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第82話:『決着!結衣VSゼツラ』







結衣:「ディスティグレイション。つまり、自壊。受けなさい!」
バリアから生成された狼たちが一斉にゼツラに襲いかかる。


最初に襲いかかってきた狼をブレード・アギャーランを斬り倒すが、すぐさま背後から別の狼が腕にかみつき、更に別の方から連続で狼たちが襲いかかってきた。



ゼツラ:「ぐっ!」
咬まれた腕から血が出る。


結衣:「少し残酷な攻撃かもしれないけど、私もまだ死にたくないからね。早いとこ終わらせるよ!」
更に狼をバリアから生成し、ゼツラを襲う。


20匹を越えた狼に襲われるゼツラの姿は見えなかった。



ゼツラ:「なめるなよ!武藤結衣!お前如きが俺に敵うと思うな!」
ブレード・アギャーランが赤く輝く。


ゼツラ:「セカンドステージ!!」
そう言い放った瞬間、眩しい輝きと共にゼツラを襲っている狼たちと周りを包みこんでいたバリアが大きな爆発と共に消え去った。








第5OP『D-tecnoLife《UVERworld》』








第82話:『決着!結衣VSゼツラ』






ゼツラの周りに白煙が立ち上る。



結衣:「セ、セカンドステージ…」
爆発前にゼツラが大きな声で叫んだ言葉だ。



白煙が晴れていき、ゼツラの姿が見える。


ゼツラの右手には、さっきまでとは違う武器を持っていた。

普通サイズの剣ではなく、大剣サイズとなった剣を持っていた。その模様は、さっきまで持っていたブレード・アギャーランに似ていた。



身体中に傷を負ったゼツラの怖い目が結衣を睨みつける。

ゾッとする結衣だったが、「ついに、本気モードね」と笑って、自分が今体感している怖さを紛らわせる。


ゼツラ:「フッ、怖いのか?」


結衣:「だ、誰が…!」
結衣が慌てて誤魔化した。

しかし、その間の一瞬で、ゼツラは結衣に近づき、セカンドステージしているブレード・アギャーランを振り上げる。


ゼツラ:「フッ」
笑うゼツラは、振り上げた大剣を思いっきり振り下ろした。


結衣はオプスキュリテ・ステッキを構えるが、自分の頭の中に過った思考が危機を感じた。



結衣:『これを直で受けるのはやばいわ!』
結衣は瞬時に、方角が決まっていないところに飛びつき、ゼツラが振り下ろした大剣を躱す。


セカンドステージ状態のブレード・アギャーランが床に突き刺さった瞬間、そこから地割れが発生し、瓦礫の壁が砕け散った。









その頃、杏子たちは、大きな爆発音と揺れた床に驚いていた。


獏良:「今の大きな音は何…!?」


ヨハン:「今の揺れ、崩壊したビルの影響によるものじゃないな」

藤原:「音からして、そんなに遠くじゃないね」

獏良:「行ってみよう。誰かが戦っているかもしれない」
音がした方に向かう4人。


杏子:『結衣、もしかして、あなたじゃないわよね』
嫌な予感を感じ取ってしまった杏子。


ツバキも心配だが、ツバキは哲平といるという連絡を受けているから問題ないと思っているが、結衣は海馬たちとはぐれたことで一人でいるはず。

手遅れになる前に早く見つけないとと杏子は心の中で何度もつぶやく。







ゼツラの攻撃の影響で地割れが発生し、瓦礫の壁も粉砕した。



それに驚く結衣。


さっきまでとはパワーがケタ違いだ。


結衣:「なんてパワーなの…!」


ゼツラ:「セカンドステージとなったデュエルギアは、所持者が持つデュエルエナジーで、形の変化に差が出る。剣が大剣になったほどのセカンドステージは、つまりそういうことだ」
つまりそういうこと。その言葉は、自分のデュエルエナジーは高いということを意味していた。


力の差を見せつけられ、少し手が震える。

だが、結衣は首をぶんぶん横に振った。


結衣:『大丈夫。私だって、成長しているんだから』
真剣な目で前を見る。



ゼツラ:「まだ、そんな目をするか。よほど痛い目に遭いたいようだな。なら、お望みどおりにしてやる!」
一直線に走るゼツラ。


結衣は心の中で「来る!」と恐怖心の中、呟いた。





ゼツラ:「受け止められるか!この剣が!」
セカンドステージしたブレード・アギャーランを思いっきり振り下ろし、結衣に襲いかかる。


結衣:「!!」
振り下ろした衝撃によるものなのか、一瞬吹いた風が結衣を驚かせる。



結衣:「逃げられないのよ!私も!」
結衣は、オプスキュリテ・ステッキで、セカンドステージしたブレード・アギャーランを受け止めた。


結衣:「ぐっ!」
結衣の足元に地割れができた。


結衣の足も衝撃で少しだけめり込めれている。


ゼツラ:「本当に気が強い女だな。だが、気合だけで俺に勝てはしない!」
一度後ろに下がったゼツラ。


セカンドステージしたブレード・アギャーランを構える。


ゼツラ:「絶望の暴風を受けるがいい!」
セカンドステージしたブレード・アギャーランの刀身が緑色に光り、それを振り下ろした。


ゼツラ:「タイラント・シュトゥルム!!!」
風の斬撃を飛ばしたゼツラ。


宙を飛ぶ斬撃が、空中で分散する。

更に形を鳥の姿に変えた。

その状態で、結衣に襲いかかる。



結衣:「フレキ・ムーロ!!」
黒いオーラでできた狼の顔が現れ、結衣を守る防壁となる。



鳥の姿をした斬撃が、結衣が出したバリアに特攻する。


バリアの方が強いのか、ゼツラが出した斬撃は次々と消えて行く。


しかし、バリアも徐々に弱っていることをゼツラは見逃していなかった。



ゼツラ:「バリアも無限ではないということだな」
セカンドステージしたブレード・アギャーランを再び振り下ろし、同じ斬撃を飛ばす。


だが、さっきまでと違うのは、宙で分散した鳥の姿をした斬撃の大きさだ。

さっきよりも確実に大きくなっている。



その斬撃が次々と結衣の周りを覆うバリアに攻撃をし、バリアにヒビが入る。


結衣:「!!」



ゼツラ:「そのバリア、打ち破ったぞ!」
そう言い放った瞬間、鳥の姿をした斬撃が、結衣を守るバリアを打ち破った。


残った斬撃が結衣に襲いかかる。



結衣:「きゃあああ!」
結衣は斬撃によって吹き飛ばされた。



結衣:「あ…」
身体中の痛みが結衣を襲い、床に両膝が付いた。


絶望を味わう結衣。



ゼツラは「終わったな」と一言言い放った。


結衣:「私じゃ勝てない…」
結衣はボソッと呟いた。




自分の力じゃ勝てない。この男には。


また負ける。ツバキも、この男に手も足も出なかった。姉弟揃って、同じ人に敗北する…。



これじゃあ、パパに顔向けできない。




現在、行方が掴めていない実の父親、キング・オブ・デュエリストの武藤遊戯。

再会することを望んでいるが、このままじゃ恥ずかしくして顔を合わせられない。


姉弟揃って、同じ過ちを繰り返すなんて、キングの座を持つ父の顔に泥を塗ることになる。




結衣:「ママ…」
ボソッと呟く結衣。




杏子:『結衣?』
母の言葉を思い出す結衣。




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杏子:「パパがどうしてキング・オブ・デュエリストになったかわかる?」


結衣:「ん~、やっぱり強いデッキを持っていたから?それにタクティクスとか?」

杏子:「そうね。どれも当てはまるけど、どれも不正解よ」
両手の人差し指で×印を作りながら言う。

結衣が「え~、じゃあ、何が正解なの?」と、杏子に求める。



杏子:「それはね。仲間よ」


結衣:「仲間?」

杏子:「そ、私や城之内、本田や海馬君。パパには沢山の仲間がいたわ。そして、その仲間の存在が、遊戯に力を与えていたのよ」


結衣:「でも、応援しているだけじゃ、力なんて与えられないよ。だったら、パパ一人の力だよ」

杏子:「そうね。でも、人間って言うのは不思議な生き物よ。仲間の言葉を聞いただけで、頑張れることだってある。スポーツとかでも見たことあるでしょ?」
杏子の問いに結衣は「うん」と頷いた。


杏子:「結婚してからかしら?パパ、私にこう言ったのよ。皆の声でも、杏子だけの言葉だけは特別だったってね」
少しだけ顔を赤く染める。

杏子:「もう一人の自分もそうだったんじゃないかってね」

結衣:「もう一人の自分?それって、確か…」


杏子:「はい、話しはここまで。夕飯の支度しないとね」
杏子がソファーから立ち上がる。


杏子:「いい結衣?」
杏子が結衣の頭を撫でる。


杏子:「仲間、沢山作りなさい。そしたら、きっとあなたのためにもなるから」




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次元振動が起きる前。自分が小学生ぐらいのときに聞いた話だ。


あの時、ママは私に何を伝えたかったのか分からなかった。



けど、今ならわかる。




仲間たちの顔を思い出すだけで、負けられないという思いが溢れてくる。


オプスキュリテ・ステッキが輝く。



ゼツラ:「この輝き…まさか…!」



結衣:「セカンドステージ!」
そう叫ぶ結衣は光に包まれる。


短い杖だったオプスキュリテ・ステッキが長い杖になる。

更に、青い鍔の広いとんがり帽子いわゆる魔女帽子とも呼ばれる物を頭に被る。




結衣は立ち上がった。



ゼツラ:「何だ…!そのセカンドステージは…!」
結衣のセカンドステージを見て驚くゼツラ。



結衣:「これが私のセカンドステージ。まだ未完成だったから、出さなかったけど、ようやくまともな形になったわ」
魔女帽子を触りながら結衣は自分のセカンドステージを少しだけ見せびらかす。





ゼツラ:「デュエルエナジーの差で、セカンドステージの変化は大きく変わる、変わり過ぎるセカンドステージは上級クラスとも言われているが…」


結衣:「行くよ!ゼツラ!」
結衣は帽子を取り、被るところから黒い魔力の塊を二つ出した。


続いて、セカンドステージしたオプスキュリテ・ステッキを軽く振り回す。



結衣:「ハンドレッド・マジック!!」
帽子から出した魔力の塊が、ゼツラの周りを飛びまわる。



ゼツラ:「何だ…!」
ゼツラはセカンドステージしたブレード・アギャーランを振り回すが、周りを飛びまわる魔力の塊に当たることはなかった。



そして、頭上で二つの魔力が一つになり、一つとなった魔力から、無数の黒いビームのようなものがゼツラを襲った。


ゼツラ:「ぐぅぅ、セカンドステージしたことで技もパワーアップしたということか…!」
見かけだけ変わったのではないのかと心の中で呟く。


上から降り注ぐ黒いビームを喰らうゼツラ。

身体中に傷が付く。

だが、その状態でもすぐにそこから離れ、体勢を立て直す。




ゼツラ:「調子に乗るなよ。お前如き、この技で吹き飛ばしてくれる!」
セカンドステージしたブレード・アギャーランを両手で持ち、大剣の刃がキラッと光る。


更にゼツラの両手が水色に輝く。


ゼツラ:「ハイドロ・イーグルゾーン!!」
両手で持った大剣を振り下ろし、刀身から大量の水流が出てきた。


結衣:『水の攻撃って、今まで出していなかったはず…!』

ゼツラ:「属性波動をうまく使いこなせば、こんなことだってできるんだよ!」
そう言って、刀身から出てきた水流が巨大な鷲の姿となって、結衣に襲いかかる。



結衣:「私だって負けてられない!!」
結衣の足元に魔法陣が展開された。


セカンドステージしたオプスキュリテ・ステッキを構えると杖先にも魔法陣が展開される。


足元に出ている魔法陣が結衣の身体を包み込む。


杖先に魔力が溜められる。


結衣:「ヴァナルガンド・ヘクセレイ!!!」
体を包む魔力と共に、杖先から特大の魔力を放出し、ゼツラの攻撃とぶつかる。



お互いの攻撃は爆発を起こし、爆風が結衣をゼツラを周りを襲う。








辺りは、瓦礫の山と、砂ぼこりが立つだけだった。





結衣:「はぁはぁ」
結衣は地べたに座っていた。



そして、ゼツラは…。


ゼツラ:「……」
うつぶせに倒れていた。




結衣:「あなたの負けよ…。ゼツラ」
結衣が…、結衣が勝ったのだ。あのゼツラに。御伽達を苦しめたあの男に…!



結衣:「はぁはぁ」
胸を押さえる結衣。


結衣:「少し張り切り過ぎたかな。でも、こうしているわけには…」
結衣は立ち上がり、この場を後にしようとする。


が、それはつまりゼツラに背を向けるということだった。


後ろでゆっくりと体を起こすゼツラ。


いきなり走り出す。目標は結衣だ。


結衣:「!!」
結衣の右肩を掴み、壁に叩き込む。


結衣:「きゃ!あなた、まだ!」


ゼツラ:「フッ、俺を倒したと思い込んだのが、勝利を分けたな。この勝負、俺の勝ちだ」
ゼツラはブレード・アギャーランを左手に持つ。


結衣はもがくがゼツラの力が強すぎるのか、全然動かなかった。



ゼツラ:「死ね」
ブレード・アギャーランの刃が結衣に迫る。


恐怖のあまり、結衣は目を閉じてしまう。







ブレード・アギャーランの刃が間近まで迫った時だった。



別方向から魔力のようなものが飛んできて、ゼツラにヒットした。



ゼツラ:「ぐわっ!」
ゼツラは吹き飛ばされた。



結衣はゼツラが吹き飛ばされた方を見るが、すぐに逆の方を見た。



???:「私の愛娘に、何してくれてるのよ」
怖い目でゼツラを睨む女性。



結衣:「マ、ママ…!?」
結衣の母親、杏子がロッドタイプのデュエルギアを持って立っていた。




ゼツラ:「また女か」
杏子を睨み返すゼツラ。


ヨハン:「女だけじゃないぜ」
杏子の背後からヨハンと藤原が顔を出す。

更に獏良が現れ、結衣の方に駆け寄った。


獏良:「大丈夫かい?結衣ちゃん」


結衣:「はい、少し疲れただけです」
その言葉を聞いた獏良は一安心した。


獏良:「それより、あの人は…?」


結衣:「御伽さんたちに酷いことしたゼツラ・ジ・クリスです」
目の前にいる男のことを、みんなに教える。


杏子:「この人が、ゼツラ」


ゼツラ:「お前のような女を相手にする時間はない。すぐ殺してやる!」
ブレード・アギャーランを斜めに振った。


杏子:「私、愛娘を傷つけられて、すごく怒っているの。悪いけど、手加減なしで行くわよ」
杏子の背後に、女性の魔法使いが現れた。


杏子のエースモンスターであり、ブラック・マジシャン・ガールの弟子にもあたる、”ブラック・マジシャン・メイデン”が、杏子の背後に現れる。


ブラック・マジシャン・メイデン:『いくのね。杏子?』


杏子:「当然よ」
杏子がそう言うと、ブラック・マジシャン・メイデンが消え、杏子が持つロッドタイプのデュエルギア”ソーサリー・ロッド”に力を与える。



ゼツラ:「手加減なしと言えるのは、強い奴が言える言葉だ!」
ゼツラが、ブレード・アギャーランを持って杏子に向かって走る。



杏子:「海馬君が言っていたわね。そう言う言葉を言う人ほど弱いって!」
ソーサリー・ロッドを構える。



杏子:「ブラックホール!」
ソーサリー・ロッドを前で振り回し、魔法陣を展開する。

更に、その魔法陣がブラックホールとなって、ゼツラを吸い込もうとする。


ゼツラ:「ただのブラックホールでは俺を倒すことなど!」

杏子:「誰がただのブラックホールですって?」
笑ってゼツラに語り掛ける。

杏子:「これは、この後行うための下準備よ」
ブラックホールの内部に魔力が溜められる。


杏子:「女を怒らせると怖いってこと教えて上げるわ!スパイラル・ビッグバン!!」
ブラックホールの内部に溜められた魔力を一気に放出し、ゼツラを襲う。



ゼツラ:「ぐわあああ!」
吹き飛ばされるゼツラ。









その頃…。



ジムVSマーガレット


2人は激しい戦闘を繰り返していた。


タイマンということで、ジャマしないように2人の戦いを見る本田。



マーガレット:「!!」
何かを感じ取ったのか上を見上げるマーガレット。


ジム:「どうした?よそ見している場合か?」
ジムがそう聞くとマーガレットは手に持っていた武器を、その辺に投げて近くにあった椅子に座り込んだ。

しかも、ジムに背を向けてだ。



マーガレット:「俺の負けだ」

ジム:「何…!?」

本田:「あいつ、どういうつもりだ?」

マーガレット:「フッ、ゼツラ。まさか、お前が負けるとはな」
マーガレットが目を閉じた。








杏子の攻撃を喰らったゼツラは、床に倒れていた。



結衣:『パパ、私たち勝ったよ』
遠いところで、生きている父に、勝利を報告した。









第5ED『言葉のいらない約束《sana》』








次回予告

ナレーション:デスリングの力により、仲間殺しを開始した孫。

そこに、ツバキと哲平が到着した。

血のデスリングの邪悪な力によって、変貌を遂げた孫が二人に牙を向いたとき、更なる戦いの嵐が吹き荒れる!


哲平:次回、遊戯王5DXAL「破壊せよ!血のデスリング」


哲平:「これ以上は、手が付けられなくなる!そうなる前に!」





遊戯王5DXAL豆知識コーナー!!



結衣:「セカンドステージによって進化した”オプスキュリテ・ステッキ”は短い杖から長いタイプの杖に変化を遂げるわ。更に、魔女帽子から魔力を出すことで強力な攻撃を繰り出せるわ」
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