュヴァルツ・マジシャンで血界魔王獣ブラッド・カイザーにもう一度攻撃!シュヴァルツ・ウィザード!!」
ブラッド・カイザーより、攻撃力が低いシュヴァルツ・マジシャンが攻撃しかけるは返り討ちされ破壊され、ツバキにダメージが向かう。

だが、これはすぐかき消される。さっき永続魔法で手札に加えた、あのカードがあるからだ。


ツバキ:「速攻魔法”コンジュレイション・ブリーズ”を発動!」
速攻魔法の効果で、ダメージを無効にし、シュヴァルツ・マジシャンを場に復活させた。


シュヴァルツ・マジシャン
攻撃力2400


ツバキ:「更に。永続魔法”希望の目印”の効果により。バトルフェイズ中に発動したマジックカードを1枚を選択し、手札に加える!」
今発動した、”コンジュレイション・ブリーズ”のカードを手札に加えた。

ツバキ:「更に、永続魔法”マジックアーツ・ワーミー”の効果発動!墓地からマジックカードが手札に加わったとき、自分フィールド上に存在するモンスター1体を選択し、選択したモンスターの攻撃力分のダメージを相手に与える!!」
選択したモンスター、エクストリームコスモス・ジョーカー・0!の大剣から放たれた衝撃波が孫を襲った。

孫:「ぐわっ!」



LP6700 → 3500



ツバキ:「まだまだ行くよ!シュヴァルツ・マジシャン!」
ブラッド・カイザーに攻撃を仕掛け、返り討ちに遭う。

ツバキ:「速攻魔法”コンジュレイション・ブリーズ”!」
受けるはずの戦闘ダメージを無効にし、シュヴァルツ・マジシャンを復活させる。



シュヴァルツ・マジシャン
攻撃力2400


ツバキ:「永続魔法”希望の目印”の効果!」
希望の目印の効果で、さっき発動した速攻魔法を手札に加える。

ツバキ:「更に、もう1枚の永続魔法”マジックアーツ・ワーミー”の効果発動!!」
墓地からマジックカードが手札に加わったとき、自分フィールド上に存在するモンスター1体の攻撃力分のダメージを相手に与える効果。

エクストリームコスモス・ジョーカー・0の攻撃力3200が再び襲う。


孫:「ぐわああ!」
吹き飛ばされる孫。



LP3500 → 300



ツバキ:「僕の勝利、もらったよ!」
勝利宣言をするツバキがシュヴァルツ・マジシャンに攻撃命令を与える。

ツバキ:「シュヴァルツ・マジシャンの攻撃!」


孫:「ま、待て!!」
孫が泣き言を言うかのようにツバキを止めようとするが、シュヴァルツ・マジシャンの攻撃は止まらない。

ブラッド・カイザーに当たるも、攻撃力が低いシュヴァルツ・マジシャンが破壊されてしまう。


ツバキ:「速攻魔法”コンジュレイション・ブリーズ”を発動!」
これにより、ダメージは無効化され、シュヴァルツ・マジシャン舞い戻る。


シュヴァルツ・マジシャン
攻撃力2400


ツバキ:「永続魔法”希望の目印”の効果発動!!」


血のデスリングの闇:『こんなところで我が敗れる…!』
闇が苦しむ中、ツバキは速攻魔法を手札に加える。


ツバキ:「最後の仕上げだよ!永続魔法”マジックアーツ・ワーミー”の効果発動!墓地からマジックカードが手札に加わったとき、自分フィールド上に存在するモンスター1体を選択し、選択したモンスターの攻撃力分のダメージを相手に与える!!選択するモンスターは勿論、エクストリームコスモス・ジョーカー・0!!」
エクストリームコスモス・ジョーカー・0が構える。


そして、孫に接近する。


孫:「うわああああ」
怯えるかのように叫ぶ孫。


血のデスリングの闇:『もっと血を…!血をよこせ!』


ツバキ:「お前にあげる血は、この世にないよ!安らかに眠れ!」
エクストリームコスモス・ジョーカー・0が剣を振り下げ、孫と血のデスリングの闇を斬り裂く。




LP300 → 0



血のデスリングの闇:『おのれえぇ、人間如きに敗れる我ではぁぁぁ!!』
闇が消え、風圧が周りを一気に襲った。




デュエルはツバキの勝利で完結した。








第5ED『言葉のいらない約束《sana》』






次回予告

ナレーション:ツバキが勝利し、血のデスリングの闇が消え去った。

だが、思わぬ来客が現れ、戦慄が走る。

更に、ボスを失ってなお、セルビアとフレシャス財団の残党がツバキたちを襲ってきた、そのとき、奴らがやって来る!


ツバキ:次回、遊戯王5DXAL「援軍到着!この場を収める者たち!」

ツバキ:「あ、あなたたちは!」






遊戯王5DXAL豆知識コーナー!!

ツバキ:「今回が”エクストリームコスモス・ジョーカー・0”について紹介するよ。”キングス・パラディン”、”クィーンズ・パラディン”、”ジャックス・パラディン”の3体が一つになった姿で、自分のライフが相手より少ないとき、3つある効果の内一つを選択して発動できる。必殺技はコスモ・レクイエムだよ」
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